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「巨匠が去り、変化するメゾン」後編

B: Andrea Bussi L: Fabrizio Lavezzari

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F イタリアの産業は中小企業を中心とした体制となっているけど、これを君は強みと見る?それとも弱点か?
B 日本から見るとイタリアの産業構造に学ぶ所があると思う。でもイタリアは大企業が躍進しなかったともいえると思うけどね。
イタリアの強みはそのライフスタイル、観光そして食にあると思うけどまだ完全には活動できていなくて、日本から学ぶことも多いよね。産業、社会という側面で日本はとても進んでいると思う。もうひとつ、イタリア人は何があっても最終的にまとめられる、それがどんな危機であってもね。

F 日本の観光客は引き続きイタリアに感心があるようだけど。
B 日本は観光地としては最高だよね、とても綺麗にしている。イタリアの強みは1年中バケーションを楽しめるということかな。
仕事については、一般的に日本人は日本の水準に慣れているから、イタリアには馴染みにくいだろうね。交通手段でいっても、たとえばミラノ・トリノ間に高速列車はあるといっても依然として長時間かかる。
でも日本人がイタリア人のように、適当な生き方を学べれば最高だとも思う。
F でもイタリアは遅れをとる可能性もある。
B そうだね。

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F ヴァレンティノという会社はオーナー社長から機関投資家、最近はファンドによって所有されているけど、所有権移転のプロセスについてはどう思う?事業形態の移転ということだけど」。
B ファンドが所有する前は、何度かにわたってマネージメント、所有が変わったけど、安定したファンド、株主を持つことはいいことだと思っている。みんなが安心して、しっかり働ける環境が整うからね。今の時勢を考えると、裏に非常に強い安定したパートナーがいることは安心できるでしょう。今後の成長や投資にもつながる存在だと思う。昔ながらの家族に所有されている中堅のブランドより有利だといえるでしょう。
たとえばヴェルサーチは創業者が亡くなった後、かなり困っていたよね。自力で再建も図ったけど、裏に投資家がいるかいないかで大きな違いがあると思うヴァレンティノはヒューゴ・ボスも含め、大きなファッショングループ企業なので、それをヴェルサーチと比較するのはあまり正しくはないと思うけど。

F 今、小売業界は大変な時期だとは思うけど、それでもファッション業界に入りたい人たちに何かアドバイスはある?
B この業界はとても興味深い業界だと思う。とてもインターナショナルな雰囲気の中で仕事ができるから、やりがいもある。商品も半年ごとに入れ替わるダイナミックな環境だからね。
そしてもちろんファッションからライフスタイルへの転換もできるしキャリアパーツも豊富な業界だと思う。
この業界にも新陳代謝は必要だし、国際経験のある人材は必要だよね。
たとえば日本のマーケットでいうとヨーロッパの本社である程度経験を積ませて日本に戻すというような人事もあるといいよね。

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F 過去に多くの大物デザイナーといわれるような人たちがいるけど、今後そういうような人は生まれるかな?
B そうだね、新進デザイナーは登場してくるだろうね。音楽でいえば昔の世界中を巻き込んだような大物ロックバンドのような存在は生まれないけど、新興のロックバンドは登場している、それと同じだと思う。過去に確立されたヴァレンティノやアルマーニのようなブランドは残っていくだろうけど、それと同時に多くの新進デザイナーが出てくるという感じだろうね。

F ヴァレンティノの日本における顧客はどんな感じ?あるいは理想の顧客像とは?またこれからどんな顧客に売っていきたいと思う?
B 今の顧客はヴァレンティノの歴史を十分知っていて、ブランドに忠実でヴァレンティノ氏本人を好きな人達が多いと思う。洗練されていて高級感に溢れ、いわゆるセレブという感じの人たちだね。ただし派手なラグジュアリーではなく、とても落ち着いたシックなラグジュアリーに慣れた人たち。
もちろん最近ヴァレンティノ氏が引退したことで、今までとは違う新しい顧客層も開拓していかなければならない。それはラグジュアリーに興味のある、より若い層の獲得ということ。特に最近は若者向けのレッドラインの成長は著しいし、アクセサリーも好調でいいことだね。

F ラグジュアリーブランドで働くことでとても綺麗な商品に接することができるというのはラッキーなことだと思うけど、それについてはどう思う?
B 確かにこの業界に入ると人間が変わる。モノについて興味を持つようになって、身だしなみや着こなし方については特に気になるよね。
F 人の身だしなみや服装で絶対に許せないものってある?(笑)
B サンダルにソックスを履くこと(笑)
でもファッションは変わったよね。トータルルックというのはあまりなくなったもの。
F この10年でみると、人々のファッションセンスはどう変わってきたと思う?良くなったかな?悪くなったかな?
B 多分、残念な事だけど野蛮化してきたと思うんだ。ある意味では進化しているとも言えるけど、ただ単に過激化してきている感じがする。昔のようなファッションセンスが失われてきている。
F どうしていったらいいと思う?原因があるのかな?購買意欲の低下とも関係があるかな?
B そうだね、この金融危機が貧富差を拡大し、それがまた、単に目立ちたい、奇抜な格好をしたがる、という傾向を強めているのかもしれない。日本では他の国ほど顕著ではないから気付いてはいないだろうけど。

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F 最後に、だれか尊敬している人は?
B 仕事を始めたとき、ドイツだったんだけど、その時の上司。いろいろ教わったし、感謝している。まぁ、最初の仕事だったということもあるだろうけど、彼のおかげで綺麗なスタートを切れたと思う。3年間一緒に働いて、対人関係も参考になったしね。
F 今も彼と連絡をとっているの?
B 彼は今はラグジュアリー業界にはいないんだ、今は自動車業界にいる。

F 今日はどうもありがとう。

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Profile

Fabrizio Lavezzari(ファブリツィオ・ラベッツァリ)

-----<経歴>-----

1965年ミラノ生まれ。
日本の金融および小売市場に独特な経験を持つ。
ジョルジオ・アルマーニ・ジャパン副社長、プレシディオ・ジャパン代表取締役、ジョルジオ・アルマーニ・オーストラリア取締役を経て、現在、経営コンサルタントとして活動をしている。
以前は欧州最大の国債ブローカーのMTS日本支社長を務めてからUBSウエルス・マネジメント・イタリア信託銀行のCOOを勤める。又、野村證券、ABNアムロ証券およびUBS証券にて国際金融市場における豊富な経験を持つ。
南山大学経営学部経営学科卒。イタリア語、英語、日本語は堪能。

BookMarks

-----<著書>-----


『イタリア 男の流儀(しきたり)』
2007年9月、阪急コミュニケーションズ

→ブック・こもんず←

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