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2009年11月28日

シリーズ・民主党政権の課題6 記者クラブ問題の本質

森暢平氏
マル激トーク・オン・ディマンド


第451回(2009年11月28日)

記者クラブ問題の本質
ゲスト:森暢平氏(成城大学文芸学部准教授)

 マル激ではこれまで折に触れてきた記者クラブ問題が、民主党政権の下で新たな次元に入ったようだ。

 大手新聞と通信社、テレビ局だけが記者会見に出席する特権を独占し、雑誌、外国報道機関、ネットメディア、フリーランスは徹底的に排除する、日本のマスメディアの閉鎖性や排他性、前時代性の象徴とも言うべき記者クラブの弊害は、今更指摘するまでもないだろう。

 記者会見への特権的・独占的アクセスのみならず、省庁施設内の記者室の無料使用に始まり、光熱費・電話代、アルバイト事務員に至るまで、ありとあらゆる便宜供与を受けることで発生するメディアと政治の癒着。特権を享受する者同士が結ぶ「村の掟」的取材協定や談合取材。発表ものをを報じていれば事足りてしまうことからくる、調査報道能力の低下。そして、メディア産業への新規参入企業の排除等々。

 いずれも報道の自由を標榜する日本ではあってはならないものばかりだし、市民社会にとっては百害あって一理もないものばかりでもある。

 しかし、今や世界の笑いものと化しているこの制度を、日本はなぜ未だに解決できないのだろうか。ましてや、記者会見の開放を宣言してきた政党が政権の座についているというのに、である。

 今回のマル激は、元毎日新聞記者で、学究生活に入ってから記者クラブの歴史を研究してきた成城大学文芸学部の森暢平准教授を招き、明治期の帝国議会の出入り記者会や国木田独歩らによる外務省の記者倶楽部に端を発する記者クラブの歴史や背景などを詳しく検証した上で、その構造的な問題を明らかにしてみた。

 森准教授は任意団体であり親睦団体である記者クラブは本来はプライベートなものであるにもかかわらず、取材や記者会見というパブリックな機能まで持つようになったことが、現在の記者クラブ問題の解決を難しくしていると指摘する。要するに、記者クラブは自らが親睦団体であることを理由に、本来ならばオープンであるべき会見の場から非加盟のメディアを閉め出す一方で、プライベートな団体の懇談に過ぎないはずの閣僚や官僚との会合を「記者会見」と呼ぶことで、パブリックな機能を担わせてきたわけだ。その「プライベート」と「パブリック」の混同やご都合主義的使い分けが、今日の記者クラブ問題、引いては記者会見の開放問題の解決を困難にしているというのだ。

 森氏は、当事者意識も改革能力もない記者クラブは官僚組織と同じであり、すでに多くの人に守旧派と見なされているという。情報公開や説明責任が求められる時代において、記者クラブという自らの問題を報じないまま、自分たちを国民の代表と思い込むマスメディアへの信頼は失われつつある。早晩、そうした大文字のジャーナリズムは凋落し、大手メディアも中小メディアや市民メディアも等価なものとして受容されていくようになると森氏は言う。

 しかし、改革できない大手メディアが凋落していくのは大手メディアの勝手だが、それに伴い、これまでわれわれの先人達が長い年月をかけて培ってきたジャーナリズムのノウハウ、とりわけ権力をチェックするノウハウがメディアから消滅してしまう問題は、簡単に看過できないようにも思える。

 しかし、森氏はその問題に対しても、もはや権力監視の機能も、マスメディアの専売特許ではなく、ジャーナリストの他にも、弁護士やNPOなど幅広い市民社会の参加によって、権力は監視されていくことになるべきだと説く。つまり、森氏は、記者会見は「報道を生業とする者」のみならず、誰でも自由に参加できるものにすべきだと主張するのだ。

 シリーズでお届けしている「民主党政権の課題」の6回目となる今回は、マル激本編としては初となる記者クラブ問題を取り上げた。

New Leaders in Japan Seek to End Cozy Ties to Press Clubs (The New York Times)

今週のニュース・コメンタリー
・国債発行額が税収を上回る見通し
・鳩山"故人"献金は新たな局面へ
・トヨタ車リコール問題の死角
・25%削減問題をめぐる政権内の攻防
・世界宗教者会議アフガン提言続報
・最高裁ウォッチ 旧態依然たる判事の任用基準

関連番組
マル激トーク・オン・ディマンド 第24回(2001年08月17日)
田中康夫のリーダー論
ゲスト:田中康夫氏
プレスクラブ (2009年06月30日)
『報道の指摘は基本的に事実』
鳩山民主党代表が自身の献金問題について会見


<ゲストプロフィール>
森 暢平(もり ようへい)成城大学文芸学部マスコミュニケーション学科准教授
1964年埼玉県生まれ。90年京都大学文学部卒業。00年国際大学大学院国際関係学研究科修士課程修了。毎日新聞社で宮内庁、警視庁などを担当の後、CNN日本語サイト編集長、琉球新報ワシントン駐在記者を経て、08年より現職。著書に『天皇家の財布』、共著に『雅子さま論争』。

2009年11月21日

保守政党自民党の再生シナリオ

谷垣禎一氏・福永文夫氏
マル激トーク・オン・ディマンド


第450回(2009年11月21日)

保守政党自民党の再生シナリオ
ゲスト(PART1):谷垣禎一氏(第24代自民党総裁)
ゲスト(PART2):福永文夫氏(獨協大学法学部教授)

プレビュー

 この9月、自民党の第24代総裁に選出された谷垣禎一衆議院議員は、自民党を保守政党として再生させたいと抱負を述べる。しかし、谷垣氏が掲げる「保守政党」とはどのようなものなのか。それを探るべく、マル激は谷垣氏を自民党本部に訪ねた。また、後半は日本の戦後の保守政治を研究している政治学者の福永文夫氏を招き、谷垣総裁が掲げる自民党の保守政党としての再生の課題を議論した。

 先の総選挙での歴史的な大敗により、16年ぶりに総理大臣ではない自民党総裁となった谷垣氏は、55年体制における自民党が果たしてきた役割は主に3つあると語る。一つは憲法9条と日米安保による平和の構築、二つ目は戦後復興と経済成長による国家の繁栄、そしてもう一つが自由体制の維持だ。

 歴代の自民党政権が、日本を自由主義陣営の一員として経済成長を図ることで、歴史上かつて見ないような経済成長を成し遂げてきたことは、紛れもない事実だろう。また、経済成長の果実を、公共事業などを通じて地方に再配分することで国民生活を豊かにすることに成功し、それを地盤に一貫して政権与党の座に就いてきたのが自民党だった。

 しかし、冷戦も高度成長も過去のものとなり、再配分をしようにも、財政は火の車である。自民党政治の必要条件が総崩れとなる中で、2009年自民党は遂に半世紀に及ぶ政権与党としての地位を民主党に明け渡すこととなった。

 谷垣氏は、党の再生のためには、自民党の原点とも呼ぶべき3つの基本路線を再確認した上で、それに加えて「保守政党としての」新たな原則を打ち立てることが必要だと主張する。

 まず、谷垣氏は、再配分政策に舵を切ったかに見える民主党に対して、保守政党としての自民党は「公助の前に自助・共助を重視」し、個人の自立や自由をより重んじる路線をとる意向を明らかにする。また、自分の国に対する大らかな自信と先人の知恵を尊重する態度を重視するのも、保守としての責務になると、谷垣氏は言う。

 更に、「小さな政府」だけでは、地方の疲弊や格差を手当できないとして、小泉構造改革とは一線を画する姿勢を打ち出す。 果たして自民党は、谷垣氏の考える「保守」の旗の下に、民主党に対抗しうる勢力を糾合することができるのだろうか。

 戦後保守を研究してきた政治学者の福永文夫獨協大学法学部教授は、谷垣氏が考える「保守」は、谷垣氏の出自でもある宏池会の伝統的な流れを汲むものだが、果たしてそれで民主党に対する対抗軸に成り得るかどうかについては疑問を呈する。

 福永氏は民主党も再配分的な政策を多く持ちながら、鳩山代表、小沢幹事長、岡田外相と、いずれも自民党の旧経世会OBがその中枢を占めているのが実情で、その本質においては保守政党としての性格を強く持つという。そのため、伝統的な宏池会路線だけでは、民主党との差別化は難しいだろうと言う。 福永氏は、歴史上保守勢力とは、何ものかに対する対抗勢力であることが前提となるため、まずは民主党の再配分の行き過ぎをチェックするなどして、同じ保守路線の政党でも、再配分のあり方や国権の及ぶ範囲など「度合いの違い」で差異を打ち出していくしかないだろうと言う。

 番組前半で谷垣氏と自民党再生のシナリオを、後半は谷垣氏との議論を引き取る形で、保守政党としての自民党再生の可能性について福永氏と議論した。

今週のニュース・コメンタリー
・テーマ探しに追われたオバマ大統領初来日
・事業仕分け 報道されない調査捕鯨「見直し」判定
・世相を映す諸データ

関連番組
マル激トーク・オン・ディマンド 第444回(2009年10月10日)
河野太郎の自民党復活計画 ゲスト:河野太郎氏(衆議院議員)
マル激トーク・オン・ディマンド 第432回(2009年07月18日)
やっぱり日本にも保守政党が必要だ
ゲスト:杉田敦氏(法政大学法学部教授)
マル激トーク・オン・ディマンド 第391回(2008年09月27日)
自民党システムの終焉
ゲスト:野中尚人氏(学習院大学教授)
マル激トーク・オン・ディマンド 第331回(2007年08月03日)
データから見えてくる「やっぱり自民党は終わっていた」
ゲスト:森裕城氏(同志社大学法学部准教授)

ゲスト プロフィール
谷垣 禎一(たにがき さだかず)自民党総裁
1945年生まれ。72年東京大学法学部卒業。82年弁護士登録、85年税理士登録。83年衆院初当選。財務大臣、国交大臣、党政調会長などを経て、09年より現職。当選10回(京都5区)。

福永 文夫(ふくなが ふみお)獨協大学法学部総合政策学科教授
1953年兵庫県生まれ。76年神戸大学法学部卒業。85年神戸大学大学院法学研究科博士課程単位取得満期退学。姫路獨協大学専任講師、同大学助教授、教授を経て、01年より現職。政治学博士。著書に『大平正芳 「戦後保守」とは何か』、共著に『戦後日本の宰相たち』など。

2009年11月14日

政府のタバコ規制は必要か

松沢成文氏
マル激トーク・オン・ディマンド


第449回(2009年11月14日)

政府のタバコ規制は必要か
ゲスト:松沢成文氏(神奈川県知事)

プレビュー

 「喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります。」

 これは現在日本で販売されているタバコのラベルに記された警告文だが、タバコによる健康への悪影響が常識となる中、職場や公共交通機関の禁煙が進み、路上喫煙を禁止する条例が全国各地の自治体で施行されるなど、タバコを吸う人の肩身は日々狭くなってきている。全館禁煙のビルの入り口付近には、常にタバコを吸う人の姿が絶えないし、喫煙者をガラス張りの部屋に閉じ込めて、タバコを吸わせている事業所や公共施設も増えてきている。

 そうした中、全国で初めて屋内での喫煙規制にまで踏み込んだ「受動喫煙防止条例」が今年3月、神奈川県で成立した。この条例は、歩きタバコによる事故防止や環境美化などを目的としたこれまでの路上喫煙禁止条例から更に一歩規制を強化するもので、受動喫煙の被害を防ぐ目的で、「公共的施設」内での喫煙にまで規制をかけるというもの。

 ここで言う公共的施設とは、不特定多数の人が集まる場所を指し、公営施設だけでなく民間の施設も含まれる。官公庁や学校、病院や映画館など公共性の高い施設は禁煙、一定規模以上の飲食店や娯楽施設、宿泊施設などは禁煙か完全分煙の措置を講じなければならなくなるため、基本的には神奈川県では、人が多く集まるところではほとんどタバコは吸えなくなったと言ってよさそうだ。しかもこの条例に違反すると、施設の管理者には5万円以下、個人には2万円以下の過料が科せられるという罰則までついた厳しいものだ。

 公共の場での喫煙規制を選挙公約に掲げ、本条例の導入を主導した神奈川県知事の松沢成文氏は、タバコによる健康被害が明らかになった今、タバコを吸わない人が吸う人の煙によって健康を害するのは理不尽であり、受動喫煙から県民の健康を守ることが行政の責務だと主張する。また、日本はたばこ規制枠組み条約に批准しているにもかかわらず、条約で定められた屋内での受動喫煙対策に消極的で、すでに公共空間での喫煙規制が進む海外の大都市と比べても、日本のタバコ対策は遅れているので、国がやらないなら地方から全国的に広げていきたいと抱負を語る。

 タバコは喫煙者自身の健康被害に加え、副流煙や歩行中の事故を含め他人にも被害が及ぶ以上、その是非は全面的に個人の自由に委ねられるべきではなく、政治が一定の役割を演じる責任があるというのが、松沢氏の立場だ。

 嫌煙家にとっては、今回の神奈川県の受動喫煙防止条例は確かにありがたいものかもしれない。なぜなら、これまで個人の判断に任されていたものを、行政が上から規制してくれるからだ。もはや煙を我慢したり、喧嘩になるのを覚悟で、吸うのをやめて欲しいと訴える必要もなくなる。

 しかし、ジャーナリストの斎藤貴男氏は、行政が個人の行動にまで干渉することに対して、公権力による個人の監視・管理の強化につながるだけでなく、それ以上に問題なのは、個人が公権力への依存度を強め、ますます主体性を失っていく風潮を加速しかねないと警鐘を鳴らす。本来ならばコミュニケーションを通じて社会の中で解決すべき問題を安易に行政に委ねてしまえば、ますます我々は自分たちで問題を解決する能力を失ってしまうからだ。

 公共の場での喫煙に対して、政府が規制を加えることは是なのか非なのか。今回はマル激としてはやや異例のスタイルで、行政による喫煙規制の是非をめぐって、喫煙規制条例を推進した神奈川県の松沢成文知事と、自身は喫煙者ではないにもかかわらず嫌煙ファシズムを批判する斎藤貴男氏との議論から、タバコ規制を通じて見えてくる社会のあるべき姿について考えた。

今週のニュース・コメンタリー
・事業仕分けから見えてきたもの
・沖縄は本当に基地の県外移転を望んでいるか
・外国人参政権の前に考えておくべきこと
・記者クラブアップデート 大臣会見はサービスなのか

関連番組
マル激トーク・オン・ディマンド 第225回(2005年07月15日)
国は半分の予算で運営できる
ゲスト:加藤秀樹氏 (構想日本代表)

プロフィール
松沢 成文(まつざわ しげふみ)神奈川県知事
1958年神奈川県生まれ。82年慶応義塾大学法学部卒業。松下政経塾塾生、神奈川県議を経て、93年衆院初当選(新生党・旧神奈川2区)。98年民主党に合流。03年より現職(2期目)。著書に『受動喫煙防止条例 日本初、神奈川の挑戦』、『実践 ザ・ローカル・マニフェスト』など。

2009年11月 7日

アフガニスタンで日本がすべきこと、やってはいけないこと

伊勢崎賢治氏マル激トーク・オン・ディマンド
第448回(2009年11月07日)
アフガニスタンで日本がすべきこと、やってはいけないこと
ゲスト:伊勢崎賢治氏(東京外国語大学大学院総合国際学研究科教授)

プレビュー

 来週のオバマ大統領の初来日を前に、鳩山政権は2つの安全保障政策上の懸案を抱えている。海上給油活動のためにインド洋に派遣されている海上自衛隊の撤退問題とそれに代わるアフガニスタン支援策が一つ。もう一つが、普天間基地の県外移設問題だ。いずれも民主党が総選挙前に公約に掲げて政権の座についたため、簡単に旗を降ろすわけにはいかないが、相手のある問題であるため、大統領の来日までに結論は出せそうにない。

 特にインド洋の給油活動からの撤退は、日本側が考えている以上にアメリカにとっては大きな影響があるとの指摘が根強い。NATO軍を中心に編成されているアフガニスタンの対テロ作戦で、NATOに属さない日本が末席ながら作戦に参加していることで、アメリカはNATO諸国に対してより大きな貢献を求める口実を得ることができているという側面があるからだ。

 とは言え、給油活動からの撤退は、民主党が選挙公約としてきた以上、今更撤回することも難しい。となると、給油に代わる新たなアフガニスタンへの貢献策として、果たして日本は何をすべきで、日本に何ができるかが問題となる。

 しかし、アフガニスタンの現状はそれほど容易ではない。日本政府の代表としてアフガニスタンの武装解除に取り組んだ経験を持ち、つい最近もアフガニスタンを訪問してきた伊勢崎賢治・東京外国語大学大学院教授は、国内治安の悪化によってもはやアフガニスタンでは、ほとんどの民生支援は事実上不可能に近い状態になっているという。

 全土に広がる汚職や麻薬資金の流入など、「歴史上類を見ないほどひどい」(伊勢崎氏)腐敗政治が横行する中で、2001年に一度は掃討されたはずのタリバンが息を吹き返し、再び人心を掌握し始めている。既に国土の6~7割を実効支配しているとの情報もある。しかも、火力では圧倒的優位に立つはずの米・NATO軍は市民の間に紛れ込んだタリバンによって長期の消耗戦に引きずり込まれ、外国人兵士の死者数は年を追うごとに急増している状態だ。

 アフガニスタン国内では最近は国連までがテロの対象になる有様で、国連の威信が低下する一方、腐敗政治に嫌気がさした民衆は、他に選択肢がないために、日々タリバン支持へと傾いていると伊勢崎氏は指摘する。

 そもそも今日の状況を招いた原因は、民兵を合法化して警察に取りたてた結果、本来は治安を守らなければならないはずの警察が腐敗してしまったことにあると指摘する伊勢崎氏は、現在オバマ政権がこれを同じことをやろうとしていることに懸念を隠さない。

 そうした中で鳩山政権は現在のところ、アフガニスタン支援策として、向こう5年間で約3600億円の資金援助、電力や道路のインフラ整備、警察官の訓練支援に8万人の給与の約半額の負担、ISAF司令部への連絡調整官の派遣などを打ち出している。しかし、資金援助やインフラ整備は日本が以前からやってきたことでもあり、給油活動の代わりになるものではないと伊勢崎氏は言う。

 そして、伊勢崎氏が一番やってはいけないと指摘するのが、現在日本が計画しているアフガン警察への支援だ。訓練目的で8万人の警察官の給与の半分を日本が肩代わりするというものだが、日本の資金が本当にそのような目的で使われることを責任を持って最後まで日本が確認しない限り、その資金は警察の腐敗構造の中に消えていってしまうことは必至だと伊勢崎氏は言う。

 むしろ日本が一番貢献できる分野は、テロとの戦いの名目でアフガンに侵攻したまま抜けられなくなっている米軍と米軍に支えられたカルザイ政権、そしてタリバンとの間の和解の推進ではないかと、伊勢崎氏は言う。依然としてアフガニスタン人の日本に対する国民感情は良好で、日本は欧米諸国に比べてアフガニスタンにいろいろ提案できる立場にある。実際今月末には、ノーベル平和賞受賞者のアハティサーリ・前フィンランド大統領を議長とするアフガン和平会議が東京で開催され、アフガン情勢の打開策が模索される予定だ。

 オバマ大統領の来日を前に、アフガニスタン情勢の最新情報と、そこで日本ができる貢献とは何なのかを、伊勢崎氏と議論した。

今週のニュース・コメンタリー
・制度変更の遅れに足を引っ張られる民主党政権
・首相が改憲を提案することの是非
・10年遅れのプルサーマルに見る原発の末期症状
・成人年齢18歳引き下げについて
・記者クラブアップデート 権力ゲームに利用される会見解放

関連番組
マル激トーク・オン・ディマンド 第342回(2007年10月19日)
日本のアフガン支援論争のどこがまちがっているのか
ゲスト:伊勢崎賢治氏(東京外国語大学大学院地域文化研究科教授)

プロフィール
伊勢崎 賢治いせざき けんじ(東京外国語大学大学院総合国際学研究科教授)
1957年東京都生まれ。86年早稲田大学大学院理工学研究科都市計画専攻修了。NGOのシエラレオネ、ケニア、エチオピアの事務所長を歴任。99年国連主催DDR特別運営委員会日本政府代表、00年東チモール暫定統治機構県知事、01年国連シエラレオネ派遣団武装解除統括部長などを経て、03年~04年日本政府特別顧問としてアフガニスタンの武装解除を指揮。 02年立教大学21世紀社会デザイン研究科教授、06年東京外国語大学大学院地域文化研究科教授、09年より現職。著書に『武装解除―紛争屋が見た世界』、『日本の国際協力に武力はどこまで必要か』など。

2009年11月 1日

ビデオニュース・ドットコム開局10周年記念特別企画(無料放送)
生コールイン これだけは言わせろ!民主党政権への注文

marugekiマル激トーク・オン・ディマンド

第447回(2009年10月31日)

ビデオニュース・ドットコム開局10周年記念特別企画(無料放送)
生コールイン これだけは言わせろ!民主党政権への注文
ゲスト:福山哲郎氏(外務副大臣)、大塚耕平氏(内閣府副大臣)、
     細野豪志氏(民主党副幹事長)

無料放送中

 恒例となった5回目の金曜日に特別企画を無料放送でお届けする「5金スペシャル」。今回は、ビデオニュース・ドットコム開局10周年を記念して、民主党政権のキーパーソンたちをスタジオに招いて、視聴者参加のコールインをニコニコ動画とのコラボレーションによる生放送でお送りした。

 民主党政権が誕生してから約2ヶ月。民主党は「市民の手に政治を取り戻す」と宣言をして政権の座についた。しかし、ここまで民主党はその約束をきちんと果たしているだろうか。民主党が向かっている方向は間違っていないか。民主党政権の中枢を担う3人の議員は、普段のマル激の視聴者に加え、ニコニコ動画の視聴者という新しい参加者からの厳しい突っ込みに耐えられるか。

 番組最後には神保・宮台の両キャスターが、ビデオニュース・ドットコムの10年を振り返りながら、次の10年に向けた課題や要望を視聴者とともに考えた。

関連番組
インタビューズ(2008年10月09日)
民主党マニフェストの財源を問う
大塚耕平政調副会長インタビュー

インタビューズ(2009年03月21日)
私が企業献金を受け取らない理由
民主党細野豪志衆議院議員インタビュー

プロフィール
福山 哲郎ふくやま てつろう
(外務副大臣)1962年東京都生まれ。86年同志社大学法学部卒業。95年京都大学大学院法学研究科修士課程修了。大和証券、松下政経塾塾生を経て98年参院初当選(無所属)。99年民主党入党。参院環境委員長、党政調会長代理などを歴任。当選2回(京都選挙区)。

大塚 耕平おおつか こうへい
(内閣府副大臣)1959年愛知県生まれ。83年早稲田大学政治経済学部卒業。00年早稲田大学大学院社会科学研究科博士課程修了。日本銀行を経て01年参院初当選。参院財政金融委員会理事、党政調副会長などを歴任。当選2回(愛知選挙区)。

細野 豪志ほその ごうし
(民主党副幹事長)1971年滋賀県生まれ。95年京都大学法学部卒業。三和総合研究所研究員を経て、00年衆院初当選。党政調副会長、国会対策副委員長などを歴任。当選4回(静岡5区)。

Profile

神保哲生(じんぼう・てつお)

-----<経歴>-----

1961年東京生まれ。
15歳で渡米。コロンビア大学ジャーナリズム大学院修士課程修了。
クリスチャン・サイエンス・モニター記者、AP通信記者を経て独立。
ビデオジャーナリストの草分けとして、日米の放送局に映像リポートやドキュメンタリーを多数提供。
2000年1月、世界初のニュース専門インターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』を立ち上げ代表に就任。
2001年4月より『ビデオニュース・ドットコム』で宮台真司氏と人気ニュース番組「マル激トーク・オン・ディマンド」のキャスターを務め、現在にいたる。
2005年4月より立命館大学産業社会学部教授を兼務。
2008年4月より、早稲田大学ジャーナリズム大学 院非常勤講師を兼務。
専門は地球環境問題、開発経済、メディア倫理、日米政治関係。

BookMarks

ビデオニュース・ドットコム(有料会員登録制)
http://www.videonews.com/

ビデオジャーナリスト神保哲生のブログ
http://www.jimbo.tv/

マル激!メールマガジン
↓ ↓ ↓


-----<著書>-----

新刊!
↓ ↓ ↓

『格差社会という不幸』
2009年12月、春秋社、共著


『民主党が約束する99の政策で日本はどう変わるか?』
2009年7月、ダイヤモンド社


『オルタナティブ・メディア―変革のための市民メディア入門』
2008年12月、大月書店、翻訳・解説


『教育をめぐる虚構と真実』
2008年10月、春秋社、共著


『ツバル―地球温暖化に沈む国』
2007年7月、春秋社、増補版


『ビデオジャーナリズム―カメラを持って世界に飛び出そう』
2006年7月、明石書店


『中国―隣りの大国とのつきあいかた』
2007年6月、春秋社、共著


『アメリカン・ディストピア―21世紀の戦争とジャーナリズム』
2003年9月、春秋社、共著


『天皇と日本のナショナリズム』
2006年11月、春秋社、共著


『ネット社会の未来像』
2006年1月、春秋社、共著

『粉飾戦争―ブッシュ政権と幻の大量破壊兵器』
2004年3月、インフォバーン、監訳

『プロパガンダ株式会社―アメリカ文化の広告代理店』
2004年8月、明石書店、解説

『漂流するメディア政治―情報利権と新世紀の世界秩序』
2002年10月、春秋社、共著

『地雷リポート』
1997年11月、築地書館

『ビデオジャーナリストの挑戦』
1995年11月、ほんの木

『重要政策全比較―シリウス・日本新党・平成維新の会』
1993年7月、ほんの木

→ブック・こもんず←



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