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デフレ不況と日本銀行の責任

田中秀臣氏(上武大学ビジネス情報学部教授)
マル激トーク・オン・ディマンド
第489回(2010年08月28日)
デフレ不況と日本銀行の責任
ゲスト:田中秀臣氏(上武大学ビジネス情報学部教授)

プレビュー

 一向に抜け出せないデフレ不況に加え、今月に入ってからの急激な円高が進む中、日本銀行に対する風当たりが日に日に強くなっている。

 書店には「日本銀行の大罪」「日銀デフレ」「日銀不況」といったタイトルの著書が所狭しと並び、政治家や評論家も容赦なき日銀批判を浴びせているようだ。

 一体、日銀の何が問題なのか。

 「デフレ不況 日本銀行の大罪」の著者で経済学者の田中秀臣上武大学教授は、過去10年あまりの間日本がデフレ状態にあった主たる責任は日銀にあるとして、日銀の責任を厳しく断罪する。

 田中氏は、昨年12月に政府が「デフレ宣言」を行うまで、日銀は日本がデフレ状態にあることを認めもしなかったと言う。そのため、唯一金融政策を実施することができる日本の中央銀行が、デフレを解消するために、金融緩和などの有効な手段をとらず、そのことが日本のデフレを継続させる結果となったと説く。

 デフレはモノの値段が下がるため一部には歓迎する向きもあるが、その破壊的効果は遙かにインフレを凌ぐ。また、デフレは失業率を高め、円高を招き、経済全体を疲弊させる。そのデフレを放置させた日銀の責任は重いと、田中氏は言う。

 それにしても、なぜ日銀はデフレを認めず、またそれに対する有効な施策をとろうとしないのか。

 日銀法によると、日銀の機能は「物価の安定」と「信用秩序の維持」と定められている。そのため本来はデフレを止めるのは日銀の役割のはずだ。

 田中氏は、現行の日銀法では何をもって「物価の安定」とするかについては、日銀独自の判断に任されているため、日銀は現在の緩やかなデフレ状態を「物価は安定している」と判断し、自らの責任を果たせていると考えている可能性が高いという。

 また、日銀は過去の経緯からインフレに対する警戒心が極度に強いため、緩やかなデフレ状態くらいがちょうどいいと考えているのではないかと田中氏は言う。つまり、田中氏を始めとする多くのエコノミストたちが批判する日本の過去10年あまりのデフレは、実は日銀が意図したものである可能性が高いと言うのだ。インフレターゲット(インフレ目標)論者を自任する田中氏は日銀の政策を「デフレターゲット」とまで酷評する。

 田中氏は日本の金融政策の決定権が日銀に独占されているために、日本はデフレ脱却のための有効な施策をとれていないとして、日銀法の改正を提唱する。それは、現行の日銀法が、先進国の中央銀行の中では異例とも言うべき、目標設定の独立性と手段の独立性の両方を日銀に対して認めているからだ。田中氏は、政府が物価目標(インフレ・ターゲット)を定め、日銀はそれを達成するための手段の独立性のみを認められるような形に日銀法を改正するべきだと主張する。既にみんなの党などが、次の国会で日銀法の改正案を提出する意向を明らかにしているが、大塚耕平金融担当副大臣によると、政府としてはまだ日銀法の改正は考えていないと言うことだ。

 また、経済ジャーナリストの町田徹氏は、日銀法の改正には慎重であるべきだと主張する。それは、政府が設定した目標に日銀が従わなければならなくなれば、放漫財政の政府が登場した時に、日銀は通貨の番人として金融引き締めなどの施策をとれなくなる恐れがあるからだと言う。

 日銀のどこに問題があるのか。また、一連の日銀批判は妥当なものなのか。経済不調における日銀の責任を、日銀批判の急先鋒に立つ田中秀臣氏と議論した。

今週のニュース・コメンタリー
・小沢氏代表選出馬の深謀遠慮を読み解く
・チリ鉱山落盤事故で心配されること

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インタビューズ(2010年08月28日)
行き過ぎた日銀叩きには要注意
経済ジャーナリスト町田徹氏に聞く

<ゲスト プロフィール>
田中 秀臣(たなか ひでとみ)上武大学ビジネス情報学部教授
1961年東京都生まれ。96年早稲田大学大学院経済学研究科単位取得退学。同年、上武大学助教授に就任、07年より現職。共著に『昭和大恐慌の研究』、著書に『経済政策を歴史に学ぶ』。『デフレ大不況 日本銀行の大罪』など。

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日銀の問題点は、政治からの独立を謳いながらも、政治からの高圧的な要求に耐えきれなくなることがままある事でしょう。
そして、本日のような事をやってしまう。
結果、市場はどう云う反応を示したでしょう。
見ての通りです。
仕掛けている連中は、この反応を期待して仕掛けるのです。

やるのなら、前回の定例の政策決定会合でやっておけばよいものを、政治の圧力に負けて10兆円という読み切られている数字を持ち出してしまった。

この、正論を言えないだらしなさが、決定的な日銀の欠点です。

1987年から2003年までの問題については田中先生の語る事が真相かもしれません。

それでも、町田徹氏の仰るのが正論だと思います。
政治に翻弄される中央銀行などは百害あって無益なものです。

以下は、先程「まる激」に投げたもの。

番組動画の最後に其れまでの自身の言葉を否定?した田中さんの言「金融の役割は間接的でしかない」が至当だと思う。金融の間接性は、雇用創出だけではなくデフレ問題にも真に当て嵌まる、直接的役割を持つものは金融以外に存在すると。
私見では、現下の日本のデフレの主犯(真因)は金融ではない。新規産業への投資を決断できず産業構造の進化を阻害し雇用機会を造れずマクロ需要を喚起しない日本の経済界特に大企業経営者の「起業家精神の欠如」を突かなければ、デフレ問題は解決しない。真因の解決策は大企業経営層の世代交代!必ずしも政治の課題ではないが、其処に思いを致さない政治は罪が重い。

金融界で30年その後大手メーカーで10年を経験してきた私には、田中さんのご主張は日本中に溢れている議論を纏めただけで新味もないし陳腐だ。田中論は全くの間違いではないし否定もしないしすべきでもないが、デフレ不況の脈絡で金融を就中日銀の政策を犯人に仕立てるのは明らかに的を外している。白川発言のアナウンスがNegative効果しかないとか、デフレ状態を長期間認めなかったとか、インフレターゲット導入に抵抗しているとか個別的な事象は批判されて然るべきだとは思うが・・、然し、其れらの瑣末事象の全てはデフレ問題の真因ではない、従ってその延長線上には真の解決策は存在しない。日本が超低金利や膨大な資金供給を10年以上続けて来ても、その資金は金融機関に滞留し多くが国債購入に回って仕舞って期待されている新規産業への投資や産業構造の進化に生かされていない。その結果今尚デフレを脱却できていないと見るべきだと。 
みんなの党の日銀法改正は正しいとしても、デフレ問題にFocusすれば大塚さんの言「それで問題解決するという程、事態は簡単ではない」が至当だと思います(有効な策を言明しない処は、中途半端で罪は軽くない)。過去有効であった金融政策が現在も有効であるとは限らない。換言すれば、特に西欧流思想の金融政策が掲げる重要な前提を、「現在の日本の経済界」は裏切っている。「経済人は金利が低ければ借金をして投資をするので、経済活動が活発になる」という重要な前提。

> 経済ジャーナリストの町田徹氏は、日銀法の改正には慎重であるべきだと主張する。
それは、政府が設定した目標に日銀が従わなければならなくなれば、
放漫財政の政府が登場した時に、日銀は通貨の番人として金融引き締めなどの施策をとれなくなる恐れがあるからだと言う。

 危機管理的には 譲れない一点です。
日本の政治・行政システム 三権分立の中で 唯一“独立”出来てるのは、日銀だけかもしれない。

デフレ・インフレとは どんなものでしょう。
最近の所得統計では 
600~1000万が減少し、
350万以下も 増えているという。
実生活では 「デフレ」なんかじゃ・・・  ないと実感。

されど 政府もマスコミも “デフレデフレ”と まくし立てる。。

おかしいです。
日銀自体が これ以上の金利政策を “量的緩和政策&タイムラグ”しか残されていない。
これこそが 異状です。

本来 日銀の“施策”などは 極めて短期的なものであり・もひとつは 極めて長期的なものです。
それが 立ち行かないのは、行政の側が 誤って 日銀に身勝手な シグナルを片方向で送るだけのもの。


ここで 政府側から 風があるのなら 現政権は終了です。

今は掟破りのイカサマでも何でも、正攻法なんかやってる時じゃない。いわば実験的手立てでいい。事、相場の勝負に有名な架空の生き物「筋様」みたいに下世話みたいな程度の知れた下等な朝仕掛けで「ストッポ貼り付け」攻撃で銭を使わずして、日経平均のツボの玉をブチ上げ、連日連投一気上げ1万5千円ぶち上げ売り方ごろし、貼り付け平均1万5千円、ぐらいやらないと、無理。それで為替が付いて来れば結果オーライ。プライドは、銭がかかりすぎる反面遅くて効かない。常識を捨てれ。難しきこと=銭が飛びすぎ
簡素で掟破り=安上がり

 かって あり続けたアメリカの後姿が消えて久しいというのに・・・
この国は 1993年から時間がとまってしまっている。

 日銀おいては 独自の経済状況分析はなされているのでしょうが・・・
ここに”歴史的な流れ”&”政治的な行政の過誤”の要因を 加味した時、
日本の状況が ”デフレ”なんかでは 決してあり得ない そんな結果が導き出せるのなら・・・
 日銀は 現在置かれている”手詰まりな世界”と まったく異なるフリーな選択肢を手に出来ます。。
 

 日本は「デフレ状況」では ありません。
インフレーション前日で ここ7年間ほど”政治というダム”で せき止められている.....

デフレ言うが、原価知りえている人が、
デフレと言う社会現象的流れ全体を言える。
原価知らずして言えない。
物にはオープン価格がほとんどで定価売りなど、以前のコンビニくらいだ。
人件費安くして、仕入れ同じく、運搬費用同、開発費同、無店舗・無在庫ネット注文受け売りで安く。
努力して安くしても、利益は減らずむしろ増える場合もあるだろう。
サービス業はほぼ手間賃だけど、何とか秘密の策でもこうじている可能性もあるだろう。
ブチ壊れたスピーカーの様子だ。

 貴方が 日銀総裁なら
今・現在 何が出来るのでしょうか!
 そこから 始まる。。

何も出来ることはありません。
この状況の中で どんな政策が出来るのでしょうか。
お教え頂きたいものです。

現在の 日銀が信用を失ったのは バブルをセーフティに治められなかった 点です。
日銀首脳ほどの頭脳があるのなら 現実の日本はデフレ状態ではないと、ど~して認識されないか。
戦後の賃金動向  &一般消費者の消費動向ではなく 業者の仕入れ行為を見れば、、
デフレなんて どこから導き出される・・・・・ 。

 富士山の噴火前夜になります。
後に残されるのは きっかけだけでは。

 

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Profile

神保哲生(じんぼう・てつお)

-----<経歴>-----

1961年東京生まれ。
15歳で渡米。コロンビア大学ジャーナリズム大学院修士課程修了。
クリスチャン・サイエンス・モニター記者、AP通信記者を経て独立。
ビデオジャーナリストの草分けとして、日米の放送局に映像リポートやドキュメンタリーを多数提供。
2000年1月、世界初のニュース専門インターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』を立ち上げ代表に就任。
2001年4月より『ビデオニュース・ドットコム』で宮台真司氏と人気ニュース番組「マル激トーク・オン・ディマンド」のキャスターを務め、現在にいたる。
2005年4月より立命館大学産業社会学部教授を兼務。
2008年4月より、早稲田大学ジャーナリズム大学 院非常勤講師を兼務。
専門は地球環境問題、開発経済、メディア倫理、日米政治関係。

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『民主党が約束する99の政策で日本はどう変わるか?』
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『オルタナティブ・メディア―変革のための市民メディア入門』
2008年12月、大月書店、翻訳・解説


『教育をめぐる虚構と真実』
2008年10月、春秋社、共著


『ツバル―地球温暖化に沈む国』
2007年7月、春秋社、増補版


『ビデオジャーナリズム―カメラを持って世界に飛び出そう』
2006年7月、明石書店


『中国―隣りの大国とのつきあいかた』
2007年6月、春秋社、共著


『アメリカン・ディストピア―21世紀の戦争とジャーナリズム』
2003年9月、春秋社、共著


『天皇と日本のナショナリズム』
2006年11月、春秋社、共著


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2006年1月、春秋社、共著

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『漂流するメディア政治―情報利権と新世紀の世界秩序』
2002年10月、春秋社、共著

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『ビデオジャーナリストの挑戦』
1995年11月、ほんの木

『重要政策全比較―シリウス・日本新党・平成維新の会』
1993年7月、ほんの木

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