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「名門ジュエリーハウスのDNA・そのクラフツマンシップとやわらかさ」(後編)

R : Malik ROUMANE
L : Fabrizio LAVEZZARI


L 会社がどんどん大きくなって行く中、クラフツマンシップの精神を維持するにはどうすればいいでしょう?
R それは、面白い質問ですね。
会社は創業して100年余り、そのうち90年は創業者の一族で経営される、ファミリー企業に近い会社で、残り10年がリシュモン・グループの経営ということになります。元々大量生産の会社ではなく、ビジネスの方法も大きな企業の中に入っていても、ファミリーの価値観が引き継がれています。それは社員、職人との関係を大切にするということであり、これは会社に DNAとして入り込んでいるものですね。ジュエリーを人のために作る会社であって、たとえば貴族やセレブと言われるような方が来店され、「娘が結婚するので、こういうようなジュエリーをつくってもらいたい」と注文をしていきます。こういったようにお客様と一対一の関係を築いて、発展してきた会社です。今でももちろんオーダーメイドの割合がとても高いのです。経営は大きな企業ですが、こういったDNAは変わりません。これも成功している秘訣のひとつですね。ルーツを大事にして保つこと、今後もそうありたいですね。この部屋をとってみても、もっと大きな部屋にできたが、そうではない、ということですね。


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L ファッションでは年2回、コレクションがありますが、ジュエリーはシーズンごとにコレクションがありますか?定番だけということではないですよね?
R そうですね。こういったジュエリーはファッションに比べて、ペースというか時間感覚が違いますね。売上の3割くらいはハイ・ジュエリーでほとんどが一点ものであるか、ほんの少量しか作らず、価格帯は500万円から上限は無いと言ってもいいですね。億単位のものをつくることもありますから。とはいってもいろいろなセグメントの商品は持っています。たとえば“ビジュー”といったカテゴリーもあります。クリエイティブ・ジュエリーというカテゴリーもあって、ハイ・ジュエリーに近いけれど価格は抑えたものになります。デザインそのものの違いもあり、また価格帯でいくと“ビジュー”と“ハイ・ジュエリー”の間に“クリエイティブ・ジュエリー”があって、その他にブライダル、時計や香水などもあります。ファションと共通する所は“クリエイティブ・ジュエリー”は年に1、2回コレクションを出します。“ハイ・ジュエリー”は違います。ひとつのピースを作るのに数ヶ月も掛かります。石を集め、磨いて、カットして、セッティングして、さらに細かい作業を重ねて、と。それでもクリエイティブなビジネスなので少なくとも一年に一度、コレクションを作ります。実は、このDVDを見て欲しいのだけど、最近ローンチされたもので、去年の9月にパリ近郊で発表された『Les Jardins』(ル ジャルダン)という庭園をテーマにしたコレクションです。

vc_090406_deco_006.jpg

これはイタリア人、日本人、フランス人、色々な国の人々にアピールできるコレクションです。
人類は自然を征服しようしてきたが、それはむずかしいこと、でも庭園では人が自然を征服できる。昔から自然の中からインスピレーションを受けているジュエリーブランドなので、これも会社の精神に近いものです。お城を借り切り、世界中からセレブの方々をご招待しました。
L 日本からもですか?
R もちろん、6〜7人の方がいらっしゃいました。
庭園の中の所々にジュエリーを展示して、ゲストの方たちは庭園を散策しながら商品に出会う、という場を設けました。
フランス風、イタリア風、英国風、東洋風という4つの違ったシチュエーションを作りました。さらにシアターを設け、散策後、10分程度のお芝居を見るという企画です。
L 随分大規模なイベントですね。こういうイベントは何度もするんですか?
R 年に一度くらいですね。でもこれくらい大きな規模のものは初めてです。ジュエリーを身につけたモデルたちのファッション・ショーもしました。
L このイベントの場で、ゲストの方は購入するんですか?
R それは様々ですね。もちろんこの場で注文をいただくこともあります、また翌日以降に注文をいただくこともあります。

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L こちらの商品は主にどこで作られていますか?
R すべてフランスです。いくつかの工房の力を借りていますが、たとえばパリの小さな工房に一部外注することもあります。
L 本当にこのコレクションのイベントは大掛かりで、商品の見せ方が素晴らしいですね。
R 日本でも先日リッツ・カールトン東京で披露しました。
これはカタログ(カタログを手にとりながら)ですが、コレクションの発表にカタログは重要になります。コレクションを裏付けるストーリーがあり、コレクションの点数は150点ほどになりますから。フランスのガーデン・デザイナーの力を借りています。ヴェルサイユの庭園をイメージしたピースもあります。
L う〜ん、このカタログを見ているだけでも、本当に究極のラグジュアリーですね。純粋なラグジュアリーと言えるでしょうね。
R そうですね。実をいうとこのカタログにあるような作品や商品は、ショップには通常展示していません。
L それはどうしてですか?
R 世界各国で展示をして回りますが、また場合によっては期間限定で基幹店に展示はしますが。日本での発表でもパリのように4つのシチュエーションを再現しました。
L いつものリッツのボール・ルームとは雰囲気がまるで違いますね。
さて、次にアメリカ、日本、ヨーロッパとお客様に違いがありますか?


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R 違いますね。やはり背景にある文化によって好みのピースが違いますね。アメリカは大振りでゴージャスなデザインが好まれます。日本ではサイズよりデザインが重視されます。私たちはとてもデザインを大切にしているので、日本のテイストにも合っていると思いますね。特に日本のためや、アメリカのためにコレクションを作ることはありませんが、それぞれの商品で、それぞれのマーケットにアピールしています。
日本は欧米に比べ、ハイジュエリーを身につける機会が少ないですね。
L それは事実だと思います。社交の場はまだまだ少ないけれど、チャリティなどの場が増えてきていますよね。
R ええ。アメリカは社交の場も多く、また超富裕層の人が多いです。そして『みんなに見せたい』という願望を持つ方が多いので、ハイジュエリーに関してアメリカのマーケットは大きいですね。日本では繊細で、普段使いしやすいものに、人気があります。
L このコレクションはかわいらしいですね。
R これはパリでの一日をテーマにしたコレクションです。恋人同士のキスや
子供が風船を持っているというようなことがモチーフになっている遊び心のあるコレクションです
L 今日は目の保養にもなりました。ありがとうございました。

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Profile

Fabrizio Lavezzari(ファブリツィオ・ラベッツァリ)

-----<経歴>-----

1965年ミラノ生まれ。
日本の金融および小売市場に独特な経験を持つ。
ジョルジオ・アルマーニ・ジャパン副社長、プレシディオ・ジャパン代表取締役、ジョルジオ・アルマーニ・オーストラリア取締役を経て、現在、経営コンサルタントとして活動をしている。
以前は欧州最大の国債ブローカーのMTS日本支社長を務めてからUBSウエルス・マネジメント・イタリア信託銀行のCOOを勤める。又、野村證券、ABNアムロ証券およびUBS証券にて国際金融市場における豊富な経験を持つ。
南山大学経営学部経営学科卒。イタリア語、英語、日本語は堪能。

BookMarks

-----<著書>-----


『イタリア 男の流儀(しきたり)』
2007年9月、阪急コミュニケーションズ

→ブック・こもんず←

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