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FROM THE EDITOR アーカイブ

2008年7月14日

INSIDER No.448《FROM THE EDITOR》

●「大阪高野塾」第7回は7月15日に開催!

 大阪高野塾の第7回は7月15日18:30より、北浜東のエルおおさかで開かれます。詳細はhttp://osaka-takano.com/schedule/100000003157.htmlをご覧下さい。

●8月モンゴル旅行は中止となった!

 かねてお知らせしてきた8月のモンゴル旅行は、諸般の事情により中止します。事情とは、期日までにお申し込みいただいた人数が私共が内々に想定していた最少催行人数をやや下回る程度にとどまったこと、私自身と主催者である創樹社の山川氏がそれぞれに仕事上、俄に身辺多忙になってきたこと、さらに6月末の総選挙後に現地の政情が不安になっていることなどで、それらを勘案して無理に実施することもあるまいとの結論に至ったものです。お誘いしておいて、読者のからからも何人かお問い合わせなど頂いていたにもかかわらず、このようなことになり誠に申し訳ありませんが、ご了承下さい。来年はモンゴルもしくはウズベキスタンの旅を企画する予定ですので、ご期待下さい。

●「ジャーナリスティックな地図」が発売された!

 私が池上彰、麻木久美子両氏と共に監修に携わった地図帳『現代世界を斬る!ジャーナリスティックな地図/世界・日本』が帝国書院から発売された。後半は普通の世界と日本の地図帳、前半は50余りのテーマについて地図・写真・データ・グラフをふんだんに使って解説したテーマ図で、環境、社会、政治経済、国際、文化・娯楽などの分野の身近な問題について分かりやすく解説している。

 7月2日発売で、その日に麻木さんのご尽力で「はなまるマーケット」で5分間ほど取り上げられたことも奏功して、初日にして「楽天ブックスデイリーランキング」14位、「アマゾン総合ランキング61位を記録した。定価1600円。是非お買い求め下さい。

●《ざ・こもんず》は内容・形式とも全面刷新する!

 本誌が運営するブログ・サイト《ざ・こもんず》は、依然試行錯誤の最中ですが、このたびコンテンツとスタイルの両面で大刷新を敢行し、再スタートする予定で、現在鋭意準備中です。詳細が決まり次第お知らせします。ご期待下さい。▲

2008年3月 4日

INSIDER No.431《FROM THE EDITOR》

●三島由紀夫の幽霊が出てきそうだ!

 2日は夕方から福井市で、早稲田のOB組織=稻門会福井支部の総会での記念講演があって、懇親会にも付き合った後、福井の名門企業=江守商事の揚原安麿常務(元日本青年会議所会頭)の案内で同市JCの若手の皆さん10人ほどと深夜まで懇談。翌朝は二日酔い気味の中8時に汽車に乗って京都へ。巡回ルートになっている河原町から寺町にかけてのいくつかの古本屋さんを歩いていたら、ある店の店頭ワゴンに三島由紀夫『葉隠入門』(カッパブックス)が500円の値札を付けて置いてあって、懐かしくて思わず買ってしまった。

 その本は1967年、三島が市ヶ谷の自衛隊本部に殴り込んで自決する3年前に出た。私が買った古本の奥付を見ると75年=62版とあるから大変なベストセラーだったことが分かる。私は三島事件のとき駆け出し記者2年目で、とるものも取り敢えず市ヶ谷に駆けつけて、中の様子も分からぬまま遠巻きのようにして何やら緊迫したその場の雰囲気を嗅ぎ取っていただけだったのだが、それからこの事件について論評を書かなければならなくなって、真っ先にこの『葉隠入門』を読んだ。が、その本はとっくに手元になく、それから38年を経てたまたまこの日、それが500円の値札を貼られているのに遭遇したという訳である。夕方、数十年来通っている河原町の万菜屋「いろめし黒川」に寄って一杯飲みながらページを繰った。

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2008年1月28日

INSIDER No.425《FROM THE EDITOR》

●成人式で暴れる若者もいなくなって……

 数年前には成人式で騒いだり暴れたりする若者がけっこういたが、今年はそれも影を潜めて、カラオケ店のガラス戸を蹴破ったとか、酔っぱらい運転で通行人を引っかけたとかいう話が出た程度だった。主催する自治体がメンツにかけて事前規制を強化したことも功を奏したのだろうが、もともと今時の若者に本気でオトナ社会に反逆しようという気などさらさらないからだろう。

 読売新聞14日付文化欄「王子とニート/“反抗”にあこがれぬ若者」は、夜の渋谷で道行く男子十数人にハンカチ王子やハニカミ王子をどう思うかを聞いたところ、「あの活躍はすごい」「同世代の誇り」「励みになる」といった答えばかりで、彼らを悪く言う者は1人もいなかった、と書いている。イケメンで優等生、しかも野球なりゴルフなりの領域で第一級の実力を発揮しているとなれば、女性や親たちが褒め称えるのは当たり前だが、同世代の男子までが憧れを抱くというのはどういうわけなのか。

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2007年12月28日

INSIDER No.424《FROM THE EDITOR》

●もっと「ひどい年」になるのか、2008年?

 どうもこの何年ものあいだ、心を込めて「おめでとう」と新年の挨拶を交わしたことがないように思いますが、2008年は「酷い年」と言われた07年を上回る「さらに酷い年」になるのではないかという予感が胸を塞ぎます。「酷い年」はラテン語で「アナス・ホリビリス」と言って、イギリスで王室スキャンダルが相次いだ1992年をエリザベス女王がそう呼んで流行語になったそうですが(24日付日経)、07年日本のそれは、閣僚の自殺や総理大臣の職務放棄、年金制度の信頼破綻、経済無策の中での格差拡大、食品偽装の横行など、政治や経済、制度と生活の基礎がズルズルと崩れていくような事態の連続で、王室スキャンダルなどより余程深刻と言えるでしょう。しかも、そのどれ1つとして好転する見込みが経たないままの年越しで、これでは明るい挨拶をしろというのが無理というものです。が、物事は行くところまで行き着けば反転せざるを得ないのが必定。07年に悪いことは出尽くして、08年前半それも春まではその後始末に足を取られるけれども、後半にかけては少しは良きことが垣間見えてくるという展開を期待することにしましょう。

 私個人で言えば、07年は酷いどころか希に見る良い年で、還暦を機に人生二毛作目のスタートを目指して進めてきた安房鴨川山中での田園住宅建築プロジェクトを、約2年遅れではありましたが完遂、5月に移住し、今は薪割り、薪置き場作り、道路整備、湧き水濾過供給システムの点検などに追われる毎日です。しかも、その新居に長女が帰ってきて8月に初孫を出産、首が据わるまでの5カ月間同居して、「爺(ジジ)」と呼ばれるこそばゆさに耐えつつも、人の命とか脳とか言葉とかについて改めて深く考えるきっかけをたくさん貰いました。田舎暮らしに関しては、08年早々から畑の土作り、現在は砂を詰めたパイプで行っている湧き水の浄化をビオトープの大きな池を作って自然濾過に委ねられないかという実験、ご近所の皆さんとの連携で馬を飼ってミニ乗馬クラブを開設する新事業の検討などが課題です。

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2007年12月17日

INSIDER No.422《FROM THE EDITOR》

●フグかカワハギか?

 今日は大阪から松山経由で宇和島へ行って伊予銀行宇和島支店で講演、21時半に松山に戻って二番町の居酒屋「しら川」に立ち寄って、「活ハギ薄造り」で一杯。あれはカワハギでなくウマヅラハギだと思うが、水槽から上げたのを薄造りにして、たっぷりの肝や頭部の荒を添えた一皿(1900円)が感動的に美味しかった。

 カワハギはフグ目カワハギ属で、フグとは親戚関係だが、天然物を博多や大阪・黒門市場で食べて1万円、東京では3〜5万円もするフグと、こんなお値段で食べられるハギと、どちらが美味しいかというのは魚好きの間では昔から論争の種で、私はハギ派。何より肝を食べられるのがハギの利点で、醤油を垂らしたりポン酢に溶いたりしたのに浸して食べると身のコクが一層増す。フグのほうがコリッとした歯ごたえがあるが、逆に言うと歯ごたえだけで味もコクもないに等しい。大分県に行くとフグの肝を好きなだけ食べられて、その時は私もフグ派に転向するが、しかしフグの場合、身と肝はあくまで別物で、アン肝のごとくに肝そのものを味わいながら別途に味のない身の食感を楽しむということであって、ハギの身と肝の渾然一体をなった取り合わせの妙には及ばないのではないか。

 そもそも、下関のフグというブランド神話が出来上がって、どこで獲れても一旦下関に集めてそこから出荷すれば高く売れるという流通の仕掛けになっているのが気に入らない。なおさらそういうこととは関係のないカワハギに軍配を上げたくなるのである。しかもフグは冬場だけなのに対して、ハギは1年中食べられて、真夏はさすがに身が細って肝もないのでやめたほうがいいが、11月から5月くらいまでベストのシーズンが続く。フグよりもハギを!(12月6日)

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2007年10月30日

INSIDER No.417《FROM THE EDITOR》

●季刊誌『住む』が鴨川の拙宅を紹介!

 内閣が代わるという日に呑気な話をして申し訳ないが、農文協が発売元の季刊誌『住む』の昨日発売の号、「“農”ある暮らし」特集に安房鴨川の拙宅が紹介されている。見た人が「豪邸じゃん!」と言ってくれたが、それほどでもなくて、カメラマンの腕がいいので実物以上にキレイに写っている。先日訪れた知人のドクターが、「これは高野さんがインサイダーで書いていたイメージから、だいぶ奥さんの趣味に妥協したな。でも、奥さんを大事にしないと田舎暮らしに奥さんが付いてこないからね」と言っていたが、そういう面もある。根本にあるのはあくまで外の光、風、土がそのまま室内に流れ込む日本民家の構造だが、見てくれはどんなにモダンでもいいというのが私のコンセプトで、そこから先の仕上げのディテールやインテリアは奥さん任せでこういうことになった。でもねえ、ここにいて向かいの山を眺めていると、内閣が代わったなんてどうでもいいことに思えてきてしまうのがマズイんだよねえ。

「住む」:
http://www.sumu.jp

(9月26日《ざ・こもんず》掲載)▲

●愛国心とフリーター

 雨宮処凜(かりん)の愛国心論が面白い。『雨宮処凜の「オールニートニッポン』(祥伝社新書)は、処凜がパーソナリティを務めたネットラジオでニート&フリーター問題を縦横に語り合った公開ナマ番組の記録で、第4章では『論座』07年1月号に「『丸山眞男』をひっぱたきたい/31歳、フリーター。希望は、戦争。」を書いて話題になった赤木智弘ほかとの座談を載せている。赤木の論は、ごく簡単に言うと、経済成長世代が好き勝手をしてきて責任をとらずにのうのうと生きているのに、不況になったらなぜ若者がフリーター化して割を食うのか、その不平等をブチ壊して「国民全員が苦しむ平等」を実現するには「日本が軍国化し戦争が起き、たくさんの人が死ねば日本は流動化する。多くの若者はそれを望んでいる」というもの。処凜は赤木と同じ1975年生まれで、北海道から出てきて21歳で右翼団体に加入、愛国バンド「維新赤誠塾」でボーカルとして活動。今はフリーター、プレカリアート問題を中心に旺盛な執筆活動を展開している。その彼女が赤木論文への感想をこう語る。

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2006年11月 4日

INSIDER No.373《FROM THE EDITOR》

●昨夜の「朝まで」は6者協議再開と日本核武装論!

「朝まで生テレビ!」(11月3日深夜)に久々出演。今回のテーマは北朝鮮の6者協議復帰と日本核武装の是非論だが、13人の出演者で3時間マイナスCMだから1人当たり10分強の発言時間しかなく、消化不良に終わった。せいぜい7〜8人でないと無理だよね。それに、第1コーナーの在ワシントンのロビイスト=伊藤貫のインタビューも、わざわざ衛星中継まで使って約10分間を費やすほどの中身ではなく、ほとんど意味がなかった。

私の関心に引き寄せて補足しながら大事なポイントを挙げれば……、

(1)北朝鮮はなぜ早々に6者協議に復帰したのか。

第1に、金融制裁が、マカオのバンコ・デルタ・アジアの北の口座封鎖だけではなく中国銀行など中国の4大商業銀行による送金停止が加わったことによって、金正日体制を窒息寸前に追い込むほどの効果を発揮した。

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2006年9月14日

INSIDER No.366《FROM THE EDITOR》

●イスラム音楽祭「ラマダンの夜」、9月30日〜10月6日!

イスラム世界をまるで化け物が棲む暗黒の地であるかに描き上げて敵対するばかりのブッシュ米大統領だが、実は我々とて「イスラム世界」とか「中東」とか一括りにして何となく「危ない地域」「理解できない人たち」くらいに思っているだけで、そこに生きる人々の多様で豊かな暮らしぶりや歴史に根ざした多彩な文化に目を向けることは少ない。

東京を中心に、一部は諏訪、大阪でも9月30日から10月6日にわたって開かれる「ラマダンの夜/フェスティバル・コンダ・ロータ2006」は、中東・北アフリカの第一級ミュージシャンを一堂に会した画期的な連続コンサートで、宣伝リーフレットで昼間賢は次のように書いている。

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2006年6月13日

INSIDER No.358《FROM THE EDITOR》

●でんきを消して、スローな夜を。6月21日20時〜22時!

 今年も6月17〜21日、「でんきを消して、スローな夜を」を合い言葉に、「100万人のキャンドルナイト」が行われます。18日(日)には、東京タワー、六本木ヒルズはじめ全国の主要施設約3万3000カ所が消灯し、東京タワー下の芝・増上寺ではカウントダウンのイベントが行われます。山場は21日(水)夏至の日で、今年は恐らく700万人を超えるであろう参加者が、それぞれ家庭でオフィスで旅先で、20時から22時まで、一斉に電気を消して、ローソクを立てて子供に絵本を読んだり、恋人同士でワインを傾けたり、独り静かに物思いにふけったり、思い思いのことをして過ごします。

 この運動は、01年に米国でブッシュ政権のエネルギー政策に抗議して起こった自主停電ムーブメントに学んで、これを「キャンドルナイト」の名の下に日本でもやろうと、辻信一=明治学院大学教授(ナマケモノ倶楽部世話人)、藤田和芳=大地を守る会会長らが呼びかけて03年から始まったもので、ただ電気を消すだけでそれぞれが豊かな時間を味わうというだけの、まことに静かな社会運動。高野は毎年、呼びかけ人に名を連ねていて、今年は「闇が光より明るいという新鮮な驚きを一人でも多くの人に届けよう」というメッセージを書き送りました。また《ざ・こもんず》として賛同金を届けました。これらは下記の「キャンドルナイト」ホームページに掲載されます。

http://www.candle-night.org/

 読者の皆さんも、同ホームページで概要を把握の上、工夫を凝らしてご参加下さい。

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2006年5月15日

INSIDER No.354《FROM THE EDITOR》

●小沢一郎“待望”論が広がっている!

 イスタンブールからロンドン乗り継ぎで成田に戻って自宅に一泊、翌12日は読売TV『激テレ金曜日』の生放送で大阪へ。新横浜駅でリクルート社のビジネスマン向け情報誌『R21』を何気なく手に取って車内で開くと、その巻頭記事が「13年前に知識人が絶賛した1冊、小沢一郎代表のベストセラー『日本改造計画』を今こそ読んでみる」というものだったので、ちょっと驚いた。

 当時、政治家の著書としてはまったく異例なことに80万部を売ったこの本の新版を出してほしいということは、私が番組などで小沢に直接言い、また鳩山にも9月自民党総裁選前にそれを出して、さて安倍なり福田なり与謝野なりの“国家論”はどういうものなんだ、テレビ映りがいいとか悪いとかじゃなくて、この次元で論争しようじゃないか、とこちらから仕掛けて行かないとダメだ、と進言したりしてきたことなので、一般誌にこういう記事が出てくるのは我が意を得たりというところだ。

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2006年5月12日

INSIDER No.353《FROM THE EDITOR》

●ロンドンで「スルタンの象」を、イスタンブールで「ジンガロ」を観た!

 5月4〜5日に鴨川自然王国で約70人が大集合しての田植えがあり、翌日早々に成田を発ってロンドンに行き、フランスを代表する“ストリート・アート集団”=ロワイヤル・ドゥ・リュクス(Royal de luxe)のイギリス初公演「スルタンの象」を観て、それからイスタンブールに飛んで、これまたフランスが世界に誇る馬と人と音楽が織りなす“騎馬オペラ”=ジンガロ(Zingaro)の新作「バットゥータ」の初演を観て来また。どちらも、世界に類例のない強烈な個性を持ったダイナミックなパフォーマンスで、改めてフランスの持つ文化的創造力・発信力の凄さに打ちのめされる思いの5月連休だった。

 ロワイヤルは、「文化で町興し」の世界ナンバーワンの成功例と言われる(それゆえに日本の各自治体の文化担当者の巡礼地とさえなっている)仏ナント市を本拠に、巨大な機械仕掛けの操り人形を街頭に繰り出して、町民や子供らはもちろん訪れる観光客のすべてまでをも巻き込んで、町全体を舞台として駆使して幻想的な物語を縦横に展開するという壮大なパフォーマンスで知られるアート集団。30年に渡って欧州各地をはじめ世界中で公演して好評を博しているが、保守的なイギリスでは今回が初めてで、大変な騒ぎが現出した。

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2006年1月15日

INSIDER No.340《FROM THE EDITOR》

●「山田脩二の軌跡——写真、瓦、炭…展」2月4日から神戸で

 「カメラマンからカワラマンへ」のキャッチフレーズで知られる山田脩二さんの個展「山田脩二の軌跡——写真、瓦、炭…展」が、2月4日から3月19日まで神戸の兵庫県立美術館で開かれます。

 山田さんはそのキャッチフレーズそのままのタイトルの半生記を96年に筑摩書房から出していて、実際、プロの写真家として特に建築写真の分野で活躍する一方、70年代の日本列島を独自の視点で抉り取った写真集『日本村1969-1979』を79年に三省堂から出版して大きな話題を呼び、岩波書店の『日本の写真家』シリーズ全40巻でも第39巻(98年刊)が山田さんに充てられています。日本を代表する40人の写真家に入っているわけです。ところが『日本村』を出した2年後、突如として家族もろとも淡路島に移住して瓦職人の見習いになり、以後、様々な瓦による造形作品を発表しています。そして最近は炭焼きに関心を深めているらしく、そうした紙焼きから瓦焼き、炭焼きへという異色の歩みを、ここで一挙に中間総括しようというのが今回の個展です。

 イベントも多彩で、山田さん自身のトークと講演3回のほか、多木浩二(評論家)×伊東豊雄(建築家)×山田脩二のトーク(2月5日)、安藤忠雄×山田のトーク(2月25日)、田中泯(舞踏家)の独舞(3月17日)、桑野和泉(由布院「玉の湯」女将)×中西元男(PAOS&WGD代表)×山田ほかのシンポジウム「鬼才・山田脩二、誕生の背景」等々。開館は午前10時〜午後6時(金・土は午後8時)、月曜休館、観覧料1,000円。是非ご覧になることをお勧めします。

兵庫県立美術館 http://www.artm.pref.hyogo.jp/
神戸新聞の記事 http://www.kobe-np.co.jp/rensai/cul/308.html

※私と山田さんの出会いについては"The Commons"のブログ「高野孟の極私的情報曼荼羅」の1月15日付に書いています。▲

2006年1月 2日

INSIDER No.337-2《FROM THE EDITOR》あけましておめでとうございます・その2

 さて、私的には、今年も昨年と同様、日本を代表する世界的な指揮者=岩城宏之さんの「ベートーベン全交響曲連続演奏会」のコンサート会場で新年を迎えました。東京・池袋の芸術劇場で、12月31日午後3時半に開演、交響曲第1番が鳴り始めて、途中何度もの小休憩と夕食のための大休憩を挟みながら、第9番が始まったのが丁度1日0時。休憩ごとにワインや焼酎をしたたか飲んで、夢うつつの中で第九を聴きながらの迎春は至福でした。

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INSIDER No.337-1《FROM THE EDITOR》あけましておめでとうございます・その1

 あけましておめでとうございます。昨年11月に始まったこの《ざ・こもんず》サイトの実験運用が続く中で新しい年を迎えました。これを内容的にもビジネス的にも1日も早く確立して、「これでいいのか、日本!」の声を大きくしていくことが、今年最大の課題です。みなさまのご支援、ご協力を心からお願いいたします。

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2005年12月 3日

INSIDER No.330《FROM THE EDITOR 》

●明日のサンプロは・・・

 明日のTV朝日『サンデー・プロジェクト』は(1)田原コーナー1/欠陥マンション問題追及第2弾「どうする?どうなる?」、(2)田原コーナー2/なんでこうなった?「YK←→K」、(3)財部誠一取材「世界最高峰/GEの秘密」——の3本。コメンテイターは財部と高野。(1)は、今夕6時時点で「出演者未定」となっているから、まだモメているんでしょう。こういうことはあるんで、前日の夜中まで出演者が決まらないことも、しょっちゅうではないが時折あること。番組のプロデューサーやスタッフが胃潰瘍になるケースだ。(2)は加藤紘一と山崎拓の出演。かつてYKKと並び称されたこの2人と小泉だが、加藤は靖国問題などで小泉を批判、山崎も内閣改造で冷遇されて離反? かつての“盟友”は何のために結集し、どうして袂を分かったのか。「3人の半生の軌跡を辿る人情噺」だと。(3)は年間売上げ15兆円の世界最高峰の大企業の秘密を財部が探る。

 明日は、サンプロの後、いつものように田原さんはじめ出演者と一緒に六本木ヒルズの一角で昼食を共にし、それからラグビー早明戦を国立競技場で観戦。終わって、かつての早稲田の神話的ウィング=藤原優が主催する“祝勝会”(早稲田が勝つと決めている——勝つでしょう、清宮監督率いる早稲田は今年は一段と強い)。伝統の早明戦に敬意を表して、明日のサンプロでは私も早大ラグビー部のオフィシャル・ネクタイを着用する。毎年、早明戦とか大學選手権とかにサンプロ出演日が当たれば必ずそうしているのだが、知らない人は何のネクタイか分からないよね。ささやかな公私混同です。▲

2005年11月24日

INSIDER No.328《FROM THE EDITOR》

●巨大企業はサイコパス(人格障害)集団なのか?

 カナダのブリティッシュ・コロンビア大学法学教授=ジョエル・ベイカンの著書『私たちの社会は“企業”に支配されている』(早川書房、04年11月刊)を原作に、同じくカナダの2人の社会派映画監督が制作したドキュメンタリー映画『ザ・コーポレーション』が、12月10日からのロードショー公開を前にあちこちで話題になっている。

 映画では、巨大多国籍企業による反社会的暴力とそれに対する闘いの事例が7つ採り上げられ、米国の超過激派=マイケル・ムーア監督やノーム・チョムスキーMIT教授らの証言も交えながら、コーポラティズムに覆われた我々の社会のあり方を根源から問いかける。事例の1つは、米国最大のテレビ・ネットワークであるフォックス・テレビで遺伝子組み換えの牛の成長ホルモン剤の弊害を告発しようとした2人の記者が解雇され、内部告発者保護法に基づいてフォックス社と争った事件。米国で唯一、認可された牛の成長促進のための遺伝子組み換えホルモン剤が、米モンサント社のrGBH(商品名=ポジラック)で、93年に販売を開始、今では全米の乳牛の25%以上にこれが投与されている。

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2005年11月 9日

INSIDER No.325《FROM THE EDITOR》

●『ニュースがすぐにわかる世界地図』06年版が発売された!

 私が企画に参与し図解特集の主要部分を執筆した『ニュースがすぐにわかる世界地図』06年版が小学館から発売された。05年版と同様、(1)いま焦点になっているテーマを図解特集で取り上げて地図やチャートを使って解説し、(2)通常の世界地図帳に各国・地域の最近の主な出来事を要約した簡単年表を書き込み、(3)国際情勢理解のためのキーワード事典を付す——という3部構成。今年はさらに、巻頭に田原総一朗が登場、「田原総一朗のニュースの読み方/よくも悪くも中国・アメリカ」と題して、日本にとって対中国、対米国の関係をどうマネージすべきかを4ページにわたって語っている。

 特集テーマは「ブラックホール・チャイナの脅威」で、中国のGDPが2016年には日本を、2041年には米国をも抜いて世界ナンバーワンになるとの予測を出発点に、この巨大化する中国と世界は、そして日本はどう付き合っていくべきなのかを、政治・経済両面からさまざまに分析し、結論として、今年12月クアラルンプールで開かれる「第1回東アジアサミット」をきっかけに胎動しつつある「東アジア共同体」=「30億人の形成に向かって日中両国が共同のイニシアティブを発揮すべきことを説いている。特集末尾には、中国戦後史、統治の仕組み、首脳部の変遷、領土、省別データ、中国をさらにくわしく知るためのブックガイドなどが要領よくまとめられており、資料として便利である。

 定価1680円。お近くの書店でお求めを。▲

2005年10月29日

INSIDER No.324《FROM THE EDITOR》

●6日に早稲田で「国際協力を考える」シンポジウム!

 11月6日(日)13:30から早稲田大学で、「日本の国際協力について考えるシンポジウム」が開かれます。これは、高野が指導する大隈塾ゼミのOBたちが早稲田祭参加プロジェクトとして自主的に企画したもので、学生たちのスーダン問題の共同研究をベースにして、丹羽宇一郎=伊藤忠商事会長の基調講演、対アフリカODA問題に誰よりも詳しい鈴木宗男=衆議院議員ほかによるパネル討論が展開されます。丹羽会長とムネオという取り合わせがなかなか凄いです。一般にも公開しますので奮ってご参加下さい。

■11月6日(日)13:30〜16:50
■早稲田大学・西早稲田キャンパス 14号館201教室
■入場無料
■学生発表
「ホワイトキャラバンの活動」 ほっとかない学生プロジェクト
■基調講演
「ビジネスマンと国際協力」 丹羽宇一郎(伊藤忠商事会長)
■パネル討論
「国際協力のホンネ——いったい、私たちに何ができるの?」
鈴木宗男(新党大地代表・衆議院議員)
伊勢崎賢治(立教大学教授・日本紛争予防センター参与)
高野洋(漫画家・『国境を駆ける医師イコマ』作者)」

※概要については、http://www16.plala.or.jp/pirolo/
※参加申し込みは、ohkuma2005@hotmail.co.jp

2005年10月25日

INSIDER No.323《FROM THE EDITOR》

●29日に早稲田で「内部告発」シンポジウム!

 今週末、早稲田大学で行うシンポジウムで、高野がコーディネーターをします。ご都合のよろしい方はご参加ください。入場無料で一般参加も大歓迎です。以下、詳細。

【テーマ】
早稲田大学カルチャートーク2005
「何のために働くのか?」
〜私が≪内部告発≫を決断したとき〜

【日時】
10月29日(土)12:30開場、13:00開会、15:10閉会

【会場】
早稲田大学 井深大(いぶかまさる)ホール
(中央図書館下・東西線「早稲田」駅から徒歩5分)

【コーディネーター】
高野孟 

【パネリスト】
串岡弘昭(トナミ運輸社員)
内部告発の先駆者。
運送業界の闇カルテル・不正運賃を内部告発し会社からの過酷な差別と四半世紀以上闘った。(現在も係争中)

水谷洋一(西宮冷蔵社長)
雪印食品の偽装牛肉を内部告発したことで一躍有名に。
一時は自主廃業に追い込まれるも、現在は、営業を再開。
      
【主催】
早稲田大学学生部(学生生活課)
「内部告発シンポジウム」企画委員会

【お問い合わせ】
TEL:080-502603791
E-Mail:journalist@ruri.waseda.jp 
(代表:早稲田大学政治経済学部4年 高橋)

【URL】
http://www.waseda.jp/student/bunka/

2005年10月19日

INSIDER No.321《FROM THE EDITOR》

●10月22日、日比谷野音で喜納昌吉の「戦争より祭りを!」コンサート!

 10月22日(土)16時から日比谷の野外音楽堂で喜納昌吉がコーディネートする「戦争より祭りを!核兵器廃絶ピースコンサート」が開かれます。

 特別ゲストとして、スティーブン・セガール(ミュージシャン&俳優、米国)、リン・チェン(二胡奏者、中国)の2人、ほかに喜納昌吉&チャンプルーズ、秋辺得平(アイヌ民族芸能)、南越谷合同連(阿波踊り)、大城信行(沖縄空手古武道)、赤嶺正一(琉球舞踊)、金剛山歌劇団(在日朝鮮伝統芸能)、李花子(在日韓国伝統芸能)など多数出演。ゲスト・スピーカーに米先住民のイロコイ連邦およびホピ族の代表、ジャーナリストのベンジャミン・フルフォード、作家の星川淳なども登場します。

前売券4,000円、当日券4,500円で、ちけっとぽーと(03-3357-9999)ほか各プレイガイドで発売中。
ホームページはhttp://matsuri-peace.com/

 なお21日(金)にはこれと連動した企画でシンポジウム「ピース・チャランケ〜憲法9条と大いなる平和の法」が明治大学駿河台校舎・大学会館で17時から開かれます。上記の米先住民代表、ベンジャミン・フルフォード、秋辺得平(北海道ウタリ協会副理事長)、喜納昌吉、星川淳、保坂展人などの皆さんがチャランケ(アイヌ語で徹底討論の意)します。▲

2005年10月 6日

INSIDER No.317《FROM THE EDITOR》

●『GRAPHICATION』で結城登美雄さんと地域について語った!

 富士ゼロックスの隔月刊のPR誌『GRAPHICATION』は、企業のPR誌というイメージからはおよそかけ離れた、知性的な文化誌として昔から知られていますが、その9月発行のNo.140の特集「地域の自立と再生」で私と結城登美雄さんが対談しました。

 結城さんは、本欄に何度も登場していますが、仙台在住の民俗研究家にして地域再発見のための「地元学」の提唱者の1人で、この雑誌でも2000年以来「東北を歩く」を連載しています。宮城県の旧宮崎町の人たちが「うちの町は田んぼばかりでコンビニの1軒もない。何とか特産品でも作って全国に売り出そう」と思い立って結城さんに相談したところ、結城さんは「何を言ってるんだ。コンビニがないなんて名誉なことじゃないか。庭先にはおいしい野菜がある。裏山に行けばさまざまな山菜やキノコがある。小川には魚がいる。こんな豊かさに囲まれていて、何で自分たちが豊であることに気づかないんだ」と一喝。それがきっかけになって、周りの旬の食材を活かして昔から各家庭で作られてきたバアちゃんの手作り料理を1軒1皿持ち寄ってみようじゃないかということになり、第1回の「食の文化祭」が開かれました。皆さん「こんなもの、何が面白いんだ」と思いながら、しかし1000もの料理が集まってそれを小学校の体育館に並べた時の壮観に驚き、自分らの地域の持っている豊かな自然の力とそれを上手に活かしてきた昔からの暮らしの知恵を再発見したのでした。最初は年1回開かれていましたが、「旬というなら季節ごとにやらないと」ということになり、今では年4回、春夏秋冬開かれて、全国から何万人もが訪れる一大観光イベントに発展しました。結城さんは、この文化祭を企画し指導した功績を主な理由として、今春、文化庁の芸術選奨(芸術振興部門)を受賞しました。

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2005年9月28日

INSIDER No.314《FROM THE EDITOR》

●10月10日にニューオリンズ支援の緊急ジャズ・コンサート!

 ジャスの故郷=ニューオリンズを救おう!という日本のデキシーランド・ジャズの大御所=外山喜雄・恵子夫妻の呼びかけで、10月10日(月・祝)13〜18時、恵比寿麦酒記念館・銅釜広場にプロ・アマ問わず15のオールド・ジャズのバンドが結集して『ジャズエイド緊急サッチモ祭』を開催します。入場は無料ですが、会場で救援金の寄付を集め、それをニューオリンズのジャズ関係の人・組織・施設をはじめ低所得層の人々の支援に活用します。奮ってご参加の上、多額の寄付をお願いします。

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2005年9月26日

INSIDER No.313《FROM THE EDITOR》

●ビデオニュースの「マル激」に出演した!

 神保哲生さんが主宰するインターネットTV放送局「ビデオニュース・ドット・コム」のメイン番組「マル激トーク・オン・ディマンド」に出演しました。今週のテーマは「前原民主党復活のシナリオとは」で、前半が神保さんと宮台真司さんによる前原誠司=民主党新代表のインタビュー、後半はそれを受けて神保・宮台両氏と私のトークです。

 「マル激」は有料で、月500円を払って会員になると視聴することができます。http://www.videonews.com/へどうぞ。▲

2001年9月17日

INSIDER No.27-1《FROM THE EDITOR》

●驚天動地の米同時多発テロ

 深夜に帰宅して、世界貿易センターが崩落する映像を見たときには、それがすぐに現実のこととは思えず、トム・クランシーの小説を元にしたハリウッド映画かと錯覚したほどでした。米国ばかりでなく日本も含めた世界中のどこでも、いつでもこのようなことが起こり得るということもさることながら、“文明国”と言われる場所で豊かで安穏な暮らしを営む我々が世界にはまだこれほどの絶望、これほどの憎悪に生きそして死ななければならない人々がいることをろくに知ろうともしなかったことが、私には衝撃でした。本文では、取り敢えずの分析を試みました(やや時間がかかって発行が遅れました)が、これは当分の間ニュースを覆い続けるテーマとなるに違いなく、本誌としてもじっくり腰を据えて取り組んでいくつもりです。

 本文では、事件の経済面の影響について触れる余地がありませんでしたが、16日の「サンデー・プロジェクト」でNYから衛星出演した榊原英資さんが、世界同時不況的な状況が深まっていくのは避けられないが、米国民はその痛みを耐える覚悟をすでに固めていて、時間はかかっても必ず乗り切っていくだろうとの見通しを述べると共に、翻って日本がこれであわてふためいて、構造改革を先延ばししてデフレ対策の名の下に大型補正予算を組むようなことになれば、日本の国債市場が崩落する危険があり、それが引き金となって世界金融システムを揺るがすことになりかねないと提言しました。対談相手の竹中大臣も「そんな政策はありえない。総理の構造改革への決意は揺るぎない」と、いつになく強い調子で断言していましたが、まさにここが焦点であって、危機に便乗する形で自民党内の亀井的抵抗勢力が巻き返しに出ることを何よりも警戒しなくてはなりません。

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2001年9月 4日

INSIDER No.26-1《FROM THE EDITOR》01/09/03岡山発

●ウズベキスタンに行ってきた!

 『オペラ「夕鶴」中央アジア公演支援ツァー』100人余りのグループの一員として、8月25日から9月1日までウズベキスタン共和国を訪れ、首都タシケントの国立ナヴォイ・オペラ&バレエ劇場での「夕鶴」観劇のあと、街ごと全部がイスラム文化の博物館として世界遺産に登録されているヒヴァ、日本で言えば奈良に当たる古都ブハラ、そして同じく京都と言っていいサマルカンドを駆け足で回ってきました。人生の終わりはモンゴルから馬で中央アジアに旅立って途中で野垂れ死にしたいなどと戯言を言っている私ですが(文芸春秋社刊『私の死亡記事』の拙稿参照)、モンゴルや中国から西のシルクロード諸国にはこれまで足を踏み入れたことがなく、今回がその予備調査のための記念すべき第一歩となりました。

 詳しい報告は本文に譲りますが、タシケントから西部のウルゲンチに飛行機で飛んでヒヴァの遺跡で半日を過ごした後、翌日は朝4時起きでウルゲンチからブハラまで、ただただキジルクム砂漠を眺めるだけの8時間のバスの旅。ブハラを夕方2〜3時間で走り回って、翌朝はまた5時起きでサマルカンドまでバスで5時間かけて移動し、さらに翌日はまたタシケントまで5時間。「上海飯店」という多分同国で唯一の中華レストランで慌ただしくお別れパーティをして、そのまま空港へ行って8時間飛んで関空へ……というなかなか過酷な日程で、現地では元気だったのですが、さすがに帰ってからグッタリ。しかも日曜日はサンデー・プロジェクト、月曜日から3日間仕事で岡山、広島、丸亀と巡業。その合間にこれを書いているような有様で、本誌及び紙版本誌の発行が遅れたことをお詫びします。

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2001年7月30日

INSIDER No.25-1《FROM THE EDITOR》

●小泉改革は「信任」されたのか?

 参院選結果を報じる翌日各紙が一面トップで自民党「圧勝」(毎日・東京)、「大勝」(朝日・読売・日経)、「勝利」(産経)と書くのは当然として、それで「改革」はどうなるのかについて、「小泉改革に信任」と見出しを立てたのは日経だけ。産経は見出しで「小泉改革を支持」と言い、本文中で「小泉首相の政策全般が国民の信任を受けた」と述べています。他の多くは「改革推進に弾み」とか「追い風」とか、まだこれからが勝負だというニュアンスを出すよう心がけていて、その違いが面白いです。産経が上の表現に続いて「平成になってから11人目の小泉首相でやっと安定した政権運営が可能になり、懸案を処理する政権基盤が構築できたことの意味は大きい」と書いているのは、飛んでもない間違いというか過剰期待で、むしろ政権運営はかつてなく難しく、場合によって自民党分裂、政界再編成に転がり込んでいく可能性が強まったと見るべきです。

 余計なことですが、こういうエポックの際には、普段読んでいる1紙か2紙だけでなく主要紙をひとわたり買って眺め渡すようお勧めします。大見出しも皆同じように見えますが、よく見るとニュアンスが違うし、まして論評や社説はそれぞれに着目点がズレていたり解釈が分かれていたりするので、どれか1つに引きずられることなく、自分なりの捉え方を作らなければなりません。「新聞は比べて読む」のがジャーナリズム学の第一歩。さらに、各紙の違いは大きな記事よりもむしろ下の方の小さな記事に現れていることが多いので、「新聞は下から読む」ことも心がけるべきでしょう。

●兵庫県篠山市に「モンゴルの里」オープン!

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2001年7月10日

INSIDER No.22-1《FROM THE EDITOR》

●『JSA』が凄かった!

 韓国で史上空前の興行記録を達成した『JSA』を遅ればせながら観て、こういう凛々しい映画は、何もかも緩みきったような今の日本ではもう作れないのかなあと、映画そのものも切ないのですが、そのことのほうがもっと切なくて、唇を噛む思いで映画館を後にしたのでした。平日の午後とはいえ、入替制のその回の観客は30人ほど。現実の 「38度線」を目の前に抱えている韓国と切迫感が違うのは仕方ないとして、戦闘アクションであり謎解きミステリーであり男の友情ドラマであり、そして何よりも韓国の若い世代(監督も主役たちも30代から20代)の南北問題の受け止め方の表出でもあるという、4次元方程式をいっぺんに走らせるかのような高等数学的な構成力を持ったこうした映画を、面白いと思う日本人はもう少なくなっているのでしょうか。同映画のサイトはhttp://www.jsa-movie.com/

●『原典・メディア環境』が役に立つ!

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2001年6月30日

INSIDER No.21-1《FROM THE EDITOR》

●東京都議選の結果

 確かに“小泉人気”の威力は抜群で、自民党は現有48議席に対して53議席を確保する勝利を得ました。とはいえ、前回の当選議席54に比べれば1議席減のほぼ現状維持であり、一部の新聞が「議席伸ばす」とか「自民再生」とか見出しを立てているのは、いささか持ち上げすぎでしょう。もし“森総裁”か“橋本総裁”の下で戦っていたら40議席を切る惨敗となって分裂状態に陥ったであろう危機状態が、小泉人気でかろうじて歯止めがかかったというのが本当のところです。自民党はこの結果を過信してはなりません。

 1つのポイントは、無党派層の動向。例えば日本経済新聞25日付の社説は「無党派層の票は今回、小泉改革に期待を込めて自民党に多く流れたと見て間違いない。これが自民党の勝因である」と、ごく常識的な見方を採っていますが、同じ紙面のすぐ隣にある田中愛治=早大教授のコメントは、「かつての自民党支持層で無党派になっていた有権者は自民党に投票したであろうが、従来“どの政党も支持しまい”と考えていた自覚的な無党派層は、自民党にそれほど流れ込んでいるわけではない。自覚的無党派層の中にも自民党の追い風が吹いていれば、自民党はもっと勢いを伸ばしても良いはずだ」と指摘しています。

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2001年6月28日

INSIDER No.24-1《FROM THE EDITOR》2001/07/26横浜発

●加藤秀樹「構想日本」に注目!

 大蔵省出身の加藤秀樹さんが主宰する市民派シンクタンク「構想日本」がいまなかなか面白い。加藤&構想日本が『中央公論』8月号に書いた「道路公団“健全経営”のカラクリ」は力作で、“伏魔殿”と言われる特殊法人の典型例として道路公団を採り上げて、同公団の外見上の“健全経営”は、「償還主義」と「全国プール制」によって赤字を限りなく将来に先送りできるカラクリと、償却費や除却費のコストを算入せずに赤字を黒字と表示することが出来る大福帳的な財務会計方式とによって粉飾されたものであって、普通の企業と同じ基準で査定すれば、すでに旧国鉄の民営化時点を大きく上回る大赤字で、その将来の返済不能債務は44兆円に達すると予測しています。同公団がろくに情報開示もしていない中で、ここまで会計手法のカラクリを突き止めて問題点を浮き彫りにしたのは画期的と言えるでしょう。

 ただし、付け加えれば、公団の収入が料金収入だけになっているのがもう1つのカラクリで、社団法人道路施設協会を媒介として旧建設省OBや道路族議員ファミリーが巣くう関連サービスの子会社が60以上もあって、それらは大儲けをしている実態がある。あのサービスエリアのまずくて高い食堂や、ランプの電球を切れても切れなくても取り替える作業といったすべてを公団が直接手掛ければ収入が飛躍的に増大するはずで、だとするとそれら子会社群の収支まで連結ベースで解明しないと、本当のバランスは分からないことになります。

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2001年6月15日

INSIDER No.19-1《FROM THE EDITOR》2001年6月15日横浜発

●小泉=田中内閣への賛否両論

 北海道新聞がホームページに「iとーく@参院選」というコーナーを設け、第1回は「小泉内閣の異常人気を考える」、第2回は「田中真紀子外相論」というテーマでインターネット上で読者に意見を戦わせて、その様子を要約して紙面でも報じるという、なかなか面白い試みをやっています(第3回は「構造改革、どうなる、どうする北海道」で現在進行中)。第1回では、相内俊一=小樽商大教授が小泉評価をめぐる熊さんとご隠居の対話という形式で問題提起をし、それに対して15歳から82歳まで93件の書き込みがあって、約5割が小泉支持。第2回では、残間里江子さんが真紀子支持論、高野が批判論を述べたのに対し、メール99件、葉書1通が届いて、やはり約5割が真紀子擁護でした。

 いずれもhttp://www5.hokkaido-np.co.jp/seiji/italk/index.htmlで、問題提起、道新側の解説、提起者の感想、投稿意見の全文、投稿者のプロフィール分析が読めるので、ご参照下さい。

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2001年5月31日

INSIDER No.18《FROM THE EDITOR》2001/05/31、麻布十番発

名古屋の中学生が“修学旅行”で訪ねてきた

 5月31日午後に、前々からの約束で、名古屋の桜山中学校の男女生徒6人が修学旅行の一環として本誌のオフィスを訪ねてきました。東京ディズニーランドをはじめいくつかの予定がある中で、この日の午後は30ほどのテーマごとに班を作って、自分らの将来の進路選択との関わりで興味ある人物やその職場を訪ねることになっていて、彼らは「ジャーナリストの仕事」というテーマで半年以上も準備をした上でやって来たわけです。「どうしてジャーナリストになったんですか?」「いちばんつらかったことは何ですか?」などと質問攻めに遭いながら1時間半ほどお話をして、それから「私の話だけでは偏るから」と、TBSの「ニュース23」デスクの金平茂紀さんのところまで案内して、インタビューとスタジオ見学をさせて貰いました。

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2001年5月17日

INSIDER No.17-1《FROM THE EDITOR》

●ADSLか光ファイバーか?

 韓国で超高速のADSL回線が行き渡って、同じインターネットと言っても我々が知っているのとは別の世界が広がっていることにいささかショックを受けたので(i-NSIDER No.14本欄参照)、日本でそれに少しでも近い環境を得るにはどうしたらいいか模索を始めました。

 ADSLとは、「非対称デジタル加入者線(Asymmetric Digital Subscriber Line)」の略で、日本でNTTが提供しているのは、電子メールの送信などデータ量の少ない上り(アップロード)には512Kbps、音楽や動画などこれからは大量のデータを取り込むのが当たり前になる下り(ダウンロード)には1.536Mbpsという、上りと下りで異なる速さを用いることで、既存のアナログ電話回線をより効率的に使って高速データ通信を実現する技術です(bpsは1秒あたりに送れる情報最小単位の量)。既にかなり普及している「総合デジタル通信網(ISDN=Integrated Services Digital Network)だと、上下とも64Kですから、ADSLになると理屈では上りで8倍、下りで24倍のスピードになるわけです。

 ところが実際には、(1)端末の設置場所から電話局までの距離が遠いと信号が減耗して速度が落ちる、(2)ISDNと周波数帯が重なるのでその干渉を受けやすい、(3)NTT直下のインターネット接続サービス「OCN」を通じると下りで平均650Kbps程度の速度が確保できるが、他のプロバイダーを使うとその半分の300K程度、酷いときには30Kほどまで落ちてしまうなど、不安定極まりなく、現実にどの程度の速度になるかはやってみないと分からないのが問題です。

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2001年5月10日

INSIDER No.16-1《FROM THE EDITOR》2001/05/10横浜発

●旅から旅への2週間

 4月25日から連休を挟んで5月8日まで、帯広(講演と乗馬)、ソウル・浦項(韓国経済とIT革命の取材)、鴨川(田植え)、沖縄(「サンデー・プロジェクト」番組スタッフ&出演者の研修?旅行)と旅が続いて、その間自宅に着替えを取りに戻ったのは2晩だけという、ちょっと珍しいスーパー・ゴールデン・ウィークでした。昨日、今日は久しぶりに自宅で山のようになった新聞・雑誌、郵便物、ファックス、そしてメールを整理しながらこの原稿を書いています。

 韓国取材の一端はNo.14本欄で触れました。今週の『Newsweek』のカバー・ストーリーは「韓国をうらやむ日本人」で、女性のエステや超高速回線が各家庭にまで行き渡ったIT革命やソフト開発、『シュリ』に続いて間もなく公開される『JSA』などの映画、さらには政府が進める大胆な経済構造改革まで、かつては韓国を軽んじていた日本人が今では同国を羨望の的にしていると書いていますが、まさにその通りです。他方、韓国もまた日本ブームで、日本映画に長蛇の列が出来るし、日本語熱はますます盛ん。原宿のような若者の街=明洞(ミョンドン)では「日本ホンモノタウン」というビル1軒丸ごと日本の憧れ商品を集めたショッピングモールがオープン間近で、和服姿の若い韓国女性が辻々でビラを配っていました。10日付毎日新聞“記者の目”欄で澤田克己ソウル支局員が、教科書問題で「韓国の人々は頭から湯気を出して怒っているに違いない」と日本人が思っているのは「誤解」で、韓国人は確かに怒ってはいるが、感情的になって過激な行動をしているのは一部だけだと書いているのは、本当です。

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2001年5月 1日

INSIDER No.14《FROM THE EDITOR》2001/04/28ソウル発

●ソウルの「PC-VAN」を見て驚愕した

 5年ぶりの韓国取材で連休をソウルで過ごしています。韓国の金融・財閥改革、それと裏腹のIT革命が日本のそれとどう違うかがテーマで、その一環として昨日は、ソウル市内だけで3万軒を超えてなお増え続けているパソコン喫茶「PC-VAN」の1つを覗きに行きました。薄暗い照明の下にPentiumIIクラスのパソコンが6列65台がびっしりと並び、土曜日の午後ということもあり中学生から20歳代のサラリーマン風まで若い人たちで満席。1時間200円程度(ここは盛り場の真ん中にあってちょっと高級でコーヒー飲み放題でこの値段ですが、普通は1時間100円)で、超高速のADSL回線を使って思い思いにオンライン・ゲームやビデオ・チャットなどを楽しんでいます。

 今一番人気のオンライン・ゲームは米製の「スタークラフト」というバトル系。たくさんあるサーバの1つを選んで入ると、「現在このサーバには6万3861人がアクセスし、1987組のゲームが行われています」と表示があります(もちろん刻々と変化する)。すでに行われているゲームに「私も混ぜて」と入ってもいいし、自分で新しいゲーム空間を設定して相手を募集してもいい。新しく立ち上げると、数秒を経ずして応募者が現れて、「こんにちは」「何がこんにちは、だ。俺は389勝137敗のツワ者だ。お前なんか叩きつぶしてやる」「いやいや、お手柔らかに」と早くも火花が散ります。30秒ほどで4人が揃ったところで(2人から6人までやれる)ゲーム開始。右手でマウス、左手でキーボードを目にも止まらぬ早業で操作して、それぞれに器材を選択して陣地を構築し、そこに燃料を掘って補給体制を整え、やがて頃合いを見て相手に攻撃を仕掛けるのですが、その間も素早く自分の陣地に戻って構築を進め、また別の相手からの不意打ちに対処しなければなりません。何も知らない我々には、何が何だか分からないスピードですが、案内役のホアンさんは「2週間くらい毎日数時間やれば基本を覚えて、オンラインで参加できるようになりますよ」と事もなげに言います。

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2001年4月24日

INSIDER No.13-1《FROM THE EDITOR》

●小泉圧勝に頭を抱える石原伸晃

 いやあ自民党総裁選は驚きました。前号で「小泉にチャンスがあるとすれば予備選で橋本を圧倒して第1位になった場合」と書いたものの、橋本派の業界・職域団体への支配力はまだまだ強いだろうという想定の下、結局は党員大衆や国民世論を無視して橋本を選んでしまうことで自民党崩壊は早まるだろうと見通していたのですが、自民党より先に橋本派が崩壊していて、「橋本では参院選は戦えない」という地元の危機感に跳ね飛ばされてしまったしまったわけです。

 22日の「サンデー・プロジェクト」に出演した石原伸晃さんが終始浮かない顔をして、番組後の昼食の席では「(小泉圧勝で)いやあ、困った。本当に困った。これじゃあ自民党から出られないじゃないですか」と頭を抱えていました。彼や塩崎恭久さんら若手改革派は、昨秋の「加藤の乱」の敗北後、参院選での自民党敗北を契機に決起して政界再編の引き金を引こうと覚悟を固めていて、小泉立候補となってからは、小泉が予備選で優位に立ちながらも結局橋本に負けて、参院選の前か後には「小泉新党」に向かわざるを得なくなることを期待していたのですが、そのシナリオがすっかり狂ってしまったことに「困って」いるのです。「下手したら、参院選で自民党が勝ってしまって、政界再編が遅れるかもしれない」というガッカリの仕方が面白かったです。

 小泉政権の行方と政界再編の見通しについては、全部の結果が出てから分析します。

●「政治参加」する7つの方法

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2001年4月16日

INSIDER No.12-1《FROM THE EDITOR》

●ワシントンでお花見・続

 No.10本欄で、桜が満開のポトマック河畔でお花見の宴会をしている人を見かけないのは変だと書きましたが、よくよく聞いてみると、この町では公園や駅頭など公共の場所で酒を飲むとお巡りさんに捕まってしまうそうで、それじゃあお花見も何もあったものではない。自由の国アメリカなどと言っていられないほど犯罪や暴力が深刻なことの反映なのでしょうが、煙草は吸えないし、表で酒は飲めないし、女性にうっかり口をきけばセクハラ扱いされるし、私はこんな不自由な国に住むことはないでしょう。

 また、前回「ソフトシェル・クラブ」と書いたのは間違いで「ブルー・クラブ」です。市場で両方を見たので混同してしまいました。読者のMさんより次の指摘がありました。「ワシントンには駐在で5年半ほどおりまして、小生もこの蟹をよく楽しみました。この蟹は“ブルークラブ”と呼ばれており、市場やスーパーで生きているものをごそっと買ってきて、茹でてビールとともに楽しみました。“ソフトシェル・クラブ”はこの蟹が脱皮したばかりのときの甲良が柔らかい状態のもので、まるごとソテーにして食べます。これは最高です。ですから茹でて食べる蟹の名は“ブルー・クラブ”が適当と思います。ワシントンDCから車で3時間ほどのデラウエア州の方にチンコティークという海辺の町があります。野生の馬で有名なところです。ここには海水と真水がいっしょになる湿地帯があり自然保護区になっており、ブルー・クラブ釣りが出来ます。時期は確か7月の独立記念日前。釣りといってもブルー・クラブ釣り用に近くのスーパーや肉やで売っている“チキンネック”を凧糸でしばり湿地帯の池に放り投げると、すぐにブルー・クラブがはさみ、それをたぐり寄せ網ですくい上げるといった具合です。そばのモーテルに一泊数十ドルで泊まり、釣ったばかりのブルー・クラブを庭にあるバーベキュー道具で沸かしたお湯ですぐに茹でて、ビールとともに楽しむのは最高です。

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2001年4月12日

INSIDER No.10-1《FROM THE EDITOR》

●ワシントンでお花見

 ワシントンは桜が満開。ここ一両日の真夏のような陽気で溢れるように散り始めた花を楽しむ人々でにぎわうポトマック河畔ですが、日本のようにゴザを広げて宴会をしている人を見かけないのは、平日の夕方のせいでしょうか。今回は特に目的もないワシントン滞在で、昨夜は、魚市場で、まだちょっと時期が早くて小振りですが、ソフトシェル・クラブという地で獲れる蟹を山ほど買って茹でて、テーブルに新聞紙を広げて食い散らかすという、ワシントン方式の「蟹パーティ」を楽しみました。今日は久方ぶりにスミソニアン博物館やナショナル・ジオグラフィック・ソサエティなどを巡回する予定です。

 ワシントン直行の全日空便のエコノミー席に乗ったら、何と、松井孝典=東大教授が隣の席。満席という訳でもない飛行機の中でこんな偶然というのがあるんだねえとお互いに大いに驚きつつ、飲んでしゃべって眠るというサイクルを3〜4回繰り返しているうちに12時間の空の旅も苦痛なく終わりました。彼は、NASA主催によるアストロ・バイオロジー(宇宙生物学)の国際会議に招かれてワシントンとフィラデルフィアに1週間滞在するとのこと。私が「いまインターネット上の“インタビュー”専門雑誌の企画を考えている」ことを話すと、彼は「じゃあ私が宇宙人とのインタビューを担当しよう」と言い出して、大いに盛り上がったのでした。アストロ・バイオロジーは、昨年からNASAが力を入れだした分野で、宇宙・太陽系・地球それぞれにおける生命の誕生と絶滅を包括的に解明するために、米欧日の研究者による共同研究体制を築こくとしているのだそうで、人類の宇宙への夢をさらに大きく膨らませるプロジェクトになることでしょう。

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2001年4月 1日

INSIDER No.8-1《FROM THE EDITOR》

●「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」がけっこう楽しかった!

 31日のオープンを控えた大阪「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」のプレビューに行きました。「どうせ子供だましなんだろうけど、まあ一応話題だから、一度は行ってみなくては」とやや斜めの気分で、大阪読売の斎藤喬記者と一緒に行ったのですが、ところがこれがなかなか面白くてオジサン2人でマップを覗き込みながら「次はこれに行ってみようか」「よし、あの角を左に曲がったあたりだな」などと、時間を忘れてはまり込んでしまいました。

 思い返すと、「東京ディズニーランド」に最初に行ったときも同じようなパターンだったような気がして、結局、とりわけ中年以上の日本人はアメリカ映画に弱いのでしょう。そのへんを上手にくすぐるような電子的な仕掛けは、ディズニーよりUSJのほうが一段と進化しているようで、これでもかというほど押し寄せてくる感じですが、そうと分かっていてあまりに簡単に引っかかる自分には苦笑してしまいます。

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2001年3月19日

INSIDER No.7-1《FROM THE EDITOR》

●森さんから「インサイダーはもう要らない」とお電話が!

 3月15日に森喜朗事務所から「インサイダーは今後送らなくて結構です」とお電話がありました。スタッフが「でも、年間購読料を頂戴しているので、その期間内はお送りしますが……」と言うと、「いや、もう要らない」とにべもないことでした。森さんは紙版の時代から15年にもわたる熱心な読者で、「君ね、このあいだこう書いてあったが、あれはちょっと違うんだ」とか、細かいところまで読んで頂いて折に触れご意見を賜るような関係で、昨年末の電子版への切り替えに際しても政治家の中では真っ先に申し込みをして頂いていたのですが、まことに残念なことです。しばらく前から「新聞は不愉快だから読まない」と言っていた森さんが、その後でも本誌を読んでいたのは確かで、たぶん10日配信の「ガラガラポンに向かう自民党」という記事が余程気に入らなくて、事務所秘書に購読中止を通告するよう命じたのでしょう。ご本人が命じることなく秘書が独断で電話をしてくることはあるはずがない訳ですから、こんな瀬戸際の状況にありながらもご自身で読んで怒って、「こんなものを俺の机の上に持ってくるな!」とか何とか叫んだに違いありません。名誉なことです。森さん、長年にわたるご愛読、有り難うございました。

●阿蘇の“野焼き”にボランティア参加

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2001年3月 1日

INSIDER No.5-1《FROM THE EDITOR》編集長より

●千葉県知事選は若井さんを!

 3月9日告示、25日投票で、千葉県知事選挙が行われます。私は民主党・社民党・連合が推している若井康彦さんを支援していますので、千葉県民の皆さん、よろしくお願いします。また千葉県に親戚やお知り合いがいる方は是非「若井を!」と声をかけて頂きたいと思います。前に本文で分析したように、自民党は四分五裂の混乱の果てに、結局、岩瀬良三=前参議院議員を立てることになりましたが、自民党系の2派66人の県議たちは誰も真剣に戦おうとしておらず、逆に一部は若井陣営に接近して来ているほどです。元さきがけ・現無所属の堂本暁子=前参議院議員も一部市民グループの担ぎ出しに乗って出ましたが、正直に言って、土建王国=千葉の変革は、「環境破壊反対」を叫ぶだけではどうにもならず、若井さんのような地域計画や地元興し運動のプロフェッショナルが、従来のような開発一本槍でないとすればどういう代案があるのかを具体的に提起して、県民の力を借りて現実的な転換を積み重ねて行かなければならないと思います。例えば、長野県の田中康夫知事が「ダムを止める!」と宣言したのは立派ですが、では実際の治水対策や地域振興計画としてどういうオルタナティブが提起できるかが問題で、そういうことになると若井さんがプロであるわけで(先日、若井さんは長野に田中知事を訪ねてそのことを議論し、大いに意気投合したそうです)、私は今までになかった新しいタイプの知事として面白い仕事をしてくれるものと大いに期待しています。

●高野の当面の予定から

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2001年2月14日

INSIDER No.4-1《FROM THE EDITOR》編集長より

●「国会テレビ」の危機・その後

 前号で報じた「国会テレビ」の危機は、同社が、各方面からの資金援助や視聴者が自主的に始めたカンパ活動に支えられて、1月末までに支払を求められていた衛星使用料の半年間の延滞分をJSATに支払ったことにより、ひとまず回避され、現在、放送は継続しています。しかし、月額500円を負担する“物好きな”視聴者によって支えられるしかないという現在の方式では、今後も毎月発生する約700万円の衛星使用料さえ賄うことが出来ず、さらに制作費や人件費は丸々赤字という状態が続くわけで、本質的には何ら問題は解決していません。同社としては、(1)引き続きJSATおよびスカイパーフェクTV側と「ベーシック」方式を実現するよう交渉を進めるとともに、それが実現するまでのあいだ放送を継続できるよう、(2)資金的後ろ盾となってくれるようなスポンサーの獲得、(3)民主党、自由党など同テレビに理解のある政党による有料の広告・番組提供の拡大、(4)視聴者による1口=10万円株主の募集、(5)現在約4000人の(とスカイパーフェクTV側は言っている)国会テレビ契約者を増やすための独自の営業活動……など、いろいろな手段を講じていく方針ですので、本誌読者の皆さんも是非ともご協力をお願いします。

●山川暁夫=川端治論集が2月下旬刊行へ

 本誌の創始者である故山田昭(共産党時代の筆名=川端治、その後=山川暁夫)さんの1970〜99年の単行本未収録の論文を1冊に編んだ論集『国権と民権』が2月下旬、緑風出版より刊行されます。同書の刊行に合わせて、一周忌と出版記念を兼ねた集いを3月24日午後1時より中央大学駿河台記念会館(お茶の水)で開催する予定です。会費は本代6000円を含めて1万円。山田さんに縁のある方はもちろんのこと、20世紀を最も激しく生きたジャーナリストの軌跡に少しでも触れてみたいと思う方はご参加下さい。

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2001年1月28日

INSIDER No.3-1《FROM THE EDITOR》編集長より

 このところ「地元学」という新学問に凝っています。創始者は仙台在住のライター&デザイナーである結城登美雄さんで、自ら「東北の400自治体はくまなく歩いた」と豪語しているように、毎週3〜4日を費やして農山漁村を足で歩いて、そこに息づく「じいちゃんばあちゃん」の生活文化を記録した『東北むら紀行/山に暮らす、海に生きる』(無明舎出版=秋田県の地方出版社:電話018-832-5680、ホームページhttp://www.mumyosha.co.jp/)というすばらしい本を98年に出しました。地方が東京に憧れてばかりいるのでなく、自分たちの足元にある自然や暮らしや歴史を、じいちゃんばあちゃんを訪ねて昔話に耳を傾けることから始めようというのが「地元学」で、彼は仙台周辺の町や村ごとにそのような調査・記録活動を指導して、10年余りのあいだにその成果を30冊にも及ぶ小冊子として刊行しました。その小冊子の要約総集編として、地元学の会編『地元学』(新しい杜の都づくり宮城野地区協議会:電話022-291-2111宮城野区役所内)も2000年に刊行されました。

 結城さんに触発されて西の果てから地元学の波を起こしたのが、熊本県水俣市の職員である吉本哲郎さん。水俣病とその補償を求める闘いで身も心もズタズタになってしまった町をどう建て直すかという時に、「ないものねだりよりあるもの探し」──誰を恨むでも頼るでもなく、自分たちが生きている地元の自然の恵みや歴史の重みを再発見する運動を組織して、それを「水のある風景・水俣」という壮大な1枚の絵地図にまとめました。それがきっかけとなって、同市は今では全国的に注目を集める環境都市に変貌したのです。その体験は、『私の地元学──水俣からの発信』(NECコミュニケーションズ)として95年に刊行されました。また地元学の方法を教科書風にまとめた『風に聞け、土に着け──風と土の地元学』(地元学協会事務局:電話0966-67-1659)も2000年に出ています。

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2001年1月 8日

INSIDER No.2-1《FROM THE EDITOR》編集長より

この「i-NSIDER」は、予告しているように、私が気分に乗っているときに書いて折に触れて出させて頂くことになるので、これはこれとして前号がNo.1、今号がNo.2ということで新規のナンバリングにして、印刷・郵送で欲しいという方には毎月1日と15日にその集成版を従来からの継続として(1月と8月はこれまで同様15日号が休みなので次は2月1日号No.465)お届けすることになります。印刷版にまとめるときには原則として加筆・修正はしませんので内容的には古くなっている場合もあると思いますが、それはあくまで印刷メディアにこだわることのデメリットとして甘受して頂かなくてはなりません。

 また、私が1年半ほど前から不定期で出してきた無料メールマガジン『農と言える日本・通信』を、今後は電子版読者には追加サービスとして送付しますが、量的にかなり膨大なので、印刷版には付加することはできませんのでこの点もご了解下さい。この通信は、鴨川での農林作業や帯広での牧場暮らし体験などの日程の告知など、関係者しか興味がないであろう部分も含まれていますが、農と食をめぐる最新の動向や政策問題を取り上げているので、その角度から日本の現状を捉える一助となるものと思います。

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2001年1月 1日

INSIDER No.1《FROM THE EDITOR》麻布十番発

 あけましておめでとうございます。

 と、まあ型どおりご挨拶してみたものの、雲ひとつない元日の東京の空とは反対に、世の中はよろずメリハリのつかないどんより状態で、こんなふうに21世紀を迎えたくなかったんだよなあという苦い思いが胸につかえます。

 今日11時から官邸で開かれた年賀式で挨拶に立った森喜朗首相は「今日、天気が悪くなったらどうしようと、夕べは心配で眠れなかったが、明けてみればこの日本晴れ」と、前途が明るいことを盛んに強調し、そのためにも「一番大事なことは、公明党、保守党に支えられ、自民党が核となって、安定した政権基盤を固めることであり、3党の結束で参院選を勝ち抜きたい」と述べましたが、300〜400人ほどのお客のほとんどを占める地元=金沢からバスで駆けつけた後援会の人たちから「頑張れー!」とまばらな掛け声が飛ぶくらいで、官邸の裏庭にはどことなく空しい雰囲気が漂っていました。

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