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東日本大震災・「想定外」にいかに備えるか

マル激
マル激トーク・オン・ディマンド
第520回(2011年04月02日)
東日本大震災・「想定外」にいかに備えるか
出演:片田敏孝氏(群馬大学大学院教授)

プレビュー

 東日本大震災の発生から3週間が経過した。警察庁のまとめでは、死者・行方不明者は、2万8千人を超えた。岩手県、宮城県の三陸海岸沿いの地域では、津波によって多くの人が犠牲となった。この地域は、過去にも1896年の明治三陸沖地震、1933年の昭和三陸沖地震などで津波の被害を受けてきたため、防波堤を建設するなどの津波対策が念入りに講じられてきた。しかし、今回の津波は防波堤を建設する際の「想定」を超えた高さで襲いかかった。各地の防波堤は決壊し、集落はがれきの山と化した。

 津波防災学の専門家で群馬大学大学院教授の片田敏孝氏は、三陸沿岸について、ここまで津波対策を講じてきた地域は他にない、全国的にみると防波堤などの防災施設がかつては毎年数千人を超えていた自然災害の犠牲者を100人以下まで減らしてきたと話す。一方で、自然は常に「想定」を超えるものであるにもかかわらず、こうしたハード面での対策が、「防波堤があるから安心だ」という気持ちを住民に与えてしまったのではないかと悔やむ。

 岩手県釜石市の防災教育に携わってきた片田氏が子ども達に教えてきたのは、「とにかく高いところへ逃げ、自分の命を守る」ことだった。三陸沿岸の地域には、「津波てんでんこ」という言葉がある。津波がきたときは、自分以外の人が心配でも、とにかく自分の命を守ることを考え、てんでばらばらに高いところへ逃げなさいという教えだ。長く津波に苦しんできたこの地域で、家族全滅を防ぐ知恵として伝わってきた言葉だという。同市は、死者・行方不明者が1300人を超えており、湾に面した地域は建造物がほとんどなくなる被害を受けた。しかし、登校していた約3000人の小中学生は、ほぼ全員が無事だった。津波はここまではこないから大丈夫だと言う自分の祖母に、「学校で習った、危ない」と声を掛け、逃げることができたケースもあったという。

 今も行方不明者の捜索が続き、多くの被災者が不自由な避難生活を続けている。甚大な被害をもたらしたこの大震災・津波をわれわれはどのように考え、何を学ぶべきなのか。「想定外」を想定し、猛威をふるう自然災害に対抗する防災とは、どうあるべきなのか。「万里の長城」と呼ばれる高さ約10m、全長約2400mの防潮堤を持つ岩手県宮古市田老地区の破壊状況と、ほぼ海抜0mに位置する場所に小中学校がありながら、登校していた全員が無事避難した同県釜石市鵜住居町の映像を交え、片田氏とともに、神保哲生と宮台真司が議論した。

今週のニュース・コメンタリー
・今もなお深刻な福島原発の現状
解説:小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)、
   水口憲哉氏(東京海洋大学名誉教授)
・官僚型で曖昧な中身の検察改革案

関連番組
特別番組 (2011年03月16日)
東北関東大震災

<ゲスト プロフィール>
片田 敏孝(かただ としたか)群馬大学大学院教授、釜石市防災・危機管理アドバイザー
1960年岐阜県生まれ。83年豊橋技術科学大学工学部建設工学課程卒業。85年同大学工学研究科修士課程修了。90年同大学工学研究科博士課程修了。工学博士。(株)東海総合研究所研究員、名古屋商科大学専任講師などを経て05年より現職。(株)アイ・ディー・エー社会技術研究所取締役所長、東京大学客員教授などを兼務。

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日本人の特性でしょう。災害に限らず苦痛経験を、時間とともに緩和し、いつの間にか、歴史的事実から抹消してしまう。

権力の歴史は、時の権力者によって都合の悪いことは消されることはもちろんですが、今回のように海岸に面した平地は、住宅建設に最適であり、商売利権の渦巻く社会にあっては,先人の言い残した言葉を簡単に忘れるというより消し去ってしまう。

この繰り返しを、日本人は反省することなく繰り返します。物忘れ現象の最悪の事態は、戦争であり原爆です。あれだけの被害と苦しみを味わいながら、原発の安全についてよりも、利益優先が一人歩きしてしまう。

周辺の人たちも原発には心から反対していたが、目の前に大金がぶら下がり、危険より目先のお金に目がくらむことはなかったか。多分そんなことはなく、東電と政府の圧力が強かったのであろう。

今回のことを教訓として、原発反対の意思表示が全国で起きてほしいのだが。それにしてもドイツの反原発デモのスケールの大きさには驚いてしまう。ドイツは素晴らしいが、負けたくないのです。

今回、被害をもたらしたものに、地震・津波・原発による放射能があるが、津波について考えてみたい。被災地域の人は、また、この地を復興させたいとみなが考える。私は東京の人間だが同じだ。短期的にはもっとも大きな人間を失うことになったのは津波だ。でも我々は暫くすると、後何十年後か何100年後かにやってくるであろう津波の事を復興を先に考えて忘れてしまう。土地に対する愛着・あまりにも広範囲にわたる津波被害状況・復興にかかる予算等が、また同じ場所に同じように街を村を作れば良いと考えてします。頭の中では、もう津波と戦うことをやめて、津波が届かない場所まで生活圏を後退させることが出来たら、せめて同じ土地に対する愛着は捨てて、やや離れた地域に移動することが出来たら、いろんな事を考える。漁港は津波を考慮しながら復活させないといけないだろう。では塩害被害の田畑はどうするのか?田畑を回復させて同じ場所に作るのか?住む家は安全な地域に移動させることは、可能かもしれない。後はお金の問題だ。漁港もなんとかなりそうだ。漁に出ている時の回避策と港で作業しているときの避難策もある程度想像出来る。しかし、田畑はどうするのか。もともと平地の少ない地域だとどうするのか?山を切り開いて農業といってももう、在り方そのものをかえなければならない。優先順位は人の安全だが、復興と同時にこれらを成し遂げるとなると、ちょっと想像がつかない。

”想定外”に騙されてはいけない。しっかりと検証しよう。

"想定外"に備える術が有るものか、今回起こった事も”想定内”の出来事だ。全てはどのサイクルで想定される出来事なのかと言う事で決まる。10年・100年・1000年・万年~に一度の確率にどう備えるかの問題だろう。そしてそれは、住宅・公共施設・病院・原子力施設などその都市施設の役割ごとに想定レベルを変えなければならないものだと改めて解った。

今回、震災直後からその被害の甚大さが判明するにつれ、政府・経済界・マスコミの対応?にも変化が表れてきた。

震度表示が気象庁マグニチュードからモーメントマグニチュードへ変更され7.9⇒8.4⇒8.8⇒9.0へと引き上げられたことなどから、「想定外の大きさの地震と津波に襲われた、人災を超えるもの」という心理に日本人を誘導しようとしている企てが透けて見えると指摘する人もいる。

今までは、阪神も含め全てが気象庁マグニチュードであったのになぜ今回だけ変更されたのか?うる覚えだが9.0への変更は、北欧の地震計の計測データを元にしたらそうなると云ってたように思う。何故そんなことを災害の真っただ中でことさら強調するのか?

”原子力損害賠償法大3条1項”
『原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えた時は、当該原子炉の運転等に係る運転事業者がその損害を賠償する責に任ずる。ただし、その損害が異常に巨大な天災地変または社会的動乱によって生じたものである時は、この限りではない。』

私には、現政権も経済界・マスコミも頭の中は”責任逃れの言い訳で一杯”で初動から、人(災害救助)よりもカネ(損害賠償・訴訟)の心配が最優先だったように思えてならない。

やはり、”想定外”なんて無いのだ、都市施設・機能により、想定しなければならないレベルは変わるのだ。

多くの人はまた、同じ場所に生活の場を求めるだろう。区画整理も膨大な死者・不明者の数から時間がかかるだろう、先ずは、土地所在の復元だが考えただけで喪失範囲の広さから、その困難さが阪神の比ではない事が解る。

とすれば、スピードを求められる復興の為には、職場・住宅の徒歩3~5分?位で避難できる高層の退避所(震災対応レベルの高い人命を守る為の建物)を配置しその他都市施設・住宅を作るような方向を模索するのが現実的だろう。

阪神大震災後の区画整理に期待し見事にその期待を裏切られた一人としてそう思う。

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Profile

神保哲生(じんぼう・てつお)

-----<経歴>-----

1961年東京生まれ。
15歳で渡米。コロンビア大学ジャーナリズム大学院修士課程修了。
クリスチャン・サイエンス・モニター記者、AP通信記者を経て独立。
ビデオジャーナリストの草分けとして、日米の放送局に映像リポートやドキュメンタリーを多数提供。
2000年1月、世界初のニュース専門インターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』を立ち上げ代表に就任。
2001年4月より『ビデオニュース・ドットコム』で宮台真司氏と人気ニュース番組「マル激トーク・オン・ディマンド」のキャスターを務め、現在にいたる。
2005年4月より立命館大学産業社会学部教授を兼務。
2008年4月より、早稲田大学ジャーナリズム大学 院非常勤講師を兼務。
専門は地球環境問題、開発経済、メディア倫理、日米政治関係。

BookMarks

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ビデオジャーナリスト神保哲生のブログ
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-----<著書>-----

新刊!
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『格差社会という不幸』
2009年12月、春秋社、共著


『民主党が約束する99の政策で日本はどう変わるか?』
2009年7月、ダイヤモンド社


『オルタナティブ・メディア―変革のための市民メディア入門』
2008年12月、大月書店、翻訳・解説


『教育をめぐる虚構と真実』
2008年10月、春秋社、共著


『ツバル―地球温暖化に沈む国』
2007年7月、春秋社、増補版


『ビデオジャーナリズム―カメラを持って世界に飛び出そう』
2006年7月、明石書店


『中国―隣りの大国とのつきあいかた』
2007年6月、春秋社、共著


『アメリカン・ディストピア―21世紀の戦争とジャーナリズム』
2003年9月、春秋社、共著


『天皇と日本のナショナリズム』
2006年11月、春秋社、共著


『ネット社会の未来像』
2006年1月、春秋社、共著

『粉飾戦争―ブッシュ政権と幻の大量破壊兵器』
2004年3月、インフォバーン、監訳

『プロパガンダ株式会社―アメリカ文化の広告代理店』
2004年8月、明石書店、解説

『漂流するメディア政治―情報利権と新世紀の世界秩序』
2002年10月、春秋社、共著

『地雷リポート』
1997年11月、築地書館

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1995年11月、ほんの木

『重要政策全比較―シリウス・日本新党・平成維新の会』
1993年7月、ほんの木

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