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2006年11月29日

11月24日放送「言いたい放題金曜ナイト」ダイジェスト

11月24日に国会TVで放送された「言いたい放題金曜ナイト」のダイジェストです。

ゲストはジャーナリストの河内孝氏です。

ソウルでおこなわれた日韓中ジャーナリスト、シンクタンク研究員の会合に出席し、帰国したばかりの河内氏が、北朝鮮問題の最新情報をお伝えしました。

ダウンロード(映像配信は終了しました)

国会TVの視聴は年額¥10,500・月額¥945(税込)です。
申し込み、詳細はこちら↓をごらんください!
http://kokkai.jctv.ne.jp/

2006年11月27日

教育基本法を巡る議論(3)

食の教育を論じたのは民主党の山田正彦衆議院議員である。

 学校給食は小学校で99%、中学校で70%が実施されているが、そのうち和食の割合はそれぞれ46.8%と48.5%だという。山田議員は平成14年から地場産の食材を使って完全和食を始めた長野県真田町の小学校の例を挙げてこう述べた。

 「最初は大変な抵抗があった。まず子供が嫌だと言うし、父兄も嫌だと言うし、みんなが嫌だと言ったんだけれども、その教育長さん、多分強引に押し切ったんでしょうが。それでやってみると、まず第一に言えることは、キレる子がいなくなったと言うんです。普通、荒れた学校ですといろいろな形で暴れたり何なりしますけれども、あるいは先生に向かったりということがありますが、食べ物でこんなに変わるんですよと。そして、小魚、例えばイワシとかサンマとか、そういった魚を丸ごと食べられるようにしている。必ず魚を中心として、しかも骨を食べられるようにし、いわゆるミネラルとかカルシウム、そういったものを十分にとらせるようにしましたと。もちろん、みそ汁もですね。それによって、最初は学校給食の担当者も大変嫌がっておりましたが、子供たちが食べ残しも少なくなったし喜ぶようになったと言うんですね」

 さらに山田議員は日本の農業の自給率を高め、農業の振興を図る意味からも、学校給食を地元産の食材を使いそれを地元で消費する「地産地消」の対象にして、その事を教育基本法に書き込むべきだと主張した。

 「これは非常に大事なことだと思うのですが、学校給食における地産、いわゆる地場産物というのは、これをちょっと調べさせていただきましたら、例えば長崎県の場合は長崎県全体のものを、県産のものを使っている、そういう都道府県の県産、都道府県内産と言っていいんですかね、それを使用しているというのが21.2%。ところが、本当の、例えば真田町だったら真田町のすぐそばの地産地消でできたものを使っているというところは、この統計から見ると、何%にしかならないんじゃないかと思います。

 そうすると、かけ声だけで地産地消、学校給食にと叫んでもどうしようもない。そして、今申し上げましたように、御飯食、和食にしても、望ましいと言うだけで、指導すると言うだけでもしようがない。
 
 やはり、本当にここは、学校給食を教育基本法の中にきちんとうたって、その方向を示す必要があるんじゃないかと思います」。山田議員はそう述べた。

 学校給食というと筆者の世代はコッペパンに脱脂粉乳というメニューを思い出す。和食の学校給食などお目にかかることはなかった。戦後の食糧難という事情があったのかもしれないが、当時は今とは逆に「子供の健康にはパンと乳製品が適している」という教育が盛んに行われた。

 「ご飯を食べるとビタミンB1が不足して脚気になる」とか、「ご飯を食べると頭がぼける」とまことしやかに教えられた。高名な学者が栄養学の見地からそのように説いて、学校の教師もそう教えた。戦後、日本の家庭の朝食が圧倒的にパン食になったのは、そのせいだと思う。

 しかし後年、我々が学校給食でコッペパンと脱脂粉乳を食べさせられた背景には、余剰農産物を日本に売りつけるアメリカの意図があったことを知った。

 1981年、筆者はアメリカが水田面積を増やしていることを知り、その理由を取材するためアメリカに行った。アメリカの最大のコメどころはアーカンソー州のミシシッピー川流域である。地平線まで続く広大な水田で米作が行われていた。飛行機で種をまき、コンバインで刈り取る。「最も汗をかかずに作れる作物だ」とアメリカの農民は言った。日本の田植えの話をすると、「日本には飛行機がないのか」と聞いてきた。

 アメリカがコメ作りに励むようになった理由は二つあった。
 
 一つはコメが戦略物資になるからである。第二次大戦後の戦争は朝鮮戦争、ベトナム戦争、中東戦争など、いずれもコメを主食とする地域で起きた。従ってコメはその地域への援助物資として戦略的に有効である。

 もう一つは、ヨーロッパがECを形成して関税障壁を撤廃し、農産物がヨーロッパ国内で自由に流通するようになった。そのためヨーロッパへの農産物の供給国であったアメリカは深刻な打撃を受けた。アメリカはヨーロッパで生産できない農作物を探し、コメに目をつけた。コメはスペインとイタリア南部でしか作れない。ヨーロッパにアメリカのコメを輸出するため、スイスを拠点に米食普及運動が始められた。

 そのときの宣伝文句は「コメは完全栄養食品。子供の健康にはコメを!」というものだった。アメリカはライスピザ、ライススパゲティ、ライスサラダなどの料理法をヨーロッパに広めようとしていた。
 
 こうした運動を始めたのは、戦後日本で子供の食事をパン食にすることに成功したからだとアメリカ農務省の元役人が話してくれた。学校給食はそのための道具であった。

 80年代からアメリカでは和食ブームが始まった。理由は一にも二にもヘルシーだからである。「スシ・バー」がいたるところに開店し、ホテルの朝食にもご飯、味噌汁、鮭の塩焼きなどの和食メニューが登場した。

 麦はコメに比べて栄養価が低いため、副食物で栄養を補う必要がある。副食の採りすぎ、特に肉食に偏ることが病気の素だといわれるようになった。それに比べて日本の伝統的な食べ物は理想的な健康食品である。何よりも日本人の長寿がそれを証明している。和食が世界的に見直されるようになった。

 一体、我々が子供のころに受けた「コメを食べると頭がぼける。健康にはパンと乳製品だ」という教育はなんだったのだろう。当時日本を支配していたのはGHQである。だからアメリカの余剰農産物を学校給食にしたことは仕方がないにしても、高名な学者や学校の教師がアメリカのパン食普及運動の手先となり、権力におもねったことを許す気持ちにはなれない。

 食い物の恨みから言うわけではないが、だから教育は恐ろしいと思う。だから権力に迎合しない教育を確立しなければならないと思う。最近では「学の独立」という言葉をとんと聞かなくなった。
 
 もう一方で学校で教えられたことを鵜呑みにせず、社会の中からも判断材料を得て、自分の頭でものを考える力を身につけさせることが教育には最も重要なことではないか。
 
 教育基本法改正案は不正常な状態で衆議院を通過してしまったが、そういうことをまだまだ議論してもらいたいと思う。

教育基本法を巡る議論(2)

 日本の文化、伝統、言葉の大切さを教育の柱に据えるなら、「日本国」の文字と読みにこだわるべきではないかと言ったのは民主党の岩國哲人衆議院議員である。

 「国という字、どういう字が書かれているか。今使われている国と、日本国憲法が制定され、天皇陛下によって公布されたときの國の字と違っているじゃありませんか。
 
 天皇陛下が公布されたときの日本國憲法の國という字はどういう字だったのか。いわゆる旧漢字と言われ、しかし、今でも常用漢字の中に残っております。矛と盾で国と国民を守り、その矛と盾、武器は国外には出さないということでくにがまえで囲ってあるんです。いわば憲法第九条の、平和憲法の精神を、ダ・ヴィンチ・コードじゃありませんけれども、まさにジャパン・コードがこの一字に込められている、これが文字の文化なんです。そして、日本国憲法の国は、私はこの國であるべきだと思うんです。

 日本で一番大切な法律の名前がこのように簡単に変えられていいのかどうか。二番目に、いいと判断したのはだれで、どういう手続をとったのか。三番目、最後、公布された天皇陛下の御了解は得てあるのか、だれがいつとったのか、それをお答えください」

 この問いに対して小坂文部科学大臣(当時)が天皇陛下には奏上されていないと答弁すると、岩國議員は、
 
 「奏上されていないとすれば、これは大変天皇陛下に対して失礼ではないかと思うんです。天皇の地位について言及した法律は、ほかにはどこにもありません。天皇陛下にとって一番大切な法律は、天皇の地位を、国民統合の象徴、それをはっきりうたっているのは日本国憲法しかないんです。その天皇陛下にとって一番法律的に大切なもの、勝手に夜中に表札を書きかえるということは許せないでしょう。文化の中の一番中心になるのは、私はこういった文字文化ではないかと思います」。

 次いで岩國議員は「日本」の読み方について
 
 「日本(にほん)か、日本(にっぽん)か。確かにお金にはNIPPONと書いてあります。その日本(にっぽん)銀行はどこにあるか。日本(にほん)橋にあるんですね。日本(にほん)橋にあるところがNIPPONと書いてある」

 「今上陛下は、即位されてから、即位のときも、即位十年のときも、それから古希のお祝いの席でも、公式の場ではすべて日本(にほん)としかおっしゃっていません。(中略)国民統合の象徴の天皇陛下が日本(にほん)という言葉を終始一貫使ってきていらっしゃる。それに対して、小泉総理大臣は、日本(にっぽん)、日本(にっぽん)、日本(にっぽん)の連発。(中略)私は、これが本当に尊敬される東洋の君子の国、凜とした国だろうか。書き方も二通りある、読み方も二通り。読み書きそろばんという、教育の原点ではありませんか。(中略)国号の読み方が二通りあって、それも、国民統合の象徴である天皇陛下が発音しておられることと違うことを国会議員あるいは行政の長である総理大臣も使っておられる。学校では、小学校一年生の教科書には日本と書いて「にほん」と振り仮名が振ってあります。子供たちが一番最初に手にする教科書には日本(にほん)なんです。ところが、三年生になると、富士は日本(にっぽん)一の山と日本(にっぽん)が出てくるんですね。混乱しています」

 「文字の国、言葉の国と言われる日本が、失礼ですけれども、こういうざまなんですね。教育基本法を論ずる前に、我々は、まだまだ国の枠づくりをきちんとしなきゃならないという点を強調しておきます」と岩國議員は述べた。

教育基本法を巡る議論(1)

 臨時国会の最重要法案は前の通常国会から継続審議となっている教育基本法改正案である。今国会で成立させる事ができなければ安倍政権は鼎の軽重を問われる。そのためか採決を急ぐ与党は審議が100時間を超えたことを理由に単独で衆議院を通過させ、法案を参議院に送付した。これで法案の成立は確実になったと見られる。

 しかし教育基本法は憲法と並んで国家のありようの根底を形作るものであり、本来は広く国民も巻き込んで様々な角度からの議論が展開されることが望ましい。そのためにはメディアが国会審議の詳細を逐一国民に伝えるべきだが、残念ながら前国会では「愛国心」の部分だけが、今国会では「未履修」や「やらせ質問」を巡る発言ばかりが報道されている。
 
 そこで特別委員会の議論の中からいくつかユニークな論点を取り上げて紹介したい。なぜ教育基本法を改正しなければならないのかを考える材料になればと思うからである。

 文明論という大きな視点から教育を語ったのは自民党の鳩山邦夫議員である。
 
 鳩山議員は世界の文明を「自然を破壊する人間中心の文明」と「自然と共生する文明」とに分類してこう述べた。

 「植物文明、動物文明という比較でもいいんですが、要するに、稲作をやって森の中で暮らす。自然と共生する。永劫の再生と循環という思想の中で、太陽は、夜になると死ぬけれども、また朝よみがえるというような考え方、冬から春へ来るときも同じでございましょう。森の中でいろいろなものを収穫する、あるいは稲をつくる。彼らは、土地を拡大する必要が全くありませんから、自然と共生して、同じ領地というか同じ土地の中で幸せに暮らすことができる。

 縄文文明は武器をつくることさえ知らなかった。中国の長江文明も武器すらつくる必要がなかった。しかも、病気がなかった。動物を無理に飼育しませんから病気はない。はしかというのは、あれは犬の病気です。これを人間の世界に取り入れている。ハンセン氏病は水牛です。結核、ジフテリア、天然痘は牛です。インフルエンザは豚と鶏から人間はうつるわけです。縄文時代や、あるいは同じ自然と共生する民が住んでいたアメリカ大陸、インディアン、インディオは一切そう言う病気はなかったわけです。まことに平和だ。宗教的に言えば、仏教の山川草木悉皆成仏という考え方。神道、ありとあらゆるものに神を見る。要するに、自然界のすべてに対する畏怖ですね。

 ただ、一神教ですと、どうしても、人間、愛を中心に訴え、人間のためには他を奪ってもいいというような。(中略)あのイラク戦争が始まったときに、ああ、なるほど、自然と共生しない文明同士が戦争を始めたなという印象を私が持ったのは事実です」

 「日本には縄文時代以来、自然と共生する立派な文明があった。この文明原理はずっと根本において続いてきていますから、我が国の森林被覆率が6割を優に超すというのは、こういう日本のすばらしい文明のお陰であり、いろいろな方が日本人の美徳と言われるものは、やはり文明の質だと思うんですね」

 「この森の民由来の先進国というのは、実は日本だけなんですね。例えば、自然と共生するケルト人の古ヨーロッパ文明というのがあった。ゲルマン民族に追われてイギリスへ、イギリスを追われてアイルランドへ。そのケルト人の歌がエンヤさんのつくる歌であり、C・W・ニコルさんが日本でアファンの森づくりをやっているのではないか」

 「私は、そういうすぐれた文明の担い手だった日本、そのことを理解させることがあって初めて、国を愛する心や態度が生まれるのではないか。それが日本人の誇りになり、アイデンティティになると思うのです。誇りもアイデンティティもなかったら愛国心は生まれてこない」と鳩山邦夫議員は述べた。

 鳩山議員が言うように日本人の中には自然に対する畏怖と感謝の心があり、それは綿々と受け継がれてきたと思う。食事をするときキリスト教徒は神に感謝をささげるが、日本人は「(命を)いただきます」と言って人間のために命をささげてくれた植物や動物に感謝する。樹木や岩石に霊的なものを感じ、それらを神として祀り参拝をする。そうしたことは今でも違和感なく受け入れられている。古来から日本人が育まれてきた文明を評価し、それを教えることに全く賛成だが、そのためには明治以来の教育の在りかたを根本から考え直す必要があるのではないだろうか。

 「西洋に追いつき、追い越せ」と猛烈な勢いで西洋文明を取り入れた明治政府は、そのために日本人が古来から受け継いできたものの多くを犠牲にした。中でも私が問題にしたいのは音楽教育である。明治政府は五音階の日本の音楽を教えずにむりやり七音階の西洋音楽を教えることにした。義務教育の小学校でドレミファソラシドが教えられるようになり、日本人は自分たちが受け継いできた音楽の世界を忘れさせられた。

 西洋音楽のルーツはキリスト教会の賛美歌だと言われる。そうなると多神教の世界の民である日本人が一神教の世界の音楽を強制され、それが百年あまり続いてきたということになる。
 
 しかし20世紀の終わり頃から西洋では多神教の世界の文化を評価し、取り入れる動きが出始めた。アメリカで起きたヒッピー文化は自然と共生するインディアン文化の影響を受けたものである。それはキリスト教文化に対する反逆であった。あのビートルズも最後にたどり着いた音楽の世界は五音階のインド音楽である。日本の尺八や三味線が西洋で評価され、再び日本で見直されるようになった。ケルトの音楽、沖縄の音楽など辺境の地の五音階の音楽が世界で人気を集めるようになった。にもかかわらず日本の音楽教育は今でもドレミファソラシドしか教えない。

 百年前の「西洋に追いつき、追い越せ」はもう十分だ。それよりも日本人の血の中に流れている固有の文化を再発見する教育が必要なのではないか。

2006年11月19日

昔の審議拒否と今の審議拒否

 今国会の最重要法案である教育基本法改正案は、15日に与党が特別委員会で単独採決、16日の本会議でも与党単独で可決、17日には参議院本会議で野党欠席のまま趣旨説明が行われた。
 
 沖縄県知事選挙への影響を考えて、選挙後まで採決をのばした方が良いとの意見もあったが、安倍総理の意向で単独採決に踏み切った。

 野党はタウンミーテイングでのやらせ質問が明らかになったことを理由に採決には応じられないと欠席戦術をとった。民主党は共産党や社民党と違い、自民党内からも評価される対案を出しており、与党と対立せずに修正協議を行う道もあったが、沖縄県知事選挙での野党共闘を重視して、小沢代表は対決戦術を選択した。
 
 それぞれの選択が正しかったかどうかは、沖縄県知事選挙の結果で大きく分かれる。(19日午後記述)

 与党の戦術は小沢代表を「古いタイプの政治家」として国民に意識させ、来年の参議院選挙前に小沢代表の影響力をなくさせるというものであるから、この欠席戦術を「昔の社会党のやり方だ」として徹底批判することになる。そうした意味からこれからも対決色が前面に出る国会になることが予想される。安倍対小沢のガチンコ勝負が国会を舞台に繰り広げられることになる。

 メディアの中には「民主党は昔の社会党と同じだ」という論調が出始めているが、しかしこれは55年体制の内実を知らない者の言い分だ。昔の社会党が審議を拒否して国会を空転させたのは、交渉を裏舞台で行うための手段であり、実は自民党との出来レースである。審議を止めた時には与野党国体幹部の間ではいつ再開するかも決まっており、それを知らされない与党内部の派閥に対する権力闘争に国会が利用された。かつての国対政治はそういうものである。

 しかし今の審議拒否はそれとは大違いだ。与野党出来レースでは全くない。国民がどちらを支持するかを競い合う本当のガチンコ勝負なのである。
 
 かつて共和党支配の議会を作り上げ一世をを風靡したアメリカ共和党のギングリッジ下院議長は、一時は大統領候補にまで名前を連ねたが、強硬に予算審議をストップさせて国民の支持を一挙に失った。国民の支持を失い死に体だったクリントン大統領が共和党の強硬戦術で甦った例がある。

 審議を拒否することが国民から支持されるか支持されないか、今回の小沢戦術がどう評価されるかは沖縄県知事選挙後まもなく分かる。

 なお国会審議はすべてストップしている訳ではない。16日にはいじめ問題で4人の有識者が参考人質疑を行い、17日にはプロミスやアイフルの社長などを参考人に貸金業の実対を探る参考人質疑が行われ、いずれも濃い内容の議論を展開した。 

 17日放送の「言いたい放題・金曜ナイト」に出演したインサイドライン編集長:歳川隆雄氏には、視聴者から「小泉時代より日本外交が締まってきたような感じを受けるが、どう思うか」、「県知事が次々逮捕される背景には何があるのか」など、答えるに難しい質問が寄せられた。(再放送は19日午後9時18分から)

 20日(月)午後9時からの番組には衆議院教育基本法特別委員会筆頭理事であり、自民党最大派閥の会長になった町村信孝衆議院議員、24日(金)午後9時からの「言いたい放題・金曜ナイト」には今年夏毎日新聞を退社したジャーナリストの河内孝氏が出演する。電話(03-3503-4141)で是非素朴な疑問をコール・インしてください。

2006年11月13日

アメリカを読み解く

11月10日放送の「アメリカを読み解く」は明治大学教授の越智道雄氏とアメリカ中間選挙から何が読みとれるかを語り合った。

越智教授には『ブッシュ家とケネディ家』(朝日選書)などの著作があり、ブッシュ一家の事情に詳しい。

越智教授の目には、今回の中間選挙の意味するものが次のように映っている。

東部エスタブリッシュメントそのものの父親に対して何とか自立を図ろうとした「できの悪い長男」が、父親の制止を振り切ってチェイニー、ラムズフェルド、ネオコンらの強硬派と共にイラク戦争に乗り出したが収集が付かなくなり、結局父親の側近たちが進めるイラク政策に乗り換えざるを得なくなった。この5年間のアメリカ政治の底流には、かつてガレージでつかみ合いの喧嘩を演じたブッシュ親子の愛憎劇があるという。

今回の選挙で共和党現職を破った民主党議員は「ブルードック・デモクラッツ」と呼ばれる中道右派。決して左派ではない。彼らを押し上げたのは04年の選挙ではブッシュに投票したいわゆる中間層。アメリカでは冨が5%の富裕層に集中した結果、中間層は没落し、この階層が選挙の度に支持する先をを変えている。それが今回は民主党に入れた。

2年後の大統領候補としてヒラリー・クリントンが注目されているが、彼女の人たらし振りはすごい。自分の弱点と思える軍事問題に精通するため軍事委員会に所属し、共和党の極右政治家と親交を重ね、ウーマン・リブでは決してやってはならないお茶くみを積極的にやり、時に男性議員と酒の飲み比べをやつて酒豪ぶりを発揮している。共和党の大統領候補を狙っているマケイン上院議員はヒラリーとウオッカの飲み比べで負けたと自らが披露している。とにかく議員の中で人気者になっている。

法案の提出者として名前を出すときには共和党右派の議員と名前を並べながら、自らが出す法案はリベラルなもの。ちゃんとバランスをとっている。

政治家ならば当たり前と言えば当たり前だが、こういう芸当を日本の民主党も見習うべきではないか。

批判するだけが政治ではない。

今週17日の「言いたい放題・金曜ナイト」はインサイドライン編集長の歳川隆雄氏が出演する。

アメリカ外交の変容とそれに対する安倍政権の対応を話して貰うつもりだが、視聴舎も直接電話で質問できる番組なのでみなさんにも自由に質問して欲しい。

2006年11月10日

国会TVって何?

有料ネットTVの国会TVとはどんなものなのか?

国会TV代表の田中良紹氏に、国会TVのみどころをお聞きしました。

ダウンロード

国会TVの視聴はこちらからです。

取材:《ざ・こもんず》運営事務局

※Macの方はクリックでは再生(またはダウンロード)しません。マウスプレス、またはキーボードの「control+マウスクリック」で「ディスクに保存」し「QuickTime Player(Ver.7以上)」で再生してご覧ください。
もしそれでもお使いのブラウザが正常に動作しない場合は...
Firefox↓
http://www.mozilla.com/firefox/(英語版)
http://www.mozilla-japan.org/products/firefox/(日本語版)
をお使いください。

2006年11月 8日

北朝鮮問題について田中良紹さんに突撃取材!

tanaka061108.jpg

Q:北朝鮮が核実験に踏み込んだ背景とは?

田中:ひとつは、冷戦後、故・金日成国家主席と親しかったルーマニアのチャウセスク元大統領が民主化クーデターで政権を追われ、射殺されたという事件が背景にあるのではないか。それに金日成は大きな衝撃をうけた。当時、北朝鮮と同じような体制をつくろうと考えていたチャウセスクが射殺されたことによって、北朝鮮は核武装をしないと自分たちの体制も崩壊してしまうのではないかという危機感を持った。そういう中で、94年の核危機があって本当に戦争直前までいった。当時のクリントン政権は核施設爆撃の決断を迫られるところまでいき、寸前のところで金日成とカーター元大統領が会談を行って、北に重油を提供するとか軽水炉を建設するという枠組み合意ができた。そこで、一旦は核による脅威が低減される方向に向かい、金日成は改革開放に踏み切るというところまでいったけれど、会談の1ヵ月後に金日成は心臓麻痺で急死してしまう。そして金正日が跡を継ぐことになる。その金正日は、これまでソ連や東ヨーロッパについて相当研究を重ねてきている。彼は改革解放路線を受け入れたことがソ連の崩壊に繋がったと考え、改革開放路線では体制を維持できないと考えているのではないか。だから核開発を再開したのではないだろうか。

Q:問題の「核武装論」についてはどのようにお考えでしょうか?

田中:議論をするのにタブーを設けてはいけないと思う。私は、核に対して世論とは少し違う考え方を持っている。まず、国内における核保有についての論議には、必ず「唯一の被爆国」であるという被害者意識が根底に存在する。しかし、核を落としたアメリカが、そのまま凶暴な野蛮人だというイメージとなるかというと、私はそうではないと思う。日本が被爆した背景には、あの無謀な戦争に突入した戦争指導者たちの責任が存在している。1945年の3月には東京大空襲があって、普通の感覚でいえば、そこで降伏するという選択肢もあった。しかし、日本は「一億総玉砕」という選択肢を選んだ。いまの金正日を見て、なんと乱暴で馬鹿な男だと思うかもしれないが、当時の日本は、まさに今の金正日みたいなことをしていたとも言える。もちろん、核を落としたアメリカに対する非難はあってしかるべきだが、アメリカをそこまで追い込んでいった責任の一端は当時の日本の戦争指導者にある。日本人には核を落とされたことで、ただただ被害者意識を掲げるだけの人々が目立つが、そういった日本の責任という部分にも目を向けるべきではないか。そういった現実をきちんと見つめた上で、「核武装論」について論議を重ねるのは間違ってはいないと思う。

Q:核保有によるメリットはあるのでしょうか?

田中:メリットはおそらくないだろう。例えば、面積の小さなこの国では核を一発落とされたらそれで終わり。報復する余地がない。そういったレベルで考えても、日本が核を保有しても抑止力にならないのではないか。ただ、アメリカは必ず日本が核武装すると考えている。つまり、北朝鮮が核を保有することにより大国である日本が将来的に必ず核を持つだろうと考えている。アメリカが最も恐れているのは、北朝鮮を非核化しないと周辺地域の安定が損なわれ、核の拡散が起きるということ。とにかく、安倍政権の幹部による核保有議論の容認発言が世間を騒がせているが、私は議論は大いにやるべきだと思う。もちろん、私個人としても、国民的なアイデンティティーの観点から考えても、日本が核を保有する選択肢はあり得ないとは思うが。

2006年11月 3日

国会は情報の宝庫

 国会というのは不思議なところである。国権の最高機関と言われながら、その実態を知る人は少ない。最高機関であるから軽々しく国民に見せてはいけないという考えがあるようで、国民と隔絶された聖域になっている。気軽に国会に行って審議を傍聴したり、食堂で食事をすることなど出来ない。傍聴するにも見学するにも国会議員にお願いをして許可を取って貰わないと国会に入るのが難しい。

 世界中の議会を知っている訳ではないが、権威主義がはびこるのは発展途上国や独裁国家で、日本の国会はそれらの国に近いと思う。かつて何度かアメリカ議会を訪れたことがあるが、夏にはスニーカーに短パン姿の家族連れが多く見られた。おそらく地方からの観光客だろう。議会の入り口で金属探知機の検査を受ければ、誰でもが中に入って見学できた。地下にある食堂で食事をすることも出来る。議会の周囲には塀も門もなく、広い前庭は子供が凧揚げやローラースケートをして遊ぶ広場になっていた。

 日本の国会を見学に訪れるのは社会科の授業の小中学生か、政治家の後援会の団体ばかりだ。家族連れなど見たことがない。国会の前庭は団体さんが記念撮影するだけで、散歩をする者も、遊ぶ子供もいない。広い庭の一隅には各県の県木が植えられているが、開放されているわけではないから観賞する人間もいない。アメリカ議会と比べるとこれが同じ民主主義の国なのだろうかという気がしてくる。

 これまで一般の国民はNHKの中継によって国会審議を見てきた。ところが不思議なことにNHKが中継する委員会は予算委員会だけ。予算委員会は20以上ある委員会の一つに過ぎないのだが、何故かそれしか中継されない。そうなると、予算委員会はテレビを意識したよそゆきの議論の場となり、党派制が前面に出て、国民受けを狙ったスキャンダル追及が行われるようになる。予算の審議をすべき予算委員会でスキャンダル追及を行っている国は日本だけではないか。

 勿論、国会は与党と野党が戦う競技場(アリーナ)である。昔なら剣と剣で戦ったところを、剣ではなく言論で戦い、その勝者を国民に判定させようというのが議会制民主主義である。国の現状と未来をあらゆる角度から掘り起こし、それに対して国民に説得力のある議論を展開するのが国会である筈なのだが、それがスキャンダル追及になってしまうのは、一つの委員会を限られた時間でしか中継しないからだ。すべての委員会をすべて中継していたらとてもスキャンダル追及という訳にはいかなくなる。これまで国民は国会の氷山の一角だけを見せられてきた。そのためあるがままの国会とは異なるイメージが意識の中に刷り込まれてきた。

 国会には衆議院に17の常任委員会と9つの特別委員会、参議院に16の常任委員会と6つの特別委員会、そして3つの調査会がある。それらの委員会では、まさに日本が抱えるあらゆる問題が議論の対象となる。文部科学委員会では教育問題が議論されている。厚生労働委員会では医療や年金問題が議論されている。農林水産委員会では食の安全が議論されている。それらは全て国民の生活に密着した問題である。

 また参議院にある3つの調査会は与党と野党が対決する場ではなく、国際社会の中で日本はどう生きるべきか、少子高齢化社会にどう対応すべきか、日本経済と雇用の問題をどうすべきか、それらの問題の中長期的な解答を得るため、様々な分野の有識者を招いて国会議員と議論をしている。いわば日本が生きていくための勉強会が行われているのである。

 これまで多くの国民は国会を自分の生活とは関係のない党利党略の世界、牛歩や強行採決やスキャンダル追及の世界と考えてきた。しかし国会は情報の宝庫なのである。なぜなら日本の国内や、日本に関わる国際社会の全ての問題とその情報が、必ず一度は国会を通過するからだ。ただその事が国民には知らされておらず、情報も有効利用されていない。

 アメリカのワシントンDCにコングレショナル・クォタリーという出版社がある。議会の議事録を日刊、週刊、月刊で販売している。アメリカでは議会の議事録は誰でもが無料で入手できる。「無料で入手できるものを何故有料で売ることが出来るのか」と私が尋ねると、出版社の幹部は「我々の編集によって付加価値が付くからだ」と言った。

 確かに議事録は入手できても、膨大な量の何処に何があるのかを見つけ出すのは大変だ。だから一般の国民は議事録など読まない。しかし自分が欲しい情報をピックアップしてくれるサービスがあれば、議事録を読む国民も出てくる。議事録に学者やジャーナリストの解説が入ればさらにわかりやすくなる。アメリカではそのようにして議会の情報が有効利用されている。

 またアメリカの議会図書館にある議会調査局(CRS)は、議員の立法作業を助けるために800人を越える研究者が情報収集活動と情報分析を行っている。いわば国会議員専用のシンクタンクである。議会調査局の研究員はかつては150人程度にすぎなかった。それを800人規模にまで増員したのはヴェトナム戦争の苦い反省による。何故アメリカはヴェトナム戦争に介入し、敗れたのか。国防総省とCIAの情報だけを信じて突き進んだ為ではないか。そうした反省から議員達は行政府の情報だけに頼らずに自らの情報収集活動にも力を入れることにした。1995年に日本で地下鉄サリン事件が起きたときには、冷戦後の新たな安全保障上の脅威であるとして、議会調査局は日本のみならず、ロシアやオーストラリアなどオウムが支部を置いていた国にメンバーを派遣して情報収集活動を行い報告書を作成した。

 日本の新聞とテレビが取材源としている記者クラブは、ほとんどが霞が関の官庁にある。官庁が発表する情報を元に日本の新聞とテレビのニュースが作られていると言っても過言ではない。官庁に情報が集まるから新聞もテレビも官庁を情報源としているわけだが、見方を変えれば国民が官庁発の情報に操作されていると言うことも出来る。そうした官とメディアとの関係がこの国の官僚支配の底流にはある。

 小泉総理は官僚支配からの脱却を訴えて国民の支持を集めてきた。「官から民へ」と言って官僚の数を減らすのも良いが、官の力の源泉は「情報の独占」にある。官僚支配から脱却するためには、行政府の力を削ぐことよりも立法府の情報機能を強化することに力を入れた方が良いのではないか。そうすれば議員は官僚に頼らずに立法作業を行うことが出来るようになる。立法府と行政府の間で政策の切磋琢磨が始まる。それこそが21世紀を生き抜くための知恵だと思う。

Profile

田中良紹(たなか・よしつぐ)

-----<経歴>-----

1945年宮城県仙台市生まれ。
1969年慶應義塾大学経済学部卒業。
同年(株)東京放送(TBS)入社。
ドキュメンタリー・デイレクターとして「テレビ・ルポルタージュ」や「報道特集」を制作。また放送記者として裁判所、警察庁、警視庁、労働省、官邸、自民党、外務省、郵政省などを担当。ロッキード事件、各種公安事件、さらに田中角栄元総理の密着取材などを行う。
1990年にアメリカの議会チャンネルC-SPANの配給権を取得して(株)シー・ネットを設立。
TBSを退社後、1998年からCS放送で国会審議を中継する「国会TV」を開局するが、2001年に電波を止められ、ブロードバンドでの放送を開始する。
2007年7月、ブログを「国会探検」と改名し再スタート。

BookMarks

日本初の政治専門チャンネル!
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国会TV
http://kokkai.jctv.ne.jp/

-----<著書>-----


『裏支配─いま明かされる田中角栄の真実』
2011年1月、電子書籍


『メディア裏支配─語られざる巨大マスコミの暗闘史』
2005年3月、講談社

-----<編書>-----


『憲法調査会証言集─国のゆくえ』
2004年7月、現代書館

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