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2010年9月25日

緊急特番・特捜検察は即刻廃止せよ

魚住昭氏(ジャーナリスト)、落合洋司氏(弁護士、元検事)
マル激トーク・オン・ディマンド
第493回(2010年09月25日)
緊急特番・特捜検察は即刻廃止せよ
ゲスト:魚住昭氏(ジャーナリスト)、落合洋司氏(弁護士、元検事)

プレビュー

 ここ数年来、折に触れ問題視されてきた特捜検察による強引かつ恣意的な事件捜査が、ついに大きな社会問題となってしまった。

 最高検は21日、郵便不正事件で主任検事をつとめた大阪地検特捜部の前田恒彦検事を、証拠改ざんの容疑で逮捕した。厚労省の村木厚子元局長が無罪を勝ち取ったあの事件で検察は、早い段階で村木さんの無実を知りながら、証拠を改ざんしてまで無理矢理有罪にしようとしていた疑いが持たれているのだ。

 かねてからこの番組では、検察、特に特捜部の担当した事件の問題点、とりわけ検察が自ら描いたシナリオを無理矢理押しつけていく、人を人とも思わないような強引な捜査や、メディアと検察が一体となって事件を作り上げていく手法が、司法の正義をも揺るがしかねない重大な危険性をはらんでいることを指摘してきた。社会正義の体現者たる司法の正義が揺らぐことは、社会正義そのものが揺らぐことを意味するからだ。

 今回の「証拠改ざん」がもし事実だとすれば、これは検察にとって致命的なダメージとなる。多くの市民が、「検察が証拠を捏造するようでは、この先何を信じていいか分からない」との不安な思いを持っているはずだ。この際、徹底的に膿を出すべきだろう。しかし、その際に注意しなければならないことがいくつかある。それは、この事件が、前田恒彦という1人の検事固有の問題なのか、またこれは証拠の改ざんという個別の問題なのか、それとも特捜検察のあり方そのもの、そして引いては社会全体がこれまで特捜という存在とどう向き合ってきたかといった、本質的な問いに他ならない。

 1980年代に共同通信記者として検察を担当し、その後フリージャーナリストとして長年にわたり検察問題を取材してきたジャーナリストの魚住昭氏は、この事件はあくまで氷山の一角であり、前田検事は特捜検察の中では決して特別な存在ではないと話す。特捜が扱ってきた事件のほとんどが事実関係に首を傾げざる部分が多いもので、特捜はこれまでも自らシナリオを描いた上で、自白しない限りいつまでも拘留が認められる人質司法の手法などを駆使して、事実上多くの事件をでっち上げてきたというわけだ。

 元検事で自ら特捜の経験も持ち、現在、朝鮮総連本部をめぐる詐欺事件の公判で被告である緒方重威元公安調査庁長官の主任弁護人として前田検事と法廷で対峙してきた落合洋司弁護士は、特捜部の機能そのものに元々無理があると指摘する。検察本来の役割は、公判を担当する過程で、事件捜査を行った警察の捜査のあり方をチェックするところにある。しかし、特捜検察だけは独自の判断で事件に着手でき、自ら捜査、逮捕まで行う権限を持っている。検察の一部門である特捜が起訴した事件を、検察自身がチェックできるはずがない。特捜捜査だけは無理な捜査を行っていても、それがノーチェックでまかり通ってしまう構造的な問題があるというのだ。

 しかも、結果的に、それだけ強大な権限を与えられた特捜部では、特捜が動く以上は少しでも大きな事件にしたいという「ゆがんだ功名心」が働く。それが暴力的な取り調べで被告の人格を破壊して抵抗する気力を失わせたり、嘘の証言を脅し取ったりするような強引な取り調べや、今回のように証拠を改ざんしてまで「大物」を有罪にしようとする原因となっているというわけだ。

 そのような構造的な問題がある以上、検察の特捜部は廃止し、検察は検察本来の機能である警察のチェックや公判の維持に専念すべきではないかと魚住、落合両氏は言う。

 確かに問題がここまで大きくなった以上、この際検察、とりわけ特捜部制度は廃止も含めて根本から見直す必要があるだろう。しかし、その上で、もう一つ忘れてはならない大きな問題がある。それは、これまで裁判所は何をやってきたのかということだ。検察の捜査に重大な問題があったとすれば、なぜ裁判所はそのような問題のある捜査を容認してきたのか。特捜の捜査手法の問題は、特捜事件の裁判では毎回と言っていいほど被告側が主張していることだ。にもかかわらず、裁判所は検察の捜査のあり方を認め、そうした強引な捜査によって得られた供述の任意性、つまりその証言が無理矢理言わされたものではなく、自らの意思で語ったものであると認定し、検察のシナリオ通りに事件を認定してきた。その裁判所の姿勢が、特捜検事をして、多少強引なことをやっても、裁判所は大目に見てくれると思わせていたことは否めない。

 そして、決して忘れてはならないのが、メディアの問題だ。今回は検察の記者クラブに加盟する大手メディアまでもが、掌を返したように一斉に検察批判に転じているようだが、過去の特捜事件では彼らが、検察と一体となって検察側のシナリオを報じ、これを喧伝してきたのではないのか。検察問題の重要な一端がメディア問題であり記者クラブ問題なのだ。そして、特捜検察はそうしたメディア報道が醸成する世論の後押しを受けることで、自分たちが作り上げた事件の構図を既成事実化してきた。裁判所もそうした世論や空気の影響を受けた可能性は十分にあるし、実際に裁判官がメディア報道が裁判を歪めていると批判している判決もある。

 しかも、記者クラブメディアは懲りることを知らない。彼らはここに来て、前田検事を捜査している最高検の幹部や捜査担当者しか知り得ない情報を、次々と報道している。従来と全く同じ手法だ。検事が事件の証拠を改ざんしたかもしれないというショッキングな事件であっても、推定無罪の原則は揺らぐべきではない。どうもメディアは自分たちが問題の一部であることが、分かっていないようだ。

 今回の問題が、本質的には特捜検察の構造的な問題に端を発するとはいえ、歪んだ特捜の権限に集るメディアとそれに操作される世論、そして、そうしたことに抗えない裁判所の全てを巻き込んだ日本全体の問題であったことは忘れてはならないだろう。

 今週は緊急特番として魚住、落合両氏と、検察と特捜部の成り立ちを振り返りながら、特捜問題の本質とは何か、そして今変えなければならないことは何なのかを議論した。
(今週はNコメの拡大版をマル激の特別版としてお送りするため、Nコメはお休みします。)

関連番組

緊急特集
揺れる検察の正義

インタビューズ (2010年09月23日)
なぜ私は虚偽の自白に追い込まれたのか
朝鮮総連詐欺事件被告・緒方元公安調査庁長官に聞く

<ゲスト プロフィール>
魚住 昭(うおずみ あきら)ジャーナリスト
1951年熊本県生まれ。75年一橋大学法学部卒業。同年、共同通信社入社。検察担当などを経て96年退社、フリーに。著書に『特捜検察の闇』、『冤罪法廷』など。

落合 洋司(おちあい ようじ)弁護士、元検事
1964年広島県生まれ。86年司法試験合格、87年早稲田大学法学部卒業。89年司法修習終了、同年検事任官。94年名古屋地検財政経済係(現・特捜部)、95年東京地検公安部、特捜部(兼任)などを経て00年退官、弁護士。ヤフー株式会社法務部などを経て、イージス法律事務所(現・泉岳寺前法律事務所)設立。東海大学法科大学院特任教授を兼務。著書に『インターネット上の誹謗中傷と責任』など。

2010年9月18日

クジラ肉裁判から見えてきたもの

星川淳氏(グリーンピース・ジャパン事務局長)
マル激トーク・オン・ディマンド
第492回(2010年09月18日)
クジラ肉裁判から見えてきたもの
ゲスト:星川淳氏(グリーンピース・ジャパン事務局長)

プレビュー

 「この裁判では日本の民主主義の質が問われている」。国際環境保護団体グリーンピースのクミ・ナイドゥ事務局長は、グリーンピース日本支部の職員が、調査捕鯨船乗組員による鯨肉の横領を告発する目的で、倉庫から鯨肉を持ち去った「鯨肉窃盗事件」の判決を前にこう語り、裁判の不当性を訴えた。しかし、6日、青森地裁は単純な窃盗事件として執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。

 ナイドゥ事務局長が声を大にして訴える点は、そもそもこの裁判は捕鯨という国策を争点とする裁判であるがために、裁判自体が不公正なのではないかという疑問だ。

 「なぜ総額で5万円ほどの鯨肉の窃盗事件に、75人の捜査員が早朝乗り込んできて、事務所や職員の自宅を家宅捜査する必要があるのか」と繰り返しナイドゥ氏は首を捻る。実際に強制捜査に入った75人の捜査員の半分以上は、警視庁公安部の警察官だった。

 日本が政府の方針として続けている調査捕鯨が、国際的にもまた国内でも、大きく意見の分かれる問題であることは論を俟たない。また、グリーンピースという環境団体が、日本の捕鯨に反対する運動を展開してきたことも周知の事実だ。しかし、仮にそうだとしても、だからといってこの裁判がいい加減なものであったり、不公正なものであっていいはずはない。いやむしろ、そのような意見の分かれる問題だからこそ、司法はより慎重に公正を期す必要があった。

 グリーンピースの職員が運送会社の倉庫に侵入し、捕鯨船から送られる途中の鯨肉を無断で持ち出したことが、窃盗とされたが、その目的が鯨肉の横流しの告発にあったことは明らかだ。鯨肉を持ち出した直後にグリーンピースは記者会見を開き、その事実を公表しているし、その後、東京地検に鯨肉の横領を告発し、持ち出した鯨肉も証拠品として提出している。

 裁判では自ずと、別の犯罪を告発する目的で、犯罪行為の証拠を押さえるために倉庫から物品を持ち出すことが、果たして「単純な窃盗」という犯罪行為として罪に問われるべきなのかが、争われた。

 グリーンピース・ジャパン事務局長の星川淳氏は、この裁判では調査捕鯨という税金を投入して行われている、いわば公共事業で得られた鯨肉が、私的に流用されるという「鯨肉横流し疑惑」と、その告発のために倉庫に入り横流しが疑われる鯨肉を入手した「窃盗疑惑」の2つの行為を天秤にかけた場合、どちらを裁くことがより公共の利益に資するのかが、問われるべきだと主張する。実際、被告たちも公判でそのような主張を展開したが、裁判所はその2つを全く別の独立した事件として扱い、前者は「ろくに捜査もせずに」(星川氏)不起訴、後者は被疑者を26日間も勾留した上に大量の捜査員を動員して強制捜査まで行い、起訴・有罪の判断を下した。

 星川氏は問う。社会に不正や犯罪行為の存在が疑われる時、市民がその証拠を押さえる所まで行うことは逸脱した行為なのか。そうしたことは全て警察にまかせるべきなのか。「ではグリーンピースが通報すれば警察や検察は動いたのか」。

 星川氏は青森地検の取り調べの中で、検察官から「捜査機関さえ令状がなければできないことをNGOの分際でやったのは絶対に許せない」と言われたことを明らかにし、公僕であるべき警察や検察が、自分たちが、国民の上にいると勘違いしているのではないかと感じたという。政府も司法機関も、国が税金を使って行っている調査捕鯨に対して最大限厳しくあるべきであるのに、まったく逆のことが起きていると憤る。つまり、調査捕鯨という公共事業の中で行われている不正には非常に甘く、その不正を告発しようとした市民の行為には断固たる対応を取っているというのだ。

 また、判決では、グリーンピースが、検察に提出する前に証拠品である鯨肉を記者会見で公表した行為が、窃盗にあたると判断されている。同じ行為を行った場合でも、もっぱら検察に訴える目的であれば許され、それをメディアや社会に訴えると「不法領得」となり違法となるという裁判所の判断に、星川氏は疑問を呈する。警察や検察にとってはその方が好都合かもしれないが、善悪の判断の全てを警察や検察、そして司法に委ねる社会が、健全な社会と言えるのか。

 このように裁判の論点は多岐にわたるが、とは言え、この事件の背後に激しく意見が分かれる捕鯨をめぐる立場の対立があり、グリーンピースが反捕鯨団体であるという事実が、さまざまな形で裁判にも世論にも影響をしていることは無視できない。

 しかし、意外にも星川氏はグリーンピース・ジャパンは、捕鯨や鯨肉を食べることが文化であり、それが尊重されるべきものであることは認めていると言う。国際捕鯨委員会(IWC)でも、デンマークなどの先住民族に対して沿岸捕鯨を認めている。グリーンピースの主張は、実質的な商業捕鯨の疑いがかけられている、意図も目的も不明確な南極海での調査捕鯨はやめるべきというもので、もし日本が南極海の調査捕鯨を中止するのであれば、現在も日本が行っている沿岸捕鯨は尊重できると、星川氏は説明する。

 検察や裁判所の判断に疑問が投げかけられる事件が相次ぐ中、良くも悪しくもこの事件は、いろいろな意味で、今日の日本の司法の現状を映し出す鏡となった。と同時に、より大きな意味で日本の社会や民主主義がどうあるべきかを考えるためのヒントが、たくさん詰まっているのではないか。

 そもそもこの事件は単純な窃盗事件として裁かれるべきだったのか。捕鯨をめぐる対立を背景とするこの事件は、検察や裁判所によって公正な取り扱いを受けていたのか。あえて火中の栗を拾う形で5年前にグリーンピース・ジャパンの事務局長に就任し、今年11月に退任して屋久島に戻る星川氏と、グリーンピースという国際環境団体の日本支部のトップの立場から見た鯨肉窃盗事件裁判の顛末、日本の調査捕鯨問題、そして日本の民主主義の現状を議論した。

※事実関係に誤りがあったため、一部訂正いたしました。
正)デンマークなどの先住民族に対して沿岸捕鯨を認めている
誤)デンマークやアイスランドなどの先住民族に対して沿岸捕鯨を認めている


関連番組
ニュース・コメンタリー (2010年09月04日)
世界が「鯨肉窃盗裁判」判決に注目する理由

インタビューズ (2010年09月16日)
郷原信郎氏インタビュー

プレスクラブ (2010年09月17日)
菅首相記者会見

<ゲスト プロフィール>
星川 淳(ほしかわ じゅん)グリーンピース・ジャパン事務局長
1952年東京都生まれ。71年九州芸術工科大学芸術工学部環境設計学科中退。82年より屋久島に定住し作家・翻訳家活動を行う。05年末より現職。著書に『日本はなぜ世界で一番クジラを殺すのか』、『魂の民主主義』。訳書に『一万年の旅路』など。

2010年9月11日

アフガニスタンで捕まって

常岡浩介氏(ジャーナリスト)
マル激トーク・オン・ディマンド
第491回(2010年09月11日)
アフガニスタンで捕まって
ゲスト:常岡浩介氏(ジャーナリスト)

プレビュー

 今春アフガニスタン北部のクンドゥズ州で取材中に武装勢力に誘拐され、5か月間の拘束の後9月4日に解放されたジャーナリストの常岡浩介氏が6日、無事帰国した。

 拘束中の生活について常岡氏は、彼を誘拐した武装勢力ヒズビ・イスラミの支配地域の民家に留め置かれ、粗食ながら毎日三度の食事は与えられ、手荒な扱いを受けることもなかったと語る。

 当初、タリバンに拘束されているとの報道もあったが、常岡氏は今回彼を拘束した勢力が、武装勢力ヒズビ・イスラミの一派であることはまちがいないという。それは、拘束当初、彼ら自身がヒズビ・イスラミであることを全く隠そうとはしなかったからだ。しかし、4月18日に日本大使館と電話で話した際、常岡氏は武装勢力側から「自分はタリバンに拘束されていると言え」と命じられたという。常岡氏はその際、日本語で自分を拘束しているのがタリバンではないことは伝えたというが、それ以来、兵士たちは自分達はタリバンだと主張するようになったと言う。

 常岡氏の見立てでは、今回の事件は、ヒズビ・イスラミの一勢力が、タリバンを名乗ることで日本政府から身代金を獲得する魂胆だったが、それがうまくいかなかったために、自分は釈放されたのだろうということだ。

 常岡氏はまた、氏の誘拐事件を首謀したラティーフ司令官はカルザイ大統領の側近の一人であるワヒドゥッラー・サバーウーン氏と昵懇の関係にあることを指摘した上で、自らの身分を偽って外国人を誘拐し、身代金をせしめようとするこの事件を、カルザイ政権の腐敗の象徴的な意味を持つものと指摘する。

 常岡氏によると、アメリカを後ろ盾とするカルザイ政権は、汚職の蔓延や治安維持の失敗などで統治能力を喪失しており、既にアフガニスタン全域の8~9割はタリバンの支配下にあるという。首都のカブールでさえ、大統領府や中心部は辛うじてカルザイ軍が掌握しているが、数十キロはずれると、そこは既にタリバンの支配地域になっているという。

 実際に常岡氏自身も、拘束中いくつかの民家を転々をする中で、ヒズビ・イスラミの支配地域の住民の大半が、実際はタリバンを支持していることに驚いたという。その地域ではヒズビ・イスラミとタリバンは戦闘状態にあったからだ。

 アフガニスタンの人々がタリバンを支持する最大の理由は、カルザイ政権が侵略者であるアメリカ軍と協力していることにあると常岡氏は言う。そして、タリバンこそが唯一、異教徒の侵略者であるアメリカ軍を撃退する力を持っていると思われていることが、アフガニスタンの人々の広範なタリバン支持の根底にあるというのだ。

 無事生還したとはいえ、5ヶ月間も生死の境をさまようような経験をした常岡氏ではあるが、彼を拘束したヒズビ・イスラミもかなりいい加減な計画に基づいて誘拐を実行していたようだ。当初は身分を明かしておきながら、途中から急に自分達はタリバンだなどと言い出すあたりもやや滑稽だが、6月14日、「72時間以内に身代金を払わなければ殺害する」との最後通告を日本大使館に伝える電話の相手は、実際には日本大使館員ではなく毎日新聞の記者だった。要するに、最後通牒を伝える電話が、間違い電話になっていたということのようだ。

 武装勢力側のドタバタぶりが最も顕著に表れたのが、常岡氏がまだ拘束中の9月3日に、ツイッターで「i am still allive, but in jail.here is archi in kunduz. in the jail of commander lativ.」と英語でつぶやいた「事件」だった。日本では、拘束されているはずの常岡氏がつぶやけるはずもないので、その真贋が論争になったりしたが、実際は常岡氏を監視している兵士が新型の携帯電話を入手したので、その兵士にツイッターの使い方を教えてあげるふりをして、常岡氏がツイートしたものだったという。ヒズビ・イスラミの兵士たちは、英語は「ABCも読めない」(常岡氏)し、そもそもツイッターが何であるかも理解していなかったので、人質の常岡氏が監視役の目の前で、世界に向けて重要な情報を発信していることが全くわからなかったそうだ。

 アフガン情勢について常岡氏は、明らかにアフガン全土で人心を掌握しているタリバンが、アフガニスタンを支配することになるのは時間の問題であり、アメリカはタリバンには勝てないだろうという。

 00年にイスラム教に改宗、5度目となるアフガン取材中拘束にあった常岡氏に、拘束生活とアフガニスタンの現状を聞いた。

今週のニュース・コメンタリー
•小沢氏の「超」リベラル政策をどう見るか
•GP、鈴木宗男、村木厚子の3連発 来るところまで来た司法の惨状

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拘束したのはカルザイ大統領に近い勢力
アフガンで誘拐された常岡さんがタリバン犯行説を否定

マル激トーク・オン・ディマンド 第163回(2004年05月07日)
渦中の彼らは日本の自己責任騒動をどう見ていたのか
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プレスクラブ (2010年09月08日)
小沢候補が記者懇談会を開催

マル激トーク・オン・ディマンド 第490回(2010年09月04日)
菅直人と小沢一郎に見る内閣総理大臣の資質とは
ゲスト:高野孟氏(ジャーナリスト)

プレスクラブ (2010年09月08日)
「いかなる環境にあっても検察権力と戦っていく」
鈴木宗男衆院外務委員長の実刑が確定

マル激トーク・オン・ディマンド 第466回(2010年03月20日)
なぜわれわれは社会の敵を求めるのか
ゲスト:弘中惇一郎氏(弁護士)

マル激トーク・オン・ディマンド 第242回(2005年11月09日)
鈴木宗男は何と戦っているのか
ゲスト:鈴木宗男氏(衆議院議員)

<追悼・再放送>
マル激トーク・オン・ディマンド 第212回(2005年04月24日)
日本人にはまだ憲法は書けない
ゲスト:小室直樹氏(政治学者)

<ゲスト プロフィール>
常岡 浩介(つねおか こうすけ)ジャーナリスト
1969年長崎県生まれ。94年早稲田大学人間科学部卒業。同年NBC(長崎放送)入社、報道部記者を経て98年よりフリーに。アフガニスタン、エチオピア、チェチェンなど紛争地を取材。著書に『ロシア 語られない戦争 チェチェンゲリラ従軍記』。00年イスラム教に改宗。

2010年9月 5日

菅直人と小沢一郎に見る内閣総理大臣の資質とは

高野孟氏(ジャーナリスト)
マル激トーク・オン・ディマンド
第490回(2010年09月04日)
菅直人と小沢一郎に見る内閣総理大臣の資質とは
ゲスト:高野孟氏(ジャーナリスト)

プレビュー

 「挙党態勢」から一転、民主党代表選挙に小沢一郎前幹事長が出馬、菅直人首相との一騎打ちとなった。私党民主党内のコップの中の嵐とはいえ、事実上次の総理を決めるこの対決を、われわれはどう受け止めればいいのか。

 96年の旧民主党立ち上げに尽力し、それ以降も民主党と深い関わりを持つジャーナリストの高野孟氏は、今回の代表選で相まみえる両者の間には政策上「原理の違いではなく戦術の違い」しか存在しないため、政策論争にはならないだろうと言う。ならばこの選挙で問われているものは何か。

 高野氏はこの選挙で問われているものは、政治文化の違いではないかと言う。小沢氏は理念を語れる数少ない政治家であり、「何かを実現してくれそうな期待感」を抱かせるが、それでも小沢氏の政治手法には田中角栄元首相譲りの「政治を動かすのは金と人事」という政治文化が根付いていて、それはそう簡単に変わるものではないだろうと言う。それ故に、小沢氏の目標は、理想を実現するために権力を獲得するのではなく、権力を取ること自体に目的があるのではないかとの疑念がつきまとうと高野氏は言う。

 一方の菅氏は、市民運動出身でクリーンな政治の体現者と見られがちだが、菅氏を良く知る高野氏は、言葉が軽く理論の裏付けのない発言が多いと菅氏を辛口に評価する。また、市民運動出身という肩書とは裏腹に、市民的な政策には必ずしも熱心ではない面があるとも指摘する。

 結局最終的には理念を語れる剛腕政治家ながら、独断専行で政治手法にも疑問が残る「ハイリスク・ハイリターン」の小沢氏に一度日本を託してみたいと思えるかどうかが分かれ目になるという高野氏とともに、小沢一郎、菅直人の両氏が体現している総理大臣の資質とは何かを議論した。

■番組内で紹介した高野氏の資料
「平成維新-2025年までの遥かな道程」

今週のニュース・コメンタリー
・情報操作されていたメディアへの刑場公開
ゲスト:保坂展人氏(前衆議院議員)

・米両国政府が沖縄に投げたボール球とは
解説:我部政明氏(琉球大学教授)
・世界が「鯨肉窃盗裁判」判決に注目する理由

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民主党 代表選挙

マル激トーク・オン・ディマンド 第488回(2010年08月21日)
私のやろうとしたことは間違っていなかった
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マル激トーク・オン・ディマンド 第483回(2010年07月17日)
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マル激トーク・オン・ディマンド 第429回(2009年06月27日)
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マル激トーク・オン・ディマンド 第235回(2005年09月24日)
前原民主党復活のシナリオとは
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マル激トーク・オン・ディマンド 第374回(2008年05月31日)
5金スペシャル なぜ日本人は死刑が好きなのか

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ビデオニュース・オン・ディマンド (2008年07月02日)
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<ゲスト プロフィール>
高野 孟(たかの はじめ)ジャーナリスト
1944年東京都生まれ。68年早稲田大学文学部西洋哲学科卒業。通信社、広告会社勤務などを経て、75年フリーに。80年(株)インサイダーを設立、代表兼編集長。94年(株)ウェブキャスターを設立、インターネットによるオンライン週刊誌『東京万華鏡』の編集・執筆。現在、早稲田大学、サイバー大学、京都造形芸術大学で客員教授を兼任。著書に『滅びゆくアメリカ帝国』、監修に『知らなきゃヤバイ!民主党-新経済戦略の光と影』など。

Profile

神保哲生(じんぼう・てつお)

-----<経歴>-----

1961年東京生まれ。
15歳で渡米。コロンビア大学ジャーナリズム大学院修士課程修了。
クリスチャン・サイエンス・モニター記者、AP通信記者を経て独立。
ビデオジャーナリストの草分けとして、日米の放送局に映像リポートやドキュメンタリーを多数提供。
2000年1月、世界初のニュース専門インターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』を立ち上げ代表に就任。
2001年4月より『ビデオニュース・ドットコム』で宮台真司氏と人気ニュース番組「マル激トーク・オン・ディマンド」のキャスターを務め、現在にいたる。
2005年4月より立命館大学産業社会学部教授を兼務。
2008年4月より、早稲田大学ジャーナリズム大学 院非常勤講師を兼務。
専門は地球環境問題、開発経済、メディア倫理、日米政治関係。

BookMarks

ビデオニュース・ドットコム(有料会員登録制)
http://www.videonews.com/

ビデオジャーナリスト神保哲生のブログ
http://www.jimbo.tv/

マル激!メールマガジン
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-----<著書>-----

新刊!
↓ ↓ ↓

『格差社会という不幸』
2009年12月、春秋社、共著


『民主党が約束する99の政策で日本はどう変わるか?』
2009年7月、ダイヤモンド社


『オルタナティブ・メディア―変革のための市民メディア入門』
2008年12月、大月書店、翻訳・解説


『教育をめぐる虚構と真実』
2008年10月、春秋社、共著


『ツバル―地球温暖化に沈む国』
2007年7月、春秋社、増補版


『ビデオジャーナリズム―カメラを持って世界に飛び出そう』
2006年7月、明石書店


『中国―隣りの大国とのつきあいかた』
2007年6月、春秋社、共著


『アメリカン・ディストピア―21世紀の戦争とジャーナリズム』
2003年9月、春秋社、共著


『天皇と日本のナショナリズム』
2006年11月、春秋社、共著


『ネット社会の未来像』
2006年1月、春秋社、共著

『粉飾戦争―ブッシュ政権と幻の大量破壊兵器』
2004年3月、インフォバーン、監訳

『プロパガンダ株式会社―アメリカ文化の広告代理店』
2004年8月、明石書店、解説

『漂流するメディア政治―情報利権と新世紀の世界秩序』
2002年10月、春秋社、共著

『地雷リポート』
1997年11月、築地書館

『ビデオジャーナリストの挑戦』
1995年11月、ほんの木

『重要政策全比較―シリウス・日本新党・平成維新の会』
1993年7月、ほんの木

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