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« 「人間だからこそ、マーケットが面白い」後編
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"夢を与え続ける赤いマシン"

F1レースから公道へ

大人や子供たちさえ魅了するフェラーリの車

その魅力をフェラーリ・アジアパシフィック兼フェラーリ・ジャパンCEOに聞きました


Marco MATTIACCI : M

Fabrizio LAVEZZARI : L

 

L 始めにマルコさんの生まれ故郷はどこですか?

M 私はイタリア・ローマで生まれました。ですが何世代にも渡ってのローマっ子というわけではなく、先祖はギリシャの出身と聞いています。

19歳までローマにいて、それから留学や仕事の関係でイギリスやアメリカに行きました。

L では、あなたにとってローマの恋しい物や場所は何でしょうか?

M そうですね。それは友人です。今、2ヶ月に1度ほど帰国しますが、その時には会うようにしています。

あとはローマ近郊のビーチですね。ローマは、ユニークで素晴らしい街です。

 

L マルコさんは国際経験が豊かですが、世界に出ようと思ったきっかけは何ですか?

M 私は子供の頃から好奇心がとても旺盛で、世界中をよく知りたかったんです。イギリス、アイルランド、アメリカなど、新しい国や新しい人たちを知りたくて、世界を飛び回る仕事に就きたかったのです。

L なるほど。では世界を飛び回る仕事の中でも、自動車業界に入ったのはどうしてですか?

M 昔から、そして今も自動車がとても好きなのですが、最初はジャガーで海外プロジェクトに2年間就く機会がありました。そしてイタリアへ戻り、その時、"Ferrari"という世界に興味を持っている人は、いったいどんな人たちなのだろうか、という興味もあり、もちろん他にも、"Ferrari"の技術や文化などにふれるきっかけがありました。そして今ここにいます。

現在、未曾有の経済危機と言われている中、自動車業界も他の産業と同じく大変な状況ですが、いろいろな産業の中にあって、技術的にも最も複雑な業界と言えると思います。

自動車というものは、非常に内容が細かいものです。たとえば革のシートひとつをとっても、職人芸が溢れていますし、優秀なエンジニア達によるギアボックスやエアロダイナミクスの開発も徹底されています。またピニンファリーナのデザインなどそのデザイン性は高く、"Ferrari"はイタリア文化や産業の最大の表現であり、とてもユニークなものだと思います。

そして、たとえばブレーキというひとつのパーツをみても、ブレンボなどイタリアの魅力溢れる優秀な中小企業が商品開発に参加しています。また今の社長は非常にビジョンに溢れた魅力的な人物です。したがってこの会社にいることは、大変刺激が多く、楽しいことですね。



Marco Mattiacci.jpg




L 世界を飛び回ってきたのですよね。たとえばどのような国へ行っていましたか?

M そうですね。アメリカに5年半、南米のブラジル・サンパウロやブエノスアイレス、ドバイでは中近東のビジネスの立ち上げをしました。そしてロシアでも同じようにビジネスを立ち上げました。その後、アジアへ来ました。

L その国々のマーケットの違いは何でしょうか?

M 日本はもっとも大きなチャレンジでした。まずチームをつくることから始めましたが、人材を集めること、技術やスキルだけではなく、"Ferrari"というブランドに対しての情熱の有無も大切な要素でした。また日本のお客様はとても洗練されていて、おそらく世界に類を見ないほど、我々の商品を一番熟知しているでしょう。

マニュアル、ハンドブックをよく読まれていますし、歴史もよく知っていらっしゃる。また、いろいろなガジェットもコレクトされていますし、様々な情報を持ってらっしゃいます。したがって日本のお客様との情報交換のレベルは極めて高くなります。それはお客様の期待感が非常に高く、詳細に至るまで大変難しいお客様とも言えます。プラスαのものを求められるのです。

L たとえば、イタリアのお客様と比べると、その違いは何でしょうか?

M それは興味深い質問ですね。

イタリアのお客様にとって"Ferrari"はイタリアのサッカーチームの代表と同じような存在です。国民がひとつになって応援している、というような。

日本において"Ferrari"は日本の会社ではないけれど、お客様はそれに近い情熱をもっていると感じます。日本には1万人ほどのお客様がいらっしゃいますが、その中には世界一のコレクターの方もいらっしゃいます。そういうことからみても、とても熱心なお客様です。

たとえばF1レースの時、富士スピードウェイや鈴鹿などで、みなさん赤いキャップや"Ferrari"の旗を持って応援してくれます。そいういったことを見ているだけでもイタリアと共通点があると思いますね。
そして繰り返しになりますが、日本のお客様は本当に商品知識が豊富です。

 

L ちょっと変わった質問になると思いますが、"Ferrari"といえば「赤」というイメージがありますよね。実際にはどのくらいの割合で「赤」が出ていますか?

M そうですね。大体5割くらいです。今は色々なカラーがあり、レンジが広くなっています。日本では他に白が好まれていますね。

我々のセールス・ポイントはテーラーメードということです。お客様は車体の色だけでなく、内装からいろいろなオーダーが出せます。ですから日本へ輸入されるものは、個々のニーズに対応しており、その幅は広く特注なので同じ車はありません。

L 最近、"カリフォルニア"という新型が出ましたね。

M ええ、"カリフォルニア"は我々にとってはとても重要な意味を持つ車です。もちろん全ての車が重要といえますが。"カリフォルニア"は歴史上、おそらく最も重要な車で、ハードトップであること、デュアルクラッチ、7速など、極めて技術の高い車であり、非常に革新的な運転ができる車です。それはレース向きではなくスポーツ運転ができるということ、したがってこれまでとは違うお客様にも運転していただけるのです。昔、GT車を出したことがありますが、その伝統を受け継いでいる車です。この新型車をご購入いただいているお客様の75%は、今まで"Ferrari"に乗ったことがなく、また女性のお客様も多くなっています。

ですから、この新型車はまったく新しいお客様を開拓出来る商品ということになりますね。

日本でも発売されてから、ショールーム以外でプライベートなイベントをいくつか開催していますが、とても好調な出足になっています。こういった世の中の景気状況の中でも、おかげさまで、とても長いウェイティング・リストになっています。

またこの"カリフォルニア"はフェラーリ・ジャパンとして日本へ持ってきた新車1号です。

"カリフォルニア"という名前も革新的でしょう。1960年代後半"カリフォルニア"という型がありましたが、これを蘇らせたということになります。

L 日本のお客様ですが、その運転はどうでしょう?

M そうですね、東京と上海、あるいは他のアジアの国々と比べて、運転についても、やはりとても詳しく、なおかつ上手ですね。

最近は、我々の商品をより良く理解してもらうために、フェラーリ・ドライビング・スクールをローンチしていますが、この3ヶ月くらいはすべて予約で埋まっています。2日間のプログラムで130万円くらいのコースですが、日本では年に3回、1回につき21人の定員で、イタリアからF1のドライバーを呼び寄せ、箱根のホテルに宿泊します。もちろんフェラーリ・ジャパンから車を出しますし、ユニフォームやグローブなどもすべて提供しています。とてもエクスクルーシブなイベントになっていて、たとえばお客様がお誕生日で友達を集めて貸し切りにする、というようなことも可能です。




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L 今、F1の話がでましたので、最後の質問として、"Ferrari"にとってF1とは何でしょう?

M それは大変重要なこと。

常に勝利を求め続けるものであり、技術革新を追求しながら競争をするということ。これが"Ferrari"の本質ではないでしょうか。

レースに出ている車から公道で走る車へ、如何に技術を移転するかを追求し続けるのです。ですから、F1はひとつの工房であり、実験台でもあるのです。

最終的には"Ferrari"とは私達にひとつの夢を売るのだと思っています。F1もひとつの夢を売っている。ここに繋がりがあります。「F1に出てみたい」という夢を、"Ferrari"の運転席に乗り込みキーを回した瞬間に味わってもらう、技術とアドレナリンを融合させその実感を味わってもらう、これが我々の、夢を売る、ということだと思います。

また、F1は広告となります。F1以外、我々は宣伝・広告はしていません。そしてF1観戦を通じて若者たちが"Ferrari"に接することが出来ます。その結果、若いお客様も増えています。F1がお客様を育ててくれるのです。

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ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

昔、黒いランボルギーニ・カウンタックLP400を所有してた。その後、デトマソ・パンテーラ、アルピーヌ・ルノー、フェラーリでは真紅の308GTSを持っていた。
スポーツカーに限らずあの頃の車は、デザインにしても個性的でどれも魅力的だった。
丹精込めて人が造り上げた感覚が、所有する喜びと操る楽しみと共に伝わってきた。
工業製品全般に云えたのかもしれない。(ちなみに上であげた車は、勿論ミニカーである。)

自動車の免許はなくとも、ガソリンエンジンとは何かを新たなエンジン制御用パワー半導体開発のため(ナショプロの提案)調査しました。

この提案に至ったのは、小学生のころ、雑誌の付録のアメ車の流線型に心をときめかした思いが、40数年後の今も脈々と流れているからでした。

近未来に心を馳せれば、車はボタンを押せば目的地まで、車内で酒盛りしていても安全に運んでくれるでしょう。

その実現は、大きくは次世代パワー半導体(炭化けい素・SiC)と高周波半導体(GaN)の実用化によるでしょう。

では、その世界でF1は?フェラーリの進化した姿は?

生ある内にわが目で見れるだろうか?

車の進化は、技術の進化、否、人類の進化そのもの、人の感性もかなり進化しているでしょう。

昨年ホンダがF1を撤退、そしてトヨタが今期限りで撤退、さらにブリヂストンも撤退する。F1を支えてきた日本のメーカーが相次いで撤退する中、F1開催国(サーキット)は増えています。10年程前までアジアでの開催国は日本だけだったのが、今年の開催地を見てみると中国、シンガポール、マレーシア、来年は韓国も予定されているようです。また中東のバーレーンやアブダビも新しいところです。日本メーカーの撤退と入れ替わるように参入してくる開催国を見ていると、世界経済の縮図を見ているような気もします。そこで、フェラーリですが、先程朝日のweb版をみていたら11/6付けの記事に、来年アブダビに世界初のフェラーリのテーマパークがオープンすると出ていました。ヨーロッパの歴史あるブランドが身売りをせざるを得ないという例を聞いたことがありますが、フェラーリもそうならないことを祈ります。

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Profile

Fabrizio Lavezzari(ファブリツィオ・ラベッツァリ)

-----<経歴>-----

1965年ミラノ生まれ。
日本の金融および小売市場に独特な経験を持つ。
ジョルジオ・アルマーニ・ジャパン副社長、プレシディオ・ジャパン代表取締役、ジョルジオ・アルマーニ・オーストラリア取締役を経て、現在、経営コンサルタントとして活動をしている。
以前は欧州最大の国債ブローカーのMTS日本支社長を務めてからUBSウエルス・マネジメント・イタリア信託銀行のCOOを勤める。又、野村證券、ABNアムロ証券およびUBS証券にて国際金融市場における豊富な経験を持つ。
南山大学経営学部経営学科卒。イタリア語、英語、日本語は堪能。

BookMarks

-----<著書>-----


『イタリア 男の流儀(しきたり)』
2007年9月、阪急コミュニケーションズ

→ブック・こもんず←

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