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ETV特集のドストエフスキーのきまじめさ »

やっぱりかなり違う映画と原作の出来

面白い小説が面白い映画になるとは限らない。いや、むしろ面白い小説が面白い映画になることなんて例外的なことだと思った方がいい。ミラン・クンデラの『存在の耐えられない軽さ』なんかがその希有な例だろう。それで、やっぱり奥田英朗『サウスバウンド』の角川映画(森田芳光監督)は、残念ながら小説にははるかに届かずだった。脚本が粗い。言葉が軽い。あの時代の陰影みたいなものもまるでなし。活動家=アナキストという雑駁な扱いなんかも、アナキストが聞いたら怒るぜ。台東区に場所を移しちゃったりしたのもマイナス。キャスティングも、豊川悦司はいいとして、天海祐希は沖縄の日射しを嫌がってるのがモロに見えてて何か違うよなあ。もっと若けりゃあ、原田芳雄と桃井かおりなんだろうけれど、まあ無理か。原作とは違うストーリー、「ニュースキャスター」がリタイアして沖縄のリゾートに移り住んでくる予定なんていう、映画人のテレビ人に対する悪意丸出しの設定には、同じ穴の何とかだろ、と呟きたくなったけれどもね。沖縄の小学校にいた東京からの転校生の女の子役がぴたっとはまっていたくらいか。そうだ、ちゃんと若松孝二の映画でもみよう。

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コメント (2)

やっぱりそうですか。
サウスバウンド早速読みました。
すごく共感するところあり、しかし映画はどうかなと思っている矢先でしたのでこれも敬遠いたします。原作の映画化はやはりむずかしいのですな。
どうもありがとうございました。

映画化は無理でしょう、あの作品は。

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Profile

田原総一朗(たはら・そういちろう)

-----<経歴>-----

1934年、滋賀県彦根市生まれ。
早稲田大学文学部卒。
岩波映画製作所、テレビ東京を経て、77年フリーに。
テレビ東京時代の連続番組「ドキュメンタリー青春」で、取材対象者に肉薄する独特のインタビュー手法で注目を浴びる。
現在は政治・経済・メディア・IT等、時代の最先端の問題をとらえ、活字と放送の両メディアにわたり精力的な評論活動を続けている。
テレビジャーナリズムの新しい地平を拓いたとして、98年ギャラクシー35周年記念賞(城戸又一賞)を受賞した。
2002年より母校・早稲田大学で「大隈塾」を開講。塾頭として未来のリーダーを育てるべく、学生や社会人の指導にあたっている。

-----<出演>-----

『朝まで生テレビ!』
(TV朝日、毎月最終金曜25時?)

『サンデープロジェクト』
(TV朝日、毎週日曜10時?)

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