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12年目にして見えてきたこと

マル激トーク・オン・ディマンド
マル激トーク・オン・ディマンド
第573回(2012年04月07日)
12年目にして見えてきたこと

 2001年の番組開始以来12年目に入ったマル激。

 当初のマル激はゲストを呼ばず、神保・宮台の2人がその週のニュースから様々な論点を見付け出して論じるスタイルだった。12年目の節目に、久しぶりにゲスト無しのオリジナルスタイルのマル激をお送りしたい。

 巷では原発の再稼働や消費増税など、一年前に起きたあの震災や原発事故がまるでなかったかのように、ビジネス・アズ・ユージュアル(これまで通りの通常営業)が続いている。実際、今われわれが直面する問題のほとんどすべては、3・11よりずっと以前からわれわれが抱えていた問題であり、また以前から繰り返しマル激でも取り上げてきた問題だった。

 マル激では当初は問題の核心やその背後にある構造を見極めることにエネルギーと時間を費やしてきたが、回を重ねるごとにそれだけでは何も変わらないと痛感するようになった。そして、それ以来、できるだけ手の届くところ(アームズレングス)で取っ掛かりを見つけるよう心がけてきた、つもりだった。しかし、実際は573回目の放送を迎えた今回にいたっても、それができているとはとても思えない。

 むしろ、何が問題かはわかっているのに、そしてその処方箋も数多く提示されているのに、問題は一向に解決されず、事態が改善しないのはなぜなのか、そのための最初の取っ掛かりさえ見つけられないほど、われわれが放置してきた問題はわれわれのシステムにビルトインされ、システムの一部となってしまったのかもしれない。

 おまかせ主義から脱却し、社会の諸問題を自分の問題として捉え、自分にできることからやっていく、民主主義の基本ともいうべき「参加と自治」の姿勢そのものは間違っていないはずだ。しかし、それを実践するための取っ掛かりがなかなか見つからなければ、いい加減いやになってくるのも無理はないだろう。

 しかし、だからといって諦めるわけにはいかない。ゲーム版が壊れてしまっては、ゲームオーバーなのだ。これからのマル激は、これまでマル激が力を注いできたように、問題の本質とその背後にある構造をしっかりと見極めることを継続していくのと同時に、その解決の糸口となる「取っ掛かり」を見つけることを、新たな課題の一つに加えたいと思う。

 これもまた、言うに易し。そう簡単にはいかないかもしれない。多分いかないと思う。しかし、11年前にまだ30代だった神保哲生と40代になりたての宮台真司の2人が、「結構日本やばいよね」、「社会死んでないか」、「世界がおかしい」、「メディア終わってるし」などの問題意識を共有し、そうした問題意識に働きかける手段を模索しようと暗中模索で始めたマル激は、これからも試行錯誤を続けていくしかない。

 今週は12年目の節目を迎えたマル激が、12週年スペシャルと称して、特にテーマを決めず、今の日本と世界、そしてマル激がこれまで11年間かけて議論を続ける中で培ってきた問題意識を、神保哲生と宮台真司が自由に語り合った。

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コメント (1)

暗記するのが教育の基本であって、如何に効率的に暗記するかが評価の分かれ道になり、如何に真似するかも重要な要素であり、一つの文化になっています。
また、均一性が強く求められ、独自性の故に仲間から排除される場合が、多くあります。

食事などを見ていると、一人の人が注文すると、皆がそろって同調します。自分の食べたいものを注文するよりも、他の人に合わせることが習い性になっているのです。このような文化が主流となって、独自性、創造性の評価が低くされる状況にあっては、大きく社会の構造が変化することは望みようがなく、歯がゆさが募るのは、いたしかたないのでしょうか。

若い人たちの思考は大きく変わってきているのですが、高齢者が発言力を強くしている状況では、声が小さくなっていきがちなのを、苦々しく見ています。不安な点は多いのですが、若い人たちに職場を譲る精神は不可欠なのに、国家公務員の採用が大幅に減らされ、若い人の意欲を減退させている我々高齢者の責任は極めて重い。

年金の大幅減額まかりならず、早期退職まかりならずの害をばらまいていて、若い人たちの希望と活躍の場を奪っていては明日の日本は切り開かれません。若い人たちは選挙に行かなくては社会は変わらないことを銘記して投票所に向かってほしいものです。

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Profile

神保哲生(じんぼう・てつお)

-----<経歴>-----

1961年東京生まれ。
15歳で渡米。コロンビア大学ジャーナリズム大学院修士課程修了。
クリスチャン・サイエンス・モニター記者、AP通信記者を経て独立。
ビデオジャーナリストの草分けとして、日米の放送局に映像リポートやドキュメンタリーを多数提供。
2000年1月、世界初のニュース専門インターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』を立ち上げ代表に就任。
2001年4月より『ビデオニュース・ドットコム』で宮台真司氏と人気ニュース番組「マル激トーク・オン・ディマンド」のキャスターを務め、現在にいたる。
2005年4月より立命館大学産業社会学部教授を兼務。
2008年4月より、早稲田大学ジャーナリズム大学 院非常勤講師を兼務。
専門は地球環境問題、開発経済、メディア倫理、日米政治関係。

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『格差社会という不幸』
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『オルタナティブ・メディア―変革のための市民メディア入門』
2008年12月、大月書店、翻訳・解説


『教育をめぐる虚構と真実』
2008年10月、春秋社、共著


『ツバル―地球温暖化に沈む国』
2007年7月、春秋社、増補版


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2006年11月、春秋社、共著


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2006年1月、春秋社、共著

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2004年3月、インフォバーン、監訳

『プロパガンダ株式会社―アメリカ文化の広告代理店』
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『漂流するメディア政治―情報利権と新世紀の世界秩序』
2002年10月、春秋社、共著

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1997年11月、築地書館

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1993年7月、ほんの木

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