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2011年4月30日

5金スペシャル・原子力のこれまでとこれからを問う

マル激トーク・オン・ディマンド
マル激トーク・オン・ディマンド
第524回(2011年04月30日)
5金スペシャル・原子力のこれまでとこれからを問う
 
ゲスト(PART1):小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)
(PART2):河野太郎氏(衆院議員)、武田徹氏(ジャーナリスト)
(PART3):細野豪志氏(衆院議員、福島原発事故対策統合本部事務局長)

無料放送中

 5週目の金曜日に特別企画を無料放送でお届けする「5金スペシャル」。今回は福島第一原発の深刻な事態に直面し、「なぜわれわれは原子力をここまで推進してきたのか」、そして「これからわれわれはどうすべきか」を考える特別企画を、3部にわたってお送りする。

 PART1は、震災以降ほぼ毎週、『ニュース・コメンタリー』で福島第一原発の最新状況を電話解説してきた京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏を、神保哲生・宮台真司が大阪・熊取の実験所に訪ねた。

 「原子力は人類の未来を切り開く」と確信して原子炉工学を専攻した小出氏は、原子力を研究しその危険性を知った時から、原発に反対するようになった。しかし、「熊取6人組」と呼ばれる小出氏ら京都大学原子炉実験所の6名の研究者以外に、原子力の専門家の中で原発に反対する人は出てこなかったという。

 37年間にわたり原子炉の研究を続け、原発の危険性について警告を発してきた小出氏にとって、このたびの福島原発の事故を防げなかったことは悔やんでも悔やみきれないできごとだったと言う。

 1960年代、世界中が原子力の可能性に魅せられた時代から今日までの道程を振り返りながら、原子力の専門家がなぜ原発に反対してきたのか、その理由を聞いた。

 PART2(前半・後半)は、国策としての原子力発電を推進してきた自民党内にあって、公然と日本の原子力政策を批判し、核燃料サイクルに反対してきた衆議院議員の河野太郎氏を招き、地震、津波、ウラン燃料の枯渇など原発を推進する上でこれだけ悪条件が揃っている日本が、なぜそれでも原子力を推進してきたのかを、ジャーナリストの武田徹氏、神保、宮台の4名が議論した。

 少なくとも近年の自民党において原発推進は単なる利権漁りに過ぎなかったと、その「国策」の薄っぺらさを容赦なく喝破する河野氏は、今後の選択肢として「原発の新規立地をやめる(=耐用年数の40年後にはすべての原発を廃炉にする)」「(浜岡など)危ない原発は止める」「その間、既存原発は安全性を再確認」する「フェードアウト案」を提案するが、実際にその実現を拒むものは何なのか。政治の事情を知る河野氏に聞いた。

 PART3(前半・後半)は、東京電力と政府、原子力安全・保安院などからなる「福島第一原発事故対策統合本部」の事務局長として、今週月曜から長時間の記者会見に臨んでいる衆院議員で首相補佐官の細野豪志氏を招き、事故直後の意思決定のあり方、政府と原子力安全・保安院と東京電力の関係、賠償スキームの疑問点などについて萱野稔人氏と神保哲生が聞いた。

 (今週は特別編成のため、ニュース・コメンタリーはお休みします。ご了承下さい。)


関連番組

特別番組 (2011年03月16日)
東日本大震災


<ゲストプロフィール>
小出 裕章(こいで ひろあき)京都大学原子炉実験所助教
1949年東京都生まれ。72年東北大学工学部原子核工学科卒業。74年同大学大学院工学研究科原子核工学専攻前期課程修了。同年より現職。著書に『放射能汚染の現実を超えて』、『隠される原子力・核の真実』など。

河野 太郎(こうの たろう)衆議院議員
1963年神奈川県生まれ。85年ジョージタウン大学国際学部卒業。富士ゼロックス、日本端子を経て96年衆院初当選(自民党)。02年総務大臣政務官、05年法務副大臣、衆院外交委員長などを歴任。当選5回(神奈川15区)。

武田 徹(たけだ とおる)ジャーナリスト
1958年東京都生まれ。82年国際基督教大学教養学部卒業。89年同大学大学院比較文化研究科博士課程修了。84年二玄社嘱託として編集・執筆を担当、89年よりフリー。著書に『私たちはこうして「原発大国」を選んだー増補版「核」論』、『殺して忘れる社会』など。07年より恵泉女学園大学文学部教授を兼務。

細野 豪志(ほその ごうし)衆議院議員、首相補佐官、福島原発事故対策統合本部事務局長
1971年滋賀県生まれ。95年京都大学法学部卒業。同年三和総合研究所(現三菱UFJ&コンサルティング)入社。衆議院議員秘書を経て、00年衆院初当選。党政調副会長、国対副委員長、副幹事長、党幹事長代理などを歴任。当選4回(静岡5区)。


<司会者プロフィール>
神保 哲生(じんぼう てつお)ビデオニュース・ドットコム代表、ビデオジャーナリスト
1961年東京生まれ。コロンビア大学ジャーナリズム大学院修了。AP通信記者を経て93年に独立。99年11月、『ビデオニュース・ドットコム』を設立。著書に『民主党が約束する99の政策で日本はどう変わるか?』、『ビデオジャーナリズム─カメラを持って世界に飛び出そう』、『ツバル-温暖化に沈む国』、『地雷リポート』など。専門は地球環境問題と国際政治。

宮台 真司(みやだい しんじ)首都大学東京教授、社会学者
1959年仙台生まれ。東京大学大学院博士課程修了。東京都立大学助教授、首都大学東京准教授を経て現職。専門は社会システム論。(博士論文は『権力の予期理論』。)著書に『民主主義が一度もなかった国・日本』、『日本の難点』、『14歳からの社会学』、『制服少女たちの選択』など。

萱野 稔人(かやの としひと)津田塾大学国際関係学科准教授
1970年愛知県生まれ。03年パリ第十大学大学院哲学科博士課程修了。哲学博士。東京大学21世紀COE「共生のための国際哲学交流センター」研究員、東京外国語大学非常勤講師などを経て、現職。著書に『国家とはなにか』、『暴力はいけないことだと誰もがいうけれど』、共著に『超マクロ展望世界経済の真実』など。

2011年4月24日

「原発は安い」は本当か

大島堅一氏
マル激トーク・オン・ディマンド
第523回(2011年04月23日)
「原発は安い」は本当か
ゲスト:大島堅一氏(立命館大学国際関係学部教授)

 これまで政府や電力会社は、「原発は安全でクリーン、他の発電方法よりも安く、原発を使用しなければ電力が不足する」などと説明をしてきた。福島第一原発が事故を起こした今、原発が安全だという点への信頼はもろくも崩れ去った。では、喧伝されてきた「原発は安い」は、本当なのだろうか。環境経済学の専門家で立命館大学教授の大島堅一氏と共に、ジャーナリストの武田徹と宮台真司が議論した。

 大島氏は、原発の商用利用が始まった1970年以降に原発にかかったコストの実績値を計算した。その結果、「原発が安い」のは電力会社から見れば本当なのだが、われわれ利用者にとっては間違っていると話す。一体どういうことか。

 発電にかかるコストとしてよく電力会社が出す数値は、たとえば04年に電気事業者連合会が経産省の審議会に提出した資料では、1キロワット時あたり、水力(揚水発電を除く一般水力)は11.9円、石油10.7円、天然ガス6.2円、石炭5.7円、そして原子力は5.3円としている。これは、稼働率を80%に設定するなど、ある一定の条件を想定して計算した値だ。この数値はあくまでモデル計算の結果であり、本当にかかったコストはこの方法ではわからない。

 さらに、われわれ利用者の負担という観点で考える時に重要なのは、「見えないコスト」と「バックエンド費用」だという。「見えないコスト」とは、国からの財政支出だ。技術開発費や立地対策費がエネルギー特別会計の中から支出されるが、電源別に集計されていない交付金もあり、知らない間に原子力にお金が出ている状態が作られていると大島氏は話す。大島氏が集計したところ、1970年~2007年の交付金の約7割が原子力に支出されており、ほとんど「原子力交付金」だということがわかったという。つまり、原発は国の優遇策を受け、必要なコストは国、つまり国民の税金で負担してきた。そのために、電力会社にとっては「原子力は安い」のだと大島氏は言う。

 大島氏は1970年~2007年の約40年間について、想定のモデル計算ではなく、実際に発電にかかったコストを、財政支出の国民負担についても合算して計算した。その結果、1キロワット時あたりのコストは、原子力10.68円、火力9.90円、水力7.26円と、原子力はもっとも高かった。

 もう一つの「バックエンド費用」とは、原子力特有の使用済み燃料の再処理費などのことで、これは燃料費など発電に必要な費用と共に、電気料金に算入されている。つまり、われわれ利用者が電気料金の中で負担させられている。大島氏は、たとえば使用済み燃料の再処理に11兆円以上が掛けられているが、そこで得られるプルトニウムはウランで購入した場合の9000億円分でしかないなど、バックエンド費用には今の原子力政策が抱える不合理が多々あり、それをわれわれが知らされないまま、原子力を選択してきたのではないかと指摘する。

 後半は、再生可能エネルギーのコスト面での評価と、1980年に科学技術庁のクレームを受けた文部省からの求めで、検定を通過した中学校社会科(地理)の教科書の原発に関する記述を書き替えた経験のある元教科書執筆者の大谷猛夫氏のインタビューを交え、原発をめぐる言説がいかに作られてきたのかについて議論した。

今週のニュース・コメンタリー
・今週の福島原発
基本情報の公開なき楽観論には注意が必要
解説:小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)
・東電賠償スキームで電気料金は大幅値上げへ
解説:町田徹氏(経済ジャーナリスト)
・政府は私有財産への立ち入りを禁止できるのか

<ゲスト プロフィール>
大島 堅一(おおしま けんいち)立命館大学国際関係学部教授
1967年福井県生まれ。92年一橋大学社会学部卒業。94年同大学大学院経済学研究科修士課程修了。97年同博士課程単位取得退学。経済学博士。97年高崎経済大学経済学部助教授などを経て、08年より現職。著書に『再生可能エネルギーの政治経済学』など。

2011年4月17日

なぜ「専門家」は信用できないのか

平川秀幸氏
マル激トーク・オン・ディマンド
第522回(2011年04月16日)
なぜ「専門家」は信用できないのか
ゲスト:平川秀幸氏(大阪大学コミュニケーションデザイン・センター准教授)

プレビュー

 福島第一原発で深刻な事故が起きて以降、「専門家」から繰り返し発せられる「ただちに健康に影響はない」、「人体にすぐに影響を与える値ではない」という言葉をそのまま受け止めて良いものなのか、「専門家」への疑心暗鬼が広がっている。

 科学技術をいかに社会が制御するか(科学技術ガバナンス)を研究する大阪大学コミュニケーションデザイン・センター准教授の平川秀幸氏は、専門家の言う安心と一般市民の考える安心には埋めがたいギャップがあり、われわれが「専門家」の言うことをすべて信用できないことには理由があると話す。

 例えば科学者の「100万人に1人の確率でしか起こらないから安心だ」という説明は、全体を見てリスクを考える統治者側からの目線だ。リスクにさらされる一般市民の側は、その1人に自分や自分の家族が当たった場合どうするかを考えるため、到底受け入れられない。つまり、同じ「安心」にも統治者と当事者の目線の違いからくる対立が生まれる。

 全体のリスクを考える視点は必要だが、確率的に起こり得なくとも心理的に恐怖を感じることも安心できない理由であり、市民感覚や当事者の意見がすべて非合理であるということにはならない。専門家の意見はそのようなバイアスが掛かったものだという特殊性に気付いたうえで、問題を考える必要があると平川氏は言う。

 また、専門家の側には「一般市民は無知だから反対する」という考えがあり、正しい知識を与えれば皆が受け入れるはずであり、それでも反対する人は反体制のイデオロギーを持った人だとみなす構図があると平川氏は言う。日本での原発をめぐる議論は、まさにその典型だった。

 これまで、原発を推進する産官学の「原子力ムラ」の研究者以外から様々な警告が出されてはいたが、その証拠が十分強くなかったことなどから無視された。原発に反対する一般市民の様々な意見も、反体制のイデオロギーを持つものとみなされて考慮されることはなかった。そもそも科学は不確実なものであり、科学だけで答えを出せるものではない。日本で原発が推進されてきたのは、科学的な政策決定に市民が参加する枠組みがなく、一部の専門家だけが原発のリスクについて価値判断をしてきた結果だと平川氏は言う。

 現在日本で起きているような「科学や専門家への不信」は、イギリスでは86年のBSE(狂牛病)問題で顕在化し、解決策が模索されてきた。当時の最新の科学的知見に基づき、政府はBSEに対して「安全宣言」を出したが、その後ヒトへの感染が確認され、政府もその危険を認めることになった。これをきっかけに科学や政府への信頼は危機に瀕し、政府と市民社会が、理解し合い納得して合意を作る仕組みが作られてきた。

 重視されたのは、政府が証拠に基づいて政策を決定することはもちろんだが、その証拠自体をいかに信頼できるものにするかという点だ。政府での議論をオープンにして外からの批判を受け入れ、NGOやシンクタンク、市民などの複数の見解が競合することによってチェックし合う仕組みを考えた。一方の市民社会にも、まず専門家に限られていた研究資源を利用できる制度を整えたうえで、とにかく反対と叫ぶだけでなく、証拠に基づいて政府の政策を批判することが求められた。このような努力が、この10年行われてきたと平川氏は説明する。

 BSE問題の後、遺伝子組み換え作物(GMO)の導入が問題になった際には、「科学が不確実なことは当たり前である」ことを前提にして、「科学では白黒がはっきりしない」、「白だ、黒だと専門家に言われたとしても、そんなふうには言いきれないものだ」と保留して、簡単には受け入れないという態度が広く共有されたという。具体的には、パブリック・コメントや総計2万人が参加した内閣府主催の討論会に基づいて、政策決定がなされた。

 原発のリスクに対する価値判断についても、われわれ一般市民を含む社会に情報を公開し、社会が政策を選択する制度設計が必要だと平川氏は話す。従来の工学的な専門家だけではなく、感情や社会・文化的価値にも配慮できるように、領域をまたぐ専門家や、専門家と素人をつなぐミドルマンと呼ばれる存在も欠かせない。

 なぜ、われわれは「専門家」を信用することができないのか。そして、われわれは「専門家」だけが担ってきた科学的な政策決定に、どのように関わることができるのか。平川氏とともに、神保哲生、宮台真司が議論した。

今週のニュース・コメンタリー
•福島原発最新状況分析
レベル7でも事態の矮小化に躍起な政府とメディア
解説:小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)
•東電清水社長1ヶ月ぶり会見で誠意は伝わったか
•なぜ菅首相が「脱原発」を語れないのか

<ゲスト プロフィール>
平川 秀幸(ひらかわ ひでゆき)大阪大学コミュニケーションデザイン・センター准教授
1964年東京都生まれ。89年国際基督教大学教養学部理学部卒業。91年東京工業大学理工学研究科応用物理学科修士課程修了。00年国際基督教大学大学院比較文化研究科博士課程単位取得退学。同年京都女子大学現代社会学部講師、04年同助教授などを経て、06年より現職。著書に 『科学は誰のものか』 など。

2011年4月 9日

地震活動期に入った日本が原発でいいのか

立石雅昭氏
マル激トーク・オン・ディマンド
第521回(2011年04月09日)
地震活動期に入った日本が原発でいいのか
出演:立石雅昭氏(元新潟大学理学部教授)

プレビュー

 福島第一原発で予断を許さない事態が続くなか、今週は、7日深夜の地震によって、宮城県女川原発や青森県東通原発で外部電源が遮断されるなど、一歩間違えば深刻な事故につながりかねない危うい事態が、相次いで起きている。

 しかし、この一連の地震は単なる一過性のものではく、日本列島が、20~40年周期の地震活動期に入った結果にすぎないと多くの地震専門家たちは指摘している。また彼らは、向こう10年以内に東日本大震災クラスの大地震が東南海地方を襲うことがほぼ確実なことも、科学的な知見から予想することが出来ると言う。

 このような事態にわれわれは防災、とりわけ原発の防災についてどのように考えればいいのだろうか。

 地質学の専門家で、元新潟大学理学部教授の立石雅昭氏は、新潟県柏崎・刈羽原発、宮城県女川原発、静岡県浜岡原発などの現地調査を行ってきた。立石氏は、地質科学的に見てこれらの地域は原発の立地に適していないこと、強い地震が起きる可能性があること、そして、その震災により原発が深刻な事故を起こす恐れがあると警鐘を鳴らしてきた。しかし、今回の福島第一原発の事故を止めることができず、「忸怩たる思いを感じている」と話す。

 福島第一原発の事故は、津波による電源喪失、冷却機能の喪失が引き金になったが、立石氏は、国・東京電力の津波対策は想定される津波の波高より高い場所に原子炉建屋などの施設があるか否かだけを考えており、最新の知見を取り入れることを怠っていたと話す。07年の新潟中越沖地震は、東電が柏崎・刈羽原発直下の断層をごく短いため問題ないと判断していた。結果的には、同原発は火災を起こし、福島ほどではないにしても放射能漏れを起こした。原発の周辺だけが震度7を記録するという特殊な現象もあったが、すべての原因が解明されないまま「安全宣言」がなされ、運転は再開された。立石氏は、産官学の癒着により、危険性を指摘する研究者の意見は考慮されず、新潟で起きた事態を教訓として活かすことができなかったと言う。

 耐震対策についても、各電気事業者は原子力安全委員会が06年に改定した「耐震設計審査指針」と、07年の中越沖地震を踏まえて、基準を作り直していた。しかし、東電は東日本大震災で被災した福島第一原発、女川原発について「想定を上回る揺れ」が起きたと発表している。

 立石氏によると、日本の地震には活動期と静穏期の周期性がある。1896年の明治三陸地震以後、1923年の関東大震災までの27年間は「静穏期」で、大きな地震は起きていない。しかし関東大震災以降の25年間は、昭和三陸地震、東南海地震、南海地震などM8近くの大震災が頻発した。1948年以後は「静穏期」に入り83年の日本海中部地震まで、大きな地震は起きていない。この時期は日本の高度経済成長期と重なった。

 そして、95年の阪神・淡路大震災以降、「活動期」に入った。特に、東海地震が起きる確率は文科省の地震調査研究推進本部の発表で80%以上とされている。立石氏は、この研究推進本部の発表は地質学・地震学などの研究者の間で統一された見解であり、疑義を差し挟む者はいないと言う。現在の「活動期」、つまり95年から25~30年間、おそらく2025年ぐらいまでにM8以上の地震が起きる。東海・東南海・南海地震が連動して起こればM9を超えるという。静岡県の浜岡原発は、この危険地域に存在している。

 地震活動期に入った現在の日本に原発が存在する危険性を、どのように考えるべきか。立石氏とともに、神保哲生・宮台真司が議論した。

<ゲスト プロフィール>
立石 雅昭(たていし まさあき)元新潟大学理学部地質科学科教授
1945年大阪府生まれ。71年大阪市立大学理学部地学科卒業。73年京都大学大学院理学研究科修士課程修了。78年同博士課程修了。理学博士。79年新潟大学理学部助手などを経て、94年教授、11年3月に退任。08年より新潟県「原子力発電所の安全管理に関する技術委員会」委員、「地震、地質・地盤に関する小委員会」委員。

原発避難区域は犬や牛の群れが闊歩する無法地帯に

スペシャルリポート
スペシャルリポート
スペシャルリポート (2011年04月06日)
原発避難区域は犬や牛の群れが闊歩する無法地帯に

無料放送中

 福島第一原発の放射能漏れ事故を受けて政府は、地震発生の翌日(12日)、原発から20キロ圏内の住民に避難を指示、15日には20~30キロ圏内の住民に屋内退避を指示している。

 住民が避難した後、警察、消防などの行政機関も退避してゴーストタウンと化した避難対象区域は、今、どのような状態にあるのか。

 地震で損壊した道路は危険な状態のまま放置され、置き去りにされたペットの犬や牛が、路上を我が物顔で闊歩する避難区域内部の最新の様子を、神保哲生が報告する。

関連番組

特別番組 (2011年03月16日)
東日本大震災

2011年4月 2日

東日本大震災・「想定外」にいかに備えるか

マル激
マル激トーク・オン・ディマンド
第520回(2011年04月02日)
東日本大震災・「想定外」にいかに備えるか
出演:片田敏孝氏(群馬大学大学院教授)

プレビュー

 東日本大震災の発生から3週間が経過した。警察庁のまとめでは、死者・行方不明者は、2万8千人を超えた。岩手県、宮城県の三陸海岸沿いの地域では、津波によって多くの人が犠牲となった。この地域は、過去にも1896年の明治三陸沖地震、1933年の昭和三陸沖地震などで津波の被害を受けてきたため、防波堤を建設するなどの津波対策が念入りに講じられてきた。しかし、今回の津波は防波堤を建設する際の「想定」を超えた高さで襲いかかった。各地の防波堤は決壊し、集落はがれきの山と化した。

 津波防災学の専門家で群馬大学大学院教授の片田敏孝氏は、三陸沿岸について、ここまで津波対策を講じてきた地域は他にない、全国的にみると防波堤などの防災施設がかつては毎年数千人を超えていた自然災害の犠牲者を100人以下まで減らしてきたと話す。一方で、自然は常に「想定」を超えるものであるにもかかわらず、こうしたハード面での対策が、「防波堤があるから安心だ」という気持ちを住民に与えてしまったのではないかと悔やむ。

 岩手県釜石市の防災教育に携わってきた片田氏が子ども達に教えてきたのは、「とにかく高いところへ逃げ、自分の命を守る」ことだった。三陸沿岸の地域には、「津波てんでんこ」という言葉がある。津波がきたときは、自分以外の人が心配でも、とにかく自分の命を守ることを考え、てんでばらばらに高いところへ逃げなさいという教えだ。長く津波に苦しんできたこの地域で、家族全滅を防ぐ知恵として伝わってきた言葉だという。同市は、死者・行方不明者が1300人を超えており、湾に面した地域は建造物がほとんどなくなる被害を受けた。しかし、登校していた約3000人の小中学生は、ほぼ全員が無事だった。津波はここまではこないから大丈夫だと言う自分の祖母に、「学校で習った、危ない」と声を掛け、逃げることができたケースもあったという。

 今も行方不明者の捜索が続き、多くの被災者が不自由な避難生活を続けている。甚大な被害をもたらしたこの大震災・津波をわれわれはどのように考え、何を学ぶべきなのか。「想定外」を想定し、猛威をふるう自然災害に対抗する防災とは、どうあるべきなのか。「万里の長城」と呼ばれる高さ約10m、全長約2400mの防潮堤を持つ岩手県宮古市田老地区の破壊状況と、ほぼ海抜0mに位置する場所に小中学校がありながら、登校していた全員が無事避難した同県釜石市鵜住居町の映像を交え、片田氏とともに、神保哲生と宮台真司が議論した。

今週のニュース・コメンタリー
・今もなお深刻な福島原発の現状
解説:小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)、
   水口憲哉氏(東京海洋大学名誉教授)
・官僚型で曖昧な中身の検察改革案

関連番組
特別番組 (2011年03月16日)
東北関東大震災

<ゲスト プロフィール>
片田 敏孝(かただ としたか)群馬大学大学院教授、釜石市防災・危機管理アドバイザー
1960年岐阜県生まれ。83年豊橋技術科学大学工学部建設工学課程卒業。85年同大学工学研究科修士課程修了。90年同大学工学研究科博士課程修了。工学博士。(株)東海総合研究所研究員、名古屋商科大学専任講師などを経て05年より現職。(株)アイ・ディー・エー社会技術研究所取締役所長、東京大学客員教授などを兼務。

Profile

神保哲生(じんぼう・てつお)

-----<経歴>-----

1961年東京生まれ。
15歳で渡米。コロンビア大学ジャーナリズム大学院修士課程修了。
クリスチャン・サイエンス・モニター記者、AP通信記者を経て独立。
ビデオジャーナリストの草分けとして、日米の放送局に映像リポートやドキュメンタリーを多数提供。
2000年1月、世界初のニュース専門インターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』を立ち上げ代表に就任。
2001年4月より『ビデオニュース・ドットコム』で宮台真司氏と人気ニュース番組「マル激トーク・オン・ディマンド」のキャスターを務め、現在にいたる。
2005年4月より立命館大学産業社会学部教授を兼務。
2008年4月より、早稲田大学ジャーナリズム大学 院非常勤講師を兼務。
専門は地球環境問題、開発経済、メディア倫理、日米政治関係。

BookMarks

ビデオニュース・ドットコム(有料会員登録制)
http://www.videonews.com/

ビデオジャーナリスト神保哲生のブログ
http://www.jimbo.tv/

マル激!メールマガジン
↓ ↓ ↓


-----<著書>-----

新刊!
↓ ↓ ↓

『格差社会という不幸』
2009年12月、春秋社、共著


『民主党が約束する99の政策で日本はどう変わるか?』
2009年7月、ダイヤモンド社


『オルタナティブ・メディア―変革のための市民メディア入門』
2008年12月、大月書店、翻訳・解説


『教育をめぐる虚構と真実』
2008年10月、春秋社、共著


『ツバル―地球温暖化に沈む国』
2007年7月、春秋社、増補版


『ビデオジャーナリズム―カメラを持って世界に飛び出そう』
2006年7月、明石書店


『中国―隣りの大国とのつきあいかた』
2007年6月、春秋社、共著


『アメリカン・ディストピア―21世紀の戦争とジャーナリズム』
2003年9月、春秋社、共著


『天皇と日本のナショナリズム』
2006年11月、春秋社、共著


『ネット社会の未来像』
2006年1月、春秋社、共著

『粉飾戦争―ブッシュ政権と幻の大量破壊兵器』
2004年3月、インフォバーン、監訳

『プロパガンダ株式会社―アメリカ文化の広告代理店』
2004年8月、明石書店、解説

『漂流するメディア政治―情報利権と新世紀の世界秩序』
2002年10月、春秋社、共著

『地雷リポート』
1997年11月、築地書館

『ビデオジャーナリストの挑戦』
1995年11月、ほんの木

『重要政策全比較―シリウス・日本新党・平成維新の会』
1993年7月、ほんの木

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