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私たちは大震災と原発惨事のさなかで何を考えるべきなのか? »

御用メディア vs フェイスブック@チュニジア

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↑ ベンアリ大統領(当時)と会談する前原・大畠両大臣(去年12月12日 La Presseより)

 リビアが内戦の危機にある。国民の流血の事態を防ぐのが本来のメディアの仕事のはずだが、現実には内外のメディアの活動によって結果的にますます内戦の危機が高まり、「国際社会は武力行使も辞さず」→「やむを得ない選択もあるのだ」→「独裁からデモクラシーへ」という安易な二元図式よってリビア報道が形成されようとしているように感じるのは僕だけだろうか。僕は、今はチュニジア国境からリビアをみている。大勢の人々が(その多くはリビアへ出稼ぎに行っていた人たちだ)チュニジア国境から脱出してきている。見ているのも辛くなるほど消耗している。そこで僕らも含めた「西側」メディアが、許し難い「人道的な危機」(Humanitarian Crisis)と報道を続ける。一方、東側リビアにいる反政府側の志願兵は「自由の戦士」のように報じられる。かつてのアフガン戦争でのムジャヒディーンが自由の戦士と報じられたように。その中からオサマ・ビン・ラディンのような人物が生まれた。アメリカのFOXニュースなどをみていると、ひょっとしてメディアは内戦を望んでいるのではないか、と錯覚するような短絡的な報道もみられる。
ここチュニジアも緊張が続いている。暫定政権もほとんど展望がない。23年間続いたベンアリ独裁政権などと今では言うが、日本のNHKにあたるチュニジア国営テレビや御用新聞は、政変前は政府批判を一切控え、反政府デモについても全く報じていなかった。

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↑ 軍の兵士に守られている要塞のような巨大なチュニジア国営テレビ局(筆者撮影)

 そこに風穴を開けたのはフェイスブックだった。このことを確かめられたのが今回のチュニジア滞在の最大の収穫だったと言ってよい。フェイスブックの普及ぶりはすさまじく、それは既成メディアがあまりにもヒドイ報道を続けてきたからなのだっだ。御用新聞のひとつだった「La Presse」を、政変を挟んで一気に閲覧してみると、政変前には必ず第一面にベンアリ大統領の顔写真とどうでもいいような業績が記事になっていた。政変後は手のひらを返したように政府批判を始めている。あなたたちはいったい誰のために何のために報道を続けてきたのか? 戦前の大本営発表報道に携わっていた人々に対するのと同じように、僕らは問わなければならない。さて、政変のわずか一か月前にベンアリ大統領と会って「特別な互恵的友好関係を確認しあった国の大臣が、「La Presse」の第一面に堂々と掲載されていたのをみた。日本国の前原誠司外務大臣と大畠章宏経済産業相(当時)が、ベンアリ・チュニジア大統領閣下(当時)との会談にのぞんだ写真が大きく掲載されていた。あられもない現実とは、このようなものである。

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↑ ベンアリ大統領の顔写真を第一面に掲載していた『御用新聞』

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「フェイスブックの普及ぶりはすさまじく、それは既成メディアがあまりにもヒドイ報道を続けてきたからなのだっだ。御用新聞のひとつだった「La Presse」を、政変を挟んで一気に閲覧してみると、政変前には必ず第一面にベンアリ大統領の顔写真とどうでもいいような業績が記事になっていた。政変後は手のひらを返したように政府批判・・・・」なるほど。納得。
チニュジアの国営放送のアナウンサーは、「今までうそを報じてました」と謝罪したそうですね。
 日本のメディアも小沢疑惑という巨大な虚構を報じてきた。異論も反論もなく問題が深まらない。テレビも新聞も信用を失う。わたしの場合。今は本やネット情報で真実の情報をひろっている。新聞の「社説」など信用していない。

メディアは時の権力者と結び付いている、という話は、多かれ少なかれどの国にもあるものなんだな、と痛感する。
ただ、それが酷いくらい癒着しているのは、民主主義国家ではなく、独裁国家だと感じるのは気のせいではないだろう。
……日本人もいい加減、自分の住んでる国が民主主義国家ではないことを自覚したらどうかと思う。
世界から見れば、北朝鮮と何ら変わりない国(むしろ以下?)に思われていることに気づいた方がいいと思う。
それを信じられない輩はたくさんいるようではあるが、周りは、(まだまだ足りないけど)現役世代を中心に、それに感づいている人が増えてきているのは救いだ。
問題なのは、『上役』とか『役職』の肩書きを持つ人たちが、それに気づいていないことだろうか。
だから、日本社会の暗雲が晴れない。『今まで、こうだったから』で良くならないのに、それでも『今まで』にしがみ付いている連中が社会的地位の上役に居座るからどうにもならない。
んで、気づいた人の方は異端児扱いされるので、いつまで経っても事実にすら到達できない社会が出来上がってしまっている。
何とかならないものだろうか。
どうやったら『悪しき慣習』と『一般常識』の区別が付けられるような社会になるのだろうか。


>風の口笛様

社説は、(私は2009年総選挙前に言ったのであって最近になって知ったわけじゃないことを強く主張しつつ)そもそも『解説文』ではなく、単なる社の主張文章。そこには極端な話、取材も根拠も必要なく、単なる妄想文であったとしても、それで罷り通るものであって、言うなれば、個人ブログの感想文よりも程度が低いものと言っても過言ではないでしょう。

ちなみにケチを付けるつもりはございませんが、たぶん、私も含めて大多数の人は『真実』には辿り着けないと思っています。
したがって私が好んで使う言葉は『事実』だったりします。
ここにおられる方も『事実』には辿り着いていらっしゃるでしょうけど、『真実』には到達していないのではないかなと。

阿修羅で拾った「石田いっせいが良いこと書いている」との一言。

で早速検索し見つけた。
http://ameblo.jp/isseiishida/entry-10819818986.html

原子力発電所の賛否は何度も意見してきたが、その反対する市民と機動隊との生々しい抗争が見事に描かれていた。

抗争と言っても、無抵抗な国民を重装備した機動隊が一方的に叩き続ける。

恐らく、沖縄の米軍基地でも当たり前に起きてきた。政権交代が起きなければ辺野古でも起きていたであろう現実。

そして、そんな必死の国民の抵抗を既得権益を守るため、大手マスコミは報道しない。

このブログを読んで、日本という国の闇の部分を見せつけられた気がしました。

マスコミはこれっぽっちも国民のことを思って報道などしない。知恵袋を利用した受験生を逮捕させてしまったのもマスコミです。

そんなに追い詰めなくてはならない重罪なのか?この事件の報道の異常性も小沢悪を植え付ける報道と被る。

この国では逮捕=犯罪者であり、その後無罪だろうと何の説明もしないし、責任もとらない。

この予備校生に、一生逮捕されたという大きな体罰を背負わせてしまった。

真のジャーナリストが今、ネットを見事に使いこなし活躍しだしている。

後は、それを知った国民がっ口コミ成らぬ、ネットコミ、フェイスブックコミ、携帯コミ、で大きな輪にしなければなりません。

いつまでも既得権益の御用マスコミに洗脳されていてはこの国は本当に滅んでしまう。

金平さんの記事は、日本人である事が誇りに思える唯一の救いです。その気骨な国際感覚を今後も一生持ち続けて下さい。

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Profile

金平茂紀(かねひら・しげのり)

-----<経歴>-----

1953年北海道旭川市生まれ。1977年に在京の民間放送局に入社、以降、一貫して報道局で、報道記者、ディレクター、プロデューサーをつとめる。「ニュースコープ」副編集長歴任後、1991年から1994年まで在モスクワ特派員。ソ連の崩壊を取材。帰国後、同局で筑紫哲也氏がアンカーマンをつとめるニュース番組のデスクを8年間つとめる。2002年5月より在ワシントン特派員となり2005年6月帰国。報道局長を歴任後、2008年7月よりアメリカ総局長としてニューヨーク勤務。コロンビア大学東アジア研究所の客員研究員。2010年9月に帰国。10月より同局「報道特集」キャスター兼TBSテレビ執行役員。

BookMarks

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2004年7月、青弓社、部分執筆


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