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「荒地」に集った詩人たちの凄まじいまでの生への欲求

僕が「業務外日誌」を記している理由のひとつには、業務<内>での出来事が、あまりにも馬鹿馬鹿しく、同時に、深刻で、かつ職業倫理にまつわる判断を刻々と強いられるので、それらをレアな形で表出することは避けたいということがある。これはホンネだ。だから、今の自分の仕事には直接関係していないような体裁で、業務<外>のことを書くということは、ある意味で何かから逃げているという側面があるのかもしれない。ただ、この業務<外>のことがらは、業務<内>のことがらと密接に関係していて、ひどい仕事にぶち当たった時などには、仕事の<外>であえぐように必至に何かを探し求めていることがあるのだ。

ねじめ正一の『荒地の恋』(文藝春秋)を読んだ。この生々しさをなぜ今の自分は求めているのか。その理由を自分ではよくわかっているつもりだ。同人詩誌『荒地』に集った田村隆一や鮎川信夫らとの入り組んだ関係の中で、53歳にして田村の妻・明子を奪ってしまった詩人・北村太郎の凄まじいまでの生への欲求。あまりにも生々しいひとりの詩人の人生の側面を、このような魅力的な小説に仕立て上げられて目の前に差し出されると、たじろぐ。濃密に生きること。あの時代の詩人という人種の、そこへの欲求の強さに感動を覚えずにはいられない。北村太郎の詩が無性に読みたくなった。

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コメント (1)

同じ「荒地」派の詩人、鮎川信夫を描いた『幽霊船長』(河原晋也遺稿集)も、とてもとても面白い本ですよ。

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Profile

田原総一朗(たはら・そういちろう)

-----<経歴>-----

1934年、滋賀県彦根市生まれ。
早稲田大学文学部卒。
岩波映画製作所、テレビ東京を経て、77年フリーに。
テレビ東京時代の連続番組「ドキュメンタリー青春」で、取材対象者に肉薄する独特のインタビュー手法で注目を浴びる。
現在は政治・経済・メディア・IT等、時代の最先端の問題をとらえ、活字と放送の両メディアにわたり精力的な評論活動を続けている。
テレビジャーナリズムの新しい地平を拓いたとして、98年ギャラクシー35周年記念賞(城戸又一賞)を受賞した。
2002年より母校・早稲田大学で「大隈塾」を開講。塾頭として未来のリーダーを育てるべく、学生や社会人の指導にあたっている。

-----<出演>-----

『朝まで生テレビ!』
(TV朝日、毎月最終金曜25時?)

『サンデープロジェクト』
(TV朝日、毎週日曜10時?)

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