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2007年11月10日

勘違いが続いている

 小沢民主党代表が辞任を撤回し謝罪と反省の弁を述べて状況は党首会談以前の段階に戻った。これからは与野党が対決姿勢を強めることになり、次の衆議院選挙で民主党が過半数を獲得出来るかどうかが焦点となる。
 しかし今回の小沢氏の一連の行動はまだ民主党にも国民にも理解されていないようで、その後の新聞・テレビの報道を見ていると勘違いもはなはだしい議論がいまだに延々と続いている。
 まず「自公政権を倒すといって参議院選挙で大勝したのに、何故民主党は衆議院選挙で戦うことをやめて自公政権に協力するのか」という発言が正論のごとくまかり通っている。もっともらしく聞こえるが勘違いに満ち満ちていると私は思う。

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2007年11月 8日

大連立を見てみたかった

 いったん辞任を表明した民主党の小沢代表だが、党内からの慰留要請を受け入れて辞任を撤回した。続投を正式表明した民主党の両院議員懇談会の様子を見ていると今回の小沢氏の行動はまだ理解されていないように思われる。民主党の中で理解されないのだから国民にはもっとよく分からない。「小沢代表は無責任だ」とか「国民の期待を裏切った」と言う声が巷に溢れている。

私はかねてから「大連立話は政府与党が政権交代をさせないための罠だ」と思っていたから、初めは小沢氏がその話に乗ったことに驚いたが、4日に行われた小沢氏の辞任会見を聞いて、全く考えを一転させた。小沢氏が言う「大連立が政権交代の早道」というのは極めて説得力があり検討に値する話だった。

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2007年11月 5日

小沢代表辞任表明の衝撃

 小沢民主党代表が党の代表を辞任する意向を表明した。福田総理との党首会談を巡る情報が錯綜する中での辞任表明である。国民からすれば何がなんだか分からないというのが正直な感想ではないか。何がそうさせたのか、日本の政治が置かれている状況を踏まえながら一連の出来事の背景を考えてみる。

 現在の国会はご承知の通り、衆議院で与党が三分の二を超える多数であるのに、参議院では野党が過半数を占め、かつ第一党は民主党である。この状態は日本の政治がかつて経験したことのない未知の領域で、政治はいま模索と初体験の日々を続けている。まずそのことを前提として頭に入れておく必要がある。従来パターンの思考を超えた事が起こりうるのである。

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2007年9月26日

権力が空白の13日間(2)

 一方、小泉路線を支持するグループにとって安倍総理の自爆は大いなる誤算だった。安倍政権は小泉路線を継承する政権である。小泉グループはいわば主流中の主流であった。さらにいざという時のためには小池百合子氏を常に閣内に置いて後継とする構えを見せてきた。ところが小池氏は守屋防衛事務次官の更迭問題を巡って官邸と衝突、閣外に去ることになる。さらに麻生幹事長は就任と同時に反小泉の政治を行うことを宣言して安倍総理を取り込み、小泉支持勢力と敵対することになった。

 そうした危機的状況にあって小泉支持勢力は総裁候補を立てることが出来なかった。最後の切り札となる小泉再登板も、それを求める署名が40名に満たず、情勢を見極めた小泉氏は福田支持を表明せざるをえなくなった。そのことで長年小泉氏を支えてきた飯嶋勲秘書は辞表を提出した。小泉氏はすでにかつての小泉氏でなく、参議院選挙の惨敗と安倍政権の自爆によって小泉政治も過去のものとなった。

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権力が空白の13日間(1)

 9月25日、国会は福田康夫氏を第91代内閣総理大臣に指名し、13日間続いてきた権力の空白にやっと終止符が打たれた。この間日本のメディアは結果の分かっている自民党総裁選挙ばかりを報道し、誰も権力の空白という異常事態を問題にしなかった。外国のメディアだけが「日本は権力がなくてもやっていける国だ」とシニカルに報道した。

 与謝野官房長官は入院した総理に代わる臨時代理を置かない理由として、(1)短期での退院が明白(2)首相の判断はしっかりしている(3)危機の場合はパトカーの先導で官邸に5分で戻ることができるなどと説明したが、2,3日ならともかくそれ以上の入院に際して臨時代理を指名しない国が先進民主主義国家の中にあるだろうか。
おそらく総理が不在でも官房長官が存在すれば事実上権力は空白でないという判断なのだろう。しかしそうしたところに最高権力者がただのシャッポに過ぎないこの国の権力構造の異常さ、言い換えれば責任の所在をはっきりさせない特異な体質が現れている。
いずれにしても安倍総理辞任表明からの13日間は、日本の政治が理解不能の状態に陥っていることをまざまざと示してくれた。

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2007年9月16日

安倍総理 辞任表明の真意は?

田中良紹さんがYahoo!動画に『安倍総理 辞任表明の真意は?』をテーマに出演中です!みなさまぜひご覧下さい。

■番組URL
http://streaming.yahoo.co.jp/c/t/00373/v02021/v0202100000000394469/

※動画の視聴には専用のソフトが必要です。
 ソフトは無料でダウンロードできます。
※視聴条件は下記URLで確認できます。
 http://streaming.yahoo.co.jp/guide/step1.html

(《ざ・こもんず》運営事務局)

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安倍総理が12日、突然、辞任を表明した。その理由は? 
なぜ、このタイミングでの辞任なのか?
後継選びと国会運営、そして小沢民主党代表の動きは?
ジャーナリストの田中良紹氏に、小木曽浩介キャスターが聞く。

■番組URL
http://streaming.yahoo.co.jp/c/t/00373/v02021/v0202100000000394469/
(Yahoo!!動画より)

2007年9月14日

小泉政治の終焉

 小泉前総理の再登板を求める署名が36人しか集まらなかった事実を、小泉前総理はどのような思いで受け止めたのであろうか。自民党議員387人の1割にも満たない数である。すでに小泉路線が自民党政治の中核にはなりえないことを数字は冷徹に示している。小泉前総理は自分が総裁選挙に出馬できるだけの力をもはや持ってはいないことを認めざるを得なかった。

1年前の9月20日、自民党は安倍総裁の誕生に沸きかえっていた。党内の圧倒的多数によって安部総裁は選出され、総主流派体制の上に乗って安部執行部はスタートした。安倍総裁は小泉政治の正統の後継者であり、小泉改革路線は間違いなく引き継がれることになっていた。森元総理は安倍晋三氏では若すぎるとして、再三福田康夫氏の起用を促したが、小泉氏は頑としてそれをはねつけ、強引ともいえるやり方で安倍総裁を誕生させた。

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2007年9月13日

病気という隠蔽工作

 安倍総理はついにと言うか、やはりと言うか、病気ということにされて入院することになった。そうしなければおそらく対外的にこの突然の辞任劇と政治空白を説明することは出来ない。
総理辞任によって生み出された政治空白によって、海上自衛隊のインド洋での給油活動はほぼ間違いなく11月1日をもっていったんはやめざるを得なくなった。国会がいつから再開されるか分からないが、1ヶ月以内の短期間に法案を上げることは至難のわざで、給油活動の継続は絶望的と言っていい。 要するに総理が「国際公約」したことを総理自身が反故にしたことになる。

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自民党の終焉

 安倍総理の辞任の仕方は、言ってみれば突然テーブルをひっくり返したようなものだ。周りにいた人間はあっけにとられたが、黙って後片付けをするしかない。安倍総理にはよほど腹にすえかねることがあったのだろう。誰に対してあったかと言えば自民党に対してである。でなければこんな辞め方をするはずがない。

 突然の辞任で自民党は急遽総裁選びをやらざるを得なくなった。マスコミは麻生幹事長や福田康夫氏の名前をもっともらしく報じているが、ちょっと待てよと言いたくなる。マスコミはすでに自民党が小泉路線を全て消し去ろうと決めたと断定しているのか。

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2007年9月12日

権力者になりきれなかった総理の不幸

 安倍総理が突然辞任を表明した。辞任を表明するのは本人の自由だが、国会を召集し、月曜日に所信表明を行い、それに対する各党の代表質問が行われる直前の辞意表明である。あまりに非常識という他ない。この総理は国会というところを、総理の責務を、いやそもそも政治というものを何だと思っているのだろうか。
 召集されたばかりの国会は中断されることになり、おそらく次の総理が決まるまで開く意味がなくなった。日本中が迷惑を蒙る。そのことが分かっているのだろうか。分かってやったとしたら、周囲のみんなを困らせてやろうと駄々っ子が考えるようなタイミングだった。何故こんなことが起きたのか。

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2007年9月10日

運命の168臨時国会(1)

 10日に召集された168臨時国会で日本政治はいよいよ未体験ゾーンに突入することになった。衆参ねじれ国会の始まりである。
 ねじれ現象そのものは過去にもあり、1989年の参議院選挙で自民党が惨敗した直後の臨時国会では衆議院が海部自民党総裁を首班指名したのに対して参議院は土井社会党委員長を指名した。1998年の参議院選挙で自民党が敗れた時には衆議院の小渕自民党総裁に対して参議院が菅民主党代表を首班指名した。しかし過去のねじれは本番前のリハーサルのようなもので、今回のねじれとは質が異なる。

 これまでは野党が参議院の過半数を占めても、最も数の多い第一党はやはり自民党で、議長は勿論のこと委員長も自民党が要所を固めていた。野党は多数であっても思い通りの国会運営は出来なかった。ところが今回は民主党が参議院の第一党に躍り出た。これまでとは天と地ほどの違いである。議長も主要な委員長ポストもすべて民主党が獲得して参議院はまさに野党の天下となった。

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2007年9月 2日

いよいよ政治の季節が始まる

 猛暑の8月は政治空白の8月でもあった。7月29日の参議院選挙大敗を受けて安倍総理が選択した道は内閣改造による「人心一新」だが、その改造は8月末まで行われず、なんとも緊張感のない政治状況が続くことになった。大敗であったが故に冷却期間を置く必要があると考えたのかもしれないが、であるならば閣僚の不祥事や年金問題に速やかに手を打たずに対応を先延ばしにしてきたことが選挙敗北の一因であることを忘れている。この政権は強行採決を連続したことに見られるように、攻めるときは一瀉千里に突き進む若さを見せるが、守りに入ると途端に優柔不断になり動きが鈍るのである。

 空白期間があったがために8月は人事をめぐる雑音がさんざん飛び交った。そのような時間が長ければ長いほど思い切った人事はやりにくくなる。結果は挙党体制に若干の比重を置きながら安倍カラーの存続にも未練を残すという、無難といえば無難、中途半端といえば中途半端な人事となった。あれほどの大敗は政治的死に匹敵するのだから、死んだ気になって自分の全身全霊を賭けた人事を行えば、その迫力が国民にも伝わるのではないかと思っていたが、そうはならなかった。

 改造後の世論調査ではおしなべて10ポイントほど支持率は回復したが、一方で不支持が高い水準に留まっている状況も変わりない。旧来の自民党支持者を「安心」させて取り戻すことには成功したが、無党派層の支持を回復するまでには至っていないと考えられる。要するに小泉以前の自民党の状況に戻ったということだ。
 
 しかし今回の人事を「無難」と表現したが、それは表向きの話で、底流では自民党内のパワーポイントが大きくシフトしたと思っている。

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2007年8月28日

権力者になりきれない総理が小泉政治と決別か

 7月の参議院選挙で国民に「ノー」を突きつけられた安倍総理にとって権力者として選ぶべき道は二つあった。いったん退陣をして捲土重来を期す道と、あくまでも権力の座に居続けて人心の一新をはかり失地回復をする方法である。若い安倍総理には「再チャレンジ」の方がふさわしいと思ったが、安倍総理はその道を選ばなかった。「人心を一新せよというのが国民の声だ」と内閣改造・党役員人事による政権維持の方針を明らかにした。

 人事は最高の権力行為である。人事によって人は権力にひれ伏すか、離反するかに分かれる。人事を誤れば権力は崩壊し、人事に成功すれば権力は回復される。そして人事には権力者の置かれた状況や資質が否応なく現れる。
 
 それでは27日に行われた内閣改造・党役員人事に安倍総理のどのような状況と資質が現れているのか。

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2007年8月17日

弛緩国家

 今夏の日本列島は猛暑に焼き尽くされて緊張感を持続することもままならないが、参議院選挙の結果を受けて緊張感を高めたはずの日本政治もまたそれを持続できずに迷走が始まっている。

 迷走劇の主役の一人は安倍総理で、選挙大敗に抗して続投を宣言し、それならば延命のための策を次々に繰り出すかと思いきや、改造人事を8月末に先送りするなどして沈黙を守り、権力者としての存在感を日に日に弱めている。

一方で安倍総理とは対照的に存在感を誇示するようになったのがもう一人の主役、小池百合子防衛大臣である。小池大臣は参議院選挙後初の臨時国会が召集されたその日に訪米し、ゲーツ国防長官、ライス国務長官、チェイニー副大統領などと会談した。参議院選挙で大勝した民主党の小沢代表が11月1日で期限の切れるテロ対策特別措置法の延長に反対を表明していることから、アメリカ側は政府要人が総出で小池大臣を歓迎したが、これに気を良くしてか小池大臣は小沢代表を「湾岸戦争の時からカレンダーが止まっているのではないか」と痛烈に批判した。要するに野党第一党の党首を「時代錯誤の政治家だ」と馬鹿呼ばわりしたのである。

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2007年8月 9日

政治は女性を口説くに良く似たり

 かつて中曽根総理の主席秘書官を務めた上和田義彦氏から「政治はなあ、女を口説くのに良く似ているんだ」と言われたことがある。

「ある女性を好きだとどれほど真剣に思っても、無理矢理自分のものにする事は出来ない。ストレートに好きだと告白してもうまくいくとは限らない。上手に口説かないと女性は心を開かない。月が綺麗だと言ったり、服の色を褒めてみたり、関係のない話をしながら次第に自分の気持ちを分からせて口説き落とす。政治もそれと同じだ。どんなに正しい政策でも無理やり国民に押し付けることは出来ない。そんなことをすれば国民から手痛いしっぺ返しを食う。手練手管を使いながら国民を説得し、次第に抵抗をなくしていって、はじめて政策は実現する。それが政治というものだ」。

 同じ話を田中角栄元総理からも聞いたことがあるので、これは政治の世界で昔から広く知られた話なのかもしれない。
 
「だから女の心が分からず、女にもてないような男は、ろくな政治家になれない」とそのとき上和田氏は付け加えた。

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2007年8月 1日

小沢と小泉の最終戦争

今年の初め、参議院選挙の年の政治を主導するのは安倍総理でも青木幹雄参議院議員会長でもなく、小沢一郎民主党代表と小泉純一郎前総理の二人ではないかと書いたことがある。その文章のタイトルは「見えない二人」だった。小泉前総理は退任後不思議なほどに徹底してメディアの前から姿を消し、一方の小沢代表も参議院選挙のために地方行脚を重ねていて永田町には姿が見えなかった。

小沢代表が見えない理由は、人生最後の大勝負となる参議院選挙を勝利するためだが、選挙に勝利すれば直ちに政権交代を実現するため自民党分断を含めた政界再編工作に取り掛かると私は見ていた。一方の小泉前総理が見えない理由をメディアは本人の美学と捉えていたが、私は参議院選挙で自民党が負けた場合、こちらも民主党分断を含めた政界再編工作に乗り出すためではないかと思っていた。政治工作を行う者は表には出ないことが肝要なのである。

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2007年7月24日

ジャズ・ツアーで参院選を考える

 国会TVから身を引き自由の身になったところ、30年来の友人であるジャズ・ドラマーの中村達也から「一緒に旅に出ないか」との誘いがあった。今回は東北・北海道を演奏して回るという。出発は7月12日、帰京は29日と奇しくも参議院選挙と同じ日程である。考えてみれば国会TVの放送を始めてから9年間は旅行らしき旅行もしていない。永田町を離れて選挙を見ると何が見えるか、そんなことも考えてジャズ・ツアーに同行することにした。

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2007年7月19日

選挙の予測は当たらない

マスコミの選挙予測がぴたりと当たることなどまずない。一つにはアナウンスメント効果と言って、選挙予測報道で不利とされた政党や候補者が実際の選挙では有利になり、逆に有利と報道されると不利になる傾向があるからである。報道を見た有権者に「判官びいき」の心理が作用するのである。だから候補者は「当選確実」と予想されるよりも「当落線上すれすれ」と報道されることを喜ぶ。

「当選確実」の二重丸をつけられると落選の可能性も出てくる。どんなに候補者が引き締めを図っても運動員に緩みが出る一方、支持者も安心してしまいどうしても投票しなければという気にならない。世界一の発行部数を誇る新聞社の政治部記者が、「上層部からの指示で落選させたい候補者の予想を実際の調査とは異なる二重丸に変えさせられた」と小声で教えてくれたことがある。落選させたければ新聞社は二重丸の予想をつけるのである。

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2007年7月 1日

年金問題の闇

 宙に浮いた年金記録が5000万件もあったという事実は参議院選挙の行方をも左右する大問題となっているが、社会保険庁のお粗末さだけに目を奪われていると、とんでもない落とし穴にはまり込んでしまう危険があると私は思っている。

 それは3年前に大騒ぎとなった年金未納問題が、当時審議されていた年金法案から国民の目をそらさせ、福田康夫官房長官、菅直人民主党代表らを次々辞任に追い込み、小沢一郎氏の民主党代表就任を阻み、最後は社会保障財源として消費税導入に道を開く「三党合意」に民主党が組み込まれるなど政略の道具に使われた記憶があるからだ。

 当時の政治の流れを見ていると誰かのシナリオに国中が乗せられているのではないかと思った。誰かというのは個人ではない。権力のシナリオと言う意味である。

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2007年6月25日

安倍内閣の論理

 安倍内閣はいま発足以来最大の危機を迎えている。この現状を官邸はどのように認識し、どう対応しようとしているのか。国会TVでは6月19日に世耕弘成総理補佐官を、22日には安倍内閣擁護の論陣を張る花岡信昭産経新聞客員編集委員をゲストに話を聞いた。

 内閣支持率急落の最大要因となった「年金記録問題」について世耕補佐官は、「事務処理の問題であり、社会保険庁という組織の構造問題であるから、年金制度とか年金のあり方の政策問題とは異なり、政争になるべき話ではない。とにかく誠実に真面目に、理不尽な事が1件も起きないように取り組んでいく。はるか以前からの問題ではあるが、安倍政権の時に出てきたから全ての責任は安倍内閣にある」と述べて、「誠実に取り組む姿勢」と「全責任を負う」の二点を繰り返し強調した。

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2007年6月 4日

年金問題を巡る素朴な疑問

 年金の基礎番号を統合する作業が、社会保険庁のミスにより5000万件も宙に浮いてしまっている問題で、政府与党は過去の責任を追及する姿勢を示した。自民党は統合の仕組みを作ったのは菅直人厚生大臣だったというビラを大量に作って、菅民主党代表代行の責任を追及している。また安倍総理は歴代社会保険庁長官の責任を明確にするよう渡辺行革担当大臣に指示した。

 しかし過去の責任を追及することにどれほどの意味があるのだろうか。政治の責任はまずは国民を救うことにある。やるべきことは社会保険庁のミスによって不利益を被る国民をどのようにして救うか、その事に全力で取り組む姿勢を示すことだ。誰が過ちを犯したかを追及するのは二の次で良い。5000万件の年金記録をチェックし、支払うべき年金の支払いを実現させるのは簡単なことではない。しかし政治が全力を挙げてそれに取り組まなければ国民は到底年金制度を信用する気にはなれない。政治家であるならばそちらを最優先にすべきなのに過去の責任をあげつらう姿勢には疑問を感じる。

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松岡氏自殺を巡る素朴な疑問

 故松岡前農水大臣は、緑資源機構の官製談合事件で検察の捜査が自分に向かっていることを知って自殺したというのが大方の見方である。逮捕されることを恐れて死を選んだという見方になる。
 
 5月18日に談合の件で事情聴取を受けていた地元の秘書が自殺をしており、捜査が自分に向かっていることを感じていたのはその通りだと思う。しかしそれだけの理由で政治家が死を決意するであろうか。仮にそうだとすれば、松岡氏は政治家になるべきではなかった善人で小心な人物だったということになる。

 1998年2月に自殺した故新井将敬衆議院議員は、衆議院本会議で逮捕の許諾請求がなされる直前に首を吊った。抗議の自殺である。在日韓国人である新井氏は東大経済学部を卒業し、大蔵省の役人から衆議院議員と日本社会で最高のエリートコースを歩み、若手の論客としてテレビにもしばしば登場していた。新井氏にとって株取引を巡る容疑での逮捕は自らのプライドが許さなかったのだろう。

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2007年5月29日

松岡農水大臣自殺の衝撃

 松岡農水大臣は何故死を選ばなければならなかったのか、その死が政治の何をどう変えるのか、まだ分からない部分も多々あるが、私の目には松岡大臣の自殺の一週間ほど前から政治の舞台装置がなにやら転換しているように見える事が続いていた。

 話をさらに一週間前の5月14日に引き戻してみる。

 その日、憲法改正のための手続き法である国民投票法が参議院本会議で成立した。憲法改正を政権の最重要課題としている安倍総理にとって、施行60年後に実現した手続き法の成立は歴史に残る実績となる。安倍総理は憲法改正の必要条件を手に入れたことで、今後は憲法改正に邁進することが絶対となった。

 翌15日、日米同盟の上から欠かせないイラク特措法が衆議院を通過、さらに参議院選挙を意識した公務員制度改革法案、いわゆる「人材バンク法案」が審議入りした。

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2007年5月28日

悲壮感あふれる幹事長

 「参議院選挙に負けたら、もう二大政党政治は無理です。それをさせない覚悟をどれだけ我々が国民に示せるかだ」と悲壮感あふれる決意を披露したのは民主党の鳩山由紀夫幹事長である。参議院選挙投票日のちょうど2ヶ月前に当たる5月22日、国会TVの「政治ホットライン」に出演した鳩山幹事長は終始固い表情を崩さなかった。電話で質問してきた視聴者から「今日の鳩山さんの顔はレ・ミゼラブルですよ」と言われたほどだ。
 
 昨年末以来下がり続けてきた安倍内閣の支持率が上昇傾向にあり、それに比べて民主党の支持率が上向かない状況がそうさせているのだろうか。

 安倍内閣の支持率上昇について鳩山幹事長は、「安倍さんは就任以来慎重な対応を見せていたが、かねてからの支持者がそれに不満を示すと、数に物を言わせて国会で次々に法案を成立させるなど信念に基づいてやっているという姿勢を見せつけるようになった。それが国民に好感されている。しかし国会で強引に法案を成立させていることは、国民のためにならない。竹下政権も圧倒的多数の議席を持っていたが、国会は野党のためにあると言って、強引な手法はとらなかった。安倍政権はそれとは逆の事をやっている。極めて危険なことだ」と述べた。

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2007年5月21日

党首討論・のようなもの

 5月16日、参議院第一委員会室で今国会初の党首討論が行われた。安倍政権が誕生してから三回目、およそ半年ぶりの安倍総理対小沢民主党代表の論戦である。参議院選挙を2ヶ月後に控えた時期だけに大いに注目を集めたが、大方の評価は「期待はずれ」だった。

 翌17日の新聞各社の社説は、朝日新聞「生煮えで終わってしまった」、毎日新聞「聞きたい話を論じていない」、読売新聞「もっと論戦を掘り下げて欲しい」、産経新聞「憲法こそ語るべき問題だ」などといずれも討論の内容に不満を表明した。

 45分間の討論時間で民主党の小沢代表が取り上げた論点は概ね三つあった。第一は安倍総理の国家観と総理としての資質。第二は教育問題。第三は国から地方への補助金の問題である。参議院選挙と重ねてみると国家観や教育問題は安倍総理が争点として掲げたいテーマであり、三番目は小沢代表が掲げる「格差」につながる。「格差問題」を前面に立てて論戦を仕掛けると思っていたが、小沢代表はまずは相手の土俵に登って論争しようとした。

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2007年5月13日

鈴木宗男VS法務・検察

 一審で実刑判決を受け、現在控訴審の被告である鈴木宗男衆議院議員が、5月11日の法務委員会で自らの体験を交えて検察の取り調べの異常さを赤裸々に語り、取り調べ状況を録画するなど「可視化」を実現するよう訴えた。

 詳細は映像でご覧頂きたいが、この国の最大の問題は司法、立法、行政の三権が独立しているようにみえて実は癒着しており、しかもメディアまでもがその内側に組み込まれていることである。だから「国策捜査」という言葉がまかり通る。同じ事をやっていても「国家の敵」とみなされた者は逮捕され、そうでない者は見逃される。
 
 55億円の工作資金が日本政界に流れ込んだとされるロッキード事件では、6億円を受け取った田中角栄だけが逮捕されて他は見逃された。金丸信は政界再編のための政治活動費が個人資産と認定されて脱税容疑で逮捕された。一方では常に「刑務所の塀の上を歩いている」と噂された人物が、塀の内側に落ちることなく、天皇に次ぐ高位の勲章を受けて「大勲位」の名をほしいままにしている。

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2007年5月 7日

政治を育てるテレビ(2)

 ベルリンの壁が崩れて冷戦体制の終焉が明らかになると、アメリカ議会の最大関心事は「ソ連に代わる次の脅威」となり、それは経済大国となった日本であった。

 日本に関する公聴会が次々に開かれ、日本経済の強さの秘密の解明が試みられた。上下両院合同経済委員会は34本の論文からなる「日本の経済的挑戦」と題する報告書をまとめた。

 当然日本政府も入手して分析しているものと思って調べたが、その形跡はない。当時の日本にはアメリカから「次の脅威」と見られている意識が驚くほど希薄だった。

 1990年8月2日、イラク軍がクエートに侵攻して湾岸危機が発生した。

 8月末にはアメリカ議会が招集され、歴代国防長官や軍事専門家、経済学者らが議会に呼ばれて200時間を越える公聴会が行われた。

 ところが日本の国会は10月まで開かれず、その間日本政府はアメリカに対してひたすら経済支援の金額交渉を行っていた。

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2007年4月30日

燃えない選挙

 統一地方選挙と参議院の補欠選挙が終わったが、首長選挙はほとんどが現職の再選で、世代交代も進まず、高齢者の多選が多かった。夏の参議院選挙に直結するため与野党が全力投球した沖縄の補欠選挙では、投票率が47.81%と過去最低を記録した。党首を何度も現地に投入したのに過去最低である。安倍総理や小沢代表がどんなに拳を振り上げて叫んでも、半数以上の有権者が動かなかった。12年に一度の「選挙イヤー」と言われながら選挙がさっぱり燃えていない。

 選挙が燃えない理由の一つに2年前の郵政選挙の後遺症がある。衆議院で可決されたが、参議院で否決された郵政民営化法案を巡って、時の小泉純一郎総理大臣は「国民に聞いてみたい」と衆議院を解散した。国民投票制度を先取りするような異例の解散である。今の国会で審議されている国民投票法案では、自民党は憲法改正以外にこの制度を認めないと言っている。それならあの郵政選挙は何だったんだと言いたくなるが、ともかく「国民に聞いてみたい」と言われて国民の心に火がついた。

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2007年4月23日

政治を育てるテレビ(2)

 C-SPANはアメリカ連邦議会から歩いて5分ほどのビルの一遇にある。

 私が初めて訪れたのは1989年5月、放送が開始されて10年目の春の事だった。華やかなテレビ局とは大違いの小さなスタジオとマスタールームを見ると、まるで学校放送のレベルだと思ったが、放送内容には衝撃を受けた。その時放送されていたのがハンガリーの議会だったからである。

 当時は東欧に民主化の嵐が吹き荒れ、第二次大戦後の冷戦構造が終焉の時を迎えていた。世界の目は東欧の民主化の動きに注がれ、ニュースはその動きを刻々と伝えていたが、アメリカには東欧の議会の議論をそのまま放送するテレビ局があったのである。

 広報担当副社長から聞かされた話も興味深いものだった。まずは放送哲学がユニークを通り越していた。既存のテレビに対して徹底的にアンチなのである。

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2007年4月17日

政治を育てるテレビ(1)

テレビは視聴率を追求するものと思われているが、「視聴率を追求するところからテレビの堕落が始まる」と主張するテレビ局がアメリカにある。

 C-SPAN(シー・スパン)というケーブルテレビ向けのチャンネルで、アメリカ議会の審議、政党のイベント、シンクタンクのシンポジウム、政治家やジャーナリストが出演するスタジオ番組など政治の動きを専門に放送している。国から補助金が出ているわけではない。民間が経営するいわゆる民放である。

 視聴率を追求しないテレビが何故成り立つかと言えば、視聴率に明け暮れる地上波テレビには真似の出来ないチャンネルとして、ケーブルテレビ業界がこれを支えているからである。C-SPANはケーブルテレビのベーシック(視聴者が選択できない基本チャンネル)に組み込まれ、加入者が支払う月額30ドル程度の基本料金の中から一世帯につき月額6セント(7円)が分配される。

 アメリカではケーブルテレビが全米7割の家庭に普及したため、C-SPANの加入者も7千万世帯を超えた。

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2007年4月10日

民主党の迷走

統一地方選挙の前半戦が終わったが、最も注目されていたのはやはり東京都知事選挙だったと思う。首都決戦はその後の政治動向に大きな影響を与えるからだ。これまでも革新知事やタレント知事の誕生など常に時代を先取りする選挙結果を生んできた。1999年の石原慎太郎東京都知事の登場も、その2年後に小泉純一郎氏が総理に就任したことをみれば、現在の政治状況を先取りしていたという気がする。

それだけ重要な選挙で石原慎太郎氏が大勝した今回の選挙結果は何を意味しているのだろうか。

知事も三期目を迎えれば都民には飽きが来るものだ。都民は変化を期待していた。それは石原氏も十分意識していた。だからオリンピック招致という目玉を打ち出し、人気回復を狙ったが、選挙用のパフォーマンスであることが見え見えで、都民はさほど魅力を感じなかった。就任当初には「東京から日本を変える」と宣言して官僚と癒着した自民党政治を批判し、政治に閉塞感を抱いていた東京都民の心をつかんだが、パフォーマンスで石原氏を上回る小泉総理の登場もあって、最近ではそうした期待感もなくなった。その上、豪華出張や都政の私物化、数々の疑惑を抱えた水谷建設会長との交友などのマイナス要因も続々出てきた。

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2007年4月 2日

深刻なのは高齢化

 少子高齢化はこれからの政治が取り組まなければならない大問題である。

 ところが柳沢発言もそうだが、このところの議論は少子化にばかり目が向いているように思える。もちろん少子化も大問題には違いないが、それはアメリカを除く先進国に共通する問題で日本だけが突出している訳ではない。

 そもそも動物は生命の危機に遭遇すると種の保存本能が働いて子孫を増やそうとするが、危機が去るとその本能は減退する。人間も動物だから戦争や貧困がなくなり生活が安定すると少子化が起こる傾向にある。

 数々の戦争を経て版図を拡大した古代ローマも、「パクス・ロマーナ」(ローマによる平和)の時代を迎えるとローマ市民の少子化が顕著になった。塩野七生著「ローマ人の物語」(全15巻)によると、紀元前2世紀頃は10人もの子供を産むのが珍しくなかったのに、ジュリアス・シーザーが帝国の基礎を築いた紀元前1世紀になると子供2,3人が普通になり、帝国が安定した紀元前1世紀末になると恵まれた階層では結婚をしない人達が増えた。子供を産み育てる以外にも快適な生活を選択できるようになったからである。

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2007年3月24日

世論誘導プロジェクト

1月29日、最高裁判所主催の「裁判員全国フォーラム」で、産経新聞大阪本社と千葉日報社が金を払って参加者を動員していたことが明らかになった。新聞社はフォーラムの共催団体で、一人あたり3千円から5千円で人材派遣会社などに参加者動員を依頼していた。記者会見した新聞社幹部は、空席を作らないために独自の判断で行ったもので、費用もフォーラムの事業費ではなく新聞社の経費から支出し、質問のやらせはないとしながら、報道機関としては「あるまじき行為だった」と謝罪した。

このニュースですぐ思い出したのは小泉内閣時代に行われたタウンミーティングのやらせ問題である。

小泉内閣は「国民との対話」と称して、政権のスタート当初から教育改革や司法改革などをテーマにタウンミーティングを行ってきたが、参加者を動員し、発言者を事前に用意して、一部には5千円の謝礼金を支払っていた事実が、昨年の臨時国会での教育基本法案の審議過程で明らかになった。

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2007年3月19日

北方領土二等分論

 戦後日本が解決しなければならない外交課題として、北朝鮮との国交正常化とロシアとの平和条約締結がある。北朝鮮との国交正常化のためには日本統治時代の「過去の清算」と拉致問題の解決が前提となり、ロシアとの平和条約締結のためには北方領土問題が解決されなければならない。
 
 小泉前総理は北朝鮮との国交正常化に意欲を見せ、自らが平壌に乗り込んで日朝平壌宣言に調印したが、北朝鮮のミサイル実験や核実験によって宣言は有名無実のものとなった。安倍総理は拉致問題の解決を政権の最優先課題としているが、すでに解決済みとする北朝鮮の前にこちらも状況は容易でない。対北朝鮮外交が思うに任せない中、昨年末に麻生外務大臣が北方領土問題の解決策として北方領土面積二等分論に言及したことが注目された。

 12月13日の衆議院外務委員会で、麻生外務大臣は民主党の前原誠司議員の質問に答えてこう発言した。

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2007年3月12日

すきま風

不思議なコメントだった。3月7日夜、安倍総理と小泉前総理、中川幹事長が帝国ホテルで食事を共にした後の中川幹事長のコメントである。官邸と党の間にすきま風が吹いていると言われていることについて、小泉総理は「俺が総理の時は暴風雨だった。官邸と党が一体となってどんどん大きな台風を吹き荒れさせたらいい」と言ったというのである。そう言われて安心したような口振りの中川幹事長に誰もが首をかしげたのではないか。 

小泉時代の自民党と官邸の間には確かに嵐が吹き荒れていた。小泉政権の5年間は自民党抵抗勢力との闘いの連続だった。その結果「小泉前総理は改革者である」というイメージを国民に抱かせる事が出来た。抵抗勢力がいなければあれほどの国民的人気は得られなかった。「自民党をぶっ壊す」という小泉前総理のその言葉に国民は熱く期待した。自民党は反小泉を象徴する悪役だった。しかしそうした時でも自民党の幹事長は常に小泉前総理に絶対的に服従する側近であった。

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2007年3月 5日

徹夜の攻防

平成19年度予算案が徹夜の与野党攻防を経て3日未明に衆議院を通過した。予算案が未明に可決されたのは20年ぶりというから、与野党馴れ合いの55年体制末期以来ということになる。55年体制では、選挙で勝つことを放棄した野党が、時の政権を揺さぶる唯一の手段として予算を成立させない戦術を使った。予算委員会の審議に一切応じず、会計年度が始まる4月を過ぎても予算が成立しないと、政府の機能は麻痺状態になる。よく「刑務所の飯が出なくなる」と言われたが、行政の長である総理大臣は責任をとらざるを得なくなる。1989年、5月に入っても予算が成立しなかったため、竹下総理は予算の成立と引き換えに退陣した。しかし総理の首を取ったからといって野党が権力を握れるわけではない。自民党内の他の実力者が権力者になるだけで、自己満足のために野党は国民生活にもプラスにならない審議拒否をやってきた。

20年ぶりという異例の徹夜国会について、与党は「大義なき抵抗戦術」と野党を批判し、野党は「数の暴力で採決が強行された」と与党を批判している。一体何が起きたのか、3月2日の出来事を時系列で紹介する。

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2007年2月28日

復党第二幕

安倍内閣の支持率低下が止まらない。共同通信、NHK、朝日新聞に続いて毎日新聞の世論調査でも支持と不支持が逆転した。就任直後に80%という高支持率を獲得しただけにその下落ぶりが一層際立つことになる。参議院選挙に勝つため国民的な人気を見込んで白羽の矢を立てた自民党にとっては「こんな筈ではなかった」との思いが強いだろう。

しかし本人はここまでくると逆に怖さがなくなり、迷うこともなくなったのではないか。当初は八方顔を立てて立ち位置も定まらなかったが、今では自分の思い通りにやろうと覚悟を決めたように見える。開き直りとも言えるが、本人にしてみれば、支持率が下がり始めてからというもの、総理経験者をはじめ会う人達がみな異口同音に「支持率など気にせずに自分の思い通りにやれ」と言い続けたのだから、その忠告に従っただけだと思っているかもしれない。

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2007年2月20日

続・問題発言

 国会ではその後も柳沢発言を巡って追及と謝罪が続いている。発言の不適切さは本人も認めているわけだから、発言について追及しても謝罪が繰り返されるだけで生産的な議論にはならない。

 発言の不適切さをひとまず横に置いて見ると、問題は将来の年金財源をどのようにして確保するかという点にある。現在の年金制度では現役世代が支払う保険料を財源に充てることになっているから、少子高齢化が進めば制度が維持できなくなるのは明白である。それをどのようにして乗り越えるかを政治は説明しなければならない。しかし納得のいく説明がないために「どうせ自分たちが年金受給年齢になる頃には、制度は崩壊していて年金を受け取ることなど出来ない」と考える若者が多い。そのせいか年金保険料を支払わない国民が4割にも達している。

 この危機的状況をどう解消するか。柳沢大臣は「女性に頑張って子供を産んでもらう」必要性に言及した。現役世代の数を増やそうという訳だ。ではそのために政治は何をすべきか、女性に「頑張ってもらう」だけなのか、他に政治がやるべき事はないのか、国民としてはそこのところを議論してもらわないと困る。

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2007年2月12日

問題発言

 「アメリカ人は怠け者だと日本の総理大臣が国会で発言した」とアメリカのメディアが報道して大問題になったことがある。
 
 1992年の通常国会のことで、発言したのは宮沢喜一総理大臣である。宮沢総理は、当時のアメリカ社会が「ものづくり」よりも「マネーゲーム」に力が入っていることを、「アメリカの労働の倫理観に疑問を感じる」と予算委員会で発言したが、それが「怠け者発言」と報道された。
 
 当時は日本製の自動車や電気製品が集中豪雨的にアメリカに輸出され、貿易摩擦が日米間の最大の問題であったことや日本経済がバブルの最盛期であったのに対してアメリカ経済は不況のどん底だったことから、発言はアメリカ人の怒りに火をつけた。
 
 ジャパン・バッシングが起こり、「戦争に勝ったのはどっちだ」、「世界最新鋭の兵器を作れる労働者が怠け者なのか」といった発言から、「もう一度原爆を投下しないと日本人は反省しない」と恐ろしいことを言い出す上院議員まで現れて、アメリカ社会の怒りはなかなか収まらなかった。

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2007年1月30日

ヒラリーの挑戦

 来年のアメリカ大統領選挙に向けてヒラリー・クリントン上院議員が活動を開始した。大統領候補を指名する予備選挙は、来年1月に開かれるアイオア州の党員集会が皮切りとなるが、ヒラリー上院議員は1月27日にそのアイオア州に入って対話集会を開き、初の女性大統領の実現に向けて戦う事を宣言した。世論調査によると現在のところ民主党候補の中で支持率はトップだが、初の女性大統領への道のりは決して平坦ではない。

 1993年にクリントン大統領が初の戦後生まれのアメリカ大統領として華々しく登場したとき、有能な弁護士であるヒラリーも初のキャリアウーマンのファーストレディとして注目された。しかし注目はされたが決して人気があったわけではない。むしろブッシュ元大統領夫人であるバーバラと比較され、結婚後家庭に入って6人の子供を育て上げたバーバラの方に多くのアメリカ人は親しみを感じていた。

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2007年1月23日

亥年の選挙は恐ろしい

 永田町では全員がそう思ったのではないだろうか。宮崎県知事選挙で泡沫候補と思われていたタレントのそのまんま東氏が圧勝した。誰もが予想しなかった選挙結果について、当初「保守分裂の影響」や「無党派の反乱」が指摘されたが、そのまんま東氏の得票数は投票総数の44%、二位との差が7万票余り、自民・公明の与党が推す候補に対しては二倍以上という数字で、「保守分裂」や「無党派の反乱」だけで片付けられるとは思わない。

 朝日新聞の出口調査によれば、自民党支持者の38%が自公推薦ではない川村候補に投票し、次いで32%がそのまんま東候補に、自公推薦の持永候補にはそれより少ない29%しか投票していない。宮崎県は国会議員5人のうち4人が自民党、県会議員42人のうち32人が自民党という保守王国である。その宮崎でそのまんま東氏は自公推薦候補者より多い自民党支持者の票を獲得した。

 民主党支持者はどうか。自民党の一部が担ぎ出し民主党が支援した川村候補とそのまんま東候補が44%で並んでいる。民主党支持者にも大きく食い込んでいる。

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2007年1月15日

政治は「揺り戻し」の中にある

 2007年初の「言いたい放題・金曜ナイト」は、谷藤悦史早稲田大学教授に日本政治の課題を語ってもらったが、キーワードは「揺り戻し」だった。

 まず外交であるが、つい最近までの世界はアメリカを中心としたグローバリゼーションの流れの中にあった。20世紀末、旧ソ連の崩壊によって唯一の超大国となったアメリカは、世界最強の軍事力、経済力、情報力を武器に、世界を一極集中的に管理しようとした。20世紀末から21世紀初頭の世界にはグローバリゼーションの波が押し寄せた。ワシントンにある世界銀行、国際通貨基金が世界経済を主導し、ホワイトハウスが世界の政治地図を作製した。ワシントンで世界の全てが決められた。
 
 2001年に誕生した小泉政権はアメリカとの関係を外交の最優先にしたことで、グローバリゼーションの流れに乗った政権だったと言える。

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2007年1月 9日

見えない二人

 12年に一度、統一地方選挙と参議院選挙が重なる亥年が幕を明けた。
 
 とりわけ今年の選挙は与野党にとって生死を賭けた戦いとなり、負けた方の総大将は政治的に死に体になる恐れがある。戦いは年の初めから始まり夏に決着する。
 
 1月21日に山梨、愛媛、宮崎の県知事選、2月4日に愛知県知事選と北九州市長選、4月8日に統一地方選挙の前半として13の都道県知事選と44の道府県議選など、4月22日には福島、沖縄の参議院補欠選挙と統一地方選の後半として市町村の首長選挙などが行われ、7月22日に青木幹雄自民党参議院会長が言うところの{天下分け目の関が原」参議院選挙が予定されている。

 参議院選挙は長期政権を続けてきた自民党にとって鬼門である。

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2007年1月 2日

多極化時代の日本外交(2)

 日本がアジアでリーダーシップを発揮するためにはどうすればよいか。
 
 人間の安全と安心に関する国連機関を日本に開設することで、アジアでのイニシアチブを確保しようと提案したのは公明党の澤雄二参議院議員である。
 
 澤議員は、日本が日米同盟を基軸にしながらアジア政策でもバランスをとるためには、まず東アジア共同体構想に積極的に取り組むべきだと主張する。

 「1923年にクーデンホーフ・カレルギーがパン・ヨーロッパを提案してからEU発足まで70年掛かっています。第二次大戦後、欧州石炭鉄鋼共同体、ECSCが発足してからEU誕生まで42年間掛かっています。

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2006年12月26日

多極化時代の日本外交(1)

 国会は与党と野党が争う所、野党が政府を攻撃する所というのが一般的な見方だと思う。
 
 議会制民主主義は国の未来のためにどのような政策を選択するかを政党が競い合う仕組みなので、党派性が前面に出て争う事になるのは避けられない。
 
 しかし党派性がすぎると、党利党略のために重箱の隅をつつくような質問が繰り返されたり、スキャンダル追及に拍車がかかったりで、かえって国民をうんざりさせることにもなる。
 
 ところが国会には与野党が一緒になって日本の進路を考え、議論をする場がある。参議院に設置されている「調査会」で、委員会と違い法律をつくる所ではない。国家の将来について基本的な方向を形成するための勉強会のようなものだ。法案の審議でないためメディアが取り上げることはほとんどなく、国民はその内容を知らない。現在参議院には「国際問題調査会」、「少子高齢調査会」、「経済・産業・雇用調査会」の三つの調査会が設置されていて、それぞれが日本の中長期的課題を3年がかりで議論し、報告書にまとめることになっている。

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2006年12月19日

「タウン・ミーティング」と「コール・イン」

「恥を知れ!」と壇上から民主党の菅直人代表代行が叫んで、衆議院本会議場は騒然となった。

12月15日、安倍内閣に対する不信任決議案の趣旨説明が行われた時のことである。しばしの沈黙の後、「タウン・ミーテイングの調査報告書を読んだときに私の頭に浮かんだのは、その言葉です」と菅代表代行は続けた。

菅代表代行が叫んでみても、内閣不信任案は三分の二以上を占める巨大与党によってあっさりと「一蹴」され、続いて開かれた参議院本会議で重要法案が軒並み成立、安倍内閣初の臨時国会は事実上閉幕した。

小泉政権下で行われたタウン・ミーティングは、わが国の民主主義がまさに「民主主義もどき」でしかないことを満天下にさらした。官僚の指示通りに意見を述べる国民がいて、それを国民の声として利用する政府があった。

そもそもタウン・ミーティングはアメリカ民主主義の原点とも言うべきものである。投票権を持つ町民が町の集会場(タウン・ホール)に集まって町の政治について議論する。そうした伝統をアメリカ人は民主主義の基本として大事にしてきた。

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2006年12月12日

「闘わない政治家」の「闘うべき」相手

 安倍内閣の支持率低下が続いている。
 
 マスコミ各社の世論調査で就任当初60~70%程度あった支持率が、1ヶ月後には50%台になり、最近では50%を割り込むようになった。
 
 低下しているとは言っても40%台を維持していれば慌てる必要はないのだが、安倍総理に限っては、小泉後継として白羽の矢を立てられた最大の理由が国民的人気の一点だったから、本人だけでなく周囲も大いに気になっているところだろう。
 
 問題は何故支持率が下がっているかである。その分析を間違えると取り返しのつかないことになる。今のところ支持率を下げさせたのは「郵政造反組の復党問題」だと言われているが、本当にそれだけなのだろうか。
 
 国会TVでは番組に登場するゲストに支持率低下の原因を聞いてみた。

 11月17日に出演した「インサイドライン」編集長の歳川隆雄氏は「対中韓外交を円滑に行うために採用した曖昧戦略が、プロ筋には評価されても、国民には理解されず、そのことで支持率が下がっている」と分析した。

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2006年12月 4日

「郵政選挙」の後始末

 郵政造反組の復党問題は、平沼赳夫衆議院議員を除く11人の復党が認められることで決着した。この決着を巡っては賛否両論、様々な意見が渦巻いていて、現状の政治を考える格好の材料のように思える。

 世論調査によると国民の半数以上が復党に批判的である。理由の第一は去年の総選挙に対する裏切り行為だというものである。去年の総選挙は郵政民営化の是非を争点として行われ、しかも自民党が古い体質を切り捨てて新しく生まれ変わることを、郵政造反議員を公認せず「刺客」を送り込むという具体的な形で国民に見せつけた。それを信じて投票した国民はどうなるのか。裏切りではないかという意見である。
 
 確かに小泉前総理は「郵政民営化に賛成か反対かを国民に聞いてみたい」と言って解散に踏み切り、また「郵政民営化に反対するのは抵抗勢力で、自民党は改革政党だ」と言い切ったから、それを信じて投票した人たちが裏切られた気持ちになるのは当然だ。

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2006年11月27日

教育基本法を巡る議論(3)

食の教育を論じたのは民主党の山田正彦衆議院議員である。

 学校給食は小学校で99%、中学校で70%が実施されているが、そのうち和食の割合はそれぞれ46.8%と48.5%だという。山田議員は平成14年から地場産の食材を使って完全和食を始めた長野県真田町の小学校の例を挙げてこう述べた。

 「最初は大変な抵抗があった。まず子供が嫌だと言うし、父兄も嫌だと言うし、みんなが嫌だと言ったんだけれども、その教育長さん、多分強引に押し切ったんでしょうが。それでやってみると、まず第一に言えることは、キレる子がいなくなったと言うんです。普通、荒れた学校ですといろいろな形で暴れたり何なりしますけれども、あるいは先生に向かったりということがありますが、食べ物でこんなに変わるんですよと。そして、小魚、例えばイワシとかサンマとか、そういった魚を丸ごと食べられるようにしている。必ず魚を中心として、しかも骨を食べられるようにし、いわゆるミネラルとかカルシウム、そういったものを十分にとらせるようにしましたと。もちろん、みそ汁もですね。それによって、最初は学校給食の担当者も大変嫌がっておりましたが、子供たちが食べ残しも少なくなったし喜ぶようになったと言うんですね」

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教育基本法を巡る議論(2)

 日本の文化、伝統、言葉の大切さを教育の柱に据えるなら、「日本国」の文字と読みにこだわるべきではないかと言ったのは民主党の岩國哲人衆議院議員である。

 「国という字、どういう字が書かれているか。今使われている国と、日本国憲法が制定され、天皇陛下によって公布されたときの國の字と違っているじゃありませんか。
 
 天皇陛下が公布されたときの日本國憲法の國という字はどういう字だったのか。いわゆる旧漢字と言われ、しかし、今でも常用漢字の中に残っております。矛と盾で国と国民を守り、その矛と盾、武器は国外には出さないということでくにがまえで囲ってあるんです。いわば憲法第九条の、平和憲法の精神を、ダ・ヴィンチ・コードじゃありませんけれども、まさにジャパン・コードがこの一字に込められている、これが文字の文化なんです。そして、日本国憲法の国は、私はこの國であるべきだと思うんです。

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教育基本法を巡る議論(1)

 臨時国会の最重要法案は前の通常国会から継続審議となっている教育基本法改正案である。今国会で成立させる事ができなければ安倍政権は鼎の軽重を問われる。そのためか採決を急ぐ与党は審議が100時間を超えたことを理由に単独で衆議院を通過させ、法案を参議院に送付した。これで法案の成立は確実になったと見られる。

 しかし教育基本法は憲法と並んで国家のありようの根底を形作るものであり、本来は広く国民も巻き込んで様々な角度からの議論が展開されることが望ましい。そのためにはメディアが国会審議の詳細を逐一国民に伝えるべきだが、残念ながら前国会では「愛国心」の部分だけが、今国会では「未履修」や「やらせ質問」を巡る発言ばかりが報道されている。
 
 そこで特別委員会の議論の中からいくつかユニークな論点を取り上げて紹介したい。なぜ教育基本法を改正しなければならないのかを考える材料になればと思うからである。

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2006年11月19日

昔の審議拒否と今の審議拒否

 今国会の最重要法案である教育基本法改正案は、15日に与党が特別委員会で単独採決、16日の本会議でも与党単独で可決、17日には参議院本会議で野党欠席のまま趣旨説明が行われた。
 
 沖縄県知事選挙への影響を考えて、選挙後まで採決をのばした方が良いとの意見もあったが、安倍総理の意向で単独採決に踏み切った。

 野党はタウンミーテイングでのやらせ質問が明らかになったことを理由に採決には応じられないと欠席戦術をとった。民主党は共産党や社民党と違い、自民党内からも評価される対案を出しており、与党と対立せずに修正協議を行う道もあったが、沖縄県知事選挙での野党共闘を重視して、小沢代表は対決戦術を選択した。
 
 それぞれの選択が正しかったかどうかは、沖縄県知事選挙の結果で大きく分かれる。(19日午後記述)

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2006年11月13日

アメリカを読み解く

11月10日放送の「アメリカを読み解く」は明治大学教授の越智道雄氏とアメリカ中間選挙から何が読みとれるかを語り合った。

越智教授には『ブッシュ家とケネディ家』(朝日選書)などの著作があり、ブッシュ一家の事情に詳しい。

越智教授の目には、今回の中間選挙の意味するものが次のように映っている。

東部エスタブリッシュメントそのものの父親に対して何とか自立を図ろうとした「できの悪い長男」が、父親の制止を振り切ってチェイニー、ラムズフェルド、ネオコンらの強硬派と共にイラク戦争に乗り出したが収集が付かなくなり、結局父親の側近たちが進めるイラク政策に乗り換えざるを得なくなった。この5年間のアメリカ政治の底流には、かつてガレージでつかみ合いの喧嘩を演じたブッシュ親子の愛憎劇があるという。

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2006年11月 3日

国会は情報の宝庫

 国会というのは不思議なところである。国権の最高機関と言われながら、その実態を知る人は少ない。最高機関であるから軽々しく国民に見せてはいけないという考えがあるようで、国民と隔絶された聖域になっている。気軽に国会に行って審議を傍聴したり、食堂で食事をすることなど出来ない。傍聴するにも見学するにも国会議員にお願いをして許可を取って貰わないと国会に入るのが難しい。

 世界中の議会を知っている訳ではないが、権威主義がはびこるのは発展途上国や独裁国家で、日本の国会はそれらの国に近いと思う。かつて何度かアメリカ議会を訪れたことがあるが、夏にはスニーカーに短パン姿の家族連れが多く見られた。おそらく地方からの観光客だろう。議会の入り口で金属探知機の検査を受ければ、誰でもが中に入って見学できた。地下にある食堂で食事をすることも出来る。議会の周囲には塀も門もなく、広い前庭は子供が凧揚げやローラースケートをして遊ぶ広場になっていた。

 日本の国会を見学に訪れるのは社会科の授業の小中学生か、政治家の後援会の団体ばかりだ。家族連れなど見たことがない。国会の前庭は団体さんが記念撮影するだけで、散歩をする者も、遊ぶ子供もいない。広い庭の一隅には各県の県木が植えられているが、開放されているわけではないから観賞する人間もいない。アメリカ議会と比べるとこれが同じ民主主義の国なのだろうかという気がしてくる。

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Profile

田中良紹(たなか・よしつぐ)

-----<経歴>-----

1945年宮城県仙台市生まれ。
1969年慶應義塾大学経済学部卒業。
同年(株)東京放送(TBS)入社。
ドキュメンタリー・デイレクターとして「テレビ・ルポルタージュ」や「報道特集」を制作。また放送記者として裁判所、警察庁、警視庁、労働省、官邸、自民党、外務省、郵政省などを担当。ロッキード事件、各種公安事件、さらに田中角栄元総理の密着取材などを行う。
1990年にアメリカの議会チャンネルC-SPANの配給権を取得して(株)シー・ネットを設立。
TBSを退社後、1998年からCS放送で国会審議を中継する「国会TV」を開局するが、2001年に電波を止められ、ブロードバンドでの放送を開始する。
2007年7月、ブログを「国会探検」と改名し再スタート。

BookMarks

日本初の政治専門チャンネル!
↓ ↓ ↓
国会TV
http://kokkai.jctv.ne.jp/

-----<著書>-----


『裏支配─いま明かされる田中角栄の真実』
2011年1月、電子書籍


『メディア裏支配─語られざる巨大マスコミの暗闘史』
2005年3月、講談社

-----<編書>-----


『憲法調査会証言集─国のゆくえ』
2004年7月、現代書館

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