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2001年4月16日

INSIDER No.12-2《HYDRO REVOLUTION》(4)石油から水素へ・続々々々──エネ庁研究会の報告書

 資源エネルギー庁が茅陽一慶応大学教授を座長に研究者・業界代表28人を集めて作った「燃料電池実用化戦略研究会」は、99年12月から9回にわたる会合を重ね、今年1月に報告書をまとめた。ここではその中から「おわりに」の章を全文紹介する。水素エネルギー社会の到来を予想しながらも、その意義を出来るだけ自動車・交通部門の燃料転換による環境保全効果に片寄せて、1家に1台の分散型発電体系への移行によって原発も電力会社も無用になるという肝心なポイントには余り触れないようにしているところに、エネ庁の限界がかいま見えている

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燃料電池実用化戦略研究会報告(2001年1月22日)おわりに
──固体高分子型燃料電池:21世紀の水素エネルギー社会の扉を開く鍵

 人類がこれまで大規模に使用してきた燃料の歴史を振り返ると、18世紀後半の産業革命期の石炭に始まり、20世紀には石炭から石油へと移行し、この数十年の間には石油から天然ガスへと移行しつつある。こうした流れは、炭化水素燃料からの脱炭素化(石炭、石油、天然ガスの順に単位質量あたりの炭素数が少なくなる)の流れであり、脱炭素化の進展に伴って、地球環境への影響はより少なくなっていく傾向にある。今後も、脱炭素化の流れは変わらないものと考えられ、21世紀半ばには、炭素を全く含まずCO2を発生しない水素が重要なエネルギーとなる水素エネルギー社会が到来することが予測されている。

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2001年4月15日

INSIDER No.11《HDRO REVOLUTION》(3)石油から水素へ・続々──マイエレキの世紀

 広瀬隆は「マイエレキの時代がやってきた」と書いている。「エジソンとウェスティングハウスによって本格的な発電所が建設されて以来、世界は過去100年間、ひたすら大型発電所による集中化を進め、それによって発電効率を高めようとしてきたが、21世紀から逆の時代を迎えることになる。それぞれ電気を使用する場所に小型・中型の発電機を設置し、最終的には家庭に1台ずつ発電機を持つ。マイカーと同じように、マイエレキの時代がやってきたのである。あちこちに発電機が置かれるので、これを分散型電源と呼んでいる」実際、自動車用の水素エンジンを軸とした燃料電池の開発競争が行き着く先は、1家に1台の発電機が置かれるマイエレキの時代であり、しかもそれは遠い将来の話ではなく、数年中に現実となり始める。そのことは、エネルギー供給の体系だけでなく、環境汚染への対処を含めた人類の自然との関わり方そのものを異次元に引き上げる、まさにパラダイム・シフトが起こりつつあることを意味している。

●無公害、そして無制限?

 第1に、燃料電池は基本的に水蒸気しか出さないので無公害である。自動車・工場・大型発電所による硫黄酸化物、窒素酸化物、二酸化炭素、浮遊粒子状物質などの排ガス公害を限りなくゼロに近づけていくことが出来る。また発電時に騒音も振動も出ないので、その面でも無公害である。

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2001年4月 5日

INSIDER No.9-2《HYDRO REVOLUTION》(2)石油から水素へ・続──世界を二分する燃料電池車の開発

●実用化間近の燃料電池車

 今から160年ほど前に燃料電池の原理を発見したのは、英国の28歳の青年ウィリアム・グローブだった。後に英国王立研究所の副会長になる彼は、水を電気分解して一方の極に筒をかぶせて水素を回収し、他方には酸素を回収する実験を行っている最中に、電極にガスが吸収されて電流が発生することを発見し、これを「ガス電池」と名付けて特許を取った。しかし当時は石炭と蒸気機関の時代で、それがやがて石油とガソリンエンジンの時代に移り変わって行く中で、この世界最初の人工的な電気化学反応による発電原理に目を向ける者はいなかった。1889年になってドイツの化学者ルートヴィッヒ・モンドが、その原理に基づいて石炭ガスを使った発電を試みて、その装置をフュエル・セルと名付けたが、失敗に終わり、その実用化は、1959年、英国のフランシス・ベーコンらによる5kwの燃料電池の完成まで待たなければならなかった。

 ところで、広瀬によると、フュエル・セルを日本で「燃料電池」と訳しているのは、完全な誤訳である。「燃やしもしなければ、電気もためずに、燃料電池とは、これいかに」であって、実際にはフュエル・セルは、「爆発しやすい水素」を燃やすわけでもないし、それで生まれる電気を「公害の塊である電池」に貯め込むものでもなくて、「水素と空気(酸素)を入れると電気が流れ、同時に熱を出しながら水が出来るような発電機」である。確かに、セルは「電池」の意味でも用いられるが、物理化学では「電気分解装置」のことで、「燃料=エネルギーを得るための電解槽」というのが逐語訳。多少意訳して「電解発電機」か「水素発電機」だろう。

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INSIDER No.9-1《HYDRO REVOLUTION》(1)石油から水素へ──電力会社の危機の本質

 3月30日付の日本経済新聞近畿版に「関西電力が、ガスを売る。驚きですか」という関西電力の全面広告が出た。「電力会社が、電気に加えてガスを売る。これには理由があります。お客さまにご希望のエネルギーシステムをお届けするためです。……4月2日『関電ガス&コジェネ株式会社』を設立、ガスの販売をはじめコジェネシステムのサービスを提供します」というこの広告の意味を理解できたのは、専門家や業界関係者を別にすれば、広瀬隆『燃料電池が世界を変える』(NHK出版、2001年2月刊)を、この著者独特のリテラシーの難渋さに耐えて最後まで読み通した熱心な読者だけだろう。

 一言をもってすれば、この広告は、石油から水素への人類のエネルギー源の転換という驚天動地の事態が進行するに伴って、10年後ではないかもしれないが、15年か20年後にはたぶん確実に、関電を含めた電力10社体制そのものが廃絶されるに違いないという見通しが強まっている中で、せめて最後は天然ガスの輸入・供給会社として生き残るしかないかという、同社の悲壮な覚悟の一端を示したものと読むべきである。

●電力自由化の衝撃

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