安倍総理が突然辞任を表明した。辞任を表明するのは本人の自由だが、国会を召集し、月曜日に所信表明を行い、それに対する各党の代表質問が行われる直前の辞意表明である。あまりに非常識という他ない。この総理は国会というところを、総理の責務を、いやそもそも政治というものを何だと思っているのだろうか。
召集されたばかりの国会は中断されることになり、おそらく次の総理が決まるまで開く意味がなくなった。日本中が迷惑を蒙る。そのことが分かっているのだろうか。分かってやったとしたら、周囲のみんなを困らせてやろうと駄々っ子が考えるようなタイミングだった。何故こんなことが起きたのか。
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7月の参議院選挙で国民に「ノー」を突きつけられた安倍総理にとって権力者として選ぶべき道は二つあった。いったん退陣をして捲土重来を期す道と、あくまでも権力の座に居続けて人心の一新をはかり失地回復をする方法である。若い安倍総理には「再チャレンジ」の方がふさわしいと思ったが、安倍総理はその道を選ばなかった。「人心を一新せよというのが国民の声だ」と内閣改造・党役員人事による政権維持の方針を明らかにした。
人事は最高の権力行為である。人事によって人は権力にひれ伏すか、離反するかに分かれる。人事を誤れば権力は崩壊し、人事に成功すれば権力は回復される。そして人事には権力者の置かれた状況や資質が否応なく現れる。
それでは27日に行われた内閣改造・党役員人事に安倍総理のどのような状況と資質が現れているのか。
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かつて中曽根総理の主席秘書官を務めた上和田義彦氏から「政治はなあ、女を口説くのに良く似ているんだ」と言われたことがある。
「ある女性を好きだとどれほど真剣に思っても、無理矢理自分のものにする事は出来ない。ストレートに好きだと告白してもうまくいくとは限らない。上手に口説かないと女性は心を開かない。月が綺麗だと言ったり、服の色を褒めてみたり、関係のない話をしながら次第に自分の気持ちを分からせて口説き落とす。政治もそれと同じだ。どんなに正しい政策でも無理やり国民に押し付けることは出来ない。そんなことをすれば国民から手痛いしっぺ返しを食う。手練手管を使いながら国民を説得し、次第に抵抗をなくしていって、はじめて政策は実現する。それが政治というものだ」。
同じ話を田中角栄元総理からも聞いたことがあるので、これは政治の世界で昔から広く知られた話なのかもしれない。
「だから女の心が分からず、女にもてないような男は、ろくな政治家になれない」とそのとき上和田氏は付け加えた。
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国会TVから身を引き自由の身になったところ、30年来の友人であるジャズ・ドラマーの中村達也から「一緒に旅に出ないか」との誘いがあった。今回は東北・北海道を演奏して回るという。出発は7月12日、帰京は29日と奇しくも参議院選挙と同じ日程である。考えてみれば国会TVの放送を始めてから9年間は旅行らしき旅行もしていない。永田町を離れて選挙を見ると何が見えるか、そんなことも考えてジャズ・ツアーに同行することにした。
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「恥を知れ!」と壇上から民主党の菅直人代表代行が叫んで、衆議院本会議場は騒然となった。
12月15日、安倍内閣に対する不信任決議案の趣旨説明が行われた時のことである。しばしの沈黙の後、「タウン・ミーテイングの調査報告書を読んだときに私の頭に浮かんだのは、その言葉です」と菅代表代行は続けた。
菅代表代行が叫んでみても、内閣不信任案は三分の二以上を占める巨大与党によってあっさりと「一蹴」され、続いて開かれた参議院本会議で重要法案が軒並み成立、安倍内閣初の臨時国会は事実上閉幕した。
小泉政権下で行われたタウン・ミーティングは、わが国の民主主義がまさに「民主主義もどき」でしかないことを満天下にさらした。官僚の指示通りに意見を述べる国民がいて、それを国民の声として利用する政府があった。
そもそもタウン・ミーティングはアメリカ民主主義の原点とも言うべきものである。投票権を持つ町民が町の集会場(タウン・ホール)に集まって町の政治について議論する。そうした伝統をアメリカ人は民主主義の基本として大事にしてきた。
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安倍内閣の支持率低下が続いている。
マスコミ各社の世論調査で就任当初60~70%程度あった支持率が、1ヶ月後には50%台になり、最近では50%を割り込むようになった。
低下しているとは言っても40%台を維持していれば慌てる必要はないのだが、安倍総理に限っては、小泉後継として白羽の矢を立てられた最大の理由が国民的人気の一点だったから、本人だけでなく周囲も大いに気になっているところだろう。
問題は何故支持率が下がっているかである。その分析を間違えると取り返しのつかないことになる。今のところ支持率を下げさせたのは「郵政造反組の復党問題」だと言われているが、本当にそれだけなのだろうか。
国会TVでは番組に登場するゲストに支持率低下の原因を聞いてみた。
11月17日に出演した「インサイドライン」編集長の歳川隆雄氏は「対中韓外交を円滑に行うために採用した曖昧戦略が、プロ筋には評価されても、国民には理解されず、そのことで支持率が下がっている」と分析した。
続きを読む "「闘わない政治家」の「闘うべき」相手" »