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「羊に率いられた獅子」を描く愚直さ

最近では映画館で封切り映画をみる機会がぐっと減った。これはヤバいと思い、帰省先の富山市で『大いなる陰謀』というのをみた。富山市内でやっている映画があまりにもロクでもない作品ばかりで他にみるものがないのだ。大体にして映画館がパチンコ屋と同居しているシネコン系の郊外型。どこの地方都市も今や映画館はこんな有様なのだろうか。ロバート・レッドフォード監督・出演の『大いなる陰謀』の原題は「Lion for Lamb」。「(臆病な)羊に率いられた(高貴な)ライオン」とでもいうほどの含意が込められているのだろう。対テロ戦争を押し進める共和党政治家たち(=実戦経験の全くない羊)が、すっかり無力になったマスコミを使って、無理な軍事作戦を遂行し、未来のある若者たち(=ライオン)を戦場で死なせている、というメッセージがあまりにも前面に出すぎている。この映画の登場人物のなかで、高貴でまともな人間として描かれているのは、戦場で戦死する黒人系、ヒスパニック系の2人の若者のみ。この単純な構造がこの映画をかえって深みのないものにしている。描き方としてはむしろ愚直。ブッシュ政権末期に特有の映画とみなされてしまうだろう。そこが残念だ。ただ、映画『靖国』の事前試写を求める国会議員のいる国と、レームダックとは言え現在の政権の戦争政策を堂々と批判するこのような映画をトップスターたちと共に制作し、世界中に一般公開している国のどちらがまともな国か。それを考えてみてもいいのかもしれない。そう言えば、この映画の配給はあのマードックのニュースコーポレーション傘下の20世紀フォックスだった。ニヤリ。

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コメント (1)

ケイト・ブランシェットのボブ・ディラン、ご覧になりましたか。6人のディラン。家族で見たのですが、若いのは、ディランをよく知らないから構成が難しいと言います。初期から何度か生を聞いている夫は、どのイメージも好きではないと言います。私は大胆な試みがいいし、ケイト・ブランシェットが大好きなので、それだけでも楽しめました。ただ私の肌感覚とは何だか違う。監督がディランとその時代をとてもよく学習しました、と感じてしまう。そもそも映画は時代を学習して、どう描こうが監督の勝手なんだけれど、スコシージの「No Direction Home」のようには体に入ってこない。だいぶ昔の話ですが、ディラン30周年コンサートはDisasterとして面白いんですね。特に主役のZimmermanが不機嫌なおばさんみたいで。ディランは女性的なんですね。ケイト・ブランシェットを見て再認識。

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Profile

田原総一朗(たはら・そういちろう)

-----<経歴>-----

1934年、滋賀県彦根市生まれ。
早稲田大学文学部卒。
岩波映画製作所、テレビ東京を経て、77年フリーに。
テレビ東京時代の連続番組「ドキュメンタリー青春」で、取材対象者に肉薄する独特のインタビュー手法で注目を浴びる。
現在は政治・経済・メディア・IT等、時代の最先端の問題をとらえ、活字と放送の両メディアにわたり精力的な評論活動を続けている。
テレビジャーナリズムの新しい地平を拓いたとして、98年ギャラクシー35周年記念賞(城戸又一賞)を受賞した。
2002年より母校・早稲田大学で「大隈塾」を開講。塾頭として未来のリーダーを育てるべく、学生や社会人の指導にあたっている。

-----<出演>-----

『朝まで生テレビ!』
(TV朝日、毎月最終金曜25時?)

『サンデープロジェクト』
(TV朝日、毎週日曜10時?)

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