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沖縄で魂を揺さぶられる

久しぶりに沖縄に来た。沖縄を訪れた時には必ず、まるで「儀式」のように沖縄そばを食べることにしている。この十数年は、国際通りにある宮古そばの「どらえもん」と決まっている。今回もそうした。沖縄という土地が大好きだ。僕は北海道生まれ、北海道育ちなのに沖縄に惹かれる。同質のDNAのようなものを感じるのだ。
さて、その沖縄で初日から魂を揺さぶられるような体験をした。ひとつは県立沖縄美術館で今日から始まった『情熱と戦争の狭間で』展。友人の土江真樹子さんが企画したこの作品展は、戦没画学生の作品を収集する長野の「無言館」の作品群と、沖縄の画家たちの戦争の記憶をたどる作品群のコラボレーションなのだが、両方の展示が互いの認識を深めあう効果をしっかりと保っている。1+1以上の相乗効果を生んでいるのだ。「無言館」の作品についてはすでに多くの言葉がいろいろな箇所で費やされているのでここでは触れないが、僕にとって新鮮だったのは沖縄の画家・アーティストたちの戦争の記憶の重層性、多義性である。例えば、山田真の『沖縄戦』は英字新聞Daily Okinawan の挿絵として1947年に描かれたものだが掲載が見送られた。すさまじい作品である。大嶺政敏の戦前作品『増産戦士』と、40年後に描かれた『集団自決供養』に至るまでも通底する一種の静謐感覚。山元恵一の『司祭』『角笛』『人の祈り』の朱色に込められた悲しみ。与儀達治の『怨』『=0(イコールゼロ)』にみられる、戦争の記憶においてさえ隠されようとしているものへの直視。見る者の想像力がどんどんと拡げられる。
夜、桜坂劇場でタテタカコのライブを聴く。こころに沁みた。沁みすぎた。『君は今』から始まって2曲目の『宝石』くらいでもう涙腺の決壊が始まった。ダメだね。こんなにピュアな声は、相当初期の頃の坂本美雨にちょっと聴けたような記憶もあるけれど、中島みゆきとも違うし、矢野顕子とも違うし、もちろん綾戸智絵みたいにはなっていないし。とにかく、こころに直線として突き刺さってくる硬質な純粋な歌声はただごとではない。これは事件だ。

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Profile

田原総一朗(たはら・そういちろう)

-----<経歴>-----

1934年、滋賀県彦根市生まれ。
早稲田大学文学部卒。
岩波映画製作所、テレビ東京を経て、77年フリーに。
テレビ東京時代の連続番組「ドキュメンタリー青春」で、取材対象者に肉薄する独特のインタビュー手法で注目を浴びる。
現在は政治・経済・メディア・IT等、時代の最先端の問題をとらえ、活字と放送の両メディアにわたり精力的な評論活動を続けている。
テレビジャーナリズムの新しい地平を拓いたとして、98年ギャラクシー35周年記念賞(城戸又一賞)を受賞した。
2002年より母校・早稲田大学で「大隈塾」を開講。塾頭として未来のリーダーを育てるべく、学生や社会人の指導にあたっている。

-----<出演>-----

『朝まで生テレビ!』
(TV朝日、毎月最終金曜25時?)

『サンデープロジェクト』
(TV朝日、毎週日曜10時?)

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