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音楽の官能、小説の官能

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『サイゴン・タンゴ・カフェ』
2008年2月、角川書店

このところ、たまたま読んだ小説がみんな面白くて、現実逃避の手段として小説にハマってしまいそうだ。ヤバいね。中山可穂の『サイゴン・タンゴ・カフェ』(角川書店)もそういうなかの一冊だ。ピアソラの曲にインスパイアーされて書き上げられた小品群も、品位と退廃がともに漂っていてぐいぐい引き込まれてしまう。ピアソラの曲の官能に照応する小説の官能。タンゴは切ない。人生のように。本の表題になっている『サイゴン・タンゴ・カフェ』も独自の世界をもった官能的な非通俗=恋愛小説だ。

この世のあらゆる思想は信じるに足りぬが、ただタンゴだけは無条件で愛せるのだと語っているかのような没入の背中や、リズムにあわせて小刻みに動いている足や、かぼそい指先が無意識になぞる追憶のしるしや、レコードに針を落とすときの厳かな儀式めいた仕草によって、客は女主人がタンゴに寄せるただならぬ愛を知るだろう。(同作品より)

ディノ・サルーシとロザムンデ・カルテットの古いタンゴのCDを聴きながら、小説の舞台となったハノイの雑踏を思い出している。そう言われてみれば、タンゴとハノイは微妙に合っているなあと思いながら。

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コメント (1)

ピアソラは本来のタンゴじゃないよねえ。コンチネンタルの良さをみんなは知らないし。

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Profile

田原総一朗(たはら・そういちろう)

-----<経歴>-----

1934年、滋賀県彦根市生まれ。
早稲田大学文学部卒。
岩波映画製作所、テレビ東京を経て、77年フリーに。
テレビ東京時代の連続番組「ドキュメンタリー青春」で、取材対象者に肉薄する独特のインタビュー手法で注目を浴びる。
現在は政治・経済・メディア・IT等、時代の最先端の問題をとらえ、活字と放送の両メディアにわたり精力的な評論活動を続けている。
テレビジャーナリズムの新しい地平を拓いたとして、98年ギャラクシー35周年記念賞(城戸又一賞)を受賞した。
2002年より母校・早稲田大学で「大隈塾」を開講。塾頭として未来のリーダーを育てるべく、学生や社会人の指導にあたっている。

-----<出演>-----

『朝まで生テレビ!』
(TV朝日、毎月最終金曜25時?)

『サンデープロジェクト』
(TV朝日、毎週日曜10時?)

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