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『希望の国のエクソダス』から遠く離れて(最終回) »

忙中閑あり。でも、もう時間がない。

まずは、お知らせから。勤務している会社の人事異動で、日本を離れることになりました。新しい勤務地は米国ニューヨークです。また取材現場に戻ります。それで、「業務外」日誌が成立しなくなり、いったんこのブログを閉じようと思います。3年間にわたる皆さんのご支援を心から感謝します。また、ブログを運営していただいたザ・コモンズの皆さん、本当にありがとうございました。

この数週間は、さまざまな「業務内」雑事に追われ、「業務外」日誌を記す余裕がなくなっていました。そういうなかでも、以前からの約束事や強い勧めにはなるべく応じることで時間を何とかやりくりしてきました。そのうちの幾つかを記しておきます。最終号はたぶん次回の記事になると思いますが。

★5月30日、森山大道との対論トークに参加した@東京都写真美術館。森山さんとのトークに何で僕が駆り出されたのかは不明だ。きっとKさんの陰謀だろう。森山写真の禍々しさとは対照的に、トークショーでの森山さんは非常にものわかりのいい優しい人なのであった。いろいろと挑発を試みてはみたが、写真の巨人の前にあえなく一人踊りを繰り返すのみだった。会場から質問者として参戦してきた日テレの2氏とトークショー終了後に歓談。森山作品との出会いは高校生の頃にさかのぼる。今でもその時に買った雑誌『季刊 写真映像』が手元にある。バカだねえ。とにもかくにも、森山さんの、見ることへの欲望の変わらぬ強度にたじろぐ。それにしても若い人たちが森山作品に惹かれるのは何故なんだろう。あんなざらついた世界とは無縁な彼らが、さ。

★6月3日。ビートルズ世代には堪らないであろう映画をみた。『Across the universe』。何しろ『ライオンキング』の天才演出家が監督した映画だというので、何が何だかよくわからないまま席に座ったがよくできたミュージカル映画だ。アメリカであたったのもうなづける。ビートルズの定番ヒット曲33曲だけで構成されたミュージカル映画で歌の歌詞がっとてもうまくストーリーに組み込まれている。ただ、うーん、何というか、アメリカ製ミュージカルの宿命みたいなもんだが、単純化。それぞれの登場人物の善悪の割り振りの単純化が見ていて痛々しい。ジョン・レノンは実際に武装闘争にコミットしたから、『レヴォリューション』を歌ったんだし。シルク・デュ・ソレイユの『Love』の方が、そういう単純化を免れているだけ、むしろモヤモヤが残らなかった。それにしても、『アイ・アム・ザ・ウォルラス』は名曲だなあ。

★6月4日。カナダの写真家エドワード・バーティンスキーの写真撮影を素材にした映画『いまここにある風景』(原題;The Manufactured Landscapes)をみた。この映画の評価は複雑だろう。下手をすると「反中国映画」と誤読されかねない。だから、『不都合な真実』『ダーウィンの悪夢』の延長線上にこの映画を置いてみるのは、この映画が真に告発している問題に普遍性を与えることになるのかもしれない。例えば、福建省にある世界最大規模のアイロン工場。それは紛れもなく21世紀のアンチユートピアの映像なのだ。上海の急激な都市化。中国共産党が指導する都市化の果てに、登場する裕福な若い女性の不動産業者。虫酸が走るその存在に「中国」をみるべきではない。問題は「中国」なのではなく、中国が急激に追随しようとしている世界の法則の方なのだ。経済グローバリズム。この映画の映像に「美しさ」をみるなんて僕には到底できないが、アル・ゴアは「美しい」という表現をこの映画に対して使っている。理解に苦しむね。

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コメント (9)

大統領選の生現場に立ち会う,世紀の動き感触 ラッキーだな

うれしいです。「ホワイトハウス~」からブログを読んでいます。見え隠れするanti-体制がよくて、56過ぎても理想を語る私の旧友たちとも重なるところがあります。「ホワイトハウス~」の方がこの「業務外日誌」より数倍おもしろかったです。やはり金平さんは海外からの報告がいい。本当は沈みゆくアメリカ帝国より(失礼、選挙で生まれ変わるかもしれませんが)、今こそ中国かアフリカ大陸でのお仕事が先駆けだと思うのですが、でもニューヨークは世界唯一のニューヨークで?世界の全てが集まりますから、そこからの報告もいいですね。又いつか、こうしたブログで興味深い話を発信してくださる日を楽しみに。

マメな金平さんの更新が滞っていたので何かあるのではと思っていました。現場に戻るなんて!素晴らしいです!
森山さんとの対談も聴きに行きました。金平さんの挑発をふわりふわりとかわす森山さん、そんな森山さんと写真は私の中ではなんだかピタリと重なりました。「業務内」のメルマガ再開、待ってます。

コメントの楽しさを知ることが出来ました。感謝です!
エキサイティングな取材報道を楽しみにしております。
いってらっしゃ~い。神のご加護がありますように!

そうでしたか。
渋谷の試写会でお会いしてからはこのブログを読みいつも共感していました。いつかまた!お元気で。

金平さんの感性は、局長なんぞの仕事をさせておくにはもったいないんだよね。また条件が整ったらブログを再開して下さい。なにしろ金平ブログは「東京万華鏡」時代からだからね。いつでも場所は空けて待っています。

新聞の人事発表で報道局長を退任されると知ったときは驚きましたが、そういうことだったのですか。
金平さんの著作・ブログは、テレビ報道の世界を目指している私にとってのバイブルです。
ですから、ブログの再開をとても楽しみにしております・・・って気が早すぎですね(笑)。
金平さんのレポートがテレビ画面に映し出される日も近いということですよね??・・・大学の一年坊主が生意気にも、それを拝見できる日をテレビの前で楽しみに待っています。
いってらっしゃい!お元気で!

アメリカ型金融グローバリズムの最期を、見届けてください。

うーん。金平さんには、こんなに無惨になっている日本に、もう少しとどまっていて欲しかったんですけどね。仕方ないや。あなたは組織に所属してんだから。

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Profile

田原総一朗(たはら・そういちろう)

-----<経歴>-----

1934年、滋賀県彦根市生まれ。
早稲田大学文学部卒。
岩波映画製作所、テレビ東京を経て、77年フリーに。
テレビ東京時代の連続番組「ドキュメンタリー青春」で、取材対象者に肉薄する独特のインタビュー手法で注目を浴びる。
現在は政治・経済・メディア・IT等、時代の最先端の問題をとらえ、活字と放送の両メディアにわたり精力的な評論活動を続けている。
テレビジャーナリズムの新しい地平を拓いたとして、98年ギャラクシー35周年記念賞(城戸又一賞)を受賞した。
2002年より母校・早稲田大学で「大隈塾」を開講。塾頭として未来のリーダーを育てるべく、学生や社会人の指導にあたっている。

-----<出演>-----

『朝まで生テレビ!』
(TV朝日、毎月最終金曜25時?)

『サンデープロジェクト』
(TV朝日、毎週日曜10時?)

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