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「日米対中国」と考える愚かさ »

中盤の序盤2

 ダブル党首選の顔ぶれが出揃い選挙戦がスタートした。一言でいえば勢いのない候補者の勢揃いである。

 民主党には野田総理を再選させるしかない事情があり、勢いがないのも仕方がないが、自民党は出馬に意欲を見せていた谷垣総裁の足を引っ張っての選挙戦だから、もっと勢いが出るかと思ったが、迫力に乏しい「お坊ちゃま」たちの勢揃いとなった。

自民党総裁は総理になる可能性があるとして、メディアはしきりに政策の中身を聞こうとするが、前も書いたように自民党が政権をとっても「ねじれ」は解消されず、掲げた政策が実現される保証はない。だから政策を鮮明にすると自らを縛ると考えるのか、主張は似たり寄ったりで逃げの姿勢が見える。

 ただ党首選には、今後の政局を占うための動きも見えるので、私なりの見方を書いておきたい。9月に入ると民主党では細野豪志環境大臣の代表戦出馬説が出回った。6日には有志議員が本人に出馬を要請する模様がニュースで流され、野田総理に強力な対抗馬が現れたと報道された。しかし7日には細野氏が不出馬を表明、一転して野田総理の再選が固まった。

 これが何を意味するか。私には輿石幹事長の続投が固まり、総理の解散権にかんぬきがかけられたと見える。解散・総選挙を考えると民主党国会議員の多くは「選挙の顔」として野田氏より細野氏を担ぎたい。それを野田総理に見せつけたのが6日の動きである。そこで野田総理が「選挙の顔」が自分でない事を認めれば、細野氏に不出馬を言わせ、野田再選を固める。そのシナリオに見えた。

野田総理にはやり残した課題がある。「税と社会保障の一体改革」ではない。赤字国債発行法案と選挙制度改革法案の成立である。赤字国債発行法案が成立しないと政府の財布は空っぽになり国家は何もできなくなる。期限は「10月末」だそうだから、それまでには何としてもこれを成立させなければならない。

それを新しい「選挙の顔」ではなく野田総理にやらせようというのである。10月に開かれる臨時国会で野田総理問責に賛成した自民党は野田総理にどう対応するか。問責を盾に赤字国債発行法案の審議に応じなければ政府の財布は空っぽになる。民主と自民の我慢比べが始まる。最悪の場合は総理の首を差し出して実現させるところまでいく。それが10月政局の第一の攻防である。

 自民党候補者の中で石破氏だけが無条件で赤字国債発行法案を認め、問責決議にも否定的な姿勢を見せた。野田総理にすれば石破氏の総裁就任が望ましい事になる。しかしその他の候補はそうではない。問責を可決した自民党内もそれで収まるとは思えない。

 10月第二の攻防は選挙制度改革法案の成立で、これが成立しないと解散・総選挙は難しい。問題は消費増税で国民に負担を強いる3党が「身を切る定数削減」に踏み込めるかどうかである。自民党総裁候補は全員が「0増5減」で済ませる方針を示した。さらに40議席を削減しようとしている民主党とは対立する。この処理も問責を受けた野田総理にやらせた方が得策と民主党は考えている。

 報道によれば細野氏に出馬を促し、その後に出馬を止めさせたのは輿石氏に近い議員だという。その人たちが出馬を止めさせたのは目的が達せられた事を意味する。目的は輿石幹事長の続投である。つまり今回の民主党代表選は、野田総理が去年の「どじょう演説」で輿石幹事長就任を約束し代表の座を勝ち得たのと同様に、輿石幹事長続投を約束した事で再選が約束されたと私は見る。

 しかし政治の世界に裏切りは付き物である。それをさせないため3人が代表戦に出馬して強弱の違いはあるが野田批判をする。特に去年の代表戦で事前の予想を覆し野田代表誕生に最も尽力した鹿野元農水大臣が対抗馬として出馬しているところに、再選はさせるが勝手なことをすると包囲網を作るという意図を感じる。紆余曲折はあるだろうが「近いうち」は「選挙の顔」が代わってからではないか。

 自民党の谷垣総裁は醜態をさらした。直前まで意欲を示していたのに党内に支える勢力が少なく不出馬を表明した。谷垣総裁を屈辱の不出馬に追い込んだのは「選挙の顔」にならないという自民党の都合である。政党支持率で民主党を上回ったとはいえ、大差がある訳ではないし、野田総理になってからの民主党政権に谷垣総裁は決して「押し」が強いとは言えなかった。

 党首討論では3党合意を迫る野田総理に押し込まれ、3党合意との引き換えに解散を約束させる事も出来なかった。ただそこには無理からぬ事情もある。3党合意と解散の取引より、民主党分裂が前面に出たため、それを奇禍とした自民党は確かな解散の保証もないまま3党合意に引きずりこまれた。それが最終的に3党合意を否定する野党7会派の問責決議案に賛成する異様な決断に至るのである。

 民主党に協力する3党合意と民主党と敵対する解散という2つの異なる要求が自民党内にあり、両方を同時に成し遂げなればならない立場に谷垣氏は立たされ、それが谷垣氏を追いつめた。また谷垣氏は野田対小沢という対立構図が生み出す政局にも勝てなかった。対立していると見て突き進むと足をすくわれる政局である。最後は小沢氏らが提出した問責決議に賛成するはめになった。

 自民党総裁選に名乗りを上げた候補者たちは告示の日に、異口同音に谷垣総裁の仕事ぶりを讃え、ねぎらいの言葉を口にしたが、それがかえって白々しく聞こえた。しかし間もなく選ばれる総裁は谷垣氏と同じ立場に立たされ、3党合意と解散の両立を迫られるのである。

 自民党総裁選の候補者たちに勢いを感じさせないもう一つの理由は、1年生議員の小泉進次郎青年局長の存在である。小泉氏は「野党に転落した自民党はすぐに政権に復帰しようとせず、真剣に反省して解党的出直しを図らなければならない」とか、「どこかと組む事を考えるのは、自民党を駄目だと言っているようなものだ」など至極もっともな事を言い、3党合意に批判的なスタンスをとっている。

 その小泉氏がキングメーカーの役割を果たそうとした。19日に行われる青年局主催の討論会を聞いて誰に投票するかを表明すると発言したのである。これで混とんとする総裁選の行方に小泉氏が大きな影響力を持つことになり、総裁選の主役が候補者ではなく1年生議員になりかかった。

 後にそうした考えは撤回されたが、しかしこれで小泉氏は十分に存在感をみせつけ、それと比べて候補者たちの迫力のなさが印象付けられた。小泉氏が言う通り、自民党は野党転落の原因を徹底的に究明し、民主党を批判するより民主党を超える政策を国民に提示しなければならない。

 それもせずただ問責決議を連発してきた自民党から脱皮する事こそ次の総裁の課題である。それが見えないと自民党総裁選は目先の解散・総選挙を求める党利党略だけが浮き彫りになる。

▲  ▽  ▲

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【会場】
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東京都新宿区四谷1-8-6 ホリナカビル 301号室
http://www.kaigishitsu.jp/room_yotsuya.shtml

※第1部終了後、田中良紹塾長も交えて近隣の居酒屋で第2部を行います。

【参加費】
第1部:1500円
※セミナー形式。19時〜21時まで。

第2部:4000円程度
※近隣の居酒屋で田中塾長を交えて行います。

【アクセス】
JR中央線・総武線「四谷駅」四谷口 徒歩1分
東京メトロ「四ツ谷駅」徒歩1分

【申し込み方法】
下記URLから必要事項にご記入の上、記入欄に「年齢・ご職業・TEL」を明記してお申し込み下さい。

21時以降の第2部に参加ご希望の方は、お申し込みの際に「第2部参加希望」とお伝え下さい。

http://www.the-journal.jp/t_inquiry.php

(記入に不足がある場合、正しく受け付けることができない場合がありますので、ご注意下さい)

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コメント (5)

輿石氏が幹事長として残るだろうか。少し疑問に思っています。

幹事長として残ろうとしたら、細野氏を代表にするしか、民主党に残された道がなかったのではないか。しかし、輿石氏は細野氏をバックアップしなかったようである。多分ご本人は幹事長を辞める覚悟をしたのではないでしょうか。

野田政権を陰で支える人たちは、野田氏を代表に再選出し、行けるところまで野田政権を引き延ばし、どこかで細野氏にバトンタッチし、イメージを変えて、解散しようと考えていると判断するのが一番妥当な見方のような気がしています。

自民党の姿は何等論評に値しないのではないか。ただ民主党の約束も守らない子供の政治はご免こうむりたいと言うのが、国民の正直な声でしょう。

尖閣問題の対処を見ているととてもこの国を任せられる政党とは思えないのです。正論が外交に通用すると考えているようで、老獪な中国にじゃれているようなイメージしか湧いてこないのです。

田中良紹様

最近のテレビニュースの報道では、自民党総裁選ばかり取り上げ、小沢一郎氏の名前が消えました。

福島第一原発事故で放出された放射性物質の影響は測り知れません。

当初放射性セシウムしか調査しませんでしたが、最近はプルトニウムやストロンチウム等の核種が関東地方から検出されています。
現在チュルノブイリでさえ元通りになっていないのに、たった1年6カ月で福島第一原発が立地された町が元通りになるはずがありません。
本当にかしこい人間なら、原発事故の責任が取れないから首相になるわけがありません。
私には、自民党総裁選の立候補者は名誉欲と首相になって金設けしたいのだろうとしか思えません。

民主の代表選、自民の総裁選、維新の会の討論かなど小沢氏(生活)抜きの報道で支持者

は焦ります。 おまけに、「タカジン」では司会者の辛抱バカや津川の役者バカではなく恥知ら

ず、おまけにどこかで洗脳された雑魚馬鹿などのオゾマシイほどの小沢攻撃。

まあ逆に言えば、読売系のテレビが小沢最低と言う事は小沢氏が恐いか小沢氏が総理にな

る事が困ると言う事だろう。

テレビの許可は小沢さんが政権を取ったら、新聞社から切り離して独立させるべきで、誰でも

参加できるようにするべきだろう。


一つ救われたのは中田氏と勝谷氏が『小沢氏の濡れ衣・冤罪」について少し触れた事だ。

〈田中良紹様〉
こんにちは。私は野田再選の理由が輿石幹事長留任ではないと思います。自民党の総裁が誰になるかに依りますが、野田さんで入玉模様になるのではないか?それしか生き残れないと民主党議員が思いだしたのではないか?と勝手ながら想像しています。
今のままなら民主党壊滅と自民党も大勝できない。だから連立。

石原慎太郎のワシントンでの『尖閣諸島購入』発言を発端とする、日本政府の『尖閣諸島国有化』に対し、中国国内の抗議デモが、日本企業の破壊行動にまで及んでいます。

折しも、日本では民主・自民の総裁代表選で、各候補が競い合っています。

心配していた昨日(9/18)のデモから、中国当局の厳しい規制で、ようやく過激な行動に出なくなったようです。

それでも、日本政府の次からの措置によって、再燃しないとも限りません。

こうした事態を目の当たりにして、自民・民主の総裁代表候補者たちは、なおも『尖閣の実効支配』確立のため、石原慎太郎たちの計画する【灯台・無線塔・船だまりなど】のインフラ整備や、さらには【公務員の常駐】など、これまで通り主張していくのでしょうか……。

それらを一応留保して、従来通りの【棚上げ論】を考える余裕がないのでしょうか。

太平洋戦争の惨禍を体験した老人として、勝っても負けても、一触即発による【戦争勃発】だけは、避けなければなりません。

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Profile

田中良紹(たなか・よしつぐ)

-----<経歴>-----

1945年宮城県仙台市生まれ。
1969年慶應義塾大学経済学部卒業。
同年(株)東京放送(TBS)入社。
ドキュメンタリー・デイレクターとして「テレビ・ルポルタージュ」や「報道特集」を制作。また放送記者として裁判所、警察庁、警視庁、労働省、官邸、自民党、外務省、郵政省などを担当。ロッキード事件、各種公安事件、さらに田中角栄元総理の密着取材などを行う。
1990年にアメリカの議会チャンネルC-SPANの配給権を取得して(株)シー・ネットを設立。
TBSを退社後、1998年からCS放送で国会審議を中継する「国会TV」を開局するが、2001年に電波を止められ、ブロードバンドでの放送を開始する。
2007年7月、ブログを「国会探検」と改名し再スタート。

BookMarks

日本初の政治専門チャンネル!
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国会TV
http://kokkai.jctv.ne.jp/

-----<著書>-----


『裏支配─いま明かされる田中角栄の真実』
2011年1月、電子書籍


『メディア裏支配─語られざる巨大マスコミの暗闘史』
2005年3月、講談社

-----<編書>-----


『憲法調査会証言集─国のゆくえ』
2004年7月、現代書館

→ブック・こもんず←



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