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自民党の乱?

 小泉進次郎衆議院議員ら自民党の中堅・若手11人が「3党合意を破棄せよ」という緊急声明を谷垣総裁に提出した。谷垣総裁は「重く受け止める」と答えたという。「政策は丸投げ」だったが「政局大好き人間」であった小泉元総理の子息らしく、政局に対する感覚は「並」でないようだ。これが「乱」に繋がるかいささかの興味を引く。

 「並」の政局勘とは、3党合意によって消費増税賛成派が国会議員の圧倒的多数となり、それが政権与党民主党を分裂させ、離党した小沢氏らのグループは力のない弱小勢力に成り下がったという見方である。「並」は消費増税派が勝ちを制したと見ている。これに財界、官界、メディア、日本の富を狙う外国勢力などがエールを送っている。

 私はそうした見方とは真逆の事を言い続けてきた。消費税に賛成する気もなかった自民党が野田、小沢、輿石氏らの策略によって3党合意に引きずり込まれ、「増税政党」というレッテルを貼られた上、解散の確約もとれず、次第に追い込まれていくのではないかという見方である。

 3党合意によって永田町には「大政翼賛会的状況」が現出した。確かに消費増税法案が成立する事は必至である。しかし消費増税が実現するまでには2度の選挙を経なければならない。いずれの選挙も消費増税の是非が選挙争点になる。

 来年夏の参議院選挙より前に衆議院選挙が行なわれ、民主、自民、公明の3党が合計で過半数を上回れば3党合意は信任され、消費増税は実現に近づく。しかし実現に近づけば近づくほどそれを意識した国民は次の参議院選挙で反消費税派を勝利させる可能性が高まる。反消費税派が勝てば「ねじれ」が生まれて消費増税は実現しない。

 衆議院選挙と参議院選挙を別々に行なえば、国民の支持がスウィングして「ねじれ」が起き易いのが昨今の傾向である。3党合意で今は圧倒的多数を占める民主、自民、公明だが、2度の選挙で勢力を減らす事は確実である。とりわけ重要なのが来年夏の参議院選挙で、その結果が日本政治の行方を決める。

 原発問題もあって既成政党に対する国民の不信は増すばかりである。戦後政治の中心にあった自民党が存続の危機に見舞われることだってありえない話ではない。そう思わせるのが選挙制度改革の行方である。民主党は「0増5減」の小選挙区に加え、比例代表連用制によって40議席削減を提案している。一方の自民党は「0増5減」のみを提案した。

 消費税法案は今月まもなく成立するが、そうなれば国民の関心は「身を切る改革がどこまで行なわれるか」に移る。国民が負担を負うのに官僚や政治家が身を切らないのは許されないからである。果たして自民党の言う5議席減だけで国民は納得するだろうか。

 一方、民主党が提案している連用制で議席を減らすのは民主党と自民党だが、公明党や共産党などの中小政党には有利な結果が生まれる。この連用制に自民党は反対を貫けるか。貫けば「増税政党」の上に「身を切らない政党」の烙印を押される。さらに連用制は自民党に決定的なダメージを与える。これまでの自公選挙協力が解消される可能性があるのである。

 自民党候補者はこれまで各小選挙区でそれぞれ3万票程度の公明党票に乗って当選してきた。だから公明党の選挙協力がなくなると選挙結果は一変する。公明党はこれまで比例代表票を自民党に依存してきたため選挙協力に応じてきたが、連用制が採用されればその必要もなくなる。消費税法案の成立はその連用制導入を後押しするのである。

 当初自民党は野田総理が「政治生命を賭ける」と言った消費税法案を否決して解散総選挙に追い込む戦略だった。来年の衆参ダブル選挙を避けたい公明党も同様であった。しかし自民党は3党合意が民主党分裂を誘えると見て応じる事にした。なぜか小沢氏が声高に消費税反対を叫んだからである。公明党は民自連携が知らないところで行なわれるのを恐れて3党合意に踏み切った。

 それが昨今の国会審議を見ていると両党の政治家からぼやきが聞えてくる。消費税反対派が地元で増税反対を訴えているのを横目で見ながら消費税の必要性を言わなければならないつらさをぼやいているのである。「本当は私も増税より経済成長が先だと思っているが、党が決めた事だから賛成した。それなのに民主党が賛成で固まっていないのはどういうことか」と野田総理に食ってかかる自民党議員もいた。

 「3党合意は罠ではないか」とうすうす感じる議員が出てきたのではないか。「話し合い解散」の確約があると思っていたらそうでない事も分かってきた。自民党も公明党も増税を主張して選挙をやるしかなくなった。そうなると経済成長も言わなければ選挙で国民の支持は得られない。

 そこで語られているのが「コンクリートから人へ」を「人からコンクリートへ」と転換させる話である。自民党は「国土強靭国家」、公明党は「防災・減災ニューディール」とネーミングは異なるが、両方とも借金で公共事業をやる話である。

 東日本大震災の後だけに「防災」と言えば国民の支持を得られると判断しているのだろうが、その主張は高度成長期の自民党政治を髣髴とさせる。それが無駄な鉄道を作り、無駄な道路を作り、無駄な空港を作り、無駄なダムを作り、膨大な財政赤字を作って消費税の負担を国民に負わせる事になった。

 国民に対して増税に賛成して貰う見返りに借金で公共事業をやるという話は、そのように捉えられるのではないかと他人事ながら心配になる。自民党はそうした主張で本当に政権に復帰できると思っているのだろうか。

 冷戦後の世界はどの国も政治は不安定である。安定した秩序が崩れ、次の秩序がまだ出来上がっていないからである。既存の組織や既存の団体に頼る政治は続かない事が至る所で照明されている。日本で言えばもはや経団連や連合に頼るだけで選挙をやれる時代ではないのである。

 そうした中で自民党の中に小さな「乱」の目が生まれた。私にはこちらの方が先にある選挙を見据えた動きに見える。それが「並」ではないと感じさせる由縁である。


▲  ▽  ▲

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【日時】
2012年 8月29日(水) 19時〜 (開場18時30分)

【会場】
第1部:スター貸会議室 四谷第2(19時〜21時)
東京都新宿区四谷1-8-6 ホリナカビル 302号室
http://www.kaigishitsu.jp/room_yotsuya.shtml

※第1部終了後、田中良紹塾長も交えて近隣の居酒屋で第2部を行います。

【参加費】
第1部:1500円
※セミナー形式。19時〜21時まで。

第2部:4000円程度
※近隣の居酒屋で田中塾長を交えて行います。

【アクセス】
JR中央線・総武線「四谷駅」四谷口 徒歩1分
東京メトロ「四ツ谷駅」徒歩1分

【申し込み方法】
下記URLから必要事項にご記入の上、記入欄に「年齢・ご職業・TEL」を明記してお申し込み下さい。

21時以降の第2部に参加ご希望の方は、お申し込みの際に「第2部参加希望」とお伝え下さい。

http://www.the-journal.jp/t_inquiry.php

(記入に不足がある場合、正しく受け付けることができない場合がありますので、ご注意下さい)

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コメント (8)

今回の消費税の法案は、まったく国民不在で論議されている。
本当に増税が必要であれば、小沢氏の話している「予算の組み替え」を徹底的に行い、積み上げ方式の予算案の作成も辞める。
その上で国会議員含めシロアリ官僚の給与削減なども徹底的に行い、身を切ったことを納税者に理解させなければならないのでは?

今まで国は税金を徴収することを考えるが、無駄に使用しているチェック機能がまったく働いていない。自分たちが自ら無駄だと思いたくないだろうし。

一般企業であれば、収入が少なくなれば、当然社員の給料削減もおこなう。しかし、国家公務員は、税収が少なくなってもまったく給料を減額することもない。

現在の国の機関は、各省庁が省益を考えていることから、この省益を無くし、一括管理できるシステムなどを構築するべきと思う。

まぁ、ムリだと思うけど!

並だかどうかは知らないが、兎に角口先男の小泉進次郎らが自民党の中心になろうとするところに自民党の落ち目の三度笠だ。この国をメチャクチャにした親を見習い、これ以上はこの国を悪くして欲しくはない。心ある自民党議員は小泉や山本一太の口先に騙されないで欲しい。最も三党合意破棄には賛成だが・・・・。


或いは与党提出の内閣不信任案には自民党は堂々と反対して、次の選挙で野田民主と枕を並べて討ち死にして欲しい。その方が面白いかも・・・・。

<田中良紹様>
こんにちは。小沢・輿石・野田の企み?面白い論説を読ませて頂きました。私もその様に思えます。
疑問が確信に変ったのは社民・共産・みんなの党による消費税参議院採決前に衆院で内閣不信任案を提出することになった事実です。一見、野田政権を追い詰める内閣不信任案ですが追い詰められたのは自民党。自民党は財務省にいい顔をしながら、あわよくば国土強靭化計画で公共事業を獲得し、さらには連立に持ち込む顔をしながら特例公債法案で野田の首を取って谷垣再選を目指す戦略だったのでしょう。
この戦略には現在の自民党のバラバラ感が如実に現れています。
二兎を追うものという言葉がありますが、何兎も追いかけているからです。財務族の議員は何が何でも増税を成し遂げて、財務族の本分を発揮すべく動いているし、国土交通族の議員は「国土強靭化計画」により10年で200兆円もの公共事業を獲得してカラカラに乾いてしまった地元の票田に引水しようと躍起だし、谷垣執行部は解散を約束させて総裁再選を成し遂げたい。
これらがミキサーに入ってドロドロになっている様に思えます。
そこで、消費税増税法案には賛成して財務族の顔を立て、採決後、内閣不信任案ではなく問責決議案でお茶を濁し、国会を止めて特例公債法案を人質に国土強靭化計画補正予算の約束と話し合い解散の確約を取る戦術だったかに思えます。
そこで小沢一郎は社民党にネゴして増税法案の参院採決前に内閣不信任案の提出をすることにした・・・のではないか。さあ、困った自民党。
賛成すれば、増税法案採決前に倒閣に舵を切ることになり8合目まできた消費税増税チャンスを財務省が手放すはずはない。相当の圧力がかかるだろう。勝事務次官が異例の任期の延長まで行っている。
それだけ考えれば不信任案に反対せざるを得ない。だけど反対すれば信任した事になるから、参院で問責が出せなくなる。
結局、小沢氏は野田氏を助けているのではないか?

<田中良紹様>
こんにちは。小沢・輿石・野田の企み?面白い論説を読ませて頂きました。私もその様に思えます。
疑問が確信に変ったのは社民・共産・みんなの党による消費税参議院採決前に衆院で内閣不信任案を提出することになった事実です。一見、野田政権を追い詰める内閣不信任案ですが追い詰められたのは自民党。自民党は財務省にいい顔をしながら、あわよくば国土強靭化計画で公共事業を獲得し、さらには連立に持ち込む顔をしながら特例公債法案で野田の首を取って谷垣再選を目指す戦略だったのでしょう。
この戦略には現在の自民党のバラバラ感が如実に現れています。
二兎を追うものという言葉がありますが、何兎も追いかけているからです。財務族の議員は何が何でも増税を成し遂げて、財務族の本分を発揮すべく動いているし、国土交通族の議員は「国土強靭化計画」により10年で200兆円もの公共事業を獲得してカラカラに乾いてしまった地元の票田に引水しようと躍起だし、谷垣執行部は解散を約束させて総裁再選を成し遂げたい。
これらがミキサーに入ってドロドロになっている様に思えます。
そこで、消費税増税法案には賛成して財務族の顔を立て、採決後、内閣不信任案ではなく問責決議案でお茶を濁し、国会を止めて特例公債法案を人質に国土強靭化計画補正予算の約束と話し合い解散の確約を取る戦術だったかに思えます。
そこで小沢一郎は社民党にネゴして増税法案の参院採決前に内閣不信任案の提出をすることにした・・・のではないか。さあ、困った自民党。
賛成すれば、増税法案採決前に倒閣に舵を切ることになり8合目まできた消費税増税チャンスを財務省が手放すはずはない。相当の圧力がかかるだろう。勝事務次官が異例の任期の延長まで行っている。
それだけ考えれば不信任案に反対せざるを得ない。だけど反対すれば信任した事になるから、参院で問責が出せなくなる。
結局、小沢氏は野田氏を助けているのではないか?

民自公の3党協議で、大事な法案が通るのは、まっぴら御免です。政権担当能力を失った政党と、失いつつある政党の談合政治は、厳に慎むべきです。

自民党は、次の総選挙で、また政権与党に返り咲いた場合に、自力で消費税増税は行えないので、民主党にやらせようという腹づもりなのでしょうが、これで自民党も選挙で戦う軸がなくなってしまいました。

原発問題にしろ、民自は国会で、あまり追及しないようにと、口裏合わせているのは間違いないようで、参考人に東電の社長が来ても、民主も自民の議員も知らんぷりを決め込みました。

国の直面する諸問題を、国民に晒して審議しない姿勢には、呆れかえりましたが、消費税増税にしても何とも腹立たしい思いで一杯です。

次の総選挙では、民自公の3党には合わせて過半数に届かないような議席数になってほしいと願っています。

私の選挙の争点は、「民自公」対「反民自公」となっています。

田中良紹 様
私は、現状の混乱は「司法当局の乱」だと思います。
田中良紹先生のようなお方達が、陸山会裁判や小沢裁判の正気の沙汰ではない公判の内容に沈黙をしている理由が、私には今以て解かりません。

そろそろ、小沢裁判二審の裁判官に対する訴追請求状を準備しておこうと思い、下書きを作成しました。
心ある国会議員の先生方が、国会等の場で総理、法務大臣、最高裁長官、前原誠司元訴追委員会委員長、小沢鋭仁訴追委員会委員長等に、冤罪の首謀者は誰なのかを問い詰める、という現実が訪れることを祈りつつ・・・。

【第28回】小沢裁判二審裁判官に対する訴追請求状の下書きです。
http://ajari-rikuzankai.at.webry.info/201208/article_1.html

田中様

既に北海道新幹線が決まりました。
増税する代わりに公共投資するようです。
リニア新幹線も実現させたいのでしょうが、成り行きを見ています。

さて、野党連合は7日に内閣不信任決議案を共同提出するようです。
野田首相は参議院における増税法案の採決を10日に指示しました。もっとも、自民党は8日決議されない場合は、野田首相に対して問責決議提出するようで、その後の審議は拒否するのでしょう。

憲法第69条は、内閣不信任案決議案が可決した場合とき、10日以内に衆議院が解散されない場合は総辞職しなければならないと規定しています。
野党連合は7日に不信任決議案提出、野田首相は10日に増税法案決議指示しています。すなわち、10日に増税法案決議なら、7日前の2日前に内閣不信任案決議案を提出しなければ増税法案が成立してしまうのではありませんか?

成立したとしても、次の選挙で衆参がねじれることは必至。
増税法案成立は難しいでしょう。

この政局は、無駄な時間が過ぎているようにしか思えません。

福島の被災者は忘れられています。

政権与党内の「首相候補者」たちがこぞって野田代表留任を主張している。

おそらく「消費増税」のツケを野田氏一身に押しつけようということだろう。

次回衆議院選挙では民主党は議席を減らす。消費増税への反発以前に前回の選挙で「勝ちすぎ」たからだ。

問題はその減らし方だ。どこまで減るかが見えないので、首のすげ替えが可能な人間が先頭に立たざるを得ない。

もし野田氏以外が代表になって選挙をして惨敗した場合、その代表は「野田氏他の旧体制の責任」を盾に代表の座に居座るだろうから党内が混乱してしまう。だから次の衆議院選挙は野田代表で戦わざるを得ない。

大惨敗、惨敗の場合は、野田代表辞任〜新代表選出で民主党は「新しい党」に生まれ変わるのだろう。

民主党は9月の代表選を決めたが、どうせ野田代表の辞任含みで次回衆議院選挙を戦うのなら、衆議院選挙を先に実行する方がわかりやすい。

今回の「自民党の乱」と野党7党が一致して内閣不信任案を提出する「野党7党の乱」は民主党にとっても都合の良いものだね。

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Profile

田中良紹(たなか・よしつぐ)

-----<経歴>-----

1945年宮城県仙台市生まれ。
1969年慶應義塾大学経済学部卒業。
同年(株)東京放送(TBS)入社。
ドキュメンタリー・デイレクターとして「テレビ・ルポルタージュ」や「報道特集」を制作。また放送記者として裁判所、警察庁、警視庁、労働省、官邸、自民党、外務省、郵政省などを担当。ロッキード事件、各種公安事件、さらに田中角栄元総理の密着取材などを行う。
1990年にアメリカの議会チャンネルC-SPANの配給権を取得して(株)シー・ネットを設立。
TBSを退社後、1998年からCS放送で国会審議を中継する「国会TV」を開局するが、2001年に電波を止められ、ブロードバンドでの放送を開始する。
2007年7月、ブログを「国会探検」と改名し再スタート。

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日本初の政治専門チャンネル!
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国会TV
http://kokkai.jctv.ne.jp/

-----<著書>-----


『裏支配─いま明かされる田中角栄の真実』
2011年1月、電子書籍


『メディア裏支配─語られざる巨大マスコミの暗闘史』
2005年3月、講談社

-----<編書>-----


『憲法調査会証言集─国のゆくえ』
2004年7月、現代書館

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