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金融危機の本質は金融腐敗にあり

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マル激トーク・オン・ディマンド
第417回(2009年04月04日)
金融危機の本質は金融腐敗にあり

プレビュー

 約5兆ドルの財政出動にヘッジファンドとタックスヘイブンの規制の導入等々。4月1日、2日の両日ロンドンで開催された第2回金融サミットで日米欧に新興国を加えた世界20カ国・地域の首脳は、経済危機の拡大を食い止めるために、金融取引に対する踏み込んだ規制を導入することで合意したという。

 金融危機の収束に向けて世界各国が足並みを揃えて動き出したことを好感して、金曜日の各国の株式市場は軒並み続伸、ドルも対円で5ヶ月ぶりに100円台を回復した。

 しかし、『危険な話』の著者で長年世界の金融界の人脈を調査してきた作家の広瀬隆氏は、そのような弥縫策では金融危機の根を絶つことはできないと言い切る。なぜならば、広瀬氏は、今世界を覆っている金融問題の本質は「金融腐敗」にあると確信しているからに他ならない。

 広瀬氏は、現在の金融危機の起源を1970年代の先物取引の解禁に見い出す。先物という実体の無い指標の取引を認めたことで、次々と新たなデリバティブ(金融派生商品)が登場し、実体経済の規模を遙かに上回るマネー経済なる虚構が形成された。そして、それは挙げ句の果てに、昨今問題となっているサブプライムローンの証券化やCDSなどといった投機マネーの暴走を生み出した。

 そして広瀬氏は、先物取引に先鞭をつけたロバート・ルービン元財務長官やその後継者のローレンス・サマーズ氏、そして金融緩和を続けて投機マネーを生んだアラン・グリーンスパン元FRB議長の責任をことさらに強調する。

 特にルービン氏は、シカゴ先物取引市場の理事として先物市場を開拓した後、ゴールドマン・サックス証券で自ら数々のデリバティブ取引に勤しみ、ゴールドマン・サックスの会長まで上り詰めた後、クリントン政権で財務長官の座に就き、グリーンスパンFRB議長との二人三脚で、金融近代化法の制定を実現した。

 この法律によって、大恐慌以来銀行と証券の兼業を禁止してきたグラス・スティーガル法が事実上骨抜きとなり、本来は手堅い資金だったはずの銀行預金が、大挙して投機マネー市場に投入されるようになる。更にルービン氏は、サマーズ氏に長官の座を譲った後、今まさに大量の公的資金が投入され続けているシティグルーブの重役に収まり、そこで「サブプライムローンを売りまくった」(広瀬氏)、現在の金融腐敗の原因のすべてに関わっている存在だと、広瀬氏は言う。しかも、その後アメリカの財務長官の座は、同じくゴールドマン・サックスの会長だったヘンリー・ポールソン氏に引き継がれていった。
 このような腐敗の連鎖を放置している限り、少々ヘッジファンドを規制しても、焼け石に水程度の効果しかないというのが、広瀬氏の一貫した主張だ。

 一方、市民の期待を一手に背負い政権の座についたオバマ大統領は、金融腐敗を正常化することができるのかとの問いに対して広瀬氏は、サマーズ氏がオバマ政権の枢要な経済閣僚(国家経済会議委員長)の座に収まっている上、ガイトナー財務長官も、実はブラックストーン・グループ創始者でレーガン政権の商務長官だったピーター・ピーターソン氏の後ろ盾でニューヨーク連銀総裁に引き上げられた経緯があり、そのような経済人事のオバマ政権では、長年にわたり蓄積した金融腐敗を一掃することはとても難しいのではないかと広瀬氏は言う。

 そして、この金融腐敗が根絶されないかぎり、危機のたびに多少の規制強化などが行われても、投機マネーは必ずやまた行き場を見つけてバブルを形成し、そしてまた金融秩序維持という美名のもとで、一般市民の血税が「金融マフィア」(広瀬氏)によって作られた腐敗の穴を埋めるために注ぎ込まれていくことになるだろうと広瀬氏は言うのだ。

 歴史と人脈を紐解くことで見えてくる金融危機のもう一つの顔を、萱野稔人、神保哲生が、広瀬氏と議論した。

今週のニュース・コメンタリー
・堀江元ライブドア社長が検察批判
・誰が検察を監視すべきか
・NHKの検察報道を問う
・高橋洋一さん窃盗容疑で書類送検

関連番組
マル激トーク・オン・ディマンド 第403回(2008年12月20日)
見えたり、金融資本主義の正体ゲスト:小幡績氏(慶應義塾大学大学院准教授)
マル激トーク・オン・ディマンド 第392回(2008年10月04日)
アメリカ型金融資本主義の終焉
ゲスト:若田部昌澄氏(早稲田大学政治経済学術院教授)
インタビューズ (2009年04月04日)
誰も「やりたい放題」の検察をコントロールできなくなっている
魚住昭氏インタビュー

プレスクラブ (2009年04月04日)
検察の株式市場への介入を批判
堀江貴文元ライブドア社長講演

<ゲスト プロフィール>
広瀬 隆(ひろせ たかし)作家
1943年東京都生まれ。66年早稲田大学理工学部卒業。81年『東京に原発を!』出版。著書に『アメリカの経済支配者たち』、『世界金融戦争』など。09年4月中旬に『資本主義崩壊の首謀者たち』を刊行予定。

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Profile

神保哲生(じんぼう・てつお)

-----<経歴>-----

1961年東京生まれ。
15歳で渡米。コロンビア大学ジャーナリズム大学院修士課程修了。
クリスチャン・サイエンス・モニター記者、AP通信記者を経て独立。
ビデオジャーナリストの草分けとして、日米の放送局に映像リポートやドキュメンタリーを多数提供。
2000年1月、世界初のニュース専門インターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』を立ち上げ代表に就任。
2001年4月より『ビデオニュース・ドットコム』で宮台真司氏と人気ニュース番組「マル激トーク・オン・ディマンド」のキャスターを務め、現在にいたる。
2005年4月より立命館大学産業社会学部教授を兼務。
2008年4月より、早稲田大学ジャーナリズム大学 院非常勤講師を兼務。
専門は地球環境問題、開発経済、メディア倫理、日米政治関係。

BookMarks

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ビデオジャーナリスト神保哲生のブログ
http://www.jimbo.tv/

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-----<著書>-----

新刊!
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『格差社会という不幸』
2009年12月、春秋社、共著


『民主党が約束する99の政策で日本はどう変わるか?』
2009年7月、ダイヤモンド社


『オルタナティブ・メディア―変革のための市民メディア入門』
2008年12月、大月書店、翻訳・解説


『教育をめぐる虚構と真実』
2008年10月、春秋社、共著


『ツバル―地球温暖化に沈む国』
2007年7月、春秋社、増補版


『ビデオジャーナリズム―カメラを持って世界に飛び出そう』
2006年7月、明石書店


『中国―隣りの大国とのつきあいかた』
2007年6月、春秋社、共著


『アメリカン・ディストピア―21世紀の戦争とジャーナリズム』
2003年9月、春秋社、共著


『天皇と日本のナショナリズム』
2006年11月、春秋社、共著


『ネット社会の未来像』
2006年1月、春秋社、共著

『粉飾戦争―ブッシュ政権と幻の大量破壊兵器』
2004年3月、インフォバーン、監訳

『プロパガンダ株式会社―アメリカ文化の広告代理店』
2004年8月、明石書店、解説

『漂流するメディア政治―情報利権と新世紀の世界秩序』
2002年10月、春秋社、共著

『地雷リポート』
1997年11月、築地書館

『ビデオジャーナリストの挑戦』
1995年11月、ほんの木

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1993年7月、ほんの木

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