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09年、就職戦線異状あり

常見陽平氏
マル激トーク・オン・ディマンド


第453回(2009年12月12日)

09年、就職戦線異状あり
ゲスト:常見陽平氏(就職ジャーナリスト)

プレビュー

 リーマンショックに端を発する急激な景気の悪化で、企業の内定取り消しが相次いだ昨年秋以降、就職市場の冷え込みがメディアで報じられている。文部科学省と厚生労働省の調査によると、来春大学卒業予定者の10月1日時点での就職内定率は62.5%で、前年同期より7.4ポイント低下している。これは調査を始めた96年以来最大の下落率だという。実際、企業の新卒採用数も昨年より大幅に減っており、内定がとれず就職活動に苦戦する学生たちの姿から、氷河期の再来と見る向きもある。

 一方で、(株)リクルートの研究機関のリクルートワークス研究所が今年4月に発表した大卒求人倍率調査によると、2010年3月卒業予定の大学生の求人倍率は1.62倍で、前年の2.14倍から大幅に落ち込んだものの、氷河期といわれた1996年の1.08倍や2000年の0.99倍に比べれば、はるかに高いことがわかった。数字上はさほど悪くないにもかかわらず、なぜ就職戦線の厳しさばかりが目に付くのか。

 (株)バンダイで新卒採用を担当した経験を持つ就職ジャーナリストの常見陽平氏は、今起きているのは氷河期の再来ではなく、内定をいくつもとれる学生と一つもとれない学生との二極化であり、そうした内定格差を生み出している「就活格差」だと説明する。求人数はあるが、企業が欲しいと思う人材が極端に少ないため、一部の学生を企業が奪い合う状況になっているというのだ。

 内定格差が生じる原因の一つとして、常見氏は大企業や人気業種に学生の志望が集中することを挙げる。先の大卒者求人倍率に関しても、従業員数1000人以上の大企業では0.55倍となるのに対し、1000人未満の企業では3.63倍であり、常見氏曰く「知っている企業しか知らない」という学生の大企業志向・有名企業志向がそのまま数字に表れているという。

 また、学生自身の能力や資質の差が開いてきているうえに、企業の選考が以前より高度化・厳格化していることも、格差の要因となっている。行動力やコミュニケーション能力といった企業が求めるスキルを高いレベルで持つ学生は限られているため、そこだけに内定が集中してしまうというのだ。

 このことは裏を返せば、企業側に採用格差が生じていることを示している。いい人材を採りたくても、学生に人気のない企業は全く採れない。さらに求める人材像が似通っているために他の企業と競合し合い、最終的には採用力の差によって競り負けてしまうのだという。

 学生側と企業側のこうしたミスマッチを背景に成長してきたのが、就職情報会社などの就活ビジネスだ。数千企業の就活情報を提供するナビサイトや、大規模会場で開催される合同企業説明会などは、今や一大産業の様相を呈している。

 就活の早期化も止まらない。今では、大学3年の4月から就活が始まるのが一般的であり、大学生活の半分は就職活動に充てられるのが当たり前になっている。企業の採用の早期化に歯止めをかける目的で経団連が設けている倫理憲章も形骸化しており、97年に廃止された就職協定の復活を求める声も上がっているが、常見氏は学生の不安が就活の早期化を招いている現状においては意味がないだろうと指摘する。

 人材を供給する大学側の責任も大きい。少子化時代を迎え、生き残りをかけて学生獲得に奔走する大学としては、就職実績を重視せざるを得ないのは仕方ないが、それは単に学生や親のニーズに応えているだけであり、それでは社会で活躍できる人材を送り出すという公共的な役割は果たせていないと常見氏は語る。

 今週は学生の就職活動に詳しい常見氏とともに、現在の就活の実態を検証した上で、年功序列、終身雇用といった日本固有の雇用形態が壊れつつある中で、それでも新卒一括採用を続けることの是非などを議論した。

今週のニュース・コメンタリー
•アメリカは本当に怒っているのか
普天間移転問題で抜け落ちている論点
•JR西脱線事故 真の原因究明を妨げる事故調査の欠陥

関連番組
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マル激トーク・オン・ディマンド 第410回(2009年02月14日)
雇用問題の本丸は正社員の既得権益にあり
ゲスト:城繁幸氏(Joe's Labo代表)

<ゲスト プロフィール>
常見 陽平(つねみ ようへい)就職ジャーナリスト
1974年宮城県生まれ。97年一橋大学商学部卒業。リクルート『とらばーゆ』編集部、OJTソリューションズ、バンダイなどを経て、09年人事コンサルティング会社クオリティ・オブ・ライフに入社、現在に至る。また、同年より就職ジャーナリスト活動に入る。著書に『就活格差』『強い就活!』など。

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ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

8日の「モチベイション」の話と一緒に考えると、興味のあるお話ですね。

でもね、
自分の学生時代の事を考えると、偉そうなことは言えませんが、
ホントに、何し「がっこう」へ行ってるんだろうという学生が多いんですよね。

それと同時に考えちまうのが、なんでこんなに「大学」がいっぱいあるんだろうと云う事です。
いい例が、潰れてしまった「酒田短期大学」(でしたっけ)です。
あんな学校にも文科省からは「補助金」が出ているわけでしょ。
似たような「大学」が、いっぱいあるみたいですね。
企業だって、やっぱり「出身校」が気になりますね。
大学の名前を見りゃ、ある程度の見当はついちまいますからね。

大学を量産した文科省と、「補助金」に群がった銀バエみたいな学校ビジネスをやった連中の罪は大きいですね。

就職戦線の話から外れちゃったみたい。すいません。

なぜ日本では大卒は四月採用が基本で、新卒だの既卒だのとレッテルを貼るのかというと、それは

官庁の採用が四月一斉だから

ですね。それで、国公立大学というのはそもそもが、エリート官僚、地方エリート役人養成機関であることにも関係があるでしょう。
昔(も今も?)、東大のNo1.が大蔵省に、No.2が自治省に、そして次が民間(銀行、大企業に)。。。という流れで就職後も大学の卒業順位がついてまわっていたというのも、国公立大学の設立・存在意義から考えると当然のことです。
各企業とすれば、霞ヶ関や大企業から順番に”よい大学生”が取られていくので、いきおい目先の”よさげな大学生”の取り合いになります。

"よさげな大学生"特に、"他社の内定獲得者"は、”他社”が品質を保証してくれているので、すぐに内定がでるのでしょう。

つまるところは、官庁をはじめとして、日本の人事採用に独自のノウハウ(見る目)なんかないわけです。バブル期の採用難の時には、企業訪問解禁日に極秘内定者をTDLにかんずめにするという阿呆なことも行われましたが、とにかくまずは”採用者数”を確保すること、品質保証は"卒業大学のブランド"と”他社の内定獲得数”というのが企業採用のホンネでしょう。

だって、その新人がどれだけ稼ぐかなんて、だれもわからない!のですから

その後、東大のNo.1は霞ヶ関ではなく外資に行って、一説には"質が低下"する状況になっているわけですが、霞ヶ関がこの状態にどう取り組むのかは、情報公開されていないのでよくわかりません。
まだまだ昔の感覚が残っているのか、この採用方法に大きな変化が現れていません。

官庁の新卒採用・・・新卒人事採用に変革が無ければ、この状況は続くでしょう。

それにしても、昨年のリーマンショック、派遣切り以降の、”なにがなんでも正社員”という風潮はど~なんでしょ?今年の倒産件数、給料やボーナスの額、さらにJALなどの企業年金など考えると、団塊以降の年齢のサラリーマンは”気楽な稼業”ではありませんよ!

The Journalをみておられる学生さんに。

 不景気で大変と聞いていましたが、1.62倍ならまあまあですね。

 昔と違って、だいぶ日本の会社にも流動性が出てきましたから、人事担当の甘い言葉に騙されて、入社してからしまったと思っても、何とかなりますが、矢張り最初の会社は大事です、就職活動がんばってください。
  
 さて、学生さんの大企業思考は相変わらずのようですが、学生さんが先ず考えなければならないのは、入社してから何をやりたいかです。

 小生も、所謂大企業の端くれで人事担当を6年ほどやりましたが、採用面接時点で先ず見るのは、人柄と意欲です、何をやりたいかです。
 就職は就社ではありません。
 会社の規模とか、安定性とかいうことを基準に就職を考えている学生さんは、能力以前の問題で(何処の大学を出ていようがいまいが)先ず撥ねられます。

 学校の就職担当の方からのコンサルでご承知済みでしょうが、自分を充分振り返って、この会社に入ったら何をやりたいか、それをじっくりと考えてから、会社訪問をしてください。

 もっとも、Journalを読んでいる学生さんであれば、そのあたりのことはご承知済みでしょうから、余計な御節介でした。 妄言多謝。

  

学生の就活問題で企業とのミスマッチは多分にあります。現在多く言われているのは「理系学生の不足」でしょう。 この分野においては人手が足りてません。これらは大学に入る以前からの問題であり、その時代の考え方に由るものが大きいのも事実です。「文系」の学生が「理系」の企業に簡単に就職は出来ません。この件についてあまり述べることは控えます。

赤虎頭巾さんへ知っておいて欲しい事なのですがJournalなどの硬派な政治系ブログを読んでいる大学生はあまり多くないということです。
 インターネットと言うと若者の特権のように思われがちですが、私が以前「マスコミ」に対するアンケートを実施したところ350人ほどの方々から回答を頂きました。 Journal読者からも多く参加してもらいましたが、年齢層を分析すると20歳代の人からの回答は僅か5名でした。 全体の60%が50歳以上の方からの回答を頂きました。

今の若者にはこの手の硬派な政治ブログは、ことネットでは人気が無い事が分かりました。

悲しい事ですが事実です。

神保さん
Nコメについてですが、宜野湾市の伊波市長の米軍移転についてのコメントを聞いて驚きました。

と同時にマスコミは真相を追究して報道しているのではなく、官僚組織からのリークで動いており、世界情勢を鑑みた日本の今後の行く末を真剣に考えたり、また提言している訳ではないことがよく分かりました。

結局、軽武装対米従属の現体制を維持すべく、大報道しているのでしょう。

先週、NHKの21時のニュースで日本通の米国人が普天間問題について語っていましたが、そもそもNHKはどこを向いているのか違和感を感じを得ないものでした。
恐らく、米国追従を善しとしている輩(日本人)の声を受け、放送していたとしか思えません。

軽武装対米従属を方向転換し、重武装やや親米(できれば中立)に舵を切った方が良いと思います。

仮にそうなると、中国や韓国が何か文句を言ってくるとは思いますが、相互交流を深め、外交で中和させるしかないと思います。

世直し大工様
 情報ありがとうございます。350人中5人ですか。僅か1.4%、恐れ入りました。
 小生の餓鬼の時分は、左手にジャーナル右手に少年サンデーでしたが、世の中も変わったものですね。
 ネトウヨ諸君の文章を読むと若い人が多いようなのですが、Journalは50歳以上が60%ですか。

 私たちが育てた世代の次の世代ですから、天に唾することになりますが、やっぱり日本はもう駄目ですかね。

<常見様 神保様>
企業が求める学生は、行動力やコミュニケーション能力が高い学生で、一人の学生に複数の内定が出る。との事ですが…。
それが事実なのでしょうが、全く無批判なのはいかがでしょうか?
人には一人ひとり個性があり、行動力はないけれどコツコツと地道な仕事が向いている人もいるし、コミュニケーション能力は総じて女性が高いと思うけれど、4大卒の女性は悲惨な状況な訳で…。
企業の選別の基準が、普通の人を受け入れる余裕がないとすれば、学生たちがかわいそうです。
<赤虎頭巾様>
若者が硬派な当サイトに少数しかいないとて、歎くことはありません。
20才台の若者と話すと、彼らも必死に足掻いていて、余裕がありません。
私の若い頃より、一面では非常にしっかりしています。
格好をつけない実利主義で、ファッションは古着で安く入手したものと、多少高くてもお気に入りのブランドを上手に組み合わせて個性を出しています。
オシャレなカフェに行くのは特別な日で普段は、安いファストフード店で友人とおしゃべりしている。女であっても吉野家で牛丼を食べる。
私は彼ら彼女らと話すと感心することがとても多いのです。
私の学生時代は夢や霞みを食べている部分がありましたが、リアリストである彼らが、安定した大企業を求めているのは必然です。
彼らが一番多感な時期に、日本はバブルが弾けていたのですから、リアリストになるのも無理のない事です。
民主党には少子化対策とともに雇用対策に懸命に取り組んで頂きたい。
介護士の給与を4年で4万円上げるなんてケチな事をしないで、しっかり税金を入れて最低20万円は手取りで確保して頂きたい。多少道路は凸凹でも我慢します。
保育所を増設して保育士養成の大学の定員を増やしたり、児童相談所の人員を拡充するとともに、児童心理学士の養成に力を尽くして欲しい。
外需を増やす為の施策も必要なのでしょうが、まずは内需で雇用対策を…。

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神保哲生(じんぼう・てつお)

-----<経歴>-----

1961年東京生まれ。
15歳で渡米。コロンビア大学ジャーナリズム大学院修士課程修了。
クリスチャン・サイエンス・モニター記者、AP通信記者を経て独立。
ビデオジャーナリストの草分けとして、日米の放送局に映像リポートやドキュメンタリーを多数提供。
2000年1月、世界初のニュース専門インターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』を立ち上げ代表に就任。
2001年4月より『ビデオニュース・ドットコム』で宮台真司氏と人気ニュース番組「マル激トーク・オン・ディマンド」のキャスターを務め、現在にいたる。
2005年4月より立命館大学産業社会学部教授を兼務。
2008年4月より、早稲田大学ジャーナリズム大学 院非常勤講師を兼務。
専門は地球環境問題、開発経済、メディア倫理、日米政治関係。

BookMarks

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ビデオジャーナリスト神保哲生のブログ
http://www.jimbo.tv/

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新刊!
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『格差社会という不幸』
2009年12月、春秋社、共著


『民主党が約束する99の政策で日本はどう変わるか?』
2009年7月、ダイヤモンド社


『オルタナティブ・メディア―変革のための市民メディア入門』
2008年12月、大月書店、翻訳・解説


『教育をめぐる虚構と真実』
2008年10月、春秋社、共著


『ツバル―地球温暖化に沈む国』
2007年7月、春秋社、増補版


『ビデオジャーナリズム―カメラを持って世界に飛び出そう』
2006年7月、明石書店


『中国―隣りの大国とのつきあいかた』
2007年6月、春秋社、共著


『アメリカン・ディストピア―21世紀の戦争とジャーナリズム』
2003年9月、春秋社、共著


『天皇と日本のナショナリズム』
2006年11月、春秋社、共著


『ネット社会の未来像』
2006年1月、春秋社、共著

『粉飾戦争―ブッシュ政権と幻の大量破壊兵器』
2004年3月、インフォバーン、監訳

『プロパガンダ株式会社―アメリカ文化の広告代理店』
2004年8月、明石書店、解説

『漂流するメディア政治―情報利権と新世紀の世界秩序』
2002年10月、春秋社、共著

『地雷リポート』
1997年11月、築地書館

『ビデオジャーナリストの挑戦』
1995年11月、ほんの木

『重要政策全比較―シリウス・日本新党・平成維新の会』
1993年7月、ほんの木

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