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『希望の国のエクソダス』から遠く離れて(最終回)
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『希望の国のエクソダス』から遠く離れて(最終回)

村上龍が『希望の国のエクソダス』を書いたのは、今から8年前の2000年、ミレニアムと呼ばれた20世紀の最後の年だった。考えてみると、あの頃はまだ、僕らが暮らしているこの社会に、希望らしきものがあった。それからの8年。一体、この国はどうなってしまったんだろう。社会が野蛮化している。社会というものは進化するものだという社会的デーウィニズムなんぞは元々信じてはいないが、それにしても、この社会の退歩・退嬰の度合いが常軌を逸しているのではないか。社会はより残酷になり、より寛容でなくなり、より弱肉強食化が進んだ。人間を幸福にしないシステムがますます強固になってきている。僕はあと10日で、こんなふうになってしまった国を後にする。またまた外から日本を見ることになる。とてもエクソダスなんて言えたものじゃないのだが。

先日、作家の辺見庸が九段会館で行った講演の映像をみた。僕が仕事をしている放送局の報道の誰かが、取材には行ったが放送に至らなかった代物なのだろう。3時間以上に及んだ講演の内容は、言葉の本質的な意味で、きわめてラディカル(根源的)であり、挑発的であり、「魅力」に富んだものだった。僕は敢えて「魅力」と書いた。そうだ、「魅力」があったのだ。真摯な思考と言葉は人を強烈に惹き付ける。そういう経験をすることがとても少なくなった。そして、辺見の言葉はマスメディアに関わっている僕らを刺す。

きょうもまた3人の死刑確定囚に死刑が執行された。この国のあの法務大臣は、間違いなく任期中に執行した死刑数の記録保持者となり続けるだろう。

アメリカ。いろいろな意味で、日本にとっては生命線の国だ。その国の最大都市ニューヨークとは一体どんなところなのだろう。そこで暮らすことから徐々にそれを見ていこう。

*   *   *   *   *

この「業務外日誌」は、自分の関わっている職務との関係から、「業務内」のことがらを書いてしまうと「元も子もない」状態になってしまうので、それ以外のことを書き綴ってきた。けれども、実は、「業務内」と「業務外」はどこかで連関しているものだ。こんなことが起きていた時に、あんなものを見ていた、読んでいた、聴いていた。つい最近も、強烈な体験をした。人から見るように薦められていた万田邦敏監督の映画『接吻』を見終わった直後に、秋葉原でのあの凄惨な事件の発生を知った。現実と作品の接続に眩暈を覚えるような奇妙な感覚をもった。ストレート・ニュースと文化状況は共振している。そのことを今度は、異邦人として味わうことになるのだろう。
     

*   *   *   *   *

「業務外日誌」をご愛読頂き、また多くの感想を寄せて頂き、ありがとうございました。また、いつか、NYからの通信で再会しましょう。 

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コメント (7)

いよいよラモ-ンズを生んだニューヨークで活動ですな 夏にはNY市に木を植樹する為に一億円の寄付をしたザ・ポリスがNYでコンサート など大統領選のなかで1234!

はじめまして。
ブログおつかれさまでした。
以前から楽しく読んでおりました。
終了は残念ですが、NYからの報道を楽しみにしています。
(あとNYから教授のレポなどを期待しています。)

第2期終了記念してマジカルミステリーツアー買いました。煙草もやめて、貯金して第3期に備えます。金平さんゆくところ世紀の大事件勃発す!ニューヨークですか?想像できないですね。それではごきげんよろしゅう。

行かないでください。日本をみてください。

政治とメディアの関係は一般庶民には知るよしもないが、不思議なのは小泉さんへの攻撃が異常に少ないこと。さっさと総理の座をおりて安泰とは、糾弾されるブッシュも羨ましいのでは。マイケル・ムーアに笑いものにされ、ナオミ・クラインに否定され続け、デニス・クシニッチは35のブッシュの罪状を在任中にと振りかざす。彼の弾効がどれ程の効力があるかは別として、ブッシュがどんなに親指を立てようが、もはや相手にされない罪人扱いであることを、日本のメディアはあまり伝えない。親しさを売りにした小泉さんの評価が落ちるから?野党不在のこの国で、小泉内閣の失政は総括されることもなく、小泉さんは大きな顔をしてテレビに出る。不思議の国のまつりごと。プロフェッショナル、金平氏のアメリカ報道を通して、見えてくるものに期待する。

がんばれ、かねひら!

日本にいる間にラジオのゲストに来ていただいていて本当によかったです。お会いできて光栄でした。金平さんのテレビや報道に対する姿勢には、若さというか初心を忘れないような信念の迫力を感じました。その後、小さな私事ですが決心をすることなどあり、大いに影響を受けてしまいました。勇気が湧いてくるような感じです。
今後もアメリカから、新しい風を感じさせてくれるのを楽しみにしています。また、日本がよい方向へ変われますように、外からビシバシ報道おねがいいたします。

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Profile

田原総一朗(たはら・そういちろう)

-----<経歴>-----

1934年、滋賀県彦根市生まれ。
早稲田大学文学部卒。
岩波映画製作所、テレビ東京を経て、77年フリーに。
テレビ東京時代の連続番組「ドキュメンタリー青春」で、取材対象者に肉薄する独特のインタビュー手法で注目を浴びる。
現在は政治・経済・メディア・IT等、時代の最先端の問題をとらえ、活字と放送の両メディアにわたり精力的な評論活動を続けている。
テレビジャーナリズムの新しい地平を拓いたとして、98年ギャラクシー35周年記念賞(城戸又一賞)を受賞した。
2002年より母校・早稲田大学で「大隈塾」を開講。塾頭として未来のリーダーを育てるべく、学生や社会人の指導にあたっている。

-----<出演>-----

『朝まで生テレビ!』
(TV朝日、毎月最終金曜25時?)

『サンデープロジェクト』
(TV朝日、毎週日曜10時?)

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