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「人間だからこそ、マーケットが面白い」後編

K : Jesper Koll
L : Fabrizio Lavezzari

L あなたがいうように、確かにいつでも勝ち組と負け組はありますね。
今回の経済危機では、ほとんど負け組になってしまったのではないですか?
K そうですね。
今回の危機で世界経済が無くした貯蓄は大体GDPの1年分と言われています。
日本のバブル崩壊後10年では3年分のGDPが消えました。
L というと、GDPの比較で言うと、時価総額の減少分は今回の危機の方が少ないですか?
K そうですね、時価総額で言うのは、微妙なところですね。それは、株式市場の時価総額が下がったとしても債券相場は上がっているのですから。
しかし往々にして今回の危機ではほとんどみんな、お金をなくしていますね。今は失業者も増え、金融から実勢経済に波及しましたね。こういうときは、残った勝ち組が経済の回復を牽引していきます。でもまぁ、必ず、経済は回復するよね。世界はまだ動いている、人間はすばらしい想像力を持っているからね。人間は楽しむものなんだ、でなくては退屈してしまうだろう。先日始まった高速道路の休日料金の値下げの効果もすごいですね。交通量が増えているよね。ロマンチックなドライブに行く人たちも増えたんです(笑)。これもみんな、結果的にはサイクルの一期にすぎないですよね。

yes-b.JPG

L 個人投資家が金融商品に対して不信感を抱いたとは思いますか?
K いいえ、そんなことはないと思います。
L どん欲、という欲はなくなったと思いますが、そのかわり恐怖感が出てきたとは思いませんか?
K いや、そんなことはないと思いますね、稼いでいる人もいますから。
過去の不況は地域が割と限られていました、たとえば、アジアだけとかというように。しかし今回の経済危機は大体どこのマーケットも影響を受けています。これは逆にいえば、繁栄に向けての新しい出発点になると思います。
L たとえば、投資家の評価基準というか、会社分析、投資先分析に対する考え方は違っていきますか?
K 日本の不動産、ITバブルの崩壊後と同じで慎重になるでしょう。だれでも同じ過ちは繰り返したくないものです。ただし、投資機会を見つければ、それを捕まえにいくでしょう。今回はあなたが言ったように恐怖感が大きなってます。この恐怖感は逆にすばらしい投資機会に繋がっています。したがって、過去とは違い、日本のマーケットは更におもしろくなっていくと思います。
様々な会社の今年前半の株価を見ていく、マーケットの価値判断では2〜3週間から数ヶ月で倒産するだろうとみていましたが、これは現実的なものではないですね。私たちは日本に長く居すぎたのかも知れないが、大手電機メーカーとか、昔から日本を代表するような会社がなくなるとは思えないです。

L 不動産バブルの話ですが、アメリカも日本の二の舞になると予想していましたか?
K そうですね。人間は常に比較したがるものですが、日本とアメリカの場合、共通点より相違点のほうが多いので、比較はできません。
日本は債権国でありアメリカは債務国、日本は輸出国でありアメリカは輸入国、さらに移民などの多さなどもありますから。

L それでは今回の危機へのアメリカの対応ですが、日本と比べて迅速だったと思いますか?
K そうですね。アメリカが特に速かったとは思えないですね。
GMを崩壊させた本人に対して、その進退には長い時間がかかりました。日本の会社の場合、責任を取ることは速いですね。かなり厳しい処分を受けています。アメリカは、バブル崩壊後の日銀と比べ、かなり低金利に踏み込んだとこは事実です。日本、アメリカとも民主主義国で、日本でも先日の補正予算の国会通過には3、4ヶ月も掛かりました。ねじれ国会ということも影響したかもしれませんが、これも民主主義だから、ある意味、やむを得ません。だからといってこの民主主義がイヤだというのでもありません。
ポールクルーグマン教授は90年代、日本へ様々なアドバイスをしていましたが、今はまるで違います。第三者からみると、ああしろ、こうしろ、ということはとても簡単です。しかし、会社の経営者はやるべきことはちゃんと知っています。ただし、会社を動かしたり、中で仕事をしているのは人間ですからね。

L これから、証券会社、投資銀行などの役割は変わりますか?
K ある程度は変わるでしょう。証券会社のインフラが重要になってくるでしょう。フィナンシャル・アドバイスはもちろん大切ですが、それよりも重要になるでしょう。もちろんお金があれば、プライベートバンクなどのサービスを受けることができますが。投資銀行はよりブティック的になるでしょうね。オペレーションなどにより比重が置かれてくると思います。
いわゆる財テクという時代は終わっています。
すべての事が基本に戻っています。どのうように差別化していくか、何を提供していくのか、何処が強みで、何処が弱点なのか、ということです。
日本の資産、それは知的財産です。研究開発に投資していくということです。日本の特許登録件数はとても多い、そこに価値を見いだしていくことが、今後の課題になってくると思いますね。たしかに競争は激しくなります。たとえばオリンピックの代表になれたからといって、それだけで優勝できるわけではありません。その競争に参加して、なおかつ競争に勝つためには日頃から訓練が必要です。

L 話は変わりますが、仮に金融業界にいなかったら、今、何をしていたかったですか?
K (笑)個人的な質問ですね?
L (笑)そうです。
K そうですね。小説家ですね。小説を書くということは難しいことですが、フィクションが好きなのです。人間は魂を持っている、その魂を高揚させる小説や音楽や映画などはとても価値がある物です。そういった活動に携われたらいいな、と思い
K : Jesper Koll
L : Fabrizio Lavezzari

L あなたがいうように、確かにいつでも勝ち組と負け組はありますね。
今回の経済危機では、ほとんど負け組になってしまったのではないですか?
K そうですね。
今回の危機で世界経済が無くした貯蓄は大体GDPの1年分と言われています。
日本のバブル崩壊後10年では3年分のGDPが消えました。
L というと、GDPの比較で言うと、時価総額の減少分は今回の危機の方が少ないですか?
K そうですね、時価総額で言うのは、微妙なところですね。それは、株式市場の時価総額が下がったとしても債券相場は上がっているのですから。
しかし往々にして今回の危機ではほとんどみんな、お金をなくしていますね。今は失業者も増え、金融から実勢経済に波及しましたね。こういうときは、残った勝ち組が経済の回復を牽引していきます。でもまぁ、必ず、経済は回復するよね。世界はまだ動いている、人間はすばらしい想像力を持っているからね。人間は楽しむものなんだ、でなくては退屈してしまうだろう。先日始まった高速道路の休日料金の値下げの効果もすごいですね。交通量が増えているよね。ロマンチックなドライブに行く人たちも増えたんです(笑)。これもみんな、結果的にはサイクルの一期にすぎないですよね。

L 個人投資家が金融商品に対して不信感を抱いたとは思いますか?
K いいえ、そんなことはないと思います。
L どん欲、という欲はなくなったと思いますが、そのかわり恐怖感が出てきたとは思いませんか?
K いや、そんなことはないと思いますね、稼いでいる人もいますから。
過去の不況は地域が割と限られていました、たとえば、アジアだけとかというように。しかし今回の経済危機は大体どこのマーケットも影響を受けています。これは逆にいえば、繁栄に向けての新しい出発点になると思います。
L たとえば、投資家の評価基準というか、会社分析、投資先分析に対する考え方は違っていきますか?
K 日本の不動産、ITバブルの崩壊後と同じで慎重になるでしょう。だれでも同じ過ちは繰り返したくないものです。ただし、投資機会を見つければ、それを捕まえにいくでしょう。今回はあなたが言ったように恐怖感が大きなってます。この恐怖感は逆にすばらしい投資機会に繋がっています。したがって、過去とは違い、日本のマーケットは更におもしろくなっていくと思います。
様々な会社の今年前半の株価を見ていく、マーケットの価値判断では2〜3週間から数ヶ月で倒産するだろうとみていましたが、これは現実的なものではないですね。私たちは日本に長く居すぎたのかも知れないが、大手電機メーカーとか、昔から日本を代表するような会社がなくなるとは思えないです。

L 不動産バブルの話ですが、アメリカも日本の二の舞になると予想していましたか?
K そうですね。人間は常に比較したがるものですが、日本とアメリカの場合、共通点より相違点のほうが多いので、比較はできません。
日本は債権国でありアメリカは債務国、日本は輸出国でありアメリカは輸入国、さらに移民などの多さなどもありますから。

L それでは今回の危機へのアメリカの対応ですが、日本と比べて迅速だったと思いますか?
K そうですね。アメリカが特に速かったとは思えないですね。
GMを崩壊させた本人に対して、その進退には長い時間がかかりました。日本の会社の場合、責任を取ることは速いですね。かなり厳しい処分を受けています。アメリカは、バブル崩壊後の日銀と比べ、かなり低金利に踏み込んだとこは事実です。日本、アメリカとも民主主義国で、日本でも先日の補正予算の国会通過には3、4ヶ月も掛かりました。ねじれ国会ということも影響したかもしれませんが、これも民主主義だから、ある意味、やむを得ません。だからといってこの民主主義がイヤだというのでもありません。
ポールクルーグマン教授は90年代、日本へ様々なアドバイスをしていましたが、今はまるで違います。第三者からみると、ああしろ、こうしろ、ということはとても簡単です。しかし、会社の経営者はやるべきことはちゃんと知っています。ただし、会社を動かしたり、中で仕事をしているのは人間ですからね。

L これから、証券会社、投資銀行などの役割は変わりますか?
K ある程度は変わるでしょう。証券会社のインフラが重要になってくるでしょう。フィナンシャル・アドバイスはもちろん大切ですが、それよりも重要になるでしょう。もちろんお金があれば、プライベートバンクなどのサービスを受けることができますが。投資銀行はよりブティック的になるでしょうね。オペレーションなどにより比重が置かれてくると思います。
いわゆる財テクという時代は終わっています。
すべての事が基本に戻っています。どのうように差別化していくか、何を提供していくのか、何処が強みで、何処が弱点なのか、ということです。
日本の資産、それは知的財産です。研究開発に投資していくということです。日本の特許登録件数はとても多い、そこに価値を見いだしていくことが、今後の課題になってくると思いますね。たしかに競争は激しくなります。たとえばオリンピックの代表になれたからといって、それだけで優勝できるわけではありません。その競争に参加して、なおかつ競争に勝つためには日頃から訓練が必要です。

L 話は変わりますが、仮に金融業界にいなかったら、今、何をしていたかったですか?
K (笑)個人的な質問ですね?
L (笑)そうです。
K そうですね。小説家ですね。小説を書くということは難しいことですが、フィクションが好きなのです。人間は魂を持っている、その魂を高揚させる小説や音楽や映画などはとても価値がある物です。そういった活動に携われたらいいな、と思いますね。それは、場合によっては自己満足の世界に終わってしまう物ですが、それでも他の人たちを与えられるとしたら…..『市場の見えざる手』のようなものですね。日本には、商売を抜きにして素晴らしいアーティストがいますが、認知されることは大変なことです。たとえば芥川賞など、若手にはとてもいい登竜門になりますが、あまり若くない作家にとってはどうでしょう?今より、創造性や美しさ、そのようなものにお金にとらわれず、手助けする方法がもっとあってもいいですね。日本ではすぐに商売に結びついてしまいますから。

L 日本において起業家精神とはどういうものだと思いますか?
K 起業家精神、どこでも共通していると思うのは、お金にこだわらず、
より情熱的なことですね。もちろん、お金を気にすることは当然です。人間ですから。ですが、それが一番ではない。たとえばユニクロの創業者は億万長者になりたくて、創業した訳ではないですね。ひとつのチャンスに、おもしろいアイデアをのせて起業した。これは情熱につきます。
学校などでバレーやサッカーなどを見ていると、その中でも特に情熱をも照っている子供がいます。そういった子供たちをもっと育てるべきです。その情熱を育てていくことによって、日本はまた新しいゴールデン・エイジを迎えることになるでしょう。
ますね。それは、場合によっては自己満足の世界に終わってしまう物ですが、それでも他の人たちを与えられるとしたら…..『市場の見えざる手』のようなものですね。日本には、商売を抜きにして素晴らしいアーティストがいますが、認知されることは大変なことです。たとえば芥川賞など、若手にはとてもいい登竜門になりますが、あまり若くない作家にとってはどうでしょう?今より、創造性や美しさ、そのようなものにお金にとらわれず、手助けする方法がもっとあってもいいですね。日本ではすぐに商売に結びついてしまいますから。

L 日本において起業家精神とはどういうものだと思いますか?
K 起業家精神、どこでも共通していると思うのは、お金にこだわらず、
より情熱的なことですね。もちろん、お金を気にすることは当然です。人間ですから。ですが、それが一番ではない。たとえばユニクロの創業者は億万長者になりたくて、創業した訳ではないですね。ひとつのチャンスに、おもしろいアイデアをのせて起業した。これは情熱につきます。
学校などでバレーやサッカーなどを見ていると、その中でも特に情熱をも照っている子供がいます。そういった子供たちをもっと育てるべきです。その情熱を育てていくことによって、日本はまた新しいゴールデン・エイジを迎えることになるでしょう。

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Profile

Fabrizio Lavezzari(ファブリツィオ・ラベッツァリ)

-----<経歴>-----

1965年ミラノ生まれ。
日本の金融および小売市場に独特な経験を持つ。
ジョルジオ・アルマーニ・ジャパン副社長、プレシディオ・ジャパン代表取締役、ジョルジオ・アルマーニ・オーストラリア取締役を経て、現在、経営コンサルタントとして活動をしている。
以前は欧州最大の国債ブローカーのMTS日本支社長を務めてからUBSウエルス・マネジメント・イタリア信託銀行のCOOを勤める。又、野村證券、ABNアムロ証券およびUBS証券にて国際金融市場における豊富な経験を持つ。
南山大学経営学部経営学科卒。イタリア語、英語、日本語は堪能。

BookMarks

-----<著書>-----


『イタリア 男の流儀(しきたり)』
2007年9月、阪急コミュニケーションズ

→ブック・こもんず←

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