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総理の首を絞める国対政治 »

続・消えた3月決戦

 暫定税率を廃止せずにそれを環境税にすれば良いという説明もある。この発想は見事なまでに税金を取る側の論理である。いったん取った税金は何としても手放したくない。環境税を新設するのは容易でないから、今の税金の中で廃止されそうなものを理屈をつけて流用できれば一番楽だ。そんな考えが見え見えである。税金を払う側からすれば、環境税は環境税の話として議論をし、誰がどの程度の負担するのが妥当なのかを決めて貰いたい。一方でガソリン税の暫定税率については導入された経緯とその役割を検証した上、廃止すべきかどうかを決めるべきで、その議論は分けて行うべきである。どさくさに紛れて両者を結びつけるのはこれも納税者を馬鹿だと考えている霞が関的サル知恵である。

 地方自治体の首長全員が暫定税率廃止反対の署名をしたという説明を聞いて、私は福島県矢祭町の町長も署名したのならその説明を聞いてみたいと思った。無駄を切れずにいる情けない首長が多い中で矢祭町は行政の無駄を省く努力を懸命に行っている。その努力を私は高く評価する。私が評価する矢祭町長も廃止に反対だというならば私にとって反対論は説得力がある。その説明を是非聞いてみたい。国会で参考人に呼んでもらえないかと思う。それ以外の首長が反対と言うだけでは、どれほどの署名が集まっても私には説得力がない。

 最後に道路建設の必要性と道路特定財源についてだが、必要な道路なら作ればよいと私は思っている。ただそのためには1万4千キロの建設計画について徹底した情報公開が必要である。それがなければ必要か必要でないかが分からない。経費が妥当かどうかも分からない。それが日本経済の将来にとって経済的効果を生むのかどうかも分からない。きちんとした情報公開が担保される事が前提になれば必要な道路建設に私は賛成する。

 道路特定財源の一般財源化は小泉政権の改革の柱の一つだった。それが著しく後退している。その背景には道路族のドンとも言うべき古賀誠選挙対策委員長の復権がある。何しろ自民党内では幹事長をもしのぐ勢いだから福田総理の思い通りにならない。
 道路特定財源の一般財源化が後ろ向きになっている事は、外国に対して日本経済の改革後退のメッセージを発信している事になる。これは現下の世界経済を考えると「日本売り」の口実を与えるのではないかと私は心配している。

 「株価がどうでも実体経済がしっかりしていれば問題はない」などと言えたのは昔の話で、もはや世界経済は金融経済が実体経済を振り回す金融資本主義の時代に入っている。その中で日本経済はバブル崩壊後長い不況の時代に入り、1989年に4万円近かった日経平均株価が長期低落を続けて2003年には8千円を割り込むまでに下がった。それが上昇に転じたのは小泉政権の構造改革路線が外国人投資家から好感されたためだと言われている。その上昇に転じた株価がまたサブプライム問題をきっかけに下落し始めた。下落幅は他国に比べて著しい。福田政権が「冷静に何もしないで静観する」段階は終わったのではないか。

 何らかの経済政策を準備しなければならないと私は思うが、わが国の場合は他国のように利下げや財政出動に頼る事が出来ない。そこで考えられるのは思い切った減税である。自民党の中には前回の参議院選挙の敗北を小泉構造改革に対する地方の反乱と見て、道路建設に力をいれることが衆議院選挙対策としても有効だと考えているかもしれないが、それは大きな誤りだと私は思う。参議院選挙の敗因は小泉政権が定率減税を廃止した事にある。選挙直前に低所得層では住民税が10倍近くにまで跳ね上がり、国民は税金の重さを痛感した。医療費負担の増大と併せて国民の暮らしは楽でなくなった。だから福田政権がやるべき事は減税で国民の暮らしを楽にする事である。それには暫定税率の廃止がピッタリだ。

 先に述べたようにガソリンの値段が下がれば生活費に余裕が出来る。それは他の消費に回って個人消費を拡大させる。ガソリン値下げの恩恵を受けるのはドライバーだけではない。物流コストが削減されて恩恵は経済全体に行き渡る。2兆6千億円の減税はちょうど定率減税を廃止した分に相当すると言うから参議院選挙の敗因を挽回する事が出来る。つまり暫定税率の廃止は日本経済を減速から救い、福田内閣の支持率を上げ、次の衆議院選挙を有利にする妙案と言える。

 与野党の修正協議を巡っては、道路特定財源の一般財源化を実現する一方で暫定税率の廃止は見送るのが「落としどころ」になるという説や、暫定税率の延長を10年ではなく1年だけにすれば自民党内の多くがそれに賛同し道路族が孤立するなどの見方が流れている。しかし私はこの際、福田総理は民主党案を「丸呑み」するのが最も時宜に適っているのではないかと思う。それでは自民党内が大混乱して福田政権は持たなくなると思われるかもしれないが、どのみち衆議院選挙をやれば三分の二の議席を減らして政権は死に体になる。それを機に自民党は解体過程に入り政界再編が必至となる。そうなる前に自らが政界再編を主導すれば歴史にも名が残る宰相になれると思うのだが違うだろうか。

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コメント (2)

福田政権がクリンチ・ホールド政権の資質があるのだろうか?

ホールドはボクシングで反則、クリンチもK1は少し前から反則になってます。
 例えクリンチできたとしても、ダッキング(かわす)、スウェー(後ろにかわす)ブロッキングが上手くないともたないのでは?
 ただ、小沢さんが、亀田以上に、プロとして、分からない様に、サミング(グローブの親指で突っつく・反則)モドキの事ができるか、その能力があるかも問われる。

あまりにも酷すぎる。(支持率が下がる訳だ)
9:00 参議院予算委員会(中継)締めくくり質疑
      質疑者
       福山 哲郎(民主)
       佐藤 信秋(自民)
しかし、ここまで露骨にやるとどうなるか考えていないのだろうか?ヒラリーのように二回涙を流せとは言わないけれど、これほど単純にやるのは正気なのだろうか?唯一の救いは、餃子事件でこの問題が隠れている事。自民党はもう少し妥協ムードの人を選び、落しどころを匂わせて、上手く誤魔化すのがベターじゃないのか?役人側も、あのように露骨に資料を出さないと言うやり方でごめんなさいをしているのでは逆効果に思える。こう考えると、安倍内閣はKYだったけれど、福田内閣もKY。それも読めないのではなく読まないという感じに見える。
 それにしても、これで、福田内閣がもつのだろうか?

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Profile

田中良紹(たなか・よしつぐ)

-----<経歴>-----

1945年宮城県仙台市生まれ。
1969年慶應義塾大学経済学部卒業。
同年(株)東京放送(TBS)入社。
ドキュメンタリー・デイレクターとして「テレビ・ルポルタージュ」や「報道特集」を制作。また放送記者として裁判所、警察庁、警視庁、労働省、官邸、自民党、外務省、郵政省などを担当。ロッキード事件、各種公安事件、さらに田中角栄元総理の密着取材などを行う。
1990年にアメリカの議会チャンネルC-SPANの配給権を取得して(株)シー・ネットを設立。
TBSを退社後、1998年からCS放送で国会審議を中継する「国会TV」を開局するが、2001年に電波を止められ、ブロードバンドでの放送を開始する。
2007年7月、ブログを「国会探検」と改名し再スタート。

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『裏支配─いま明かされる田中角栄の真実』
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