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2011年12月18日

検察崩壊

 検察審査会によって強制起訴された小沢一郎氏の裁判で、陸山会事件を担当した二人の検事が重大な証言を行なった。その証言を聞いて、検察組織をいったん解体して作り直さなければならないと痛感した。

 この裁判が終ったら、結論が有罪だろうが無罪だろうが、立法府は国政調査権に基いて検察組織を徹底調査し、民主主義国家にふさわしい捜査機関に作り変える必要がある。日本が民主主義国家たらんとすれば、それは立法府の当然の使命である。

 一昨年の3月に私は『予言が現実になった』というブログを書いた。小沢氏の大久保隆規公設第一秘書が西松建設事件で突然東京地検に逮捕されたからである。07年の参議院選挙に自民党が惨敗した時、私は「自民党は民主党の小沢代表をターゲットにスキャンダルを暴露するだろう」と予言した。それが私の知る自民党のやり方であり、それ以外に政権交代を阻止する手立てはないからである。その予言が現実になったのである。

 しかし大久保秘書の容疑は政治資金規正法の虚偽記載という形式犯で、しかも西松建設からの献金を実体のない政治団体からの献金と偽ったというものである。ところが政治団体には実体があり、検察の言いがかりに過ぎない。普通なら逮捕も考えられないし、起訴しても無罪の可能性がある。狙いは他にあると私は思った。

 それは小沢氏に代表を退くか、もしくは政界引退を促す検察の脅しである。大人しく言う事を聞けば秘書は起訴しない。しかし言う事を聞かなければ捜査を拡大し、必ず犯罪の証拠を握って見せるという脅しである。政権交代が確実な情勢なのにあなた一人が頑張ると民主党全体に迷惑をかけますよと検察は言っているのである。これに小沢氏がどう対応するかを私は注目した。すると小沢氏は痛烈に検察を批判し戦いを宣言した。

 恐らく検察は怒り心頭に達したに違いない。しかし追い込まれたのは検察である。いかにバカなメディアを煽り、バカな国会議員を煽っても、西松建設事件だけで小沢氏を政界から葬り去る事は出来ない。検察は有罪に出来る保証のない形式的な事件で大久保秘書を起訴せざるを得なくなった。

 その起訴を見届けてから小沢氏は鳩山由紀夫氏と代表を交代し、幹事長として選挙の采配を振るった。西松建設事件の影響は最小化され、日本で初の政権交代が実現した。これで検察はますます窮地に追い込まれた。何とか小沢氏と企業との関係を洗い出し、裏金を見つけ出さなければならない。必死の捜査が始まったのは政権交代の後である。

 ところが何も出てこない。出てきたのは嘘を言って前の福島県知事を逮捕させた水谷建設だけである。小沢氏側に1億円の裏金を渡したとの証言を得た。水谷建設は札付きの企業で、金を貰った政治家は政界にも地方自治体にもごろごろいる。水谷建設は叩けばいくらでもホコリが出る。だから検察がお目こぼしをすると言えば嘘八百を言ってでも検察に協力する。そんな企業しか見つからなかった時点で検察の負けなのだが、それでも叩けば何か出ると検察は考えた。

 そこで無理をして陸山会事件に着手する。これも容疑は政治資金規正法の虚偽記載である。小沢氏から一時立て替えてもらった4億円が記載されていないのを「裏金だからだ」と踏んで、「期ズレ」を虚偽記載として秘書3人を逮捕した。私にはこれも言いがかりに見えるが、秘書3人を叩けば何か出るだろうという「思い込み」捜査が始まった。

 それにしても検察は政権交代がかかる選挙直前に西松建設事件を摘発し、陸山会事件では現職の国会議員を通常国会の直前に逮捕した。かつて検察や警察を取材した経験のある私には信じられないやり方である。民主主義国家で最も尊重されなければならないのは国民の民意を問う選挙であり、国民の税金の使い道を議論する国会の審議である。捜査機関がそれに影響を与えるような事は決してやってはならない。それが民主主義国家の民主主義国家たる由縁である。その原理原則がいつの間にかこの国から消え失せていた。

 そこで『国民の敵』というブログを書いた。「思い込み」によって現職の国会議員を逮捕し、「ガセ情報」をマスコミに書かせ、国民生活に関わる予算審議を妨害した日本の検察は民主主義の原理を無視した「国民の敵」だと書いた。また起訴された石川知裕衆議院議員の辞職勧告決議案を提出した自民党、公明党、みんなの党は国民主権が何かを知らない哀れな政党だと書いた。

 結局、検察は裏金の存在を立証する事が出来ず、また政治資金規正法の虚偽記載についても小沢氏を起訴する事が出来なかった。完全敗北である。すると政治的に小沢氏を葬り去ろうとする連中が動き出した。検察審査会が小沢氏を強制起訴に持ち込んだのである。理由は検察が「シロ」としただけでは納得ができず、裁判所の判断も聞いてみたいというのだから呆れた。

 「11人の愚か者が1億3千万人の国民生活の足を引っ張る判断をした」とブログに書いた。政治を裁くという事の重さを知らない凡俗が日本を世界に類例のない『痴呆国家』にしようとしたのである。しかしこれは小沢氏を追い詰めるどころか検察を追い詰める事になる。検察は唯一起訴する権限を有するから権力を持っている。それが起訴できず、一般市民に起訴してもらうのでは自らの存立基盤を壊す。それに気づかず強制起訴に協力した検事がいたら相当におめでたい。「検察審査会の強制起訴は逆に検察を追い詰める事になる」と『オザワの罠』というブログに書いた。

 その時がやってきた。石川知裕衆議院議員を取り調べた田代政弘検事と大久保隆規氏を取り調べた前田恒彦元検事が証人として小沢裁判に出廷した。人間はどんなに本当の事を喋ろうとしても本能的に自分を守るものである。法廷の証言でも証拠がなければ嘘をつく可能性がある。だから二人とも自分の取り調べに間違いはないと証言したが、それを私は信用しない。

 その部分を除くとしかし二人は実に興味深い証言を行なった。田代検事は「合理的であれば調書に取り入れるが、合理的でない供述は入れない」と証言した。「合理的」とは検察のストーリーに合致した事を言う。つまり取調べとは真相を究明する事ではなく、検察のストーリーに都合の良い言質をつまむ事だと言ったのである。それなら取調べの意味はない。

 そして田代検事は昨年5月に石川議員の取調べを行った際、実際のやり取りとは異なる架空の話を捜査報告書に書き入れた事を認めた。その嘘の捜査報告書が検察審査会の強制起訴の議決に影響を与えた可能性がある。大阪地検の前田元検事による証拠改竄は事件になったが、同じような証拠改竄が東京地検でも行なわれていたのである。田代検事は「記憶が混同した」と弁解したが、前田元検事も当初は「意図的でなく誤ってやった」と弁解した。

 その前田元検事は、検察に忠実であろうとして検察から切り捨てられた立場だけに、陸山会事件の捜査に批判的だった。応援要請を受けて大阪地検から東京地検に来た時「これは特捜部と小沢との全面戦争だ」と言われたと言った。そして捜査は「虚偽記載」ではなく「裏献金」に主眼が置かれていたと言い、しかし現場は厭戦ムードで捜査に積極的だったのは特捜部長と主任検事だけだったと明かしている。

 小沢氏の4億円を企業からの献金とするのを「妄想」と言い、事件の見立て、つまり検察が描いたストーリーが間違っていたと言った。だから「私なら小沢氏に無罪の判決を下す」と言うのである。水谷建設から石川議員への裏金も検察内部では「石川は受け取っていない」と言われていた事を明かした。

 ところが前田氏も「検察の想定と違う内容は証拠にしない」と言うのである。つまり検察に都合の悪い証拠は検察によって「隠滅」されるのがこの組織では常識なのである。これは立派な犯罪ではないか。

 国民の代表である政治家と「全面戦争する」と言うのは、国民主権を認めない組織がこの国に存在する事を意味している。その組織に都合の悪い証拠は隠滅される。これほどの感覚のズレを正すのに自己改革など到底無理な話である。行政権力を監視し、それを変える力は立法府にしかない。立法府がこの問題に真剣に取り組まなければ、日本は民主主義の名に値しない国の烙印を押される。

▲  ▽  ▲

■お知らせ

※忘年会は「早稲田奉仕園」で行います。いつもと会場が異なりますので、お気をつけください。

激動の1年となった2011年もあとわずか。そこで、居酒屋田中塾ではこれまでの皆様のご愛顧に感謝して、忘年会を開催することになりました!

忘年会では、田中塾長も交えてお酒を飲みながら2011年についてざっくばらんに語りあい、2012年の世界と日本を展望する会にしたいと思っています。

18時半開始と言うことでいつもより開始時間が30分早くなりますが、19時~20時がコアタイムとなりますので、その時間に間に合うようにご来場いただいても大丈夫です。

みなさまのご参加をお待ちしています!

【日時】
2011年 12月21日(水) 18時30分~ (開場18時00分)

【会場】
早稲田奉仕園 You-Iホール
住所:東京都新宿区西早稲田2-3-1
http://www.hoshien.or.jp/map/map.html


【参加費】
5000円(飲み物・食事付き)
※食べ物と飲み物はこちらで準備しますが、
持ち込みは自由ですので、みなさまのお好き
なものもお持ちより下さい。

【当日のスケジュール】
18:00 開場
18:30 乾杯 → 忘年会スタート
19:00 田中塾長による講義
  「2011年を振り返り、2012年を展望する」
20:00 講義終了→質疑応答&懇親会
21:00 忘年会終了

【アクセス】
■東京メトロ東西線 早稲田駅より(徒歩約5分)
■JR山手線・西武新宿線 高田馬場駅より
 バスを利用する場合(所要時間約10分)
■東京メトロ副都心線 西早稲田駅より(徒歩約8分)

http://www.hoshien.or.jp/map/map.html

【お申し込み方法】
下記URLから必要事項にご記入の上、記入欄に「年齢・ご職業・TEL」を明記してお申し込み下さい。

http://www.the-journal.jp/t_inquiry.php

(記入に不足がある場合、正しく受け付けることができない場合がありますので、ご注意下さい)

2011年12月10日

問責決議で始まる攻防

 第179臨時国会は参議院が一川防衛大臣と山岡消費者担当大臣の問責決議案を可決して閉幕した。昨年の臨時国会でも仙谷官房長官と馬渕国土交通大臣が問責を受けたから民主党政権は二度同じ目に遭っている。

 一方、自民党政権時代の一昨年は通常国会で麻生総理が問責を受けた。その1年前には福田総理がやはり通常国会で問責を受けている。問責の理由は様々だが、問責を可能にしているのは国会の「ねじれ」である。「ねじれ」がなければ問責はありえない。

 与野党が批判しあうのは当然で、野党にとって閣僚はみな批判の対象である。本音から言えば全閣僚の首を切れる内閣不信任案を衆議院に提出したいところだが、そちらは勝ち目がないので参議院で個々の閣僚を問責するのである。

 「ねじれ」は戦後の日本国憲法によって作り出された。戦前の「強すぎる貴族院」に代わって衆議院をチェックする「強すぎる参議院」が作られたのである。片山、芦田と続く戦後政権は衆議院で多数を有しても参議院の反対で重要法案を成立出来ず短命に終った。吉田政権は参議院で否決された法案を占領軍の命令によって覆すことで政権を維持した。戦後すぐから参議院は強かったが、しかし当時は閣僚の問責などされた事がない。

 保守合同で自民党が誕生すると、初めて衆参両院で与党が過半数を獲得し「ねじれ」が消えた。それから33年間、政界は「ねじれ」を忘れ、自民党の長期政権が続いた。しかし1989年、消費税とリクルート事件の影響で自民党が参議院選挙に大敗すると、忘れていた「ねじれ」が復活する。それでも問責はまだ行なわれない。

 初めて問責決議案が可決されたのは、1998年の第一次小渕内閣で初入閣した額賀防衛庁長官に対するものである。防衛庁幹部が天下り先を確保するために装備品の納入に絡んで背任事件を起こし、その監督責任を問われた。この時防衛庁では幹部二人が逮捕され、多くが引責辞任に追い込まれていた。

 初めての問責決議の可決は政界に波紋を広げた。これで閣僚辞任の前例を作れば大臣はころころと代わらざるを得なくなる。一方で参議院の意思であるから決定は重みを持つ。辞任しなければ参議院は額賀長官に対する質疑を行なわなくなり政治は機能麻痺に陥る。自民党は深刻な危機に直面した。自民党が「悪魔にひれ伏してでも」と言って小沢一郎氏率いる自由党との連立に踏み切ったのはそのためである。

 一方、額賀氏は1ヵ月後に辞任したが、その2ヵ月後の内閣改造で官房副長官に起用されて閣内に復帰した。翌年には森内閣で経済企画庁長官として二度目の入閣、その翌年には初代の経済財政担当大臣に就任したから「ねじれ」さえなければ問責のダメージは消える。

 2007年の参議院選挙でわが国の政治に再び「ねじれ」が生まれた。政権交代を狙う野党民主党は総理大臣に対する問責を行って攻勢をかけた。福田総理に対しては「後期高齢者医療制度の廃止に応じない」ことを理由に問責決議案を可決した。自民党はこれに対坑して衆議院で内閣信任決議案を可決した。麻生総理には「発言のぶれ」を理由に衆議院に内閣不信任案を提出して否決され、参議院で問責決議案を可決させた。

 問責決議の可決からほどなく二人の総理は退陣するが、退陣の理由はいずれも問責の可決によるものではない。福田総理は来るべき総選挙を睨んで国民に人気のある麻生氏に交代しようとして、麻生総理は総選挙に敗れて退陣した。民主党の問責は本格的に辞任を迫って政治を機能麻痺させるというより、政権交代を目指す象徴的な意味合いが強かった。

 ところが民主党政権に対する問責は象徴的ではなく個別具体的である。昨年は尖閣諸島沖中国漁船衝突事件の対応を理由に仙谷官房長官と馬渕国土交通大臣が問責された。一度に2人の問責はこれが初めてである。事件を処理した国土交通大臣は前原氏であったから馬淵氏はとばっちりを食ったようなものである。この時は批判報道が過熱した事も問責を後押しした。

 これに対して民主党政権は二人を辞任させず、通常国会前に内閣改造を行って退任させた。額賀氏のように問責による辞任にはしたくなかったのである。問責が慣習化すれば重箱の隅をつついて閣僚を辞任に追い込む事も可能になる。メディアを騒がせて「国民が怒っている」という口実を作れば、問責決議案提出に道が開かれる。それを避けようとしたのである。

 今回の一川防衛大臣の問責理由は、1995年の米兵による少女暴行事件を「知らなかった」と答弁した事だとされる。国会のやり取りを見ていると防衛大臣は「知っています」といったんは答え、質問者から「中身を具体的に」と問われて「詳細は知りません」と答えた。私は「何と下手な答弁」と思ったが、その後「防衛大臣ともあろうものが沖縄で起きた重大事件を全く知らない」という理解が一人歩きしているのを見て違和感を感じた。

 この問題を大きくした背景には防衛省幹部の「犯す」発言がある。これも俄かには信じがたい話であった。私は現場に居ないので想像でしか物は言えないが、「犯す」と人前で口に出来る人間は滅多にいない。環境評価書の提出時期について「やる前にこれからやるとは言えない」という表現はあったかもしれない。そしてそれを男女関係になぞらえたかもしれない。そのなぞらえに記者は不快感を抱いた。そこで記事にするのだが「やる」を「犯す」と書き換えた。

 記者の怒りは当然で、意味は同じだから政府は弁解もできない。しかし世間は「犯す」という表現の生々しさに驚いた。それが今回の出来事ではないかと私は想像する。しかし想像であるから間違っているかもしれない。一川大臣を擁護する気はさらさらないが、国会で自公の議員が「沖縄県民の痛みを分かっていない」と断罪するのを見ると、「分かっていないのは同じだろ」という気になる。

 そしてついでのように山岡消費者担当大臣も問責された。問題にされたのは大臣就任以前の話である。そこまで範囲を広げて問責を前例化すると、これからはかなりの大臣が問責の対象になる。組閣をする前に国会の同意を取り付ける制度でも取り入れないと国政はたびたび混乱する事になる。今回自民党が問責の範囲を広げた事は自民党にも跳ね返る。政権に復帰した時、今のように参議院で過半数を握っていないと政権維持は難しくなる。

 戦後、「強すぎる参議院」が生まれても抑制されてきた問責決議が、ここに来て政治機能を麻痺させる手段として容易に使われるようになった。内閣不信任案のようにそれで総辞職か解散総選挙になれば混乱はまだ早期に収拾されるが、問責の場合は混乱が長引く可能性がある。

 メディアは野田政権がこれで追い込まれたと見ているようだが、カードを使い切ったのは野党である。野党にとってこれからは両大臣が辞任するまで審議拒否を貫くしかない。一方の野田総理の側には色々なカードがある。どうせ死ぬ気になれば審議拒否を延々貫かせる方法もあるし、どこかで折り合いをつける方法もある。

 戦後問責決議が可決されたのは7例だが、これまでは①辞任させてすぐに復権させる(ねじれの解消が前提)②衆議院で信任決議を可決する③内閣改造で交代させるなどの方法が取られてきた。野田政権がどのようなやり方でこの問題を潜り抜けるのか、問題が山積しているだけに様々な可能性が想像できて興味深い。

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2011年12月 8日

懲りない予算委「政治とカネ」

 この臨時国会の最大課題は震災復興と原発事故への対応を万全なものにする事である。ところがそれらの財源を生み出す郵政改革法案や国家公務員給与削減法案の審議を置き去りにして、国会は会期末ギリギリの5日と6日を毎度おなじみ「政治とカネ」の集中審議に充てた。

 国民の税負担を圧縮できる法案を見送って開催するのだから、どれほど国民生活に寄与する議論が行なわれるのかとテレビ中継を眺めたら、相も変らぬバカバカしいパフォーマンスの連続だった。翌日の新聞に審議の模様を伝える記事はなかったから報道する価値もなかった事になる。

 「政治とカネ」の集中審議を開かせた野党の狙いは、一川防衛大臣と山岡国家公安委員長の問責決議案を参議院で可決するための景気付けである。一川大臣の問責理由はカネの話ではないが、ここで二人の大臣の不適格性をアピールし、あわよくば不適切な答弁を引き出して9日の問責可決を万全にしようとする党略と言える。

 従って「政治とカネ」は表看板に過ぎない。しかしその看板を掲げれば長年の習慣で国民が関心を持つと考えたのだろう。それを裏付けるように二人の大臣を追及する自民党議員は「今テレビを見ている国民は怒っている」と何度も繰り返した。しかし国民が今怒っているのは震災復興と原発事故収束に向けて国会に真剣味が足りない事である。それを理解できない野党第一党の自民党はだから支持率が上がらない。

 かつて「政治とカネ」の国会審議は金科玉条のように考えられた。政治家は巨悪であり、政治家の倫理を正す事が、税金の使い道を正すよりも、国際情勢に目を凝らすよりも重要だと考えられた。

 予算委員会では予算を吟味する時間を「政治とカネ」の追及に割き、おかげで予算は官僚の思うままになり、財政は莫大な借金を抱えるようになった。旧ソ連が崩壊し、世界構造が根本的な変化を迎えた時も、国会はそちらに全く目を向けず、ゼネコン汚職に伴う「政治とカネ」の議論に終始していた。

 「政治とカネ」を金科玉条のように思わせたのはロッキード事件である。総理経験者が逮捕されて「政治家は巨悪」のイメージが生まれた。しかしロッキード事件は不思議な事件である。ロッキード社から金を受け取った政治家は世界中にいたが誰も捕まってはいない。日本でも本命ルートの捜査は見送られた。田中角栄氏を受託収賄罪にした証拠である嘱託尋問調書は、角栄氏の死後に最高裁が証拠能力を否定した。

 そのロッキード事件は既に歴史の彼方だが、しかし「政治家は巨悪」のイメージと「政治とカネ」を金科玉条とする国会審議はその後も続いた。55年体制の時代には「爆弾男」と異名をとる野党政治家が厳しく与党を糾弾し、審議拒否を貫くと、与党から野党に密かにカネが流れた。例の官房機密費である。金権を批判する野党政治家がカネを受け取るのだから話にならない。「政治とカネ」の追及の裏には恥ずべき話が隠されている。

 55年体制が終わり、政権交代が可能となった今では裏取引はないと思うが、しかし「政治とカネ」を最優先の政治課題と位置づける考えは変わらない。野党が手っ取り早く与党を攻撃できる材料だからである。

 政界は怪文書の世界である。政治家には選挙区に明確な敵がいて常に鎬を削っている。チャンバラの時代とは違って武器は情報、戦いは情報戦だから真偽不明の怪情報が乱れ飛ぶ。選挙区での情報戦に敗れた政治家は選挙に落選する。

 政治家には「選挙の洗礼」があるのだから、選挙民の支持を得た者は尊重されなければならない。行政権力や立法府がいたずらに政治家の地位を貶める事は許されない。政治家を生かすも殺すも有権者というのが民主主義の基本である。しかし選挙区で繰り広げられる情報戦を国会に持ち込めば、国民生活に関わる話は置き去りにされ、政治は収拾が付かなくなる。

 5日と6日の集中審議では、自民党と公明党が防衛省幹部の暴言問題で一川防衛大臣に辞任を迫り、山岡国家公安委員長のマルチ業者からの献金問題を追及した。これに対抗して民主党議員は衆議院の土地を自民党が駐車場に使用している問題を取り上げた。私は日本の政治が直面する重要問題から外れた議論に国会がこれほど時間を割いている事に苛立ちを覚えた。

 「政治とカネ」の集中審議が行なわれた6日、受託収賄罪で懲役2年の実刑判決を受けた鈴木宗男前衆議院議員が釈放された。その出所祝いパーティが国会内で開かれ、民主党の小沢一郎元代表、鳩山由紀夫元総理、自民党の伊吹文明元幹事長、社民党の福島瑞穂党首ら与野党の国会議員100名以上が集まった。

 鈴木氏も「政治とカネ」の国会審議で追及され、「疑惑のデパート」と呼ばれた人物である。証人喚問では「記憶にありません」を連発して国民から批判を浴びた。その鈴木氏の出所祝いに100名を越す国会議員が駆けつけたのは象徴的である。党利党略のパフォーマンスを見せつけられた後だけに、「政治とカネ」の追及を懲りずに続けている国会の異様さを改めて感じさせた。

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Profile

田中良紹(たなか・よしつぐ)

-----<経歴>-----

1945年宮城県仙台市生まれ。
1969年慶應義塾大学経済学部卒業。
同年(株)東京放送(TBS)入社。
ドキュメンタリー・デイレクターとして「テレビ・ルポルタージュ」や「報道特集」を制作。また放送記者として裁判所、警察庁、警視庁、労働省、官邸、自民党、外務省、郵政省などを担当。ロッキード事件、各種公安事件、さらに田中角栄元総理の密着取材などを行う。
1990年にアメリカの議会チャンネルC-SPANの配給権を取得して(株)シー・ネットを設立。
TBSを退社後、1998年からCS放送で国会審議を中継する「国会TV」を開局するが、2001年に電波を止められ、ブロードバンドでの放送を開始する。
2007年7月、ブログを「国会探検」と改名し再スタート。

BookMarks

日本初の政治専門チャンネル!
↓ ↓ ↓
国会TV
http://kokkai.jctv.ne.jp/

-----<著書>-----


『裏支配─いま明かされる田中角栄の真実』
2011年1月、電子書籍


『メディア裏支配─語られざる巨大マスコミの暗闘史』
2005年3月、講談社

-----<編書>-----


『憲法調査会証言集─国のゆくえ』
2004年7月、現代書館

→ブック・こもんず←



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