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2009年7月27日

大麻報道:勉強不足のNHK

7月16日、NHKニュース9は次のように報道した。

「カリフォルニア州は、景気悪化による税収の落ち込みから財政赤字が深刻になり、シュワルツェネッガー知事は財政上の非常事態を宣言しています。こうしたなか、州の税務当局は、15日、大麻の売買を州法で認めることにすれば、特別税や売上税などで13億8200万ドル、日本円で1300億円規模の増収につながるという試算結果をまとめました。この試算は、一部の議員が提出した大麻の売買を解禁するよう求めた法案の審議に向けて行われ、審議はこの秋から本格化する予定です。大麻について、アメリカの連邦法は、医療用などの目的を除いて、所持することも使用することも原則として禁止しています。その一方で、厳格な取り締まりは行われてこなかったのが実情で、ことし2月には、北京オリンピックで金メダル8個を獲得したアメリカ競泳のフェルプス選手が、大麻の吸引を認めたことが問題となるなど、若者を中心に大麻の使用が広がっているとみられています。法案が実際に成立するかどうかは、各方面から反対が予想されるうえ、連邦法との整合性の問題が残されており、まったくの白紙の状態ですが、財政難のあまり、大麻にまで収入源を見いだそうとする姿勢は激しい論議を呼びそうです。」(引用以上)

NHKの「財政難のあまり、大麻にまで収入源を見いだそうとする姿勢は激しい論議を呼びそうです」という表現には、これまで何度も繰り返されてきた「大麻=悪」という一方的な決めつけがある。

実際は、カリフォルニア州の大麻に関する政策は、すでに10年以上前から実施されてきており、大麻に関する特別法も成立している。

特に「所持については、カリフォルニア州保健安全法第11357条で微罪とみなされ、1オンス(28.5グラム)以内の大麻所持は100ドル以下の罰金。また、個人使用目的での栽培は、販売の意志がないと証明できる場合に限り刑法1000条により刑の免除も可。医療用大麻については、医師の推薦や許可が得られれば、保健・安全法第11362条の5(第215提案)により、合法的に大麻を所持および栽培できる」とされている。

カリフォルニア州ではこれらの法を10年近く実際に運用し、特に大きな社会的混乱が生じなかったことを背景に、それまでややあいまいな部分が残る栽培と販売について合法化し課税することが、現実的な案として浮上してきたのである。
(http://www.jiji.com/jc/zc?k=200902/2009022600277)
アミアーノ議員の提案書(PDF)

ゾグビー世論調査でも、大麻を合法化し、課税することに賛成するアメリカ国民は52%で、初めて過半数を超え、特に西部では60%に達した。(09年5月)

大麻合法化は、アメリカのアミアーノ議員以外にも、南米の3人の元大統領が訴えている。セサル・ガビリア元コロンビア大統領は声明の中で、現在のアメリカの政策が破綻していることについては広くコンセンサスが一致しているものの、意味のある議論はまだ何も行われていないと指摘している。(09年2月)
(http://www.cannabis-studyhouse.com/82_news/2009_1/090224_california_pot_legalization_bill/california_pot_legalization_bill.html)
(http://www.rawstory.com/news/2008/Latin_American_exleaders_urge_legalization_of_0212.html)

これらの主張は「大麻合法化による税収増」という観点というより、アメリカの薬物政策への批判から行われたものである。

オバマ新大統領は就任直後、「医療大麻については、連邦政府が医療大麻施設を強制捜査しない」ことを明らかにしており、大麻に関する連邦政府の対応は流動的である。
(http://www.cannabis-studyhouse.com/82_news/2009_1/090226_ag_declares_ending_mmj_raids/ag_declares_ending_mmj_raids.html)

カリフォルニア州が財政難にあるのは事実。また大麻合法化が税収をアップするのも事実。しかし、大麻の合法化は、タバコやアルコール課税と同様の合理的提案なのであって、財政難のあまり、「なりふり構わず、悪の根源大麻」にまで収入源を見いだそうとする姿勢、というNHKの報道は、カリフォルニア州のこれまでの大麻政策についての裏付け取材がなされておらず、一方的な価値観を押し付けるものであると言わざるをえない。

マスコミは厚労省や警察の一方的報告を垂れ流すのではなく、海外の実情をしっかりと調査して報道すべきではないだろうか。

Profile

麻枝光一(まえだ・こういち)

-----<経歴>-----

1950年大阪生まれ。
1975年大阪外国語大学(現大阪大学)朝鮮語学科卒業高校教員、海外派遣員などを経て、1991年イラク・クルド問題の取材を始める。NHKなどでニュース解説や雑誌に記事。その後、放送大学非常勤講師(3年)。
1994年大阪にて大麻雑貨「大麻堂」開店。
1996年東京「大麻堂」開店。
1998年大麻料理専門店「レストラン麻」開店。
1999年市民団体「医療大麻を考える会」設立。
2003年作家中島らもの大麻事件に関連し幇助罪で懲役8ヶ月。「医療大麻を禁止する大麻取締法は違憲」であると主張して最高裁まで争う。
2005年大麻食品の販売を始める。
2008年大麻オイルの化粧品会社シャンブル設立。
2009年政治団体「大麻平和党」準備中、医療大麻合法化運動を再開。

BookMarks

麻枝光一的日常
http://taimadobrog.livedoor.biz/

医療大麻裁判
http://www.iryotaimasaiban.org/

大麻堂
http://www.taimado.com/

大麻料理専門「レストラン麻」
http://www.asanomi.jp/

「ヘンプキッチン」大麻食品通販
http://www.hempkitchen.jp/

ヘンプオイル・アロマ化粧品「シャンブル」
http://www.chanvre.jp/

-----<著書>-----


『マリファナ青春旅行〈上)』
1997年11月、幻冬舎


『マリファナ青春旅行〈下〉』
1997年11月、幻冬舎

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