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2012年4月28日

政治的事件の政治的判決

 2009年の3月に東京地検特捜部が小沢一郎氏の公設第一秘書を逮捕した時、私は「東京地検は有罪にする見込みがあって強制捜査に乗り出したのではなく、政権交代がかかった選挙を前に、その推進力である小沢氏の政治力を削ぐ事を狙っている」と言った。

 有罪にならなくとも、メディアを煽って「小沢批判」を広げ、小沢氏の政敵たちに「議員辞職」や「証人喚問」を要求させて、小沢氏の政治生命が断たれれば仕掛けの目的は達成される。すると仕掛けに乗って「小沢は終った」と発言する御用評論家や御用ジャーナリストがぞろぞろ現れてきた。仕掛けたのは統治構造が変えられる事を恐れる勢力で、政権交代が実現しても統治構造を変えられないようにするのが目的である。

 小沢氏は「55年体制」以来の統治構造を次々に壊してきた。政権交代のない構造を変えるため中選挙区制を小選挙区制に代え、官僚支配の国会を象徴する「政府委員制度」を廃止させ、自民党に大連立を持ちかけて日本の安全保障政策を米国追随から国連重視に転換させようとした。

 その人物が最高権力者になると困る。そう考える勢力はなりふり構わぬ手段に出た。それが「西松建設事件」である。その異常なやり方に検察OBもベテラン司法記者もみな唖然とした。捜査は検察上層部のあずかり知らぬ「青年将校の暴走」とされたが、それが目くらましの情報でも本当でも異常な捜査である事は間違いない。

 選挙結果を左右する時期の政界捜査は国民主権の侵害であり、民主主義国家では許されない。ところがこの国には自分がセーフだと思うとすぐ検察に尻尾を振る政治家がいる。国民主権を侵害する検察を批判しないで小沢氏の「証人喚問」や「議員辞職」を求める声が政界から上がった。それが民主主義を弱体化させ、国民主権を破壊する事だとは思わない。その程度の政治家がこの国には存在するのである。事件はまさに民主主義の破壊者をあぶりだすリトマス試験紙になった。国民に政治家やメディアをチェックする機会が与えられた。

 政治的思惑だけの捜査だから「西松建設事件」で裁判は維持できない。メディアを煽って振り上げた拳を下ろせなくなった検察は今度は政治資金収支報告書の虚偽記載容疑で石川知裕衆議院議員らを逮捕した。しかし小沢氏の起訴にはたどり着けない。追い詰められた検察は藁をも掴む心境で検察審査会の強制起訴に持ち込む事になった。

 そこで嘘の捜査報告書が作成された。検察は証拠改竄という犯罪を犯す事までして強制捜査に持ち込んだのである。しかし検察が不起訴にした事件を担当する検察官役の指定弁護士は大変である。公判記録を読むとその苦労が良く分かる。

 一方で会計学の専門家である筑波大学の弥永真生教授は石川議員の作成した政治資金収支報告書は虚偽記載に当らないと証言した。それが認められれば一審で有罪とされた石川議員らの裁判にも影響する。他方で証人となった取り調べ検事は捏造を重ねた検察捜査の実態を暴露した。強制起訴に持ち込んだ事で検察の驚くべき体質が白日の下に晒された。

 そうした流れで裁判は結審した。普通に公判記録を読めばこれは架空の「でっち上げ」事件で無罪になるのが妥当である。ところが有罪説が消えずに囁かれる。それはこの国の司法が独立した司法ではなく政治的な判決を下すと見なされているからである。

 例えばロッキード事件では列島中が田中角栄を批判していた1審では有罪、2審も控訴棄却され、判断は最高裁に委ねられた。しかし最高裁は判決を出さない。いや出せない。1審判決から10年後に田中が死ぬと、そこではじめて最高裁は検察の起訴を無効とし、収賄の証拠とされた「嘱託尋問調書」の証拠能力を否定した。産経新聞の宮本雅史記者は最高検の幹部から「最高裁は誰も田中の判決を書きたくなかった」と言われた。有罪の判決は書けなかったというのである。

 リクルート事件で被告となった江副浩正氏は、検事から強要されて署名した嘘の供述調書を裁判で全面的に否認した。すると1審だけで13年以上もかかり、懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を受けた。それを江副氏は「事実上の無罪判決」と受け止めている。判決文に江副氏の行為を「違法不当な施策を行なわせるものでも、行政の公正などを害するものでもなく、むしろ、国の正当な政策に適ったものであった」と書かれたからである。

 それでも無罪にならないのは、無罪にすれば検察が必ず控訴して更に裁判が長引く事を裁判所が配慮したためだと受け止めた。こうして事実上無罪でも有罪という判決が下されたのである。また収賄容疑で逮捕された佐藤栄佐久前福島県知事は2審で収賄金額をゼロと認定されながら、それでも有罪の判決を受けた。裁判とはそういうものである。

 小沢氏は26日に無罪の判決を受けた。しかし判決内容を見ると検察官役の指定弁護士の主張がほぼ認められ、一方で会計学の専門家の証言は採用されなかった。どこからも文句が出ないように配慮した極めて政治的な判決だと私には思えた。政治的事件だから政治的に判断したという事で真相が究明されたわけではない。これが検察官役の指定弁護士に控訴を決断させるのか、逆にここまで認めてもらえたと思わせて裁判を終らせるのか、私には分からないが、いずれにしても前から言っている通りこの判決で問題は終らない。

 むしろ本番はこれからである。この一連の捜査と裁判で国民には見えていなかったものが見えてきたはずである。これまでの統治構造を守ろうとする勢力がどれほどなりふり構わず必死になっているか。検察がどれほど悪辣な事をやる組織か。新聞とテレビがその手先となって嘘にまみれた報道をするか。「民主主義」を口ばしる政治家ほど検察から己の身を守るため民主主義を破壊する行為に加担するか。つまり「国民の敵」が見えてきたはずである。

 たかだか司法試験や公務員試験に受かった人間に政治を操られてはたまらない。政治を操るのは国民にあるというのがこの国の根本原理である。小沢裁判がどうなるかに関わらず、そのお陰で見えてきた「国民の敵」をひとつずつ潰していく事がこの国の未来につながる。

▲  ▽  ▲

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2012年4月19日

どちらを見ても「前のめり」

 自民党は18日、みんなの党、新党改革と共同で前田国土交通大臣、田中防衛大臣の問責決議案を参議院に提出し、翌日から全面的な審議拒否に入った。消費税法案と原発再稼動を巡る野田政権の「前のめり」に負けるとも劣らない「前のめり」ぶりである。一体政治を分かっているのだろうかと心配になるが、その背後に何があるのかを考えてみる。

 日本の政治制度では、ねじれ国会になると、参議院で多数を持つ野党が問責決議案を可決して内閣を揺さぶる戦術が可能となる。14年前に戦後初めて問責決議案案が可決されて以来、これまで7件の問責決議案が可決され、2件が間もなく可決される。自民党政権時代に1件、自公政権時代に2件、民主党政権で6件の勘定となる。

 最初の額賀防衛庁長官に対する問責決議案は、参議院選挙で惨敗した橋本政権に代わり小渕政権が誕生して3ヵ月後に可決された。防衛庁内に汚職事件が起こりその解明に積極的でないというのが問責の理由である。言いがかりとしか思えない理由だが、額賀氏は1ヵ月後に防衛庁長官を辞任した。これがすべての前例となる。

 この辞任に野党が味をしめて次々に問責を可決すれば、政治は機能麻痺に陥る。自民党はねじれを解消するために連立を余儀なくされた。当時の野中官房長官が「悪魔と手を組んでも」と言い、自由党の小沢一郎氏が主張する政治改革案を受け入れて自自連立政権が誕生した。そのおかげで明治から続いてきた国会の「政府委員制度」が廃止され、「党首討論」も始まった。官僚が答弁する国会から政治家が答弁する国会になり、官僚の官僚による官僚のための国会がこの時「チェンジ」された。

 その後、自民党が公明党とも連立したため、自民党を操れなくなった自由党は連立から離脱し、ねじれのない自公政権時代を迎えるが、2007年の参議院選挙で小沢一郎氏の率いる民主党が大勝すると、再びねじれが生まれた。しかしその時代の問責は大臣クラスを相手にせず、政権交代を目的に総理を問責する象徴的な意味合いのものとなった。

 2008年に福田康夫、2009年に麻生太郎の両総理に対して問責決議案が可決されたが、いずれも通常国会が閉幕する頃に提出されて政治を混乱させる事なく、しかし次の国会では冒頭から激しく対決する姿勢を示して退陣を迫った。その結果、福田総理は3ヵ月後に総辞職を、麻生総理は1週間後に衆議院を解散した。

 ところが民主党政権が2年前の参議院選挙で敗れ、再びねじれが生まれると、自民党を中心とする野党は問責決議案を乱発して政権を揺さぶるようになった。2年前の臨時国会で仙谷官房長官と馬淵国土交通大臣、去年の臨時国会では一川防衛大臣と山岡国家公安委員長、そしてこの通常国会で前田国土交通大臣と田中防衛大臣に対して問責決議案が提出された。問責の理由は様々だが、狙いは辞任に追い込む事で民主党政権に適格性がない事を国民に印象付け、次の選挙を有利にしようというのである。

 不幸な事は、額賀氏以来言いがかりに過ぎない理由で問責決議が提出される事である。大臣としての職務遂行が国民生活に多大な損失を与えたというのなら問責も分かるが、額賀氏が汚職事件の解明に積極的でないという野党の主観的判断で問責されて以来、民主党の6人の閣僚に対する問責も、一方の政治勢力の主観に過ぎない事でマスコミを煽っただけの話である。過去のスキャンダルや言葉尻で政治家の資質が問題にされるなら、アメリカ大統領など大方が問責の対象になる。

 民主党政権は問責を理由に閣僚を辞任させず、しかし政治の遂行に障害になる事態を避けるため、これまでは時期を見て内閣改造を行ない問責閣僚を交代させてきた。ところが今回は自民党の「前のめり」によって異なる展開が生まれそうである。野党の中の対応が分かれて参議院の過半数が全面的に審議拒否する事にならないのである。

 自民党に同調するのはみんなの党と新党改革だけで、公明党、共産党、社民党は対応が異なる。問責された閣僚が出席する委員会のみ審議拒否をするという。すると国会は一部を除いて粛々と進行する。その時、全面的に審議拒否をしている政党を国民世論がどう見るか。それでなくとも通常国会には国民生活に最も重要な予算を成立させる使命がある。その予算を執行するのに必要な予算関連法案は未だに成立していない。それを無視して審議拒否を続ければ自民党は「国民の敵」になる。

 おそらく自民党は野田総理が「政治生命を賭ける」と言い切った消費税法案の行方に目を奪われている。野田総理の言う事を真に受け、ここで野田政権を追い込めば、消費税法案の成立が見込めなくなる野田総理は解散に踏み切ると見ている。もう一方ではかつて野中官房長官が「悪魔と手を組んでも」と言ったように、追い込まれた野田政権は大連立するしかなくなると見ている。どちらも自民党の望むところである。それが自民党を「前のめり」にさせているように私には見える。

 しかし野田総理の「前のめり」が「短命政権」を意識した「前のめり」だったらどうなるか。野田政権は「次へのつなぎ」だから「消費税に政治生命を賭ける」と言い切る事が出来る。「捨て石」だから原発再稼動に「前のめり」になり支持率を下げても平気である。それが次の政権の支持率を上げるための地ならしだったら自民党はどうする。状況はまるで違ってくるのである。

 自民党は公明党と一体でなければ何の力もない。ところが自公の対応が分かれたところに今回の問責の注目点がある。公明党に審議拒否をしてもらえないと、自民党は野田総理の解散か大連立に頼るしかなくなる。そして来週には小沢一郎氏に判決が下り、新たな政局が幕を開ける。連休後の日本政治は波乱万丈が予想される。

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2012年4月 5日

国会の消費税問答

 足の引っ張りに終始するのが野党の務めだと錯覚した自民党のお陰で、最近の国会は極めてレベルが低い。そこにレベルの低い新聞とテレビが加わり、低レベルの質疑を大ニュースであるかのように報道するから、それを意識した政治家がさらにレベルを下げる。あの与野党馴れ合いの「55年体制」時代がまともに思えてくるから困ったものである。

 従って最近は国会の議論をあまり期待しないようにしていたのだが、4月4日の参議院予算委員会の議論には面白いものがあった。公明党の草川昭三議員が「消費増税の今国会成立に政治生命を賭ける」と言い張る野田総理の真意を質したのである。

 まず草川議員は消費税のこれまでの経緯を説明した。最初に消費税を上げようとしたのは大平総理だが、それによって選挙で大惨敗した。そのため次の鈴木総理は「増税なき財政再建」をやり、その次の中曽根総理は「三公社の民営化」で行政の無駄を省き、さらに所得税、法人税、住民税の引き下げをやった上で竹下総理が消費税を上げた。つまりかつての政権は国民に了解を求める努力を丁寧に行なってきた。しかし野田内閣は今国会で成立させると言っているがさっぱり展望が見えない。

 これまで消費税を上げる法案を審議したのはいずれも秋の臨時国会である。通常国会で成立させようとした内閣はない。通常国会には予算を審議するという重大な使命があり、さらに今国会では震災復興やエネルギー問題の解決が急務である。それなのになぜ臨時国会ではなく通常国会で成立を図ろうとするのか。草川議員はその事を問うた。

 すると野田総理はいつものように「平成21年の税制改正法付則104条に平成23年度末までに消費税法案を国会に提出すると書かれているから」と答えた。平成21年度の税制改正法を作ったのは民主党ではなく自公政権である。野田内閣は対立する政党が作った法律を頑なに守ろうとしている。これに草川議員は「だから民主党の中で無理な議論を重ねる事になったのでは」と応じた。

 麻生内閣がこの法律を成立させたのは平成21年3月末である。政権交代がかかった総選挙の直前であり、当時の情勢では既に自民党が下野する可能性が取り沙汰されていた。見方によっては民主党政権に「消費税」という難問を押し付けようと企んで仕掛けたのが「付則104条」だと見る事も出来る。それを民主党が守れば民主党は選挙に負け、自民党が再び政権を奪い取る事が出来るからである。

 逆に民主党が守らなければ自公は民主党を非難し、自公対民主党という対立の構図が強まる。ところが民主党がそれを守って、成立する筈のない法案に自公を巻き込もうとすれば困るのは自公である。自分たちの作った仕掛けに自分たちが引っかけられる。消費税政局の狙いは実は自公の分断と自民党内部の分断ではないかと私には見えるのである。

 そのせいかどうか知らないが草川議員はそれ以上の追及をしなかった。「付則104条」問題はうやむやのまま終る。次に草川議員は消費税の値上げの時期を問題にした。野田内閣は値上げを再来年の4月と、さらにその翌年の10月に予定している。しかし今の衆議院議員の任期は来年まで、参議院も半数は来年までの任期しかない。今の議員が次の選挙で選ばれてくる議員の政策を決めてしまって良いのか。しごくもっともな疑問である。

 これに安住財務大臣が答弁したが全く意味不明だった。「具体的な制度設計を提案するのである」とか「決まれば値上げの準備に入るが、その前に選挙の洗礼を受ける」としか言わない。すると草川氏も「理解がいかない」、「これはよく議論しないと誤解を受ける」と言いながら意味不明のまま深入りしない。なかなかに意味深長なやり取りであった。

 単純なメディアや国民は消費税政局を「小沢抜き大連立」とか「話し合い解散」とか言って、小沢対反小沢の構図ばかりを注目するが、以前から私にはこの政局がそれほど単純には見えていない。野田総理の「不退転の決意」を鵜呑みにするほど単細胞になれない。

 この日の質疑でも自民党の宮沢洋一議員が辞表を提出した小沢グループの4人の副大臣と政務官の問題を取り上げ、小沢氏の側近の一人と目される奥村展三文部科学副大臣や中塚一宏内閣府副大臣に消費税法案に対する賛否を問うたが、二人とも「賛成です」とはっきり答えた。そして小沢グループの閣僚は誰一人辞めるとは言っていないのである。

 さらに面白かったのはスキャンダル追及で名を上げた自民党の西田昌司議員が、消費税を巡って次のような意見を開陳した事である。西田議員は大事な事はデフレからの脱却だと主張した。デフレと言うのは所得が減る事である。国民の所得が減れば税収は減る。日銀が貸し出しを増やしても誰も金を借りない。民間はバブルの苦い経験があるから借りようとしない。すると投資も増えない。これを解決するには政府が借金して使う事だ。政府が使えば民間も金を借りようかという気になる。政府が借りて使わないと借り手のない金は海外に流れ海外の経済を成長させ、日本は民間も政府も潰れて海外のハゲタカに食われる。

 これはリチャード・クー氏が主張する「バランスシート不況」の理論で、「減税日本」の河村たかし名古屋市長と全く同じ考えである。これを自民党議員が主張しているという事は消費税を巡る対立が自民党内部にも出てくるという事だ。このまま消費税法案の審議に入れば、様々な問題や矛盾が浮き彫りにされ、小沢対反小沢の構図など吹き飛ぶ。3年前の「官僚主導と政治主導の戦い」が役者を変えて再び幕開けすると私には見えるのである。

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Profile

田中良紹(たなか・よしつぐ)

-----<経歴>-----

1945年宮城県仙台市生まれ。
1969年慶應義塾大学経済学部卒業。
同年(株)東京放送(TBS)入社。
ドキュメンタリー・デイレクターとして「テレビ・ルポルタージュ」や「報道特集」を制作。また放送記者として裁判所、警察庁、警視庁、労働省、官邸、自民党、外務省、郵政省などを担当。ロッキード事件、各種公安事件、さらに田中角栄元総理の密着取材などを行う。
1990年にアメリカの議会チャンネルC-SPANの配給権を取得して(株)シー・ネットを設立。
TBSを退社後、1998年からCS放送で国会審議を中継する「国会TV」を開局するが、2001年に電波を止められ、ブロードバンドでの放送を開始する。
2007年7月、ブログを「国会探検」と改名し再スタート。

BookMarks

日本初の政治専門チャンネル!
↓ ↓ ↓
国会TV
http://kokkai.jctv.ne.jp/

-----<著書>-----


『裏支配─いま明かされる田中角栄の真実』
2011年1月、電子書籍


『メディア裏支配─語られざる巨大マスコミの暗闘史』
2005年3月、講談社

-----<編書>-----


『憲法調査会証言集─国のゆくえ』
2004年7月、現代書館

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