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「原発は安い」は本当か
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「原発は安い」は本当か

大島堅一氏
マル激トーク・オン・ディマンド
第523回(2011年04月23日)
「原発は安い」は本当か
ゲスト:大島堅一氏(立命館大学国際関係学部教授)

 これまで政府や電力会社は、「原発は安全でクリーン、他の発電方法よりも安く、原発を使用しなければ電力が不足する」などと説明をしてきた。福島第一原発が事故を起こした今、原発が安全だという点への信頼はもろくも崩れ去った。では、喧伝されてきた「原発は安い」は、本当なのだろうか。環境経済学の専門家で立命館大学教授の大島堅一氏と共に、ジャーナリストの武田徹と宮台真司が議論した。

 大島氏は、原発の商用利用が始まった1970年以降に原発にかかったコストの実績値を計算した。その結果、「原発が安い」のは電力会社から見れば本当なのだが、われわれ利用者にとっては間違っていると話す。一体どういうことか。

 発電にかかるコストとしてよく電力会社が出す数値は、たとえば04年に電気事業者連合会が経産省の審議会に提出した資料では、1キロワット時あたり、水力(揚水発電を除く一般水力)は11.9円、石油10.7円、天然ガス6.2円、石炭5.7円、そして原子力は5.3円としている。これは、稼働率を80%に設定するなど、ある一定の条件を想定して計算した値だ。この数値はあくまでモデル計算の結果であり、本当にかかったコストはこの方法ではわからない。

 さらに、われわれ利用者の負担という観点で考える時に重要なのは、「見えないコスト」と「バックエンド費用」だという。「見えないコスト」とは、国からの財政支出だ。技術開発費や立地対策費がエネルギー特別会計の中から支出されるが、電源別に集計されていない交付金もあり、知らない間に原子力にお金が出ている状態が作られていると大島氏は話す。大島氏が集計したところ、1970年~2007年の交付金の約7割が原子力に支出されており、ほとんど「原子力交付金」だということがわかったという。つまり、原発は国の優遇策を受け、必要なコストは国、つまり国民の税金で負担してきた。そのために、電力会社にとっては「原子力は安い」のだと大島氏は言う。

 大島氏は1970年~2007年の約40年間について、想定のモデル計算ではなく、実際に発電にかかったコストを、財政支出の国民負担についても合算して計算した。その結果、1キロワット時あたりのコストは、原子力10.68円、火力9.90円、水力7.26円と、原子力はもっとも高かった。

 もう一つの「バックエンド費用」とは、原子力特有の使用済み燃料の再処理費などのことで、これは燃料費など発電に必要な費用と共に、電気料金に算入されている。つまり、われわれ利用者が電気料金の中で負担させられている。大島氏は、たとえば使用済み燃料の再処理に11兆円以上が掛けられているが、そこで得られるプルトニウムはウランで購入した場合の9000億円分でしかないなど、バックエンド費用には今の原子力政策が抱える不合理が多々あり、それをわれわれが知らされないまま、原子力を選択してきたのではないかと指摘する。

 後半は、再生可能エネルギーのコスト面での評価と、1980年に科学技術庁のクレームを受けた文部省からの求めで、検定を通過した中学校社会科(地理)の教科書の原発に関する記述を書き替えた経験のある元教科書執筆者の大谷猛夫氏のインタビューを交え、原発をめぐる言説がいかに作られてきたのかについて議論した。

今週のニュース・コメンタリー
・今週の福島原発
基本情報の公開なき楽観論には注意が必要
解説:小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)
・東電賠償スキームで電気料金は大幅値上げへ
解説:町田徹氏(経済ジャーナリスト)
・政府は私有財産への立ち入りを禁止できるのか

<ゲスト プロフィール>
大島 堅一(おおしま けんいち)立命館大学国際関係学部教授
1967年福井県生まれ。92年一橋大学社会学部卒業。94年同大学大学院経済学研究科修士課程修了。97年同博士課程単位取得退学。経済学博士。97年高崎経済大学経済学部助教授などを経て、08年より現職。著書に『再生可能エネルギーの政治経済学』など。

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ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

最終処分地が未定であるが、使用済み燃料の保管問題も見過ごせない。
処理方法そのものもまだ決定打が出ない状態であるが、最悪の海洋投棄案にしても、数千年~数万年規模での汚染防止が担保されねばならない。SF的なロケットで打ち上げて太陽に打ち込む案にしても、打ち上げ時の安全が問題となる。
もし可能としても、これらの費用は誰が負担するのだろうか?
これらを全て合算してもなお原発が割安なら、一考の余地はあるのだが・・・
とにかく今までは原発建設ありきで、全ての情報が操作されてきた。
このことが、本当は有望な代替エネルギーの芽を摘んでしまったことを猛省すべきだろう。
原発を推進してきた政官業は今後エネルギー政策に嘴を突っ込む権利はないものと考えて欲しい。
東電は勿論まな板の鯉の立場を自覚して、この期に及んでのおかしな政治活動は慎んで頂きたい。

原子力が高いか安いか?
この論点には、極めて深い疑問を感じないわけにはいかない。先ず最初に、地球上の生物が存在するために、基本的に有害か、無害かの論点で考えられなければならない。

少なくとも、原子力の被害は、世界で実際に経験していることであり、日本の原爆、ロシアのチェルノブイリ原発事故、米国のスリーマイル島の原発事故などで、その恐ろしさを実感しているのである。

直接の事故被害者ではないドイツの原発反対の大きなデモなどを見ると、日本とドイツの原発に対する人間としての抗議行動にいかんともしがたい認識の差を認めざるを得ない。

日本人は、本来反対であっても、一人一人の買収工作によって、時間とともに賛成ではなくとも、自分だけは反対しなくともいいだろうということで、全体として賛成に替わってしまうことが極めて多い。

福島原発事故では、現知事の行政上の過失を指摘せざるを得ない。前の知事は、内部告発で原発反対を明確に意思表示し、いわれのない別件の冤罪事件に巻き込まされてしまった。

今の知事は、まるで一人だけが、正義の味方のようなことを言っているが、原発反対で当選してきた人とはいえない。

然るに、政府に対する態度、東電に対する態度は、眼に余る。ご自分の原発に対する認識が甘く、現在の事故につながったとの認識はないのでしょうか。

この知事の厚顔無恥の顔がテレビに映し出されるたび、自己本位の保身政治家を見る思いがします。

誰もやらなかった発電コスト見直し、大島教授により、明らかにしていただきました。感謝します。

不思議な話です。これだけ日本に経済学者が沢山いながら、何をしているのでしょうかね。大学の研究室で、云わざる、見ざる、聞かざるですか。正しい情報さえ国民に出さない構造に変質しているということですね。大学も腐敗しているということです。いわゆる御用学者の巣窟になっているということでしょうか。国立大学の先生何をしとるのかといいたいですね。国民の税金で生活を保障してもらっているくせにです。

毎日、ノンビリ、研究室でぐうたら生活ですか。中にはまじめに研究している先生もいますが、いっそ、全国の国立大学の先生方、全員の発表論文件数の一覧リストを何年かおきに、公開せよといいたいですね。

話を元へ戻して、これまで、発電コストの発電方法の違いに関して、原発が一番安いとする表を電事連から何度見させられたことでしょう。

電事連下の電力中研に試算内容を詳しく示せと迫っても決して示せなかった理由がわかりました。妥当性の無い仮定に基づく単なるモデル計算であり、実績値との比較も何もされていなかった。まともな人なら計算すること自体が空しくなるのですがね。

電力中研の人も原子力村の一員でしょう。何を云ってもはじまりません。電力中研から出てくるデータなど信用なりませんね。

これほど、国民を愚弄した比較表はないでしょう。電力中研も相当に腐敗した組織です。金のためなら何でもするサラリーマン研究者悲哀では済まされないのですよ。まともな感覚の人なら、こんな組織、すぐに退職したくなりますね。


ところで、本スレから少しはずれることをご容赦いただき、たしか平成17年度か、18年度だったと思いますが吉井英勝議員が福島第一原発の冷却機能喪失時の問題を国会で指摘し、その対策等を質問していたことは有名ですが、4月22日、またしても政府の体たらくを暴露しました。


転載
日本共産党の吉井英勝議員が22日の衆院経済産業委員会で、原発事故の収束をはかる上で東京電力に、放射能の放出状況などを示す基礎的データを含む全データを提出させよと迫り、政府がいまだに東電の1次データをつかんでいないことが明らかになりました。

 これまでも原子力安全委員会が東電からSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)用のデータを得ていないことはわかっていましたが、班目春樹委員長は吉井氏の質問に「3月21日と27日に項目まで示して、原子力安全・保安院に求めたが、まだデータはいただいていない」と答えました。

 排気筒や排水口などのデータも集中している保安院の緊急時対策支援システム(ERSS)のデータも「とれてない」と発言。「事故状態判断支援システム」や「予測解析システム」のデータについても、それらを運用するオフサイトセンター自体が事故後、福島県庁に移転したため、「現在運用されていない」と述べ、基礎的データをまったくつかんでいないことを明らかにしました。

 吉井氏は、「深刻な問題だ」と強調。安全委員会にデータを提供する保安院の寺坂信昭院長もいまだに「東電に求めている」と述べるにとどまりました。

 吉井氏は、どんな機関もデータがなければ役にたたないと述べ、大臣が東電に提出を命じるよう要求。海江田万里経産相は「原子炉等規制法に基づき、データを全部出させるように文書で指示したい」と述べました。

 吉井氏は、「徹底的に出させるべきだ。国家が機能していないのと同じだ」と厳しく指摘しました。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-23/2011042301_02_1.html
転載終

他のスレでも紹介いたしましたが、大島教授が昨年原子力委員会へ提出・説明された資料のリンク先を以下に記載いたします。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2010/siryo48/siryo1-1.pdf

ご参考まで。

原発をコスト面から考えるテーマですね。話は少し飛びますが、被災地域を除いて統一地方選挙が終わりました。実は、原発地域の選挙では脱原発を掲げた勢力が軒並み敗退し、世田谷のように原発のない地域の勢力が逆に勝利するという不可思議?な結果が出ています。不可思議と書きましたが、案の定というふうにも思いました。この福島の大事故を目撃してさえ、原発地域では脱原発勢力は敗北するのです。先ず、危険だ危険だだからやめよう(反原発)では、勝利出来ません。危機ならば危険じゃないようにすればよいからです。100%安全なものなんかありません。飛行機や自動車も事故を起こし、モータリゼーションの導入で毎年数多くの尊い命が亡くなっておりますが、誰もやめようとはしません。安全な車とか走行とか交通ルールとかの方法でカバーします。次にエネルギー政策の転換(脱原発)ですが、これは従来からも云われており、具体論を含む青写真の浸透(先が見えてくるような議論)が今一つと言うのもあります。今回の選挙でも短い期間で自粛ムードという日本独自の選挙文化の問題もあり、やはり脱原発勢力は軒並み敗北しています。何故、原発もなく比較的安全な世田谷で勝利し、原発を抱える地域では敗北するのか?大事な経済政策の問題も追加しなくてはなりません。よく利権そのものを否定的にとらえる方がおりますが、間違えです。仙人ではありませんから、誰にも利権はあります。固定化された無駄な意味のない利権は見直す必要はあります。ただし、原発でご飯を食べている人やその地域にお金が落ちたり共同体に有難い税金が落ちるのですから否定なんかしたら、怒られます。餓死しろと云うのかと叱られます。当然、誰も失業せず、その地域や共同体にもお金が落ちる新しい政策的な展望がなくては説得力がありません。更に人間には自意識の問題がありますから頭ごなしに原発を否定したらその方の人生を否定するようなものです。誰も誰かの人生を悪戯に否定することは出来ません。80年代の反原発運動が敗北し現実をかえていけなかった反省から今日までにいろいろな方の真摯な努力がありましたが、残念ながら福島原発は爆発しました。私は原発エネルギーを支えた方も新しいエネルギー政策を提言してくださる方のどちらも尊敬しています。立派な方だと思います。

目に見えることは人間の力で改善できるが、目に見えないことを解決しなければ、それ以上の惨劇を繰返さなければならなくなる。
心は、人間の努力だけでは改善できない。
私たちが、今、しなければいけないことは『救世主スバル元首様』に、救いを求めることだ。
  もう、時間がない!!
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Profile

神保哲生(じんぼう・てつお)

-----<経歴>-----

1961年東京生まれ。
15歳で渡米。コロンビア大学ジャーナリズム大学院修士課程修了。
クリスチャン・サイエンス・モニター記者、AP通信記者を経て独立。
ビデオジャーナリストの草分けとして、日米の放送局に映像リポートやドキュメンタリーを多数提供。
2000年1月、世界初のニュース専門インターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』を立ち上げ代表に就任。
2001年4月より『ビデオニュース・ドットコム』で宮台真司氏と人気ニュース番組「マル激トーク・オン・ディマンド」のキャスターを務め、現在にいたる。
2005年4月より立命館大学産業社会学部教授を兼務。
2008年4月より、早稲田大学ジャーナリズム大学 院非常勤講師を兼務。
専門は地球環境問題、開発経済、メディア倫理、日米政治関係。

BookMarks

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『格差社会という不幸』
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『民主党が約束する99の政策で日本はどう変わるか?』
2009年7月、ダイヤモンド社


『オルタナティブ・メディア―変革のための市民メディア入門』
2008年12月、大月書店、翻訳・解説


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2008年10月、春秋社、共著


『ツバル―地球温暖化に沈む国』
2007年7月、春秋社、増補版


『ビデオジャーナリズム―カメラを持って世界に飛び出そう』
2006年7月、明石書店


『中国―隣りの大国とのつきあいかた』
2007年6月、春秋社、共著


『アメリカン・ディストピア―21世紀の戦争とジャーナリズム』
2003年9月、春秋社、共著


『天皇と日本のナショナリズム』
2006年11月、春秋社、共著


『ネット社会の未来像』
2006年1月、春秋社、共著

『粉飾戦争―ブッシュ政権と幻の大量破壊兵器』
2004年3月、インフォバーン、監訳

『プロパガンダ株式会社―アメリカ文化の広告代理店』
2004年8月、明石書店、解説

『漂流するメディア政治―情報利権と新世紀の世界秩序』
2002年10月、春秋社、共著

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1997年11月、築地書館

『ビデオジャーナリストの挑戦』
1995年11月、ほんの木

『重要政策全比較―シリウス・日本新党・平成維新の会』
1993年7月、ほんの木

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