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    <title>インサイダー＆アーカイブ</title>
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    <title>INSIDER No.536《ANPO》核密約で露呈した日米安保の&quot;闇&quot;──外交にも「官僚主導体制の打破」が必要だ！</title>
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    <published>2010-03-10T14:22:51Z</published>
    <updated>2010-03-15T14:25:18Z</updated>

    <summary>　日米安保体制の裏側に、核の持ち込みをはじめいくつもの密約が隠されていることは、...</summary>
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        <name>《THE JOURNAL》事務局</name>
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        <category term="ANPO" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.the-journal.jp/contents/insider/">
        <![CDATA[<p>　日米安保体制の裏側に、核の持ち込みをはじめいくつもの密約が隠されていることは、天下周知のことで、驚くにはあたらない。有識者委員会の努力で多少ともその実態が明らかになって改めて驚くのは、外務官僚がいかに情報を占有し歪曲し隠蔽までして、内閣と国会と国民を操ってきたかという、外交における「官僚主導体制」の有害性である。</p>

<p><strong>●抑止力のまやかし</strong></p>

<p>　事は、単に「官」が「政」を操って国民に嘘をつかせたのがけしからんというに止まらない。少なくとも80年代までは、核弾頭を搭載した米艦船が自由に横須賀や佐世保に寄港したり、あるいはジョージ・パッカード米日財団理事長（元ライシャワー駐日大使特別補佐官）が明らかにしたように、1966年に在沖縄海兵隊が戦術核兵器を密かに山口県岩国基地に運び込んだり、好き放題にやってきた。ということは、国民は長い間、日本政府からそうと知らされないまま、いつどこで核爆発事故に遭うか分からない状態に置かれてきたということである。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　元外務官僚などがあちこちに登場して、「日本が米国の核の傘に依存している以上、核持ち込みを拒絶することは出来ず、しかしそれを明らかにすれば日本の反核世論の手前、政府がもたなくなるという中で、苦悩の選択だった」などといったことを言っているのは噴飯ものである。米国は別に、日本を他国による核攻撃から防衛してくれるために日本に核兵器を持ち込んできた訳ではない。グローバルな核戦略バランスの中で、ロシア極東、朝鮮半島、中国、台湾海峡に直面するこの国土を"不沈空母"として確保し前進拠点としてフル活用しようという、むき出しの国益に立ってそうしているだけのことであって、本当のところ日本に米国の「核の傘」が差し掛けられているのかどうかは疑わしい。</p>

<p>　米国の核の傘がなければ、たちまち北朝鮮や中国の核ミサイルが雨霰と降ってくるかのようなことをいう人もいるが、それは外交や経済の関係を捨象して抽象的な軍事の世界だけに立てこもって物事を単純に割り切ろうとするオタク的な見方である。現に北朝鮮は、２回にわたって日本の上空を飛び越してミサイルを発射して、米の核の傘など働いていないことをすでに確認しているかもしれず、であれば日本にいつミサイル攻撃があってもおかしくはないが、今のところそういうことは起きていないし、起きそうにない。付け加えれば、私が昔から言っているように、北がもし日本を核攻撃する意図があれば、核弾頭の開発などする必要はなく、通常弾頭のミサイルを日本の原発集中地域に降らせればよいのだが、今のところそのようなことは起きていないし、起きそうにない。起きそうにないのは、北が単純な軍事基準だけで自らの行動を決めていないからである。</p>

<p>　結局、外務官僚とそれに追随した政治家たちは、核の傘とは何であるかということを自らの頭で考えることも、米国に問いただすこともしないまま、その言いなりになって、つまりは米国の国益の側に寄って、日本国民を潜在的な核事故の脅威に晒してきたことになる。日本にとって核の脅威はまず米国から来ていたのだが、そのことを国民は知らなかった。</p>

<p>　これが核に限らず「抑止力」一般を論じる場合のポイントで、例えば沖縄の海兵隊は不可欠の抑止力だと米国側は言うけれども、どこからのどういう脅威に対する抑止力なのかはいっこうに具体的に語られることなく、「日本が攻められたらどうするんだ」というような恫喝的な話になってそれが神話化されてきた。沖縄県では08年の１年間に、航空事故27件、廃油による水質汚染事件６件、大規模な地表火災18件、強盗・強姦事件70件が起きていて、日本を守るためにいるはずの米軍が、まずもって日本国民を殺したり犯したりしているのであって、日本にとっての侵略の脅威はまず第一には米国によってもたらされているのである。</p>

<p>　日本を守って貰うためには、核持ち込みも航空事故も少女暴行も、国民が堪え忍ばなければならない防衛のコストなのだというのが、外務省と歴代自民党政権の論理であったのだけれども、それをそのまま受け継ぐべきなのかどうかが鳩山政権に問われていて、この密約問題も普天間問題もその議論の恰好の入り口となるに違いない。</p>

<p><strong>●鳩山政権にもっと時間を</strong></p>

<p>　前出のパッカードは、近着の『フォリン・アフェアズ』３・４月号に「米日安保条約の50年」と題した論文を寄せ、「ワシントンは鳩山新政権に普天間基地の問題を解決するために［５月末などと言わずに］もっと多くの時間を与えるべきである」と論じている。</p>

<p>「そもそもなぜ海兵隊が沖縄にいるのか、彼らは何の脅威に対抗しようとしているのか、と問う人もいる。しかしそのような問いにも鳩山の懸念表明にも応えようともせずに、ゲーツ国防長官は昨年10月に東京に来てただ06年合意を実行するように迫った」</p>

<p>　この後に上の「もっと時間を」という文が続く。そしてさらに彼は言う。</p>

<p>「より一般的に言えば、米国政府は日本の強力な第二党が選挙を通じて政権を得たことを、米国自身が種を蒔くのを手伝った民主主義が日本に根付き始めた証拠として祝賀すべきである。そうすることは、日本がペンタゴンの命令におめおめと従うことを今後は期待できないということを意味するだろう。そうすることはまた、日本の諸政党が安全保障の問題について自分なりの意見を持つ権利を認めることを意味するだろう。......ペンタゴンにとって愚かなことは、政権について１カ月しか経っていない鳩山を［ゲーツ国防長官を送り込んで］怒鳴りつけるような真似をすることである」</p>

<p>「ワシントンは"低姿勢"をとって、東京との間で安保をめぐるあらゆる問題を思慮深く再検討すべきである。......米国政府は、日本国内の米軍プレゼンスを削減したいという日本の切望を尊重すべきである。ドイツ、韓国、フィリピンのそのような切望に対してそうしてきたのだから。在日米軍のプレゼンスは、19世紀的な治外法権の考え方を思い起こさせるようなもので、それを取り決めている［日米地位］協定については再交渉すべきである」</p>

<p>　鳩山は、岡本行夫のような安保の"闇"の一部であるような人物のアドバイスに耳を傾けるのでなく、こういう真の知日派をこそ海を越えて内閣の顧問に迎えるべきではないか。▲ </p>]]>
    </content>
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    <title>INSIDER No.534《HATOYAMA》暴発か挫折か？瀬戸際の検察──小沢政治資金問題の結着間近</title>
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    <published>2010-02-03T13:11:14Z</published>
    <updated>2010-02-12T08:15:50Z</updated>

    <summary>　今週発売の『サンデー毎日』２月14日号の特集タイトルは「焦る&quot;特捜&quot;vs&quot;小沢...</summary>
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        <name>《THE JOURNAL》事務局</name>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.the-journal.jp/contents/insider/">
        <![CDATA[<p>　今週発売の『サンデー毎日』２月14日号の特集タイトルは「焦る"特捜"vs"小沢"高笑い」である。小沢が高笑いしているかどうかは別として、検察が焦りまくっているのは事実で、石川知裕衆議院議員ら３人の元小沢秘書の拘置期限切れとなる４日を前にして、その３人を政治資金規正法の「不記載」ないし「虚偽記載」で起訴するのは不可能ではないけれども、本命の小沢一郎幹事長をその「共犯」で起訴に追い込めるかどうかはまことに疑問で、ギリギリの判断を迫られている。</p>

<p><strong>●小沢は不起訴か？</strong></p>

<p>　TBSのニュースサイトは昨夜、「東京地検、小沢氏不起訴で最終検討」という観測記事を出した。検察リークには、こういう情報を１社にだけ流して被疑者側の反応を計ったり、油断させて裏を掻いたりするケースもあるから、素直に信じる訳にはいかないが、検察が少なくともこの段階で小沢を正面切って逮捕・起訴することは断念し、政治資金規正法違反の共犯で在宅起訴するのが精一杯、それも諦めて不起訴とするかどうかの苦衷の選択に追い込まれているのは確かだろう。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　TBS記事は次の通り。</p>

<p>▼民主党・小沢一郎幹事長の資金管理団体による土地購入をめぐる事件で、東京地検特捜部は、小沢幹事長を不起訴処分とする方向で最終的な検討を行っていることがわかりました。</p>

<p>▼この事件をめぐっては、収支報告書に嘘の記載をしたとして石川知裕容疑者ら３人が逮捕されています。３人は調べに対し、いずれも小沢幹事長の直接的な関与を否定しているもようです。</p>

<p>▼特捜部は最高検などと協議を行っていますが、現状では小沢幹事長の関与を立証するのは困難として、小沢幹事長について不起訴処分とする方向で最終的に検討してるということです。</p>

<p>▼小沢幹事長を不起訴処分とすることについては、検察内部で一部、異論も出ているということで、特捜部では３人が拘置期限を迎える４日をめどに最終的な判断をする見通しです......。</p>

<p>　繰り返しになるが、そもそもこの件は、「帳簿の付け間違い」という程度のことで、修正すれば済むことである。それを、現職国会議員を逮捕してまで無理矢理犯罪に仕立て上げようというのが無茶な話だし、ましてや帳簿付けのいちいちにまで関与しているはずがない小沢を共犯で引っかけるなどというのは、郷原信郎の表現を借りれば検察の「暴発」で、こんなことがまかり通るなら、検察が自分らの勝手な基準（というか好み）でどんな政治家でも罪に陥れることが出来る「検察テロ国家」になってしまう。</p>

<p><strong>●「水谷裏献金」の無理</strong></p>

<p>　それが無茶であることは検察としても百も承知なので、そこで、同時期の水谷建設からの5000万円の裏献金が不動産購入の原資の一部となったというお伽噺をデッチ上げて、単なる形式犯でない重大かつ悪質な犯罪であるかのような粉飾をこらそうと謀った。その唯一の手掛かりは、水谷建設の元会長が石川に5000万円を渡したと供述していることだが、この供述の信用性は極めて薄く、しかも石川は一貫して受け取ったことを否認しているようだ。考えられるのは、</p>

<p>（1）元会長が検察に脅されてありもしないことを言った（よくあることだし、元会長には虚言の前歴がある）、<br />
（2）水谷側が元請けの鹿島建設に対し「小沢事務所への挨拶料がかかった」と言ってその分を下請代金に上乗せして受領した（よくあることだ）が、実際には小沢側に支払わずにネコババしてしまった（これもよくあることだ）ので、鹿島の手前、「渡した」と言わざるを得ない、<br />
（3）石川は本当に受け取ったけれども自分でネコババしてしまった（これまたよくあることだ）ので、小沢の手前、「受け取っていない」と言わざるを得ない、</p>

<p>　などである。どちらにしても石川は、検察の思い通りの供述をすることはないだろうし、水谷の元会長の供述も公判段階で覆る可能性があるので、これは無理筋である。</p>

<p>　さらに、仮に石川が受領を認めたとしても、それが不動産購入資金となったことを証明するのはますます難しい。石川が、「不動産購入の資金が足りないので金を出せ」と水谷側に働きかけたとか、水谷からの5000万円が封も切らずに置いてあって石川が小沢に「ここに水谷からの5000万円があるのでこれも購入資金に使いましょう」と言い、小沢が「おうそうか」と答えたとかいう経緯が明らかにならなければ、このプロットは成り立たない。</p>

<p>　そうしてみると、３人の元秘書を起訴すること自体、常識外れのことであり、ましてや小沢を引っかけることなど出来るはずもないのだが、検察としてはここまでマスコミを使って煽っておいて、今さら後に引けない。何としても３人は起訴し、出来れば小沢も在宅起訴、それが難しければ、ここでは不起訴としておいて、二木啓孝が本サイトで言っているように、今回の押収資料から別の脱税など別件を見つけ出して、通常国会終了後、参院選前に小沢を逮捕するということだろう。しかし、その間にも「可視化法案」など民主党政権による検察改革が着手される。例え小沢が不起訴となっても、小沢vs検察の戦いはまだまだ続くことになろう。▲</p>]]>
    </content>
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    <title>INSIDER No.533《HATOYAMA》海兵隊の抑止力とは何かを検証せよ！──朝日オピニオン欄の柳沢協二の議論に同感する</title>
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    <published>2010-01-30T13:06:01Z</published>
    <updated>2010-02-02T13:12:55Z</updated>

    <summary>　ルース駐日米大使は29日に早稲田大学で講演し、沖縄県の米軍普天間基地の国外移転...</summary>
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        <name>《THE JOURNAL》事務局</name>
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        <![CDATA[<p>　ルース駐日米大使は29日に早稲田大学で講演し、沖縄県の米軍普天間基地の国外移転に強く反対する考えを表明した。「海兵隊は有事に誰より早く現地に乗り込む即応部隊。日本から移されれば機動性と有効性が著しく低下する」と指摘。同県名護市の辺野古に移設する現行案は「10年以上検討し、普天間を最短で閉鎖できるベストの案だった」と語った。</p>

<p>「周辺のあらゆる国が在日米軍の動きを注視している。日本で実戦に近い訓練をしている姿を見せることも目に見える抑止力になる」と述べ、駐留の意義を強調した。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　しかしこれはハッキリ言って素人の意見である。「海兵隊は誰より早く現地に乗り込む即応部隊」と言うが、ではその"現地"とはどこであって、そこでの"有事"とはどのようなものなのか。「日本から移されれば機動性と有効性が著しく低下する」というような危機とは、普通に考えれば、日本が近隣から直接侵略される場合、朝鮮半島か台湾海峡で大規模戦闘が発生する場合のどちらかだろうが、それらはそれぞれどの程度の蓋然性があるのか。海兵隊は近年、対テロ作戦能力を強化しているが、アジアで対テロが必要になるのは（イスラム勢力との絡みで言えば）北東アジアより東南アジアの方で、それなら沖縄よりグアムの方が「機動性と有効性が著しく向上する」のではないか。</p>

<p><strong>●率直な対等の議論を</strong></p>

<p>　これとは対照的に、朝日新聞28日付オピニオン欄に柳沢協二＝防衛研修所特別客員研究員（元防衛省官房長、内閣官房副長官補）が「"普天間"の核心／海兵隊の抑止力を検証せよ」と書いているのは玄人の意見である。</p>

<p>　彼の意見は、本論説が１月２日付で普天間問題に関して「日本として順番に米国に問うべきこと」として問１〜７を列記した際の問題意識とほぼ完全に一致する。防衛官僚の頂点を極めた人がこの段階でこういうことを発言するのも面白いし、それを朝日が載せたというのも面白い。柳沢の論点は要旨こうである。</p>

<p>▼普天間問題の核心は、抑止力をどう考えるかにある。鳩山首相も言及したが、問われるのは「海兵隊が沖縄に駐留することで得られる抑止力とは何か」だ。それを明らかにしなければ、普天間問題は永久に迷走する。</p>

<p>▼海兵隊はいつでも、世界のどこへでも出動する。特定地域の防衛に張り付くような軍種ではない。したがって「沖縄かグアムか」という問いに軍事的正解は存在しない。それを決めるのは、抑止力をいかにデザインするかという政治の意思だ。</p>

<p>▼抑止とは、攻撃を拒否し報復する能力と意思を相手に認識させることによって、攻撃を思いとどませることだ。相手が当方の意思を疑わなければ、個別の部隊配置は２次的問題である。</p>

<p>▼冷戦期、米ソは明確に敵対していた。だが今日、米・中・日は生存のためお互いを必要としている。経済の相互依存の深まりが抑止戦略をどう変化させるのか、検証が必要だ。</p>

<p>▼「海兵隊が抑止力」という考えの本質的な意味は、いざとなったら海兵隊を使うということだ。例えば、中国が台湾に進攻した場合、海兵隊を投入すれば米中は本格的衝突になり、核使用に至るエスカレーションに至るかもしれない。米国にとってそれが正しい選択で、日本は国内基地からの海兵隊出撃にイエスと言うのか。</p>

<p>▼自戒を込めて言えば官僚も政治家もこれまで、そういう深刻な戦略問題を十分に検証してこなかった。専門家は、あいまいな方が抑止力強化に役立つと言うかもしれない。だが、地元にとって基地はあいまいでは許されない現実の負担だ。</p>

<p>▼アジア諸国の中にも海兵隊のプレゼンスを望む声があり、米当局者もアジアの多様な課題には海兵隊が必要だと言う。だがそれは沖縄でなければならない理由にはならないし、本来の意味での抑止力でもない。</p>

<p>▼戦略的従属性と基地負担という２つのトゲの解消は、今なお同盟にとって最大の課題であり、結論を急がず、米国と「対等な」戦略論を展開してもらいたい...。</p>

<p>　賛成である。鳩山政権はこの人を内閣官房に戻して、普天間問題の対米交渉代表に任命したらどうなのか。</p>

<p>　まず、ポスト冷戦の時代に、とりわけ日本を取り巻く戦略環境において、有効な抑止力とは何かについて再定義が必要である。その上で、特殊的に米海兵隊が果たす抑止力とは何かについても再定義が必要になる。それを議論していくと、小沢一郎が１年ほど前に発言したように「在日米軍は第７艦隊だけで十分」という結論に行き着くかもしれないが、仮に海兵隊に託する抑止力機能があったとして、それを沖縄か県外かグアムのどこに置けばいいかの部隊配置策はさらに下位の問題である。こんな当たり前のことを議論することもなく米軍駐留の既得権益をひたすら温存させてきたのが「日米同盟」の実態である。</p>

<p>　参考までに、私が上記論説で挙げた「問１〜７」を以下に再録するので、柳沢の主張と読み比べて頂きたい。</p>

<div style="text-align: center;">----------------------------------------------</div>

<p>《問１》冷戦終結後に米軍内部で「海兵隊廃止」論が高まったことがあったが、この議論はすでに消滅し、近い将来に渡って再燃することはないのか。海兵隊そのものが不要ということになるのであれば、これから５〜10年の年月と１兆円にも上ろうかという費用をかけて新基地を建設すること自体が意味のないことになる。</p>

<p>《問２》仮に海兵隊は存続するとして、主として「第２次朝鮮戦争」とも言うべき大規模陸上戦闘が起きた場合に水陸両用で敵前上陸強襲作戦を敢行することを想定して沖縄にこう移築してきた「前方配備＝緊急展開」態勢は、朝鮮半島の緊張緩和の流れを含むこの地域の戦略環境の変化と、米軍の遠隔投入能力の飛躍的向上を考えると、もはや時代遅れなのではないか。</p>

<p>《問３》朝鮮戦争の可能性が限りなくゼロに近づいたとは言っても、台湾有事の可能性はまだ残ると言う人がいるが、仮にそうだとしても、台湾海峡危機の際には、米第７艦隊が介入することはあったとしても、海兵隊が陸上戦闘に加わるというシナリオはあり得ないのではないか。</p>

<p>《問４》朝鮮有事も台湾有事もほとんどありえないとしても、特に第31遠征隊には対テロ作戦や在外米人救出作戦の機能もあるので駐留は必要だと言う人がいるが、そのような事態は北東アジアだけでなく東南アジアでも起こりえて、東南アジアの場合には沖縄にいるよりもグアムにいるほうが近くて便利ではないのか。</p>

<p>《問５》仮に、それでもいいから沖縄に駐留したいという場合に、陸上部隊とヘリ部隊は沖縄に、戦闘機と空中空輸機は岩国に、ヘリ空母艦隊は佐世保にバラバラに分かれていて、しかも本隊司令部はグアムにあるという４個所分散配置は運用上不便ではないか。全部をグアムに統合配置する方がかえって即応力は高まるのではないか。</p>

<p>《問６》それでもなお第31遠征隊を沖縄に残すとして、それは、既得権益の維持という惰性のためでないとすれば、何のためなのか。「抑止力」のためだと言う人がいて、鳩山もコロリそれに乗せられたりしているけれども、誰の何の意図にたいする抑止力なのかを明らかにすることなくその言葉をオマジナイのように唱えて済むような時代は終わったのではないか。</p>

<p>《問７》以上すべてに合理的な説明が与えられて、現行案通り辺野古移転が再決定され、グアム移転と辺野古基地建設の新規費用及び既存基地維持のための「思いやり予算」の負担を沖縄県民を含む日本国民が納得したとしても、時間という要素がある。防衛省が行った辺野古移転の環境アセスメントは、現在辺野古にいる主力ヘリCH46とCH53などがそのまま移転するかの誤った前提で行われており、完成時に配備されると見られるMV22オスプレイ垂直離着陸輸送機はCHヘリに比べて４〜５倍のエンジン出力を持っているので、少なくとも騒音調査については初めからやり直さなければならず、それから着工したとして今から５〜６年先になるだろう。増して、辺野古以外の県外移設の場合はまず地元理解を取り付けて、それから環境アセスを始めるのだら、巧く行って８〜10年後である。その間にアジアの戦略環境はもっと大きく変わっていて、海兵隊の存在理由や沖縄駐留の根拠も薄れている公算の方が大きいのではないか。</p>

<div style="text-align: center;">----------------------------------------------</div>

<p><strong>●「日米危機」という幻想</strong></p>

<p>　もう１つ、最近の記事で目立ったのは『ニューズウィーク』最新号（２月３日号）の「"日米関係の危機"という幻想」という同誌記者＝横田孝の記事。要旨は以下の通り。</p>

<p>▼普天間見直しで、日米関係が悪化の一途をたどっているというのが定説になっているが、両国関係は言われているほど冷え込んでいない。北朝鮮問題では日米間の協調はこれまでになく強まっているし、核拡散防止や気候変動、テロ対策などのグローバルな課題でも、日米の姿勢に違いはほとんどみられない。日本政府がインド洋での給油活動の代わりにアフガニスタンに５年間で50億ドルの民生支援を約束したことも米政府から歓迎されている。</p>

<p>▼さらに日米同盟の根幹部分に関しても大きな対立はない。日米とも在日米軍の重要性を認識しているし、沖縄の基地負担を軽減すべきだという点でも一致している。</p>

<p>▼メディアとしては、日米間で生じた摩擦を大きく取り上げたくなるのも無理はない。特に日本のメディアは、日米関係を日本の親米保守と米国の知日派同士の仲良しクラブ的な関係と見がちで、この古い認識を捨て切れずに事を必要以上にあおっている節がある。</p>

<p>▼普天間問題の今年５月の期限まで、日本メディアのセンセーショナルな報道は続くだろう。だが、これを日米関係の危機だというのは大げさだ...。</p>

<p>　その通りである。日本が米国を"ご主人様"と崇めて言うなりになっていることが日米同盟を危機に陥れる危険を増大させてきたのであって、それを「対等」で率直に物言い合える関係にしようとする鳩山政権の姿勢が日米関係を救うのである。</p>

<p><strong>●若宮啓文にひと言</strong></p>

<p>　ついでに、本題とは関係ないが、上述の柳沢の主張が出ている同じ朝日新聞のオピニオンのページに若宮啓文＝同社コラムニストが「"平成の革命家"の命運は／小沢氏の暗雲」という一文を書いていて、その中で、「いま小沢一郎幹事長が４億円の不自然な土地取引を問われる事態なのに......勇ましい応援団の声もあって「民主党ブレーンの高野孟氏はインターネットで『鳩山政権は検察権力の横暴と対決せよ！』。明治以来の中央集権の主役だったのは官僚権力であり『その頂点にある検察権力』と『血で血を洗う戦いに突入すすのは必然』。民主党の『革命』と、検察の『反革命』の対決だと言うのだ」と、引用して頂いている。</p>

<p>　第１に、小沢が４億円で土地を買って秘書という名の選挙プロたちのための寮を建てるのは、彼なりの政治活動の一環であって「不自然」ではないし、まして「非合法」でもない。</p>

<p>　第２に、高野が「民主党のブレーン」であるかどうかは疑わしい。私は本サイトを通じて、勝手連的に民主党政権を基本的には擁護しつつも部分的には批判もしているだけのことであって、個人的レベルでは、政権発足以来、鳩山にも小沢にも一度も会ったこともない。こういうのは普通、ブレーンとは言わないのではないか。私も、ブレーンなどというものになるつもりはない</p>

<p>　第３に、で、その革命と反革命のどちらに立つのか、若宮自身の立ち位置はどっちつかずである。上掲の「高野孟氏は......」の引用の後、とんでもない見方だという批判を浴びせられるのかと思えばそうではなく、「それはまたオーバーなとは思うが、『革命だ』と口にしてきたのはほかならぬ小沢氏だった」と、高野が小沢を代弁しているにすぎないことを認めた上、「革命的な政治変革が必要......という小沢氏の持論......に共感する人は多かろう」と、他人事のように言う。自分が「共感する」のかどうかは主体的には明言せずに、そういう人は「多かろう」と客観的事実であるかのように逃げを打つのが新聞記者特有の無責任な論法である。民主党が唱える「政治主導」「脱官僚」には「一理はある」が、反面、政治家が国の利益を考えずに一業界や地元に「利益誘導」する「怪しい利権政治」を行って官僚からバカにされてきたのも「事実」であって、鳩山の「平成維新」はいいけれどもその裏に小沢の「利権政治が隠れているならごめんである」と、まさにどっちつかずの結論に逃げ込んでいく。</p>

<p>　小沢が起訴されれば「やっぱり利権政治が隠されていた」と言い、されなければ「やっぱり革命的な政治変革は必要だ」と言うのだろう。どう転んでも自分は安全というのが新聞の「客観公正」というものである。▲</p>]]>
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    <title>INSIDER No.532《HATOYAMA》&quot;鼠一匹&quot;も出ない？小沢事情聴取──追い詰められているのは検察である</title>
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    <published>2010-01-23T13:40:45Z</published>
    <updated>2010-01-25T08:57:34Z</updated>

    <summary>　東京地検特捜部が目指しているのは、政治家＝小沢一郎の抹殺すなわち議員辞職であり...</summary>
    <author>
        <name>《THE JOURNAL》事務局</name>
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        <category term="HATOYAMA" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.the-journal.jp/contents/insider/">
        <![CDATA[<p>　東京地検特捜部が目指しているのは、政治家＝小沢一郎の抹殺すなわち議員辞職であり、それは無理だった場合でも、せめて幹事長辞職に追い詰めてその影響力を決定的に削ぐことである。</p>

<p>　すでに逮捕されている３人の元秘書に対する容疑は、政治資金報告書の「不記載」（規正法第25条１項２号）や「虚偽記入」（同３号）など、平たく言えば「帳簿のつけ間違い」で、本来は、問題があれば修正すれば済む程度の経理係レベルの形式犯にすぎない。こんなことで３人を起訴すること自体、「言いがかり」に近い不当起訴であり、ましてや帳簿記載方法のいちいちを知るはずもない小沢本人に累が及ぶことではない。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　もちろん、問題の土地を購入すること自体は小沢の指示・了解に基づくものであり、またそのための資金調達にも彼が携わっているのだから、仮に帳簿に何をどう記載したり記載しなかったりすることには直接関わっていなかったとしても、「不記載」や「虚偽記入」の「共犯」として小沢を起訴することは可能である。しかしこれもまだ形式犯の範疇であり、それで与党の大幹事長を失脚させようというのはいかにも無理な話である。</p>

<p>　そこで検察としては、これが単なる「帳簿のつけ間違い」でなく、ゼネコンの裏献金を用いて土地を購入し、またそのような資金の出所を偽装するためにわざと銀行融資を立てるなど、小沢自身が指揮して行った極めて悪質な意図に基づく「帳簿操作」だったというお伽噺を作り上げる必要に迫られた。そのために、無理は承知で３人の元秘書を逮捕し、また小沢本人にも任意聴取を求めて、何とかしてこのデッチ上げの材料を掻き集めようと計ったのである。</p>

<p>　これは無茶苦茶で、この大騒動の結果"鼠一匹"も出て来ずに検察が大恥をかくことになる公算が大きい。</p>

<p><strong>●水谷からの5000万円？</strong></p>

<p>　検察がデッチ上げたいお伽噺の中核は、この購入資金に「水谷建設からの5000万円の裏献金が混じっている」ということだが、これがまず実証不能だろう。</p>

<p>　第１に、水谷側の供述の信用性に大いに疑問がある。郷原信郎が指摘しているように、水谷側が検察の言いなりになって注文通りの供述をしている可能性がある。</p>

<p>　第２に、一般論として、この手の公共事業で政商的な地方の中堅ゼネコンが大手スーパーゼネコン（この場合鹿島建設）の下に入って下請け仕事を請け負おうとする場合に、「ウチは前々から○○先生（この場合小沢）とは昵懇で、しかるべき手は打っておきましたから」とか「この地元はヤクザ（この場合岩手県の田舎ヤクザ）がうるさくて私のほうで始末しておきましたから」とか言って、その"実績"を手土産に下請けに入り込み、しかもそのための闇経費分を下請け工事代金に上乗せしてスーパーゼネコンから支給して貰っていたりする。ところが、てなことを言って中堅ゼネコンがスーパーゼネコンから裏工作資金の支給を受けても、実際には政治家やヤクザに金を払っていなかったり、もっと少ない金額を払っただけだったりして、全部または一部をネコババしているケースもある。</p>

<p>　水谷あたりだとせいぜい年商100億円程度で、それで表献金として自民党政治家を中心に10億円も配っていては利益など吹っ飛んでしまう。そこで裏献金分のネコババが実質的な利益になったりするのである。そこを突かれると、裏支給を受けているスーパーゼネコンへの申し開きとしても、税務当局への言い逃れとしても、「いや、確かにあの政治家の秘書に金を渡しました」と言い張ることにならざるを得ない。従って、本当に水谷が石川にその5000万円を渡したかどうかは分かず、「受け取っていない」と言っている石川が正しいのかもしれない。</p>

<p>　第３に、これも一般論として、政治家秘書の側でも、しょせんはそういう闇の金であるから、帳簿に記入しないで済ませたり、自分でポケットに入れてしまったりする場合がある。石川が水谷から受け取ったにもかかわらず、自分でネコババしてしまったから「受け取っていない」と言い張っている可能性も絶無ではない。</p>

<p>　とすると、検察が思い描くお伽噺が成り立つには、(1)水谷から石川に本当に5000万円が渡っていた、(2)その金を石川はどこにも流し込まずにそのまま封も切らずに取っておいた、(3)土地購入資金を調達することになった時に、石川が「ここに水谷からの5000万円があるので、残りを小沢先生のほうで何とかお願いします」と言い、小沢が「おおそうか。では後は私のほうで何とかしよう」と答えたとかいうやりとりがあったことを、石川・小沢双方が認めた----という事実が確定できない限り難しい。仮に事実がそうであったとしても、それを裏付ける供述が２人から出揃う可能性はゼロである。</p>

<p><strong>●マネー・ロンダリング？</strong></p>

<p>　もう１つのポイントは、小沢がゼネコンからの汚い金で土地購入をしようとして、それを誤魔化すために、しなくてもいい銀行融資をしたのかどうかということである。</p>

<p>　検察が根本的に分かっていないのは、ごく普通の中小企業の月末の資金繰りというのはこんなものであるという世間常識である。</p>

<p>　まず第１に、良いか悪いかは別として、小沢は１つの「党内党」を作り上げている。彼個人が所有する私兵集団として20名ほどの秘書を丸抱えして、彼らを合宿状態で住まわせて、いつでもどこへでも派遣可能な選挙プロフェッショナルとして鍛え上げてきた。本来から言えば、そのようなオルグ機能は民主党本部が党として持つべきであるが、そうはなっていない現実では、小沢が私的に代位してきた。それこそが選挙上手＝小沢のいわゆる"実力"の源泉である。</p>

<p>　第２に、その小沢私兵集団の経営形態は、「小沢商会」とも言うべき個人商店である。事業主としての小沢個人が君臨して、中心的な企業としての「陸山会」があって、他にもいくつか休眠状態のものも含め子会社があり、それらの間で資金を融通し合ったりするのは当たり前だし、会社本体が資金が苦しい時に事業主が自分や夫人名義の預金を崩して一時立て替えしたり会社に貸し付けをしたりしてその場を凌いだりするのも大いにあり得ることである。立て替えや、短期に相殺される個人の貸し付けを、帳簿にどう付けるかは微妙なところで、税務当局との間で「見解の相違」が生ずる場合もあったりする。</p>

<p>　第３に、定期預金を積んでそれを担保として銀行融資を受けるというのはごく普通にあることで、それがマネーロンダリングを目的とした不正操作ではないかと疑うのは世間常識とかけ離れている。不動産購入のためにまとまった代金を支払わなければならない時に、それを手持ち資金で賄ってしまうと手元現金が枯渇して月末の支払いに窮するという場合に銀行借り入れを起こすのは不自然ではない。本件の場合は恐らく、銀行借り入れで土地を購入しようとしたが、その手続きより以前に不動産屋に支払わなければならない事情が生じたため、至急に別途資金を掻き集めて支払いを済ませた上、後に銀行融資分と差し替えることにしたが、それと月末の支払いが重なって余計にバタバタした、というようなことではないのだろうか。</p>

<p>　こうして、私の見るところ、水谷建設の5000万円を絡めることで単なる形式犯でない悪質性を立証しようとする検察の思惑は、成り立たない可能性の方が大きい。追い詰められているのは検察のほうである。▲ </p>]]>
    </content>
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<entry>
    <title>INSIDER No.531《HATOYAMA》小沢政治資金をめぐる革命と反革命──鳩山政権は検察権力の横暴と対決せよ！</title>
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    <published>2010-01-19T10:42:14Z</published>
    <updated>2010-01-19T10:59:36Z</updated>

    <summary>　鳩山由紀夫首相が16日、検察と全面対決を宣言している小沢一郎幹事長を「戦って下...</summary>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.the-journal.jp/contents/insider/">
        <![CDATA[<p>　鳩山由紀夫首相が16日、検察と全面対決を宣言している小沢一郎幹事長を「戦って下さい」と激励したことに対して、自民党の谷垣禎一総裁が17日、「総理大臣が、検察といろいろな問題でやり取りをしている方に『戦え』と言うのは、総理大臣の立場を逸脱し、非常に偏ったことだ。鳩山総理大臣も、政治資金の問題で苦しんだという気持ちがあるのかもしれないが、その気持ちが『戦ってくれ』という発言になったとすれば、権力観は非常にゆがんでいる」と述べ、また同日サンプロに出演した菅義偉＝元総務相も「民主党は野党時代には（大久保秘書の西松事件での逮捕を）『国策捜査』と言っていたが、今は民主党が権力の座にあるんだからそんなことを言っていられるはずがない」という趣旨のことを語っていた。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　タワゴトである。</p>

<p>　第１に、一般論として、「国策捜査」とは、政府・与党が政権維持に有利なように事を運ぼうとする政治的意図から検察を指揮・指導して無理にでも捜査をやらせようとすることだという世間的な誤解があるが、そうではなく、検察が自分勝手に描いている「体制護持」というイメージに基づいて「こんなことを許しておいては体制が危うくなる」と判断して、"正義"を振りかざして与野党政治家であろうが経済人であろうが芸能人であろうが「まず訴追ありき」で襲いかかって世間的に抹殺しようとする暴走的な手法を言うのであって、「検察ファッショ」とほぼ同義である。Wikipediaの「国策捜査」の項でも「むしろ国策捜査には政府の関与がないのが普通」と言っている。これと戦って制御することは、政権与党にとっても当然の課題である。</p>

<p>　第２に、特殊論として、鳩山政権の本旨は「脱官僚体制」であり、この政権が、明治以来100年余の発展途上国型の中央集権制度の下で実質的な権力を握ってきた官僚権力とその頂点にある検察権力と血で血を洗う戦いに突入するのは必然である。鳩山は昨年９月の所信表明で「無血の平成維新」と言ったが、私に言わせれば平成維新は無血で済む訳がない。現に、この小沢と民主党に対する攻撃は検察の政治に対する流血テロであり、それに対して鳩山政権は検察が失血状態に陥るほどの報復を仕掛けるほかに生き残る途はない。「権力観が歪んでいる」のは谷垣であって鳩山ではない。</p>

<p>　第３に、実体論として、他の省庁と同様、法務省・検察庁・特捜部のあり方も抜本的な見直しの対象とならざるを得ない。まずは、</p>

<p>（1）取調可視化法の制定による検察の恣意的捜査や冤罪の危険性の防止、次に、</p>

<p>（2）政治資金規正法の改正による企業献金の全面禁止と、それと裏腹の「虚偽記載」を口実とした検察による安易な政治家抹殺のテロ行為の防止、さらに、</p>

<p>（3）西松事件に関する民主党の第三者委員会の報告が指摘していたように（<a href="http://www.the-journal.jp/contents/insider/2009/07/insider_no498regime_change.html">INSIDER No.498</a>など）、法務大臣による「指揮権の発動」の法的解釈の転換、引いては特捜部そのもののあり方ないし存廃、検察首脳人事の政治主導化など検察庁法そのものの見直し、</p>

<p>　などが喫緊の課題として浮上することになろう。「明治以来100年余りの官僚主導体制を打破する革命的改革」（小沢）、「無血の平成維新」（鳩山）に対する検察ファッショ的な「反革命」の無謀な試みである今回の暴挙に対して、鳩山政権は全面的に対決するのが当然で、検察は自ら墓穴を掘ったのである。▲</p>]]>
    </content>
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    <title>INSIDER No.530《HATOYAMA》後ろ向きに終わった「日米安保再確認」──10年前の沖縄への想いを振り返る（その３）</title>
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    <published>2010-01-11T13:15:12Z</published>
    <updated>2010-01-12T06:25:28Z</updated>

    <summary>　96年４月に橋本・クリントンによる「日米安保再確認」宣言があって、それに対する...</summary>
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        <name>《THE JOURNAL》事務局</name>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.the-journal.jp/contents/insider/">
        <![CDATA[<p>　96年４月に橋本・クリントンによる「日米安保再確認」宣言があって、それに対する異論というかオルタナティブとして同年９月旧民主党による「常時駐留なき安保」論の大胆な提起があった。それは突拍子もないことでも何でもなくて、米国の国防政策中枢においても"ポスト冷戦"の時代状況への適合と沖縄少女暴行事件の悲惨に象徴される沖縄での過大な基地負担への対応を計ろうとするそれなりに真剣な努力が始まっていた。</p>

<p>　しかしその米国側の動きは、東アジアにおける「勢力均衡＝抑止力」という19世紀的な旧思考に足をとられた不徹底なものに留まっていて、沖縄県の「基地返還プログラム」やそれに学んだ旧民主党の「常時駐留なき安保」論は、まさにそこに切り込んでいって、日米が共に"脱冷戦"を果たすよう、日本のイニシアティブで米国を積極的に導いていくことを狙いとしたものだった。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　その意味で、「常時駐留なき安保」論が、ちょっとした思い付きというようなものでなく、96年当時の戦略的思考の磁場の中で思い切って前に出ようとする意欲的な問題提起だったことが理解されなければならない。そのことを示す当時の２つのINSIDER記事を以下に再録する。分量があるが、この問題に真面目に取り組みたい向きには我慢強く読んで頂きたい。</p>

<p>　大事なポイントは、アーミテージが言ったように「朝鮮半島情勢が緩和すれば在沖海兵隊は撤退すべきである」ということで、当時はまだその条件は熟していなかったが、今日ではまさにそれが可能になりつつあるという点である。「常時駐留なき安保」論は今こそ有効で、それこそが鳩山政権の普天間問題の日米再交渉の基礎でなければならない。</p>

<p>沖縄への想い（3）<br />
INSIDER 1996年11月15日号より</p>

<p>米側から沖縄海兵隊撤退説も</p>

<p>　対日安保政策について米政府に大きな影響力を持つリチャード・アーミテージ元米国防次官補が、朝日新聞のインタビューに答えて「沖縄の米海兵隊は朝鮮半島情勢が変化すれば、少数の基幹要員を残して撤退すべきで、日本など西太平洋での米海空戦力の増強でそれを補える。撤退はまだ先でも、その計画作成から実施までは年月がかかるため、その再編成計画にいま取り掛かるべきだ」と、条件付きながらも"常時駐留なき安保"の方向を積極的に推進する考えを明らかにした（96年11月14日付）。＜中略＞</p>

<p>■アーミテージの提案</p>

<p>　アーミテージは、11月６日にワシントンで開かれた戦略国際問題研究所（CSIS）の「パシフィック・フォーラム」で沖縄海兵隊の撤退計画の作成に着手すべきだと講演した。そのフォーラムは非公開だったが、のちに朝日新聞がインタビューしてその内容を聞き出した。彼は上の引用に続いてさらに次のように述べた。</p>

<p>「単にすぐに撤退せよとは言わない。朝鮮半島問題が解決すれば沖縄の海兵隊はほぼ撤退できる。小規模な中核となる部隊は残るだろう。普天間飛行場の代わりに海上の飛行場を造れば、人員も少なくなる」</p>

<p>「（72年の）沖縄返還後、米当局者が近視眼的で、沖縄では本土の基地ほど騒音問題や地元民との関係に配慮せず、日本政府も関心が薄かった。多数の米兵が沖縄に集中するのは問題であることに同意する」</p>

<p>　ここでは、沖縄海兵隊だけに限定してのことではあるけれども、従ってまた「日本（本土）など西太平洋での米海空戦力」はかえって強化されるような言い方にはなっているものの、沖縄県民にとって圧倒的に大きな比重を占める悩みの種である海兵隊を、一部だけを残して撤退させ必要に応じて再展開させる、まさに"常時駐留なき海兵隊"に転換する方向が明確に指摘されている。</p>

<p>　それだけでも基地問題は大きく前進するが、しかし米政府が一旦、重要部隊の常時駐留なしでも米軍のアジア防衛態勢に支障はないという論理に踏み込んでしまえば、日本側としては、本土も含む他の基地についても１つ１つ、本当に常時駐留が必要なのかを俎上に乗せて交渉していくことに道が開かれる。</p>

<p>　在日米軍基地は、（1）北を向いた対旧ソ連の海洋核戦力の支援機能の名残、（2）朝鮮半島を向いた大規模地域紛争への前線配備、（3）アラスカから中東までユーラシア大陸南辺のどこにでも対応する主として海空兵力の戦略投入のための拠点、（4）日本が侵略された場合の対応----などのいろいろな機能が混然となっているが、このうち（1）はすでに事実上無用となっており、（2）は朝鮮半島情勢が緩和されれば必要がなくなる。沖縄海兵隊は日本側としては、主として（2）に対応し、同時に（4）にも対応していると受け止めていたが、アーミテージは（4）については全く考慮していない様子で（それはそうで、今どき日本に大規模上陸侵攻を企てる者があるとはどんな軍事専門家も想定していない）、朝鮮半島の緩和が進めば海兵隊は引けると判断している。（3）については、一定の機能が相当長期にわたって残ることが予測される。</p>

<p>■再確認と再定義</p>

<p>　アーミテージの発言は今のところ個人的なもので、米政府がそのような認識で固まっているとは言えないが、しかしいずれ米側からこのあたりに踏み込んでくることはだいぶ前から予想されたことであった。</p>

<p>　本誌はNo.347（95年10月１日号）でナイ・イニシアティブのスタッフの１人であるマイケル・グリーン防衛分析研究所研究員とのワシントンでの対話の様子を紹介しつつ要旨次のように書いていた。なお当時はクリントン訪日による安保再確認宣言は11月に予定されていたが、のちに延期されて96年４月に実現した。</p>

<p>▼ナイは毎日新聞のインタビューに答えて「日米安保体制を堅持しながら中国や韓国、他の諸国も含めた信頼醸成の場としての多国間協議体を発展させていきたい」と語っていた。そうだとすると11月に予定された日米安保"再確認"宣言は、単に再確認に止まっていいはずがない。冷戦後の東アジアの軍事情勢をどう捉えるか、とりわけ中国の脅威なるものをどこまで実体を伴ったものと見るのか、というところから始まって、中長期的に見た米軍のアジアにおける配置、日本自衛隊の防衛構想の再検討と縮小・再編の方策、そして彼の言う地域的な集団的安全保障の機構についての構想と手順など、広範な問題が検討に上らなければならない。</p>

<p>▼マイケル・グリーンは８月にワシントンで意見交換した際に、ナイ・イニシアティブはその点が曖昧だと私が指摘すると、「11月までが第１段階で、まず安保維持を再確認する。しかしそれは第２段階の始まりであって、そこでは今あなたが言ったような広範囲の問題を"再定義"することが検討されることになろう」と、ナイが二段構えで物事を考えていると語った。</p>

<p>▼しかし日本の政府・外務省はそのようにナイの真意を理解しているとは思えず、単に今まで通りに安保は続けなくてはいけないという後ろ向きの発想しか持っていないのではないか、そうだとすると11月の宣言は何の意味もないではないか、と指摘すると、グリーンは確かに日本の外務省を見るとそういう危険があるが、政治家にはもう少しちゃんと理解している人もいるはずだと期待感を表した......。＜中略＞</p>

<p>■外務省の迷妄</p>

<p>　ところが当時、日本の外務省は、沖縄の少女暴行事件をきっかけに安保見直しの議論が高まっていることを危惧して「再定義という言葉は安保見直しと受け取られかねない」と、これを再確認のレベルに止めることに躍起となった。その結果、４月の橋本・クリントン会談における日米安保再確認は、何十年も前から言われ続けてきた日米安保の片務性----米国は日本を守るが、日本は米国を守らないどころか、極東での米作戦に協力もしない----を若干改善して、例えば朝鮮有事の際に日本自衛隊が一定限度の支援を行うという、過去へ向かって安保を強化するだけのものとなり終わった。</p>

<p>　本来ここで外務省がやらなければならなかったのは----</p>

<p>（1）直前の米韓首脳会談で提唱された、朝鮮半島の休戦協定を和平協定に格上げするための南北米中の４者会談の枠組みを、次のステップとして日露を加えた６者に拡大させ、さらにそれを北東アジアの包括的な信頼醸成型の多国間安保対話のシステムへと発展させていく展望を示して米国に対して知的イニシアティブを発揮する、</p>

<p>（2）北朝鮮に戦争をやる気を起こさせないための努力を米国任せにしないで、日本としても独自にコメ支援や日朝国交交渉の再開はじめ半島の緊張緩和に役割を求めていく決意を明らかにする、</p>

<p>（3）そうした朝鮮半島の緩和の進展に応じて、日米安保体制とその下での在日基地のありかたの再検討についてこちらからメニューを提示してナイ・イニシアティブの第２段階に積極的に対応する、</p>

<p>（4）その中で特に沖縄については、沖縄県当局が発表している2015年までにすべての基地の返還を実現する「基地返還アクション・プログラム」をカードの１つとして、思い切った対策を要求する......</p>

<p>　といったことであったはずだが、そういった発想のかけらもないままに後ろ向きの再確認と付け足しのような普天間返還でこと足れりとしたのである。</p>

<p>　そのあたりの外務省の思考様式を典型的に表したのが、ナイ・イニシアティブおよび沖縄基地問題の日本側担当者となった田中均＝北米局審議官が『中央公論』11月号に寄せた「新時代の日米安保体制を考える」である。</p>

<p>■対米追従の尻尾</p>

<p>　田中は冒頭で、「冷戦思考に基づく安保思考はこのさい捨て去ることがなにをおいても必要」とか「安保体制は未来永劫同一であるといったことはあり得るはずもない」とか、ポスト冷戦への適合の必要性を盛んに主張しているが、実際には彼の情勢認識は冷戦思考を引きずっている。</p>

<p>　彼は「アジア太平洋においても安全保障課題は構造的な変化を遂げている」として「地球規模の戦争の脅威はほとんど存在しない」と指摘しながら、「と同時に、地球規模の戦争の引き金となる恐怖により抑止されてきた局地的紛争の芽は依然として存在するばかりか、むしろこれが顕在化する危険は増えた」と、毎度お馴染みの、ソ連の脅威はなくなったが朝鮮や中国が危ないという"脅威の横滑り"論を展開する。</p>

<p>　これについては本誌はさんざん書いてきているから多くを繰り返さないが、第１に、冷戦時代に旧ソ連が日本に対して直接侵略する危険（それが本当にあったかどうかも実は疑問なのだが）と、朝鮮半島や台湾海峡で内戦が起こった場合に日本が間接的に受ける影響の問題を同レベルで論じるのはデマゴギーにすぎない。後者は基本的に（米国はいざ知らず）日本が軍事力を用いて対処する事柄ではありえない。よく言われる邦人救護やシーレーンへの脅威排除も、日本としては武力を用いて解決する方策を採らないという節度を保たなければならないし、まして難民救援は自衛隊の仕事ではない。</p>

<p>　第２に、局地紛争が顕在化する危険は増えたというのは間違いで、冷戦中も冷戦後もしょっちゅう世界中で行われていた内戦が、米ソが介入しなくなっただけ減って、米ソが管理しなくなっただけ増えているという程度の話で、冷戦後に特に増えたという訳ではない。湾岸戦争は、イラク側から見れば自分の領土であると主張するクウェートに対して行われた作戦であり、それに対して米ブッシュ政権が、サウジアラビアの石油を失うという恐怖心に加えて、ソ連という敵がなくなって困っていたところに都合よく出てきたフセインを"ヒトラーより悪辣な独裁者"に仕立て上げて国威発揚と選挙での再選を狙うという冷戦後遺症的な過剰反応を示したのでおおごとになってしまっただけで、本質的に"最後の冷戦"だった。クリントン政権も含めて米国もまた冷戦時代のマッチョ的な武力信仰から卒業し切れていないために起きている事象を捉えて、冷戦後は紛争が増えるなどと言うのは錯乱である。</p>

<p>　第３に、もっと直接的には田中は、朝鮮半島有事を頭に描いているようだが、それについては同じ『中央公論』のすぐ前に置かれた毎日新聞論説委員の重村智計の「"北"兵士侵入事件の正しい見方」および彼が同誌7月号に書いた「朝鮮半島"有事"はない」が正しくて、「米国はいまや北朝鮮と意思疎通ができる唯一の超大国」として、いかにして戦争を起こさせずに金正日体制を軟着陸させるかを戦略的に追求している。もちろん米国としては、その努力が破綻した場合の軍事的備えをするのは当然で、特にペンタゴンはその万が一の部分を受け持たざるをえないし、その場合に日本を適度に脅してこれまで以上の対米協力約束を引き出せればこんな有り難い話はないと考えるだろう。米国とすれば、北朝鮮との対話ルートを独占して米大企業の北への進出の実績を積み上げる一方で、日本や韓国の頭は抑えて抜け駆けをさせないという二重戦略を採るのが賢明なやり方で、外務省はまんまとそれに乗せられて、極東有事への日本の協力を求められて名誉なことだなどと考えているのである。</p>

<p>　日本としては、そのような米国の対日マインド・コントロールに引っかからずに、特に外務省としては外交面で朝鮮有事を起こさせないような北東アジアの環境を主体的に作り上げていくためのイニシアティブを採らなければならないが、田中の論文にその一番肝心なことは触れられていない。もちろん彼は、多国間の信頼醸成努力は大事だとは言っているが、それも、日米・日豪の２国間安保を基軸にアジア・太平洋における覇権を確保した上で、その補完的な手段として地域安保対話も認めるという米国の認識の枠組みを一歩も出るものではない。</p>

<p>　このような対米追随こそ冷戦思考の尻尾なのである。</p>

<p>■有事駐留はダメ？</p>

<p>　田中は、そのように安保堅持がいかに重要かを述べた後、結論部分では"常時駐留なき安保"を否定して次のように言っている。</p>

<p>「安保環境の一層本質的な整備と日本が米国とのきちんとした役割分担に基づく防衛協力を行い得る体制整備を行わずして、沖縄における海兵隊は不要であるとか、有事駐留がよいといった議論には、日本の安全保障という観点から見れば多くの問題がある」</p>

<p>「その最大の問題点は、合理的根拠がない米軍の撤退は抑止力の低下に繋がることである」</p>

<p>　また有事になれば戻ってくればいいという議論は非現実的で、普段から地形や基地に習熟し訓練を通じて即応能力を高めておかないと、突然本国から派遣しても役に立たないというのである。</p>

<p>　彼が一番言いたかったのはこの部分だろうが、しかしアーミテージが言うように、朝鮮半島危機が緩和されれば沖縄海兵隊は撤退する"合理的根拠"を得るのである。田中が書いているそばから、日本が頼りにしている対米パイプの要人からこういう発言が出てくるというところに、日本の哀れがある。</p>

<p>　朝日新聞96年11月12日付の連載「新政権への視点（下）」は「脱追従外交」と題して次のように述べている。</p>

<p>「日米安保再定義の作業は、日本が米国の要望にいかに沿うかを、外務・防衛官僚のペースで進めただけだった。日本の国益は何か、米国の国益とどこが一致するのか、日米安保は冷戦後も必要かどうかを見直し、日本の役割について『戦略的選択』を行う責任を、政治家が放棄してしまった」</p>

<p>　つまりここでも、従来の発想の延長でしか物事を考えられない"官主導"の外交・安保政策を、世の中の常識によって支配する方向へ転換するという課題が浮かび上がっている。朝日の記事は、「しかし、国会には新しい流れも生まれ始めている」として、"常時駐留なき安保"を選択肢の1つにすることを公約に掲げた民主党の鳩山代表の「米国の発想についていけばいいというのでは、米国から安心されるかもしれないが、それでは尊敬され信頼される国にならないのではないか」という発言を紹介している。</p>

<p>　その通りで、必要なのは、ワシントンと東京を共に不安に陥れた沖縄の大田昌秀知事のように、的確な情報に基づいて大胆に将来を見越した変革プランを提示して、21世紀への知的・政策的イニシアティブを発揮することである。▲</p>

<p><br />
----沖縄への想い（3-2）<br />
INSIDER 1996年12月１日号より</p>

<p>2005年に沖縄海兵隊撤退か<br />
----朝鮮半島の緩和が前提</p>

<p>　前号で、日米安保・沖縄協議の陰のキーマンであるアーミテージ元国防次官補の「朝鮮半島情勢が変化すれば、沖縄海兵隊は少数の基幹要員を残して撤退すべきだ」という発言の意味を解析したが、その後も米側重要人物たちによる「朝鮮危機回避＝沖縄海兵隊撤退」論が相次いでいる。ワシントンですでに１つのトレンドとなりつつあるこの論調は、決着が迫られている沖縄・普天間基地の代替ヘリポート問題に直接関わりがあるのはもちろんのこと、広く21世紀のアジアの安全保障システムをどう構想するかにも大いに影響がある。</p>

<p><strong>●朝鮮統一は近いかも？</strong></p>

<p>　まずそれぞれの発言とそれをめぐる報道を日付順に列記しよう。</p>

<p>（1）船橋洋一＝朝日新聞北米総局長は11月19日付同紙に「日米双方に"海兵隊お荷物"感／海上へリポート案浮上の背景」と題した長いレポートで要旨次のように書いた。</p>

<p>▼普天間返還が難航すると、米軍の日本におけるプレゼンスのあり方への疑問を強めることになりかねない。米国は、日本国内における「米海兵隊をみんなで足蹴にする政治ゲーム」の登場に不安感を募らせた。</p>

<p>▼日米安保堅持派は「駐留海兵隊の数を減らさないことには安保が持たない」と主張し、"駐留なき安保"派は「駐留撤廃の第一歩」との期待を強め、安保破棄勢力は「海兵隊嫌いの感情を利用する安保空洞化」を仕掛け始め、"普通の国"志向の人々は「日本が米軍の肩代わりをする方向に持っていく好機」ととらえた。少なくとも米国の目にはそう映った。</p>

<p>▼自民党、外務省の中にさえ「基地縮小から米プレゼンスの縮小」を求める声が出始め、米国は、日本政府がそれに対し、説得力ある国民教育をしないだけでなく、むしろそれを放置しているのではないかと不安を強めた。</p>

<p>▼が、海兵隊の規模縮小をはじめとするプレゼンスの"合理化"を求める声は米側、それも日米安保を堅持しようとする立場の専門家からも聞こえ始めた。海上へリポート案の源流をつくったウィリアム・オーウェンズ退役海軍大将にしても、それを普天間基地代替案として強く進めたリチャード・アーミテージ元国防次官補にしても、いずれも将来の海兵隊のプレゼンスを考え直さざるを得ない、との点では意見が一致している。「朝鮮半島が統一したとき、いまのままの米軍プレゼンスを維持できるとは思わない。しかし、何らかの形でのプレゼンスを考えたとき、海上へリポートは１つの案として考えられると思う」<br />
（オーウェンズ氏）</p>

<p>▼この間一貫して、米国の究極の関心は米国のプレゼンスのすごみ、ひいては米国の威信の確保にあった。ただ、それは同時に、日本での米軍のプレゼンスと日米安保が、長期的には海兵隊抜きの海軍と空軍主体の兵力構造へと徐々に進化していくことを図らずも指し示しているのかもしれない。もう１つ、沖縄の海兵隊の主たる駐留存在理由である"朝鮮半島有事"シナリオも南北統一の展開次第では、根本的に揺らぐ。沖縄基地問題に携わってきた米政府高官はヘリポートの"寿命"との関連で「朝鮮半島の統一は意外と近いかもしれない」とつぶやいたが、ヘリポートはそれまでの緊急避難措置だ、と聞こえた......。　</p>

<p>　この最後の部分は１つのポイントで、普天間代替基地の県内建設に難色を示してきた沖縄県の大田昌秀知事が11月23日、「一時的に県内に移設するものの、期限を切って撤去させる方法が可能かどうか検討する必要がある」と語ったのは、沖縄海兵隊撤退が意外に早いかもしれないことを考慮に入れての発言であることは言うまでもない。大田の知恵袋の吉元政矩副知事は8月上旬に本誌のインタビューに答えて「北朝鮮は、５年と言わずもっと早くカタがついて、米海兵隊は2000年までにいなくなると見ている。そんなに早くては我々の（経済自立）計画が追いつかないので、むしろ危機感を抱いている」と、3カ月後の米側からの撤退論の噴出を見越した発言をしていた。当時、外務省の関係者にその見解をぶつけたら「そんな馬鹿な」と言っていたが、情報収集と先の見通しについて外務省より沖縄県のほうがよほど上であることが実証されたことになる。</p>

<p><strong>●元司令官の撤退論</strong></p>

<p>　もちろん、現役のペンタゴン高官の発言は慎重で、軽々に撤退論など口にするはずがない。ジョン・ホワイト米国防副長官は21日、久間章生長官ら防衛庁首脳と東京で会談し、米国が来年取りまとめる4年ごとの国防政策見直しの中で「米軍兵力の近代化や兵力構成について、財政面を含め検討している」と説明し、しかし「日本やアジア・太平洋政策の変更は予想されていない」と強調した。しかし同じ日、米空軍は「地球規模の関与----21世紀の空軍ビジョン」と題した報告書を発表し「2025年までには紛争地帯への空軍力投入は主として米本土から行われるようになり、海外での空軍配備は削減されるだろうとの見通しを明らかにした。これに関連して、ウィドノール米空軍長官は25日、ワシントンで講演し「沖縄の嘉手納基地を含む海外の主要な米空軍基地の閉鎖は短期的には予想されない」と語った（21日および25日ワシントン発時事電）。</p>

<p>　逆に言えば、中長期的には予想されるということで、海兵隊に限らず海外駐留の米軍全体の思い切った本土撤退のシナリオが検討にのぼっていることを示唆している。</p>

<p>　次に注目すべきは朝日の軍事記者＝田岡俊次の原稿である。</p>

<p>（2）田岡俊次＝朝日新聞編集委員は、23日付同紙のシリーズ「漂う基地」第５回で「撤退論、海兵隊内部にも」と、次のように書いている。</p>

<p>▼クリントン大統領は再選直後から、最優先課題として"均衡予算"を掲げており、国防費の一層の削減が不可避となりそうだ。一方、海兵隊は今後装備の近代化に巨額の予算を必要とする。対艦ミサイルの発達で揚陸艦が陸岸に接近するのが危険となった今日、海兵隊は約90キロの沖合からの発進を可能とする特殊な近代装備を持たないと存在価値を失う。海兵隊司令部は予算増大に期待をつなぐが、沖縄の第３海兵師団参謀もつとめた軍事記者は「海兵隊は一応17万人の維持を言うが、内心では90年初期に一度言われた15万9000人以下まで後退することを覚悟している気配だ」と言う。若手の将校や退役将校の間では作戦や訓練の効率などの観点から、沖縄撤退論を唱える人も少なくない。</p>

<p>▼現海兵隊司令官チャールズ・クルーラック大将の父親、ビクター・クルーラック退役中将（元太平洋艦隊海兵隊司令官）もその１人だ。９月に全米で約60の新聞に載った同中将の論文は海兵将校たちを驚かせた。沖縄は悪天候に強い泊地が乏しく、訓練場も狭い。戦略上もベトナムのカムラン湾かオーストラリアに移る方が良い、との論だ。</p>

<p>▼米海兵隊機関誌「マリンコー・ガゼット」の編集長ジョン・グリンウッド退役大佐は「私も沖縄撤退論者だが少数派。当然多くの将校は現状維持派だ。いまの状況では急激な変化が来年決まる公算は小さいが、見直しの進展次第では、いま考えにくいことが起こるかもしれない」と見ている......。</p>

<p>　さすがに軍事記者は面白いところに目を付けていて、技術的な発展に応じて海兵隊に思い切った予算を付けて最新装備を充実させるか、逆に用済みとして撤退・縮小を進めるかの選択を余儀なくさせていることを指摘している。これに関連して、国防副長官も言及した来年の兵力構成見直しについて田岡は、「５月末までに国防総省による戦略や兵力の見直しが行われると同時に、議会が任命する９人の専門家による再評価も行われ、11月までに最終報告の予定だ」と述べ、その焦点は「従来通り中東と朝鮮半島で同時に大規模地域紛争の起きる場合に備える兵力を保持すべきか否か、だと米国防当局者たちは言う」と書いている。</p>

<p>　推測すれば、来年春までに朝鮮半島の危機回避の枠組みが確立しているとは考えにくく。そうだとすると来年の兵力見直しでは、直ちに沖縄海兵隊撤退の方針が盛り込まれることはない。しかし、逆にその4年後の2001年の見直しの時には、朝鮮の潜在危機が今のまま続いているとは極めて考えにくい。2000年前後に撤退が現実のこととなるという吉元の見通しは、いい線を突いていることになるのではないか。</p>

<p><strong>●２人の大物の発言</strong></p>

<p>（3）マイケル・アマコスト前駐日大使は22日ワシントンで、毎日新聞のインタビューに答えて次のように語った。</p>

<p>▼（4万7000人の在日米軍が将来削減される可能性について）数字自体に特別な意味はなく、安全保障は兵力規模に依拠するわけでもない。調整は可能だ。地域の状況によりけりで、北朝鮮をめぐる問題が解決すれば事態は変わる。</p>

<p>▼それでも東アジアでは日本ほど重要な同盟国はない。特に沖縄県のように大規模な兵力を前進配備する際は、その国や地域の政治的支持に配慮する必要がある。沖縄県民の痛みを除きつつ米国の安保機能の信頼性を保つという2つの課題を両立する必要がある......。</p>

<p>　ここでも、海兵隊を含む在日米軍の削減は朝鮮半島緩和の従属変数であるとの認識がはっきりと語られている。前大使はまた、日米防衛協力ガイドラインの見直しに関連して、「米国は日本が海外で軍事的役割を果たすことなど求めていない。米軍にとっては平時の後方支援が関心事だろう」と述べ、さらに朝鮮有事に当たっても「非武装地帯で軍事衝突が起きるか、大量難民が発生するかなど、危機の種類によって対応は異なる。が、米国民は同盟国に負担を求めるものだ。断定的に言えないが、後方支援分野の貢献が主になろう」と述べている。</p>

<p>（4）ジョゼフ・ナイ前米国防次官補は朝日新聞主催のシンポジウム「21世紀におけるアジアとの共生」に出席し、次のように語った（24日付同紙）。</p>

<p>▼2005年ごろ朝鮮半島から紛争がなくなる。朝鮮半島に米軍が残っているか否かは韓国政府の要請による。朝鮮半島は日本、中国という大国に挟まれている。大国の隣に住む小国は隣国に近づくのを望まず、ほかの大国に頼る。韓国は米国に何らかの形の同盟関係を保険として求めるが（米軍が撤退するかどうかは韓国がその後も）目先の脅威を感じるか、一般的な保険として期待するかによる......。</p>

<p>　このあと、出席者の１人であるリー・クアンユー元シンガポール首相が、米軍を「撤退させるのは、簡単に侵略できるという誤解を招く」として慎重さを要望し、さらに司会の船橋洋一が「米国のプレゼンスが陸から海に出ていく感じがする。普天間基地の代替地も海上ヘリポートになりそうだ」と発言したのに対し、ナイはこう述べた。</p>

<p>▼技術革新が非常に大きな要素となっている。兵員を長距離に展開することは可能になったと一般的にいえる。問題は心理的に安心できるかどうかということだ。これがリーさんの言ったジレンマだと思う。前進基地には２つの役割がある。戦う能力と、戦いを発展させないよう防止するという心理的な安心を与えることだ......。</p>

<p><strong>●台湾海峡の緊張は？</strong></p>

<p>　船橋はシンポの後の印象記で「朝鮮半島の緊張が『来世紀初頭には片付く』（ナイ氏）との見方が支配的になるにつれ、長期的には台湾海峡、つまり中国と台湾の間のアイデンティティと主権をめぐる葛藤が日中、米中、さらにはこの地域全体の緊張要因となるとの予感が広がっている」と述べた。</p>

<p>　問題は２つあって、１つは、確かに朝鮮半島危機は数年中に除去されるという見方は支配的になりつつあるが、それをどう確実にしていくかについての手順と枠組みを米中南北それに日露の間で確定することである。民主党の鳩山由紀夫代表は『文芸春秋』11月号の論文で次のように提唱している。</p>

<p>「まずいわゆる"極東有事"が発生しない北東アジア情勢を作り出していく。それが、沖縄はじめ本土も含めた米軍基地を縮小し、なくしていくための環境づくりとなる。私はそのような条件は次第に生まれつつあると考えている。すでに米韓両国からは、南北と米中の4者会談が呼びかけられている。その会談が成功を収めた後には、さらにそれをロシアと日本を加えた"6者協議"の枠組みへと発展させ、米中露日が見守る中で南北が相互理解と経済交流の促進と将来の統一をめざして対話を継続するよう促すのが現実的である。そして、その６者とは実は、日本海を囲む北東アジアの関係国すべてであり、朝鮮半島の問題だけでなくこの地域の紛争問題や資源の共同管理、多角的な経済交流などを話し合っていく場ともなりうるだろう」</p>

<p>　もう１つは、朝鮮半島が片付いたとしても、まだ台湾海峡が危ないから米軍撤退は時期尚早だという主張が米日にまたがって必ず出てくるだろうが、それをどう見ればいいかである。ナイはシンポの中で「わたしの提案は『台湾は独立を宣言しない』だけだ。そうすれば北京も台湾が国際的な場に出ることを容認できるだろう」と端的に述べている。これは全く正しくて、台湾が独立を強行したときだけ中国は武力を行使するだろう。だからまずそれをさせないことである。それ以外に、今年春のように中国が演習などの名目で軍事挑発を弄び、それが突発的な事態に結びつかないとは言えないが、いずれにしても国際社会は「台湾問題は中国の内政問題である」という原則に立って、徒にこれに軍事介入すべきではない。中国脅威論を過大に騒ぎ立て、米日がそれに軍事力を用いて対処しなければならないかの幻想は早めに除去しておく必要がある。</p>

<p><strong>●戦略欠如の日本</strong></p>

<p>　第２期クリントン政権がこれまで以上に中国に対して"積極的関与"政策を採ることは疑いがない。その関与の意味が、一方では米国が中国と地域安保面まで含めた政治的対話を重視し、さらに中国の軍事建設にも支援の手を差しのべて敵対性を除去していきながら、他方では特にコンピュータ、情報通信をはじめとしたハイテク市場としての中国の潜在性に着目して、対中貿易赤字を解消していこうとするところにあることは、マニラでのAPEC総会で明らかになった。米国の対北朝鮮政策も、そのような対中国戦略とパラレルなもので、米中韓で北を包み込むようにして軟着陸させることをすべてに優先している。そのこともまたマニラでの米韓首脳会談で明らかになった。</p>

<p>　他方、中国はAPEC直後に江沢民主席を初めてインドに送り、国境停戦ラインでの信頼醸成措置の強化について合意を達成した。中国は今年４月には、ロシアはじめ旧ソ連の中央アジア3国との間でも画期的と言っていい信頼醸成協定を結んでいる。他方、ロシアは先のプリマコフ外相の来日を通じて、北方４島の共同開発方式を提唱し、膠着している領土紛争へのバイパスを敷設する努力を見せた。</p>

<p>　北朝鮮も、図們江開発の推進に加えて、最近は、10月28日インドのニューデリーで開かれた国連アジア太平洋経済社会理事会（ESCAP）閣僚会議で決議された、釜山〜ソウル〜北朝鮮・羅津〜シベリア鉄道〜欧州と、同じく釜山〜ソウル〜北朝鮮・新義州〜中国〜モンゴル〜ロシア〜欧州という２つの汎ユーラシア横断鉄道の復元構想に事実上同意した。また、韓国の週刊誌が伝えるところでは、9月22日から３日間北京で開かれた「第２回東北アジア天然ガス・パイプライン国際会議」に出席した北代表は、ロシア・イルクーツクのガス田を中心とするシベリアの天然ガスを日本まで運ぶパイプライン計画について、初めて積極関与を表明し、パイプラインを中国経由、北朝鮮から板門店を通って韓国へ抜けるルートで建設するよう強く提案したという。</p>

<p>　東北アジアを１つの面と捉えて、多国間の安保対話機構と経済協力の枠組みを作る条件は熟しているのに日本にその戦略が不在である。▲ </p>]]>
    </content>
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    <title>INSIDER No.529《HATOYAMA》イチから出直しの普天間問題で米国と議論すべきこと──10年前の沖縄への想いを振り返る（その２）</title>
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    <id>tag:www.the-journal.jp,2010:/contents/insider//12.6513</id>

    <published>2010-01-04T13:44:30Z</published>
    <updated>2010-01-27T08:25:03Z</updated>

    <summary>　鳩山政権の普天間問題への姿勢の根底に、96年９月の旧民主党結成時に掲げた主要政...</summary>
    <author>
        <name>《THE JOURNAL》事務局</name>
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        <category term="HATOYAMA" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.the-journal.jp/contents/insider/">
        <![CDATA[<p>　鳩山政権の普天間問題への姿勢の根底に、96年９月の旧民主党結成時に掲げた主要政策の１つ「常時駐留なき安保」論があることは、ようやく最近になって広く知られるようになった。この考え方は、結成時の理念・政策文書ではスローガン的に述べられているだけだったが、その直後、10月発売の『文藝春秋』11月号に鳩山由紀夫が「民主党／私の政権構想」を発表した中で、かなり詳しく展開されたちまち話題となった。</p>

<p>　その後、同党を政策面からサポートする研究会がいくつか組織され、そのうちの「安保部会」の主任を私が引き受け、前田哲男、小川和久、重村智計、田岡俊次ほか当代一流の軍事・外交研究者の参加を得て１年間ほど熱心な討論を続けたが、やがて98年春に旧新進党離党組がドッと合流して現民主党が"再結成"された際に、どうという議論もないまま「常時駐留なき安保」論が消滅してしまったので、その研究プロジェクトも立ち消えとなった。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　その間には、米国の対日安保マフィアの一員であるマイケル・グリーン（当時は米防衛研究所研究員）が東京に飛んできて私を呼び出して、「こんなことを民主党に言わせているのはお前か！」と詰問されたりもした。私は彼に、「米国がいつまでも軍事最優先の冷戦志向から卒業できずにポスト冷戦の世界に適応できないでいるのが問題で、このままで行けば、いずれ米国は軍事的に大失敗して、その結果、嫌々ながらにポスト冷戦への適合を強いられることになる。民主党はその先を見越して、2010年頃に否応なくやってくる日米安保の転換を考えているのだよ」というようなことを言ってやった。が、彼はまだよく理解できない様子だった。</p>

<p>　さて、以下は、その鳩山論文が出た直後のINSIDER記事で、彼の「常時駐留なき安保」論が出てくる背景を解説したもので、当時の私を含めた旧民主党周辺の議論の様子が伝わるかもしれないと思い再録することにする。なおこの中で私が普天間の嘉手納空軍基地内への移転について「とんでもない話」とハナから否定しているのは、当時の議論の中では、小川も書いているように、嘉手納基地の返還を実現してそれを「基地なき沖縄」の経済再生の中核としようというのが「常時駐留なき安保」論の目玉と位置づけられていたからである。現在の私は、普天間問題がこじれにこじれて事ここに至って、米海兵隊のグアム全面移転が実現するまでの暫定措置として普天間代替施設を県内外に作るという場合に、嘉手納空軍基地もしくは隣接の嘉手納弾薬庫も有力候補の１つと考えている。</p>

<div style="text-align: center;">---------------------------------------</div>

<p>沖縄への想い（2）<br />
INSIDER 1996年10月15日号より</p>

<p>波紋を呼ぶ民主党の防衛論<br />
----沖縄米軍基地問題も新次元へ</p>

<p>　鳩山由紀夫＝民主党代表が『文芸春秋』11月号の論文で、「私見」と断りながら打ち出した安保・防衛論が日米防衛当局に興味深い反応を引き起こしている。</p>

<p>　同誌発売翌日にあたる11日の閣議後の会見で臼井日出男防衛庁長官は、自衛隊を2010年の段階で「国土防衛隊」「国際平和協力部隊」「災害救援部隊」に３分割するという鳩山の構想について、分割は機能低下につながり、またそれらを統括する新たな行政組織が必要になり非効率だとして「賛成しかねる」と述べた。また自民党の加藤紘一幹事長はそれについて感想を求められて「2010年とかの話であり、その時に国際情勢がどうなっているか分からない」と、必ずしも無碍に否定しない態度を明らかにした。</p>

<p>　他方、ワシントンからの情報によれば、鳩山が2015年までに沖縄のすべての米軍基地の返還を実現するとの沖縄県の「基地返還アクション・プログラム」を支持する立場から、橋本首相の基地との共存を前提にしてカネで物事を解決しようとしている姿勢を批判し、さらに沖縄・本土の基地問題を根本的に解決するため「常時駐留なき安保」への転換を進め、2010年には日米安保条約も改定して日米関係を新次元に引き上げると主張していることに、ペンタゴン筋はすでに注目し、そのような鳩山の考えが出てきた背景やその今後の政治的影響力について調査を開始したという。</p>

<p>■ナイ・イニシアのその先</p>

<p>　ペンタゴン自身、いわゆるナイ・イニシアティブに基づく昨春の「日米安保強化宣言」が、当面の朝鮮半島有事に備えて日本から一層の協力を引き出すために現存の日米安保条約の枠内で共同作戦態勢を強化することを目指したものにすぎないことを、よく認識している。しかし、今後３〜５年以内に朝鮮の潜在的な危機がコントロール可能なレベルにまで低下した場合には、一転して、朝鮮対応を主任務とした在沖縄海兵隊のグアム以東への撤退をはじめとして「アジア駐留10万人態勢」の再検討が課題になるのは当然で、その言わば"ポスト・ナイ・イニシアティブ"についてもペンタゴンはすでに準備を進めている。</p>

<p>　沖縄の「基地返還アクション・プログラム」は実は、同県として独自の"対米外交"を積み重ねてくる中で、そのようなペンタゴンの動きについても情報を入手した上で、米国にとっても十分に検討に値する実現可能なプランとして策定されたものである。大田知事の知恵袋と言われる吉元副知事は８月に本誌に対して「朝鮮問題は５年と言わずもっと早く片が付いて、米海兵隊は2000年までにいなくなると見る根拠を持っている。そんなに早くては我々の（経済自立の）計画が間に合わないので、（ゆっくり順を追って撤退して貰いたいという意味で）2005年から3段階でというプログラムを出した」と説明している。</p>

<p>　東京の外務省や自民党は「日米安保は永遠なり」という幻覚に囚われているので、この沖縄の計画を「夢みたいなことを言うな」と一笑に付し、基地問題の抜本解決を図ることなく補助金を増額することで沖縄県民を黙らせる方策を採ろうとしている。ペンタゴンは沖縄のプログラムに一定の現実性があることを知っているが、もちろんそれを口にすることはなく、また外務省・自民党の認識の誤りを正すつもりもない。彼らを「安保は永遠なり」という幻覚の中に閉じこめておく方がマインド・コントロールが容易であり、従ってまた米国の言いなりに思いやり予算その他の協力を引き出す上で便利だからである。ところがそこに、どうもそのマインド・コントロールに引っかかりそうもない有力政治家が出てきた。それがペンタゴンが鳩山の言説に注目した理由と考えられる。</p>

<p>　もちろん鳩山の論は党内の十分な議論を踏まえたものではないし、それにそもそも民主党が今後どれほどの力を持ってその政策を実行に移そうとするかは全く未知数である。しかし、現状の延長上ではなく、2010年段階の日米関係と安保・自衛隊のあり方を問題にするというその発想が、ポスト・ナイを模索するペンタゴンの戦略立案者たちのどこか琴線に触れたのは確かだろう。</p>

<p>■2010年の問題</p>

<p>　米国にとっては、朝鮮危機が去った後には「10万人態勢」の再検討と部分的縮小に着手するのは自明のことである。恐らく2010年を超えてその態勢が維持されることはないと見るべきだろう。残される問題はたぶん３つで、第１は、中国の"軍事的脅威"をどう評価し、対応するかである。仮に朝鮮に大規模武力介入する必要が大幅に減じたとしても、中国が軍事大国として振る舞い、とりわけ台湾に攻撃を仕掛ける可能性があり、しかもその場合に米国が地上部隊の派遣も含めて台湾を徹底擁護するというシナリオを描くのであれば、沖縄の海兵隊は当分の間いなくなることはない。</p>

<p>　ペンタゴンが本当のところ中国をどう考えているのかは定かでないが、少なくとも、米国の雑誌がしばしば面白半分に書くような、中国がまもなく（いや既に！）世界第２の経済大国になり、その巨大な軍事力を梃子にアジアを支配しようとしているなどというお伽噺を信じるほど非現実的でないことは間違いない。</p>

<p>　台湾問題は本質的に中国の国内問題であり、中国が台湾に本格的に軍事力を行使することがあるとすれば台湾が一方的に独立を宣言した場合だけである。しかし台湾はもちろんそれを熟知しているから、そういうバカな真似はしない。仮に誤解の積み重ねで中国が暴発したとしても、中国が本当に台湾軍を撃破して上陸侵攻するだけの能力を持っているかどうかはかなり疑わしい。また仮にそのような事態となっても、かつてのような「自由の守護神」＝米国ならいざ知らず、中国本土の巨大な潜在マーケットに21世紀の戦略照準を合わせている今のワシントンが、おっとり刀で兵を送るとは考えにくい。</p>

<p>　しかしいずれにしてもペンタゴンと米政府が中国を本音でどう見ているかが１つの問題である。</p>

<p>　第２には、沖縄・本土の米軍基地の二重性の問題である。在日基地には、日本への直接侵略を含めて東アジアの地域紛争に即応するための前線配備という10万人態勢の一部としての機能と、それとは差し当たり関係なく、米国が世界的な軍事的リーダーであり続けるための総合的な戦略基地としての機能とがあり、前者は現実的な危機がレベルダウンすればグアム以東に撤退可能だが、後者は米国が軍事覇権思想を放棄しない限りなくならない。</p>

<p>　小川和久は『世界』11月号の「嘉手納基地を民間ハブ空港に」で、次のように書いている。</p>

<p>「日本列島はアメリカが世界的リーダーシップを維持するために不可欠の戦略的根拠地を形成している。在日米軍基地はもともと、第7艦隊と第3海兵遠征軍の任務区域であるハワイからアフリカ最南端までの間で行動する米軍を支える位置づけにあり、それだけの戦略的機能が置かれ、日本国民の税金で維持・防衛されてきた」</p>

<p>　この維持・防衛のために日本国民が負担している金額は95年度で5兆円にのぼる。このうち在日米軍経費は6257億円にすぎないが、これと一部重複する防衛費4兆7000億円で支えられる自衛隊は、米側から見れば在日米軍基地の防備のための戦力だからである。</p>

<p>　実際、10月10日付『朝日新聞』が報じたところでは、９月の米軍のイラク攻撃に際しては、三沢空軍基地のF16戦闘爆撃機がサウジアラビアに移駐してミサイル攻撃に参加し、第７艦隊の空母カールビンソンを核とする戦闘群が６月横須賀で補給してから湾岸での任務に就き、嘉手納基地のKC135空中給油機がグアムからイラク爆撃に向かうB52爆撃機に給油し、神奈川県の米陸軍相模補給廠が非常食を送り、東京の横田空軍基地からはC9医療用輸送機1機と医療チーム44人が派遣された。さらに嘉手納からは10月にF15戦闘機18機がサウジに派遣される。</p>

<p>　在日米軍基地は、すでに「極東」の範囲を遥かに踏み越えて、世界大での米国にとっての有事への即応のために使いたい放題に使われており、それを歯止めなく容認することが日米安保強化宣言の意味だったとするなら、確かに外務省の言うとおりで基地は永遠に返ってくることはない。</p>

<p>　そこで、2010年の問題の１つは、日本人は多大の出費と基地被害に耐えて今後とも米軍の勝手な戦略行動を支え続けることに同意するのかどうか、ということである。イラク攻撃が、クリントンの大統領選挙目当ての火遊びだったことは、世界の人々に知れ渡ったことであり、こういうことのために日本が間接的にでもコミットすべきかどうか、明確な国民合意が必要である。他方、米国民にとっては、このような"世界の警察官"ぶりっこをいつまでも続けるつもりなのかどうかを自問することが求められる。</p>

<p>■地域安保か米覇権か</p>

<p>　そのことにも関連する第３の問題は、21世紀の安全保障の基本的な枠組みを、OSCE（全欧安保協力機構）タイプの地域的な安保対話をベースに考えるか、米国中心の2国間軍事同盟が引き続き中心だと考えるか、ということである。</p>

<p>　本誌No.367「綱引きする２つの安保観」が指摘しているように、ヨーロッパでは、地域に存在するすべての国々が１つのテーブルに着いて信頼醸成・紛争予防・軍縮について話し合い、武力を用いることなく紛争を解決していこうとするOSCEが次第に役割を増大させつつある一方で、冷戦の遺物である米国主導の敵対的軍事同盟であるNATO（北大西洋条約機構）が任務を再定義しながらも引き続き存在して、相互補完しつつもせめぎあいを演じている。米国や英国の考えは、やはり最後は軍事力がものを言うのだからNATOが主であってOSCEは従の役目しか果たせないというにあるが、果たして米国は21世紀を通じてそのような考えを変えるつもりはないのかどうか。</p>

<p>　同じことはアジアでは、ASEANが主導する安保対話の新しい枠組みであるARF（ASEAN地域フォーラム）の努力と、米日・米豪の２国間軍事同盟の強化で引き続きこの地域に覇権を確立しようとする米国の思惑との綱引きとなって現れている。米国はARFや、それに学びながら北東アジアでも同様の安保対話枠組みを作り出そうとする韓国政府や鳩山＝民主党を含む日本の一部の流れを、決して否定はしないが、そのような努力はあくまでも従であり、米国中心の２国間軍事同盟の強化が主だという立場である。</p>

<p>　冷戦時代の数多くの米主導の軍事同盟の中で今も残っているのは、アジア・太平洋では米日、米韓、ANZUS（豪・ニュージーランド・米３国軍事同盟----ニュージーランドは脱退）だけで、そのうち米日・米豪の同盟を米国は弱めるどころか並行的に強化して、これを事実上の新しい３国軍事同盟JANUSに仕立て上げようとしていると言われている。</p>

<p>　この地域安保対話システムと米主導の軍事同盟とは、ヨーロッパと同様アジアでも、少なくとも一定期間併存して補完し合いつつ競い合う形にならざるをえないが、長期的に見てどちらが主流を占めるかと言えば前者である。その考え方と米国およびそれに追随する日豪政府との間に横たわるのは、煮詰めれば、紛争解決の手段として武力を用いないと決意するか、いやそれは遠い理想で現実にはやはり最後は力が物を言うと主張するかの思想的な対立であり、その決着が2010年頃には訪れてくることになろう。</p>

<p>　鳩山は明確に前者の立場をとっており、米軍基地の返還を可能にするようなアジアの紛争防止・信頼醸成の多国間安保対話のシステムをどう作り上げていくか、また本質的に冷戦の遺物である日米安保条約を21世紀のより対等で生き生きとして日米関係にふさわしいものにどう発展させていくかが、外交・安保政策の中心課題だと述べている。</p>

<p>■嘉手納のハブ空港化</p>

<p>　ところで、鳩山は文春で「県民に"基地との共存"を強要した上で、金で済むことならいくらでも出しましょうということでは、沖縄の人々の夢は決して現実のものとはならない」と、自民党の取り組みを批判しているが、小川も前掲の世界論文で次のように書いている。</p>

<p>「沖縄米軍基地問題の焦点となっている普天間飛行場の代替ヘリポートについて、嘉手納飛行場統合案、キャンプ・シュワブ沖合い埋め立て案に加え、......海上ヘリポート案が提示され......検討が開始された。だがこの３案には致命的欠陥がある。米軍基地の整理縮小と沖縄振興策の双方が、整合性をもって構想されていない点だ」</p>

<p>　その通りで、とりわけ嘉手納統合案は、沖縄の基地返還プログラムと経済自立のための構想との表裏一体性を何も理解していない愚劣な案である。というのは沖縄のプランの核心は、現在でも3650メートル滑走路が2本あり、2043ヘクタールという広さから言ってあと2本ほどは増設可能な嘉手納飛行場を、全面返還が無理なら有事駐留に切り替えて平時は民間空港として使えるようにし、「アジアを代表するハブ空港」（小川）にすることによって、沖縄フリーゾーン構想や国際都市構想の目玉とするところにある。その嘉手納に普天間の代替機能を持っていくなどとんでもない話である。</p>

<p>　この嘉手納のハブ空港化は、沖縄だけでなく日本全体にとって実は切実な問題である。恐らく2010年頃までには太平洋横断5時間のスーパージェットが就航する。北米側はたぶん大陸のど真ん中にある親切のデンヴァー空港が起点になるだろうが、それがアジアのどこに降りて太平洋の航空幹線が形成されるかがまさに大問題で、すでに新ソウル空港はじめ香港のチェクラップ空港、上海浦東新空港などが名乗りを上げている。いずれも2000年前後に3750〜4000メートル級滑走路を1本は完成し、最終的に4000メートル級を4本を作ろうという大きな計画で、4000メートル1本の成田などとっくに候補から外れている。</p>

<p>　ということは、21世紀の太平洋航空幹線はデンヴァーとソウルもしくは上海あたりで大拠点ハブが形成されて、日本全体はそれに対してローカルな位置に置かれることがほぼ確定しているということである。運輸省は、成田と中部新空港と関空とをリニアで結んで3つで1つ分ということで何とか日本が外れないように出来ないかなどと議論しているようだが、まったく話にならない。日本に残された唯一の可能性は、嘉手納の少なくとも平時民用化を実現してそこに東アジアの拠点ハブを誘致することである。</p>

<p>　別にハブが国内になくても特に不便はないかもしれないが、情報通信でも金融でも音楽でもすでに日本がアジアのセンター機能を持ち得ないことが確定的である中で、せめて航空運輸のハブ機能くらいは持つべきではないか。しかもそれが沖縄の経済発展にとっても決定的な意味を持つことになる。</p>

<p>　嘉手納を21世紀のハブ空港にという構想は、沖縄では以前から論じられており、例えば95年２月の『琉球新報』では沖縄経済同友会の町田宗彦常務理事が「21世紀の沖縄を創るために」の3回連載で、嘉手納基地は県民にとって最大の財産であり、これをハブ空港化することが沖縄の生きる道であり、また広く日本全体の利益にもかなうことだと詳しく論じている。</p>

<p>　こうして、沖縄米軍基地問題を軸として、日本の外交・安保政策における2010年問題はすでに始まった。『世界』11月号で「平和国家日本の力が試されている」を書いた高嶺朝一＝琉球新報編集局次長は「これまでのように米国にすべておまかせというわけにはいかない。......ポスト冷戦の時代にふさわしい構想力を」と訴えている。▲ </p>]]>
    </content>
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    <title>INSIDER No.528《YEAR 2010》2010年の世界と日本・その２──日米安保条約、次の50年？</title>
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    <published>2010-01-02T13:28:23Z</published>
    <updated>2010-01-05T14:12:17Z</updated>

    <summary>●普天間決着 　日米安保条約は１月19日、当時「新安保」と呼ばれた1960年の条...</summary>
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        <name>《THE JOURNAL》事務局</name>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.the-journal.jp/contents/insider/">
        <![CDATA[<p><strong>●普天間決着</strong></p>

<p>　日米安保条約は１月19日、当時「新安保」と呼ばれた1960年の条約改定から50周年を迎える。本質的に冷戦時代の"敵対的軍事同盟"の名残である安保をそのままにしておいていいはずがなく、東アジアの環境変化とりわけ朝鮮半島の緊張緩和の兆しがはっきりと現れてきたという客観的条件と、日米が共にチェンジを掲げる新政権を持ったという主体的条件とがクロスする今年、たまたま安保50周年の大きな節目が訪れてきた訳で、これを機に21世紀的な日米関係と安保協力のあり方について全面的な見直しを始めるのが妥当だろう。普天間海兵隊ヘリ基地の移転問題の見直しは、そのための絶好の入り口と言える。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　その意味では、鳩山政権が、「年内に決着しないと日米同盟は危機に陥る」という守旧派官僚・マスコミ挙げての恫喝に屈することなく、約半年間をかけて辺野古以外の可能性を一から検討する方針を打ち出したのは賢明だった。しかもそれを米国務省が「我々としては現行の辺野古移転案が最上だという立場に変わりはないが、日本が新政権移行に伴う困難を抱えていることは理解しており、引き続き日本と緊密に協議していくつもりである」（22日クロウリー次官補発言要旨）と冷静に受け止めようとしているのは、10月に来日したゲーツ国防長官が怒声をあげて鳩山首相らに現行案丸呑みを迫った粗暴な態度と比べれば、米国の姿勢の大きな前進である。</p>

<p>　日本としては、あくまで在沖海兵隊のグアム全面移転の可能性を探究すべきで、鳩山が26日のラジオ収録で「抑止力の観点からみて、グアムにすべて普天間を移設させることは無理があるのではないか」と述べたのは、全く余計なことだった（と本人も気づいたようで、翌日発言を若干修正し、また29日に開かれた与党代表による検討委員会でもグアムの可能性を排除しないことになった）。</p>

<p>　繰り返すまでもなく、現行案とは、第３海兵遠征軍の本隊である第３海兵師団約8000人（と言っても実は米本土から６カ月交替で訓練のため送り込まれてくる部隊の定員枠）と併せて、主要な司令部機能（遠征軍と師団の司令部、普天間のヘリと岩国の戦闘機を動かす第１海兵航空団の司令部、砲兵連隊と後方群の司令部を含む）をグアムに移転する一方、第31海兵遠征隊を中心とする約5000人を引き続き沖縄に残し、その部隊が使用するヘリ部隊の発着のために普天間に代替する新基地を辺野古に建設するというものである。</p>

<p>　そこで日本として順番に米国に問うべきことは......、</p>

<p>《問１》冷戦終結後に米軍内部で「海兵隊廃止」論が高まったことがあったが、この議論はすでに消滅し、近い将来に渡って再燃することはないのか。海兵隊そのものが不要ということになるのであれば、これから５〜10年の年月と１兆円にも上ろうかという費用をかけて新基地を建設すること自体が意味のないことになる。</p>

<p>《問２》仮に海兵隊は存続するとして、主として「第２次朝鮮戦争」とも言うべき大規模陸上戦闘が起きた場合に水陸両用で敵前上陸強襲作戦を敢行することを想定して沖縄にこう移築してきた「前方配備＝緊急展開」態勢は、朝鮮半島の緊張緩和の流れを含むこの地域の戦略環境の変化と、米軍の遠隔投入能力の飛躍的向上を考えると、もはや時代遅れなのではないか。</p>

<p>《問３》朝鮮戦争の可能性が限りなくゼロに近づいたとは言っても、台湾有事の可能性はまだ残ると言う人がいるが、仮にそうだとしても、台湾海峡危機の際には、米第７艦隊が介入することはあったとしても、海兵隊が陸上戦闘に加わるというシナリオはあり得ないのではないか。</p>

<p>《問４》朝鮮有事も台湾有事もほとんどありえないとしても、特に第31遠征隊には対テロ作戦や在外米人救出作戦の機能もあるので駐留は必要だと言う人がいるが、そのような事態は北東アジアだけでなく東南アジアでも起こりえて、東南アジアの場合には沖縄にいるよりもグアムにいるほうが近くて便利ではないのか。</p>

<p>《問５》仮に、それでもいいから沖縄に駐留したいという場合に、陸上部隊とヘリ部隊は沖縄に、戦闘機と空中空輸機は岩国に、ヘリ空母艦隊は佐世保にバラバラに分かれていて、しかも本隊司令部はグアムにあるという４個所分散配置は運用上不便ではないか。全部をグアムに統合配置する方がかえって即応力は高まるのではないか。</p>

<p>《問６》それでもなお第31遠征隊を沖縄に残すとして、それは、既得権益の維持という惰性のためでないとすれば、何のためなのか。「抑止力」のためだと言う人がいて、鳩山もコロリそれに乗せられたりしているけれども、誰の何の意図にたいする抑止力なのかを明らかにすることなくその言葉をオマジナイのように唱えて済むような時代は終わったのではないか。</p>

<p>《問７》以上すべてに合理的な説明が与えられて、現行案通り辺野古移転が再決定され、グアム移転と辺野古基地建設の新規費用及び既存基地維持のための「思いやり予算」の負担を沖縄県民を含む日本国民が納得したとしても、時間という要素がある。防衛省が行った辺野古移転の環境アセスメントは、現在辺野古にいる主力ヘリCH-46とCH-53などがそのまま移転するかの誤った前提で行われており、完成時に配備されると見られるMV-22オスプレイ垂直離着陸輸送機はCHヘリに比べて４〜５倍のエンジン出力を持っているので、少なくとも騒音調査については初めからやり直さなければならず、それから着工したとして今から５〜６年先になるだろう。増して、辺野古以外の県外移設の場合はまず地元理解を取り付けて、それから環境アセスを始めるのだら、巧く行って８〜10年後である。その間にアジアの戦略環境はもっと大きく変わっていて、海兵隊の存在理由や沖縄駐留の根拠も薄れている公算の方が大きいのではないか。</p>

<p>　このように日本は米国との議論を進めるべきであり、今年５月までという期限を考えると、米国が「分かった。全部グアムに移転しよう」と納得する可能性は少ないとしても、それについて引き続き協議を続けることに同意してその枠組みを作りさえすれば、その協議がなるまでの間のあくまで「暫定措置」として、費用も時間もかからない形での普天間移転先を見つけるのはそう難しいことではないのではないか。私の意見では、嘉手納空軍基地への併合、もしくは嘉手納弾薬庫の改造が早道である。［続く］▲ </p>]]>
    </content>
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    <title>INSIDER No.527《YEAR 2010》2010年の世界と日本・その１──チェンジはいいとして、その行き先は？</title>
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    <published>2010-01-01T13:19:06Z</published>
    <updated>2010-01-05T14:13:37Z</updated>

    <summary>●政権交代後 　米国ではオバマ大統領が政権発足から１年10カ月後の11月２日中間...</summary>
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        <![CDATA[<p><strong>●政権交代後</strong></p>

<p>　米国ではオバマ大統領が政権発足から１年10カ月後の11月２日中間選挙で、日本では鳩山首相が同じく10カ月後の７月参議院選挙で、共に政権交代後初めての選挙を通じて国民の審判を受ける。２人ともが、過剰なまでの大きな期待を担ってチェンジを果たしたのはいいが、内外にわたる難題の山に足をとられて政権運営は思うに任せず、当初70〜80％に達していた支持率も50％を切るという先行き不安の中で選挙を迎えることになるわけで、オバマは残り９カ月、鳩山は６カ月の間に何をどこまで達成すれば選挙を政権浮揚のきっかけにすることが出来るのか、厳しい試練に直面する。</p>

<p>　オバマにとって最大の難関はイラクとアフガニスタンである。彼は、大統領選中から「イラクは早期撤退、アフガニスタンは兵力増強」と言っていて、就任後、その通りの策を打ち、イラクからは８月にすべての米戦闘部隊が撤退する一方、アフガニスタンには春以降に３万人を増派する。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　（1）両方が巧く行って、イラクでは米軍が撤退しても内乱状態が深刻化せず、アフガンではタリバンとアル・カイーダの掃討がある程度でも成果を上げながら中間選挙を迎えることが出来ればベストだが、（2）どちらか１つでも巧く行けばベター、（3）両方巧く行かなければワース、（4）アフガン増派に強く警告しているアル・カイーダが米本土か出先の米大使館などに大規模な報復テロを仕掛ければワースト----ということになる。</p>

<p>　しかしアフガンの泥沼から脱するのは容易ではない。ホワイトハウスでは、09年９月から２カ月間、あくまでアフガン本土での内戦に介入し続けてタリバンを鎮圧するというゲーツ国防長官と、そんな成算のない目標は諦めて無人爆撃機と特殊部隊でパキスタン北部を拠点とするアル・カイーダを壊滅させることに集中すべきだとするバイデン副大統領との間で、激しい路線論争が展開されたが、オバマは結局、その両方を追求することにした。これでは、ブッシュ時代の誤りを継承しただけで、何の出口戦略にもならない。</p>

<p>　第１に、タリバンは単なるゲリラではなく、数千年の歴史を持つパシュトゥン人社会に根ざした宗教的集団であって、これを軍事的に壊滅させることなど出来るはずもなく、どこかで米国の傀儡であるカルザイ政権との妥協・和解を図らざるを得ない。第２に、その場合に肝心のカルザイ政権がしっかりしていて、少なくとも国土の半分以上を実効支配して国民の大半から支持を受けていなければ話にならないが、昨夏大統領選での大掛かりな不正選挙で内外からの信頼を失った上、政権内部の腐敗・堕落もあってすでに半壊状態で、国家再建の軸となり得ない。第３に、仮にアフガン国内を鎮めても、パキスタンにアル・カイーダが拠点を構えていることに変わりはなく、そこに特殊作戦を集中させたとしても、そもそも国際テロ集団は地理的存在でないから、北方の「ユーラシア暗黒回廊」を通じてどこへでも移動して相変わらす米本土へのテロ攻撃を企画し続ける。</p>

<p>　『ニューズウィーク』12月30日／１月６日号でシカゴ大学のジョン・ミアシャイマー教授が指摘するように、アル・カイーダと手を切ることを条件にタリバンと妥協し、米軍を完全撤退させることが唯一の合理的な解決策だったが、オバマはすでにその転換のタイミングを失ってしまった。</p>

<p>　他方イラクでは、スンニ派武装勢力の攻撃はいよいよ激しく、米兵や市民の犠牲は増えているし、クルド族の独立志向も抑えがたくなっている。このまま米軍戦闘部隊が撤収を始めれば、シーア派中心の政権と３者入り乱れての内戦が広がるのを避けられそうにない。つまり、上記の（3）イラクもアフガンも巧く行かないまま中間選挙を迎える公算が大きいということである。</p>

<p>　さて、「核のない世界」へのオバマのイニシアティブは、09年４月のプラハでの理想主義的な演説と12月のノーベル平和賞授賞式での現実主義的な演説との間のギャップが批判の的になっているが、それは的外れというもので、中長期の核廃絶と、米国にとって差し迫った最大の脅威である米本土に対する「核テロ」の危険除去という問題とは、区別と統一において捉えなければならない。この絶対矛盾の自己同一が米国をして、北朝鮮との２国間協議を通じた融和に走らせるのである。</p>

<p><strong>●米朝対話</strong></p>

<p>　09年12月のボスワース訪朝で始まった米朝２国間対話は、2010年を通じてかなりのテンポで進展するだろう。さしあたりは、米国が乗り出して北朝鮮を６カ国協議に復帰するよう説得するという形となっているが、北の側からすれば米朝２国間協議が最も本質的であって、それが継続的に行われるのであれば６カ国復帰もやぶさかでない。と言うよりも、米朝の間で38度線の「休戦協定」が「和平協定」に置き換えられて国際法的な"戦争状態"が解消されれば、北が核兵器を開発しなければならないと思い詰める理由が消滅してしまうのだから、それが一番の早道である。</p>

<p>　米朝２者で基本合意が成れば、それプラス中韓の４者で和平が結ばれて緊張緩和と信頼醸成の一連の措置がとられ、それを背景に南北の経済交流と米朝の国交樹立交渉が本格化する。恐らくオバマは政権第１期の内に米朝国交まで漕ぎ着ける腹である。それは、彼が平和主義者であるからでも何でもなくて、米国にとっての「北の核の脅威」とは第一義的に北の核弾頭もしくは放射性物質がテロリスト集団に売り渡されて米本土への核テロに使用されることであって、それを予防するには軍事的手段よりも外交的手段の方が有効であることが自明だからである。</p>

<p>　日本は、拉致問題をすべてに最優先するという姿勢をとる限り、この流れから落ちこぼれる。もちろんこの問題は重大な人権のみならず日本の国家主権に対する侵害であって徹底的な追及・解明が必要であるけれども、『週刊東洋経済』12月26日／１月２日号「日朝関係は改善するか」が言うように、「拉致問題の解決とは具体的に何なのかが誰にもわからない」まま、それ抜きにはどんな交渉も許さないという世論がまかり通り、従って政府も「国交正常化交渉に入るための条件・定義は何か」を明示できないでいる。これでは二進も三進も行かない。</p>

<p>　米国は（中国も）、このように日本が身動きが取れなくなった直接の原因は、北が出してきた横田めぐみさんの遺骨を科学的な根拠なしに早々に「偽物」と断定してしまったことにあると見ていて、以前から日本政府に対して「米国の最新技術で再鑑定したらどうか」と申し出てくれている。９・11事件の遺体処理の過程で高温で燃えてしまった遺骨のDNA鑑定の技術は格段の進歩を遂げていて、それを用いれば、より精密な鑑定が可能となる。が、日本は、それでもし「本物」という結果が出たらエライことになるとしてこれを断ってきた。</p>

<p>　鳩山政権の外交政策の中で対北朝鮮関係の優先順位は高くないようだが、米朝関係が進展する中でこのままジッとしているわけにもいかず、何らかの積極的な打開策を打ち出さなければならないだろう。私の考えでは、（1）まずめぐみさんの遺骨の米国による再鑑定を受け入れる、（2）その結果次第ということもあるが、現状で判明する限りの生存する拉致被害者の帰国を実現する、（3）さらなる実態調査と真相解明は国交樹立後に国交のある国同士の警察当局の捜査協力（場合によっては第三国も入った国際調査委員会）に委ねる----しかないのではないか。［続く］▲</p>]]>
    </content>
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    <title>INSIDER No.526《HATOYAMA》日米間のどこでどうやって情報が歪められるのか？──駐米日本大使とクリントン長官の「異例の会談」</title>
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    <published>2009-12-27T13:06:22Z</published>
    <updated>2010-01-04T15:20:35Z</updated>

    <summary>　《THE JOURNAL》上の二見伸明ブログへのコメント欄でも話題になっている...</summary>
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        <name>《THE JOURNAL》事務局</name>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.the-journal.jp/contents/insider/">
        <![CDATA[<p>　《THE JOURNAL》上の二見伸明ブログへのコメント欄でも話題になっているが、藤崎一郎駐米日本大使が21日、クリントン米国務長官から「異例の呼び出し」を受け、普天間基地移設を現行案通り履行するよう迫ったという日本での報道は、相当大きく事実とかけ離れており、在米大使館・外務官僚とマスコミが結託した"情報操作"の疑いが濃い。</p>

<p>　新聞によってニュアンスの違いがあるのは当然だが、１つの典型として産経ワシントン特派員の記事をMSN産経ニュース22日付から全文引用する。</p>

<div style="text-align: center;">--------------------------------------------</div>

<p><strong>●駐米大使にクリントン長官から異例の呼び出し　普天間問題で米国の立場は不変</strong></p>]]>
        <![CDATA[<p>　【ワシントン＝有元隆志】クリントン米国務長官は21日昼（日本時間22日未明）、藤崎一郎駐米大使を国務省に呼び、日米関係の現状についての米政府の見解を伝えた。焦点の米軍普天間飛行場（沖縄県宜野湾市）の移設問題をめぐり、キャンプ・シュワブ沿岸部（同県名護市）への移設という日米合意の早期履行を求める米政府の立場を伝えたとみられる。日本の駐米大使が国務長官から急遽会談を求められるのは異例だ。</p>

<p>　藤崎大使は会談後、記者団に対して「（鳩山由紀夫首相や岡田克也外相に）報告する必要がある」として会談内容を明らかにしなかったが、普天間移設問題に関し、現行計画を推進する米政府の立場に変化はなかったとの認識を示した。米側の危機感の表れかとの質問に対しては、「重く受け止めている」と語った。</p>

<p>　藤崎大使によると、クリントン長官からは21日朝に会談の要請を受け、約15分間会談した。長官は「日米関係を重視する立場から、日米関係全般についての考え方を伝えたい」と述べたという。</p>

<p>　会談にはキャンベル国務次官補（東アジア・太平洋担当）らが同席した。米側から会談に関する発表はなかった。</p>

<p>　クリントン長官は17日夜（日本時間18日未明）に国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議（COP15）に出席した際、鳩山由紀夫首相と晩餐会で隣席となり、意見交換した。この席で、首相は普天間移設問題について、現行計画に代わる新たな選択肢を検討するとの方針を説明するとともに、「（結論を）しばらく待ってほしい」と要請した。</p>

<p>　首相は記者団に対して、「（クリントン長官に）基本的に理解してもらった」と述べたが、米政府内には結論先送りへの不満は強い。このため、クリントン長官は改めて米政府の立場を藤崎大使に伝えたとみられる。</p>

<div style="text-align: center;">--------------------------------------------</div>

<p>　まず１つはっきりしていることは、コペンハーゲンでの鳩山発言は軽率で、黙っていた方がよかった。恐らくクリントンとの宴席での会話で鳩山は、「普天間移設の現行案だけでなく新たな選択肢を含めて時間をかけて検討していきたい」と述べ、長官は「米政府としては現行案がベストだという考えは不変だが、交渉を継続することには同意する」というようなことを言ったのだろう。それはそれとして胸に収めておけばいいことで、最高指導者がブラ下がり会見的な立ち話で口にすべきことではない。案の定、日本のマスコミが「本当にクリントンが"理解"を示したのか？」という調子でこれを伝え、余計なハレーションを引き起こした。</p>

<p>　21日のワシントンでの出来事の真相はもちろん分からない。恐らくは、キャンベルが鳩山発言がそのような形で報じられたことについて、藤崎大使に電話で「どういうことなんだ？」くらいのことを言ったので、藤崎が慌てて「ではこちらから説明に伺いましょう」ということになったのではないか。それでキャンベルの部屋に行くと、「今長官も在席だから一緒に話をしよう」ということになり、恐らく藤崎は「鳩山総理は普天間移設を捨てている訳ではない。それを含めてあらゆる選択肢を検討する協議を続けていきたいというのが真意だ」というようなことを弁解口調で説明した。すると長官らは「米政府としてはあくまで現行案がベストだという考えに変わりはないが、今後とも協議には応じる。ただし出来るだけ早く結論を得たい」と言っただろう。</p>

<p>　藤崎は、公的には鳩山政権の立場を表明しなければならないが、私的には「米国を怒らせたら大変」と思っている旧式外務官僚の典型である。その矛盾をナイフでこじ開けるようにして、記者が「米側の危機感の表れか？」と質問し、藤崎が「重く受け止めている」と答えると、記者側はたちまち「クリントンが怒り狂って大使を呼びつけた」というフィクションを描き上げてしまう。</p>

<p>　さて翌22日のクロウリー次官補（広報担当）の定例記者会見では、この日本での報道ぶりが話題となった。米国務省HPで公開されている会見の様子は次の通りである。</p>

<div style="text-align: center;">--------------------------------------------</div>

<p><strong>●クロウリー次官補の12月22日定例記者会見の該当部分の全訳</strong></p>

<p>質問　昨日の国務長官の日本大使との会談について何か資料があるか。長官が普天間について話し合うために大使を呼んだと聞いているが。</p>

<p>クロウリー　日本大使がカート・キャンベル次官補代理に会うために立ち寄り（came by）、クリントン長官のところにも立ち寄った（stopped by）のだと思う。この会談を通じて、大使は我々に、基地合意に関連する問題で折り合いをつけるにはなお時間が必要だという考え（indication）を伝えた。我々は依然として、現行案が最善の道だと信じているが、この問題について日本との議論を続けて行くつもりである。</p>

<p>質問　「立ち寄った（stopped by）」とおっしゃった。彼は呼び出されたのではないと言うのか。</p>

<p>クロウリー　はい、私は...。</p>

<p>質問　その日は役所は閉まっていて...。</p>

<p>クロウリー　彼は、つまり、呼び出されたのではないと思う。実際は、彼が我々に会いに来たのだと思う。</p>

<p>質問　日本の新聞に出たいくつかの記事では、［鳩山］総理がコペンハーゲンで行った発言に対して長官が異議を唱えたのだろうとされている。総理は、普天間問題について［の総理の考えに］長官が理解、もしくは基本的な理解を示したというようなことを言った。確認できますか？</p>

<p>クロウリー　私は長官と共にコペンハーゲンに行った。長官が総理と接触したのは、２人が会議場に移動する間の廊下でと、デンマーク女王主催の晩餐の席でだと思う。２人の議論がどのようなものだったのかについて、私は特に承知していない。明らかなことは、この問題は我々にとって引き続き重要であり、我々は今後も日本政府と検討作業を続けて行く（continue to work with）ということである。</p>

<p>［中略］<br />
質問　（聴取不能）すいません、普天間についての質問（聴取不能）...。（聴取不能／日本政府は、か？）米国にとって適切な期限までに普天間問題の決定を下すと思うか。</p>

<p>クロウリー　何度も言ってきたように、日本側は昨日も含めてこの間、この問題に折り合いをつけるのに若干の追加的な時間が必要であると主張してきた。そして我々は彼らとの議論を続けるつもりである。</p>

<p>質問　そうすると、（聴取不能）米日関係は？</p>

<p>クロウリー　つまり、日本には新政権が誕生した。政権移行に困難が伴うであろうことは我々は理解している。我が国も政権交代したばかりだ。そこで、我々は日本との検討作業を続けて行くつもりである。そして明らかに、現行案の履行期限がやってくることのインパクトについては我々は潜在的には懸念を抱いているが、しかし我々は、それ［現行案］が持っている問題を解決することを助けるために日本と緊密に検討作業を続けて行くつもりである。</p>

<div style="text-align: center;">--------------------------------------------</div>

<p>　見るとおり、大使は呼び出されてはいない。私の推測では、キャンベルが電話で何かを言ったので大使が吹っ飛んで行ったというようなことはあるかもしれないが、少なくとも長官が大使を呼びつけたというのは事実に反する。</p>

<p>　鳩山とクリントンの対話も、藤崎とクリントン及びキャンベルとの会談も、おそらく中身は同じで、クロウリーが説明しているようなことである。繰り返すが、日本側は普天間移転の現行案を捨てている訳ではないが、グアム全面移転を含めてあらゆる選択肢を時間をかけて検討したいという立場であり、それに対し米側は、現行案で早期決着することがベストであるという考えに変わりはないが、交渉には応じるという立場であって、ここで重要なのは、米側が現行案に固執していることではなくて（それは立場上当たり前だ）、それでもなお「交渉を続ける」ことに同意しつつあるという事実である。ところが、産経を典型とする新聞は、前者だけを強調して後者は無視する。何が何でも現行案で強行せよと日本の報道が米国政府を煽っている形となる。</p>

<p>　だから、上に全文を引用したクロウリーの22日の会見についての報道も、おかしなことになっていく。これは23日付の読売新聞記事である。</p>

<div style="text-align: center;">--------------------------------------------</div>

<p><strong>●「現行案の期限内実施に懸念」米国務次官補</strong></p>

<p>　【ワシントン＝小川聡】クローリー米国務次官補は22日の記者会見で、米軍普天間飛行場移設問題をめぐる日本政府の決着先送り方針について、「現行案の期限内の実施に悪影響を及ぼしかねないと懸念する」と述べた。</p>

<p>　ただ、「日本自身が疑問を解決する手助けを緊密に続ける」とも述べた。</p>

<p>　21日のクリントン国務長官と藤崎一郎駐米大使の会談については、「もう少し時間がかかるとのメッセージを伝えられた」と説明した。</p>

<div style="text-align: center;">--------------------------------------------</div>

<p>　上のクロウリー会見は間違いなく全文だから（言い間違いや言い直しも含めてそのまま載せているし、録音で聴取不能だった個所はそのように断りを入れている丁寧さである）、一体どこからどうやってこの記事が導き出されるのか。明らかにクロウリー次官補は、繰り返し「日本と検討作業を続けて行くつもりである」ことを強調していて、そこが"ニュース"であるというのに、「懸念」という一言だけを捉えて見出しを立てる見え見えの作為である。何も知らずにこれらを読んだ国民は、間違いなく「クリントンは鳩山に怒り狂っている」という印象しか抱かない。危機なのは日米関係でなくマスコミの報道姿勢である。▲</p>]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>INSIDER No.525《HATOYAMA》普天間問題は「常時駐留なき安保」への扉である──10年前の沖縄への想いを振り返る（その１）</title>
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    <id>tag:www.the-journal.jp,2009:/contents/insider//12.6441</id>

    <published>2009-12-19T12:05:39Z</published>
    <updated>2009-12-21T12:10:34Z</updated>

    <summary>　毎日新聞が12月16日から３回連載した「迷走の13年／普天間移設の構図」は、第...</summary>
    <author>
        <name>《THE JOURNAL》事務局</name>
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        <category term="HATOYAMA" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.the-journal.jp/contents/insider/">
        <![CDATA[<p>　毎日新聞が12月16日から３回連載した「迷走の13年／普天間移設の構図」は、第３回だけが面白い。３回それぞれ担当記者が違っていて、第１回と第２回は「米の不信、拡大必至」とか「場当たり的な首相」とか、マスコミに溢れかえっている平凡なトーンに終始しているが、影山哲也ほかが執筆した第３回はちょっと違っていて、「（普天間見直しを）『常駐なき安保』への出発点に」「（鳩山は米国との）不協和音に動じず」という見出しで、普天間問題を日米安保体制の抜本的見直しへの突破口にしようというのが鳩山の本音の狙いであることを的確に指摘している。要旨はこうだ。</p>]]>
        <![CDATA[<p>▼鳩山は96年旧民主党結成で代表に就いた直後に『文芸春秋』に発表した「私の政権構想」で「北東アジア非核地帯化のための安保対話システム確立と経済協力推進の努力を通じ、極東有事が発生しない北東アジア情勢を作り出す。その進度に応じて沖縄・本土の米軍基地の整理・縮小・撤去と『常時駐留なき安保』への転換を図る」と述べていた。</p>

<p>▼それから13年、鳩山は16日「常時駐留なき安保」について「首相という立場」を理由に「封印」を宣言したが、自民党の石破茂政調会長はそれが彼の本音であることに変わりないとして、「常時駐留なき安保」は「非武装中立か独自防衛かの二者択一」に行き着くと述べた。</p>

<p>▼沖縄県副知事だった吉元政矩は「鳩山の東アジア共同体構想や安全保障に関する考え方は『常駐なき安保』に向かっている」「13年前に描いたビジョンが現実になりつつある。普天間問題は出発点にすぎない」と指摘する。</p>

<p>▼吉元は96年１月に、2015年まで３段階に分けて沖縄米軍基地の全面返還を実現する「基地返還アクションプログラム」をまとめた。それが土台となって生まれたのが同年９月結成の旧民主党の「常時駐留なき安保」政策で、それには95年の沖縄少女暴行事件が大きなインパクトとなっていた。</p>

<p>▼横路孝弘＝現衆議院議長は「旧民主党のスタートは常駐なき安保」と断言し、小沢一郎が第７艦隊ぐらいあればいいと言うのもそれと同じだと言っている......。</p>

<p>　この大筋は正しい。鳩山は96年以来、終始一貫、「常時駐留なき安保」論者である。16日にそれを「封印」すると言ったのは当然で、この論は現民主党の綱領的合意となっている訳ではないし、まして政府の公式路線としてまとめ上げている訳でもないから、総理としてどうなのかと問われれば封印すると答えざるを得ない。が、個人の思いとしては、石破に言われるまでもなくそれが本音で、彼の普天間問題への対応の底に流れているのもそれである。</p>

<p>　ちなみに、この記事中で石破が、常時駐留なき安保、すなわち在日米軍の削減は「非武装中立か独自防衛の二者択一」を意味すると言っているのは、全くド素人の意見である。同じ記事中で横路が「冷戦後、国際的環境は変わったのだから、（米軍が退いた分だけ）日本の軍事力を強化するという話にはならない」というのが本当である。</p>

<p><strong>●２つの前提</strong></p>

<p>　旧民主党が掲げた「常時駐留なき安保」論には２つ前提がある。１つは、「脅威の見積もり」に関わることで、冷戦時代には在日米軍は基本的に、旧ソ連の脅威、具体的には旧ソ連極東配備の陸軍機械化師団が大挙渡洋し北海道に上陸陸侵攻する事態に対処することを第１目的とし、北朝鮮・中国による「第２の朝鮮戦争」と中国による「台湾武力侵攻」に備えることを第２目的として駐留を続けてきた。冷戦後、旧ソ連の脅威は大局的には消滅したが、米日政府は北朝鮮の（主としては核の）脅威と中国の（主としては海軍力増強の）脅威をことさらに強調して、冷戦時代と同じ量と質の"脅威"が日本を取り巻いているかのような幻想を国民に植え付けてきた（これを私は「脅威の横滑り」と呼んできた）。日本側には「米国に見捨てられては大変」という冷戦思考が色濃く残っていて、他方米国にしてみれば、それを利用してこれまでの在日基地を既得権益として確保して、アジアからインド洋、中東に至るまでの展開のための一大戦略拠点として活用できればこんなにうまい話はない。このため、冷戦後の日本が本当のところどのような軍事的脅威に直面しているのかという「脅威の見積もり」は一度として冷静に分析されることのないまま、「北が危ない、中国が怖い」という情緒的な恐怖幻想に置き換えられてきた。</p>

<p>　だから、石破はじめ自民党の「米軍がいなくなればその分日本が独自防衛力を増やさなければならない」という議論はド素人なのである。冷戦時代と"脅威"の量も質も同じであれば、日米両軍の戦力合計を同じ水準に保たなければならないが、その量が減じ質も変わっているのであればそれに応じてむしろ戦力を縮減し配置も見直す必要が生じて当然である。同じく岡田克也外相が18日の会見で「海兵隊は日本にとって必要な存在。海兵隊の抑止力に期待するなら、日本の外に出て行ってくれというのは余り通用しない」と語ったのもド素人の証拠である。「抑止力」というのはオマジナイではないのであって、(1)見通しうる将来について日本がどこからのどういう様態の脅威に直面する危険があって、(2)それを未然防止する抑止力としては日本の防衛力ではどこがどの程度足りなくて、(3)その分を在日米軍が補ってくれるとして、そのうち海兵隊の役割はどういうものであって、(4)それは在沖の海兵隊が全部グアムに移転して統合配備され、かつ最新のMV-22垂直離着陸輸送機を主力ヘリとして採用して格段に機動力と航続距離を伸ばした場合と比べても、どうしても沖縄に居続けないと果たせないものなのか----ということを、これから米国と交渉しなければならないという時に、外相がこんなことを言っていてはお話にならない。</p>

<p>　もう１つの前提は、毎日の記事が鳩山文春論文を引用している個所で理解されるとおり、「常時駐留なき安保」の実現は、20世紀的な敵対的軍事同盟の遺物である日米安保条約を、21世紀的な地域集団安全保障体制としての「東アジア共同体」の枠組みが形成されるまでの経過措置であって、後者が機能するに連れて常時駐留なき安保が深まって行って最終的に前者に行き着いていくものと想定されている。</p>

<p>　このあたりのことは、私としては13年前にほとんど議論し終えていることで、今更の感もあるのだが、世の中全般はそうでもないので、今後何回かに渡って当時のINSIDERから関連の論説や記事を再録して参考に供することにする。</p>

<p>　第１回は、安保論の理屈ではなく当時の私の沖縄への想いを表している喜納昌吉との長い長い対談である。これは当時CSチャンネルに存在した「ドキュメンタリー・チャンネル」の特番のために収録したVTRを文章に起こしたものである。喜納はその後民主党参議院議員となり現在は同党沖縄総支部代表である。</p>

<p>-----沖縄への想い(1)---INSIDER1998１月１日号より--------------</p>

<p>世紀末誇大妄想対談／喜納昌吉vs高野孟</p>

<p>高野（Ｔ）　1853年、今から144年前に米国のペリー提督が「黒船」で浦賀を訪れて日本を大砲で脅して開国を迫った訳ですが、実はその時ペリーは往きと帰りに琉球に寄って、やはり石炭の貯蔵庫を作らせろとか要求した。それから144年、今度は「白船」を仕立てて、武器で脅すのではなく楽器を載せて逆コースで米国に乗り込もうという飛んでもないことを考えた人がいて、それがこの方、喜納昌吉さんです。</p>

<p>喜納（Ｋ）　よろしくお願いします。</p>

<p>Ｔ　いやあ、この発想には参った。</p>

<p>Ｋ　ありがとう。つい思いつきで言ってしまったんですが。でも、大事なことだと思います。</p>

<p>Ｔ　その話は後でゆっくり聞くとして、この場所は「チャクラ」、那覇の国際通りの真ん中にあって、なかなかいいライブスペースですが、もう長くやっているんですか。</p>

<p>Ｋ　仲間と一緒に作って3年です。元々私は27年前からコザで「ミカド」をやっていたので、自分のスペースで音楽をやるのが安心する。</p>

<p><strong>●元祖ワールド・ミュージック</strong></p>

<p>Ｔ　喜納さんと言えば、去年のアトランタ五輪の開会式にアジア代表として乗り込んで行った。これは僕らには驚きでした。そもそも向こうがどういうセンスで喜納さんを選んだんだろう、本当に分かって選んだのならすごいなあと思いましたよ。</p>

<p>Ｋ　何で喜納昌吉を選んだのか、日本にはもっと有名なミュージシャンがいるのにおかしいんではないかという抗議の電話が殺到したようです。だから、そういう高野さんのアプローチは珍しいですね。</p>

<p>　僕の音楽は、通の人たち、ミュージシャンが聞くミュージックと言われた。実際、ワールド・ミュージックも原点を辿れば私にブチ当たるということがあるみたいです。それから３〜４年前に東大寺でやった「グレート・ミュージック・エクスペリエンス（ＧＭＥ）」が世界中に放映されて私が注目された。その後また私は、ワシントンＤＣで「ウォーク・フォー・ジャスティス（正義の行進）」でアメリカ先住民の前でコンサートをやり、続いてニューヨークのセントラル・パークでもコンサートをやって、みんなが私の音楽に狂ってしまい、そのことが『ニューヨーク・タイムズ』で紹介された。その時に「喜納さんは何で来たんですか」と聞かれて、「ペンタゴンに行って、武器を作るのでなく楽器をつくることを勧めたい」と言ったら、拍手喝采だった。</p>

<p>Ｔ　アメリカ人はそういうせりふが好きだからね。</p>

<p><strong>●「象の檻」で歌って</strong></p>

<p>Ｋ　そいうことから段々アトランタに導かれることになったんでしょう。</p>

<p>Ｔ　しかし実際にアトランタに行ったら、なかなか思い通りではないような状態があったようですね。</p>

<p>Ｋ　あれはねえ、最初の頃はあらゆる新聞から私に取材申し込みもあって非常によかったんですが、急に基地問題が沸騰してしまって、これはやばいという形になって──「アメリカと沖縄は戦争をしている」というジョークがあったくらいだから。それからまた私が「象の檻」に入ってしまったものでねえ、オリンピックとしてはテロ対策があるし、先入観として何かそういう......。</p>

<p>Ｔ　反戦派だと。</p>

<p>Ｋ　という考え方が出たんでしょう。</p>

<p>Ｔ　それは沖縄の中でもあった？</p>

<p>Ｋ　それはだって、私は革新県政のあり方に少し物を言って、非常に煙たがられていた時期があったから、そうすると保守勢力が喜んで応援しようということになって、お金も集めるということで態勢も出来上がっていたのに......。</p>

<p>Ｔ　あれはとにかくエイサーの踊り手を含めて170人から連れて行こうという大計画だったわけだから、相当なスポンサーが集まらないと出来なかった。</p>

<p>Ｋ　そうそう。そのときに知花さんが「喜納さん、ぜひ象の檻に入ってほしい」と言うわけね。「私は運動を変えなくてはいけないと思っている。象の檻で歌をうたって踊りたいんだ」と。ああ、それは素晴らしいと思って受け入れた。確かに頭の中では、受け入れたらこれはスポンサーが逃げるなあということがあったけれど、これで避けるようなスポンサーなら仕方がないと。案の定、みんな逃げてしまった（笑）。</p>

<p>Ｔ　行く前にこっちでそういうことがあって、行って向こうでも最初企画した<br />
通りにはならなかった。</p>

<p>Ｋ　本当は僕は2回、夜に演奏する予定だったけど、何か異常な警戒心が働いていて、会うべき人が会いに来ないし、私に触れるのを避けている。「象の檻」の衝撃が凄かったんでしょう。それにエイサー隊が150人もいるからそこにテロ集団がいるんじゃないかということがあったんでしょう。それで、夜にするはずが昼に持ってこられて、次の日になったら朝になって、しかも2回が1回になって......。頭に来たけど全部呑み込んで来た。意味があるんだろうと思ってね。しかし今考えると、2回やっていたらあの広場で起きた爆弾テロが私を直撃したかもしれない。</p>

<p><strong>●アトランタ五輪の精神構造</strong></p>

<p>Ｔ　でもまあ、行っていいこともあったでしょ？</p>

<p>Ｋ　それなりに努力しているのは窺えるんですが、しかし最後は計算が政治的にならざるを得ない。政治というのは当然、軍事が背景にあるが、その政治と経済の癒着の今の構造が資本主義の名の下で暴走していることは確かだった。</p>

<p>　なぜかというと、マルチン・ルーサー・キングが非常に持ち上げられたでしょう。ゴスペルを歌って、キングの栄えある歴史的業績を讃える画面を出して、最後はモハメッド・アリが出てくる。少し歴史を振り返ると、ファラカンの100万人大行進があった。ファラカンはイスラム教徒でキリスト教国の脅威でしょう。そうすると、昔は黒人にはキリスト教も許されなかったのに、キリスト教のキングを一度持ち上げておいて、なおかつイスラムのモハメッド・アリというヒーローを持ち出してきて曖昧にしてしまうという、非常に巧妙な......。</p>

<p>Ｔ　手が込んでいるというか。</p>

<p>Ｋ　アメリカのパワー・ポリティックスの原理が働いていたことが窺える。それを超えるようなオリンピックではありえなかった。</p>

<p>Ｔ　あの演出をそこまで読んでいる人はいなかった。あなたのような人だと現場で見て感じてしまう。</p>

<p>Ｋ　目の前にアメリカの精神構造が見えてしまう。だから今後アメリカと対話していく上でいい経験をさせて貰ったと思っている。</p>

<p><strong>●日本人のトラウマ</strong></p>

<p>Ｔ　そのアトランタの経験が「白船」に繋がったのか。</p>

<p>Ｋ　もしあそこで私が満足していれば、たぶん錦を飾って......しかし、あそこでそういう仕打ちを受けたことによって、欲求不満が残ってアメリカで何かをしなければならないようになってしまった。そこから試行錯誤しながら考えると、沖縄の基地問題が特別措置法改正という形に終わって、あの少女の悲劇、涙というものが報われずに経済的な条件闘争に変わってしまった。</p>

<p>Ｔ　「いくら」という話に......。</p>

<p>Ｋ　あの55億円（の沖縄振興費）という訳の分からない話で、結局は１兆円かけてヘリポートを作るという──基地に反対する運動だったのがなぜ基地を作る方向に行ってしまったのか、私は不思議でならない。アメリカのオリンピックの精神構造と、沖縄が体験している構造がまったく同じで、日本国自体がそういう構造の中に押し流されてしまっている。そしてそれは、新たなる「琉球処分」という話があるけれども、実は「日本処分」でもある訳です。自ら日本処分を下さざるを得なかったという......。</p>

<p>Ｔ　そうなんだ。日本人はそのことに気が付いていない。</p>

<p>Ｋ　だからそれが不幸なんで、沖縄は傷が深いから、もう気が付いてしまった。本土はまだ気が付かない。</p>

<p>Ｔ　沖縄だけのローカルの問題だと思っている訳よ。</p>

<p>Ｋ　ところが時間を延ばして考えると大きなシッペ返しが来ることをわれわれは見てしまう。その中で沖縄とヤマト、そしてアメリカを考えたとき、どんな方法が一番いいか。</p>

<p>　そこでフイと、この一体、歴史的トラウマ──何でこれほどビクビクして行動しなければならないのか、これだけ経済的な力を持って世界に貢献しようと思えばいくらでも行動出来る頭脳を持っている日本人が、何で稼いだお金を訳の分からないバブルの崩壊で持って行かれたり、馬鹿なことをしでかすんだろうか。</p>

<p>　そう思いながら、第２次大戦、廃藩置県、島津の侵攻と沖縄の歴史を遡った時に、ああ、黒船が来たんだ、と。そこからアメリカとの因果関係が始まった。そして不思議なことに、この黒船は沖縄にも来た。さらに不思議なことに、そのときアメリカの3名の水夫が少女を暴行している。その船の提督がペリーなのよ。先日の暴行事件が起きたときの国防長官はその孫だか曾孫だかでしょう。あまりに因果関係が出来すぎていて、私はビリビリと来て、「よし、黒船の代わりに白船、武器の代わりに楽器を載せて、戦争の代わりに祭りをやればいいんだ」と。</p>

<p><strong>●内戦状態のアメリカ</strong></p>

<p>Ｋ　そして、アメリカが唯一解決できない先住民問題を解決してあげようじゃないか、と。先住民と黒人、そして白人に手を握らせれば、本当に世界は安心する。あれだけの武器を持って力を持っている国が毎日、内戦のように人殺しをしている。他国と戦争して死ぬ数よりも身内の事件で死んでいる人の方が多いんじゃないですか。まさに内戦状態ですよ。これは法則性があって、あんまり外側で戦争を起こすとその反動が来て内側で殺し合いになってしまう。そういうことをアメリカに目覚めさせたいという思いがありますね。</p>

<p>Ｔ　実際には「白船」は来年出る？</p>

<p>Ｋ　11月１日。船は1万何千トンで550名が乗れるのを借り切って。しかし１人で乗るとどうしても２カ月間拘束されて、100万円かかってしまうので、何とか交渉してもう少し安くするとしても、かなり無理は避けられないですね。それで、沖縄から出発するとして、先々の寄港地である部分を30万円くらいで乗れるというやり方をしようと。</p>

<p>Ｔ　「ピースボート」なんかもそういうやり方をしてますよ。区間乗りがあれば一番効率的に埋められるし、それから人によって興味がある場所が違う場合もあるし。</p>

<p>Ｋ　あ、そうですか。みんな考えることは同じだ。「ピースボート」はベ平連の流れもあって80年代に始まって、私も力を入れたんですよ。また合体してやれればいいと思っているんですが。</p>

<p><strong>●60年代の反逆を超える</strong></p>

<p>Ｋ　歴史のトラウマに対してカウンターという形で動き出したのが60年代から70年代だった。言葉は悪かったかもしれないが「革命」ということで。その手段や方法論は無理があったと思うんですが、しかしあの頃の若い人たちは未来を見ていた。ヒッピーは「フリーダム」、マルクス主義者たちは「ユートピア」とかで、それはソ連よりもアメリカの影響を受けていた。</p>

<p>　しかし沖縄が返還されて目的を失ってしまって、「80年代は消えた」と言われた。それは、それぞれが自分の哲学を持つための1つの試練だった。決して今度は麻薬とか暴力とかではなく、それで敗北したんですから、その２つを超えるものを提供しなければいけない。それは、日本がずっと育んできた「祭り」というもの──神流（かんながれ）というのは自然の循環でしょう、そういう循環の祭りが西洋文明にはないから、それをルネッサンスとしてアメリカに持ち込むという、壮大な夢を僕は見てるんです。</p>

<p>Ｔ　黒船に始まって、西洋文明をいいものだと思って受け入れるばかりの長い年月があって、60年代、70年代というのは感性的にそれに反発するということでひと盛り上がりがあって、そしておっしゃるようにドラグだヴァイオレンスだ内ゲバだということで拡散してしまった。そこで本当の意味で西欧文明との出会いの100年を超えていくものは何かということになって来て、逆に言うと西洋の側でもそれを求めている。東洋への憧れというか、禅ブームだったりタオイズムであったり形はいろいろだけども東洋を見直そうとことがあって、これが世紀の変わり目での世界の１つの流れですよね。</p>

<p><strong>●神仏の基底にあるもの</strong></p>

<p>Ｋ　だから世界が欲求している、そのポイントが日本なんです。それに日本人は目覚めてほしい。なぜかというと、日本の歴史を見ると、まず奈良・京都という古都があって、そこには聖徳太子以来の仏教がありアジアがある。一方、東京には明治維新の廃仏毀釈によって神道があり、それによって西洋文明が開花した。この両者の間に断層があって、それを埋めることが出来ないから今あらゆる事件が起きている。顕著なのは神戸で起きた酒鬼薔薇の事件で、本来、日本に文化力があるなら、ホラー映画とか西洋から来た悪魔的な文化を消化して返してやる力があった訳よ、新陳代謝の能力が。</p>

<p>Ｔ　浄化能力ね。</p>

<p>Ｋ　ね、それがもうなくなってしまって、ちょうど明治維新の廃仏毀釈、第２次大戦中の政祭一致の中で、確かに不完全な仏教や不完全な神道があったかもしれないけれども、その下の純粋の神道も純粋の仏教もあるはずで、そこまでみな犠牲にしてしまった。だから西洋から来た精神文化に対して適応能力を失ってしまった。その狭間にあの神戸の事件がある。本来なら大人が守るべき子供たちを失った。そのことなくしてあの事件の答えは出せない。</p>

<p>Ｔ　なるほど。</p>

<p><strong>●縄文は生きている</strong></p>

<p>Ｋ　だから、仏教と神道を融合するところに、われわれがやり残してきたことがある。それは何かと言えば、われわれは弥生文化を受け入れたが、それは縄文の悲劇に基盤がある訳ね。縄文は決して過去ではない。北にアイヌが現在いるんだから。アイヌ新法を制定するという課題が起きているが、これは中途半端に終わっている。二風谷の件で先住民権を問われながら、アイヌ新法では先住民権がないという、このそもそも曖昧な論法──沖縄の基地問題もそう。沖縄の心は理解できると言いながら特措法を改正するという。在日（コリアン）の参政権問題も同じ。日本の民族史の中で、この3つの民族だけは官僚制が文化的に消化できなかった。</p>

<p>　これを消化するたくましい日本の新しい精神が出来上がったとき、神道と仏教が新たに融合し、そして西洋と東洋が──だって、日本ほど西洋のマテリアリズムがピークに達しているところはないでしょう。日本ほど東洋のスピリチュアリズムがピークに達しているところはないでしょう。この２つを融合させて、世界に人類は1つ、地球は1つという手応えを感じさせる唯一のところが日本なんだ。この21世紀を目前にして。</p>

<p><strong>●金芝河のペレストロイカ観</strong></p>

<p>Ｔ　韓国の抵抗詩人、金芝河も同じようなことを言っている。それはペレストロイカという話の中で、ペレストロイカというのは彼に言わせれば、単にソ連国内の話ではなくて、大量生産・大量浪費の産業文明が、形は資本主義にせよ社会主義にせよどっちにしたって産業主義なわけで、そういう時代がもういよいよ限界に来て、それをどう超えていくかというのが広い意味でのペレストロイカで、たまたまソ連でゴルバチョフが始めたが、それが東欧に広がり、西欧にも影響が及び、中南米にも民主化の波が荒れ狂って、ずっと世界一周して、結局、世界的なペレストロイカは東洋において完結すると彼は言う。</p>

<p>Ｋ　なるほどですねえ。</p>

<p>Ｔ　彼の場合は韓国だから「東学党の乱」が出てきて、そういう東洋の精神文明が世界をリードするんだと。日本や韓国にはそれを実現する役割があるんだと言う。</p>

<p>Ｋ　ああ、いいですねえ。私は、それを選民意識からやるのではなくて、これまで受けた恩恵を返さなくてはならない時期に来ている、そういう役割としてやればいいと思う。その意味でいま日本が置かれている一番大変なことは北朝鮮の"脅威"論でしょう。38度線の問題は決して韓国・北朝鮮の問題ではない。アジアの不安定の問題であり、世界の不安定の問題でもある。だから北朝鮮が水害で苦しんでいるのなら、拉致事件を取り上げるのもいいけれども、勇気を持って米を送るべきでしょう。そういうところから始まる。</p>

<p><strong>●北朝鮮への怒りの歪み</strong></p>

<p>Ｔ　確かに、北朝鮮の飢えは相当ひどいです。</p>

<p>Ｋ　もし拉致事件を取り上げるなら、なぜ沖縄の少女が拉致・強姦されて日本は気をつかってアメリカのために55億円も出して、なぜ本土の人が拉致されたらこんなに怒るんですか。アメリカに怒ることが出来ない分まで北朝鮮に怒っているんじゃないですか。私は怒ることは否定しないけれども、怒るのにも理性が必要で、その理性が21世紀に基づいた理性でなければわれわれは間違いを起こしてしまう。そういうことがあるなら、日本は堂々と北朝鮮と外交し、韓国と外交し、中国と外交し、アメリカと外交する自信を持ってほしい。</p>

<p>Ｔ　だってね、拉致事件は事実かもしれないですよ。しかしそれがあったから国交を結ばないとか、食料援助をしないとかいう話とは違う。それは解明しなければいけないけれども、例えばじゃあ沖縄の少女が1人ひどい目に遭ったからアメリカと国交断絶かと。北朝鮮にああ言うんだったらアメリカにもそう言わなくては辻褄が合わないけれども、その気迫はない。</p>

<p>Ｋ　筋を通すという考え方が日本から消えてしまった。力の強いアメリカにはハイハイと言い、ちょっと弱そうなところには偉そうな顔をするという......。</p>

<p><strong>●沖縄を針の先にして</strong></p>

<p>Ｔ　それは「いじめ」の構図なんですよ。政府がやっていることがそういうことなんだから、学校教育が問題だとか言ってもうまく行くわけがない。この国の指導者がやっているのがそんなことなんだもの。</p>

<p>Ｋ　基地特措法が９：１で可決されるなんて「いじめ」そのものでしょう。指導者がそういうことをすれば下部にも流れて行くわけです。そこに政治のモラルがあるはずでしょう。政治家だけでなく、経済界、文化界、宗教界のリーダーたちは何を恐れているのか。21世紀を目前にしてこれだけホットな場所はない。沖縄を地球的・人類的な規模で使ったらどうですか。アメリカが国連の分担金を出さないと言うのなら、沖縄が国連の面倒をみればいいじゃないですか。基地の運営資金を少し回せばいいんですから。あるいは尖閣列島に石油や鉱物資源があるというなら、それを国連に委託して人類の福祉のために有効に使えばいい。大体、石油を持った国なんていつも戦争に......。</p>

<p>Ｔ　ろくなことにならない。20世紀の戦争なんてほとんど石油のために起きたようなものだから。第1次大戦は結局、中東の分割。第2次大戦で日本はインドネシアの石油を取ろうとした。ベトナム戦争も海底油田を誰が取るかという話だった。石油の世紀イコール戦争の世紀という20世紀をどう総括するかですよ。</p>

<p>Ｋ　石油資源が国力の象徴となって常に争いの元になってきて、未だかつて自分のエネルギー利権を人類福祉のために投げ出した国はないでしょう。沖縄が最初にやればいいのよ。そして沖縄が唯一、人類の非武装地帯になって、国境線──金属疲労を起こした国家という金縛りから独立する。</p>

<p><strong>●新しい独立論の論理</strong></p>

<p>Ｔ　国境から独立するという独立論。</p>

<p>Ｋ　そう。沖縄がもし独立論を唱えるなら、人類が歩むべき方向に沖縄が歩むことが重要だと思われたときに独立運動を起こすべきだと思う。バルト３国のように、すぐ国家を持とうとして独立運動を起こして、国家を持つと、より大きい国家から潰されてしまう。そういうことになってはいけない。沖縄に知性があるならば、21世紀に応えるような独立運動でなければ行けない。</p>

<p>Ｔ　いままでの独立論は「独立して自分たちの国家を持とう」だよね。別の国家をもう１つ作ろうだよね。それじゃダメだと。</p>

<p>Ｋ　ダメダメ。それは新たなる沖縄の権力構造を生むだけだ。</p>

<p>Ｔ　今度は宮古が独立すると言いだしたりね（笑）。国境を超えていく。それは、自分たちが実際にやっていることが勝手に国境を超えて行ってしまうということでいいじゃないかという......。</p>

<p>Ｋ　単に国境をなくして制約をなくせばいいかというとそうではないんで、21世紀にそぐわないものは受け付けないということだけであって、もし武器を持っている者は入れない、ドラッグを持ってくる者は入れない、犯罪をする者は入れないという......。</p>

<p>Ｔ　じゃあ米軍はみんなダメじゃないの（笑）。</p>

<p>Ｋ　そうそう。21世紀の道徳から考えればいいの。そして世界の人々を受け入れますと、右も左もありませんと。そういう大きな度量をもったほうがいい。案外そういうのは実現するかもしれませんよ。人間は理想としたものに向かうという本能・習性がありますからね。だからもっと堂々と、国連は沖縄の嘉手納基地に持って来なさいと。そこから地球的規模のアクションを起こそうじゃないかと。</p>

<p>　なぜなら、チェルノブイリの事故でも国境を超えてしまうし、オゾンの問題も熱帯雨林の問題も酸性雨の問題も全部国境を超えている。国境を超えた病に対し、治療は国家単位でやっているから間に合わない。そのためにも、この沖縄を針の先にして、地球規模の運動、プロジェクトに値する場にしていけばいい。それを日本の技術や知恵や財力で推し進めれば、日本は人類史上に輝く国になりうる。</p>

<p>　湾岸戦争に何で120億ドル送る必要があるんですか。あれ以来でしょう、日本に戦争肯定論が出てきたのは。何であれだけの平和思想を持っていた国民が、やれ北朝鮮だ中国だ、教科書がどうだ、核を持たなければいけない......何のためにわれわれには広島・長崎の経験があるんですか、沖縄地上戦の経験があるんですか、東京大空襲があったんですか。それが何一つ生かされていない。</p>

<p>　私は、人類非核宣言サミットを広島・長崎・沖縄でやるべきだと思う。それでオリンピックもやれば素晴らしいんじゃないですか。本当に平和を願う人たちがそういう祭典を担ったときに素晴らしいものになりますよ。</p>

<p><strong>●沖縄の３層の階級構造</strong></p>

<p>Ｔ　ところで私が最初に喜納さんに会ったのは「朝まで生テレビ」でした。隣にいて、番組の中身はまあまあというようなものだったけれども、終わって食堂でビールを飲んで、そのときに喜納さんが凄いことを言ったんだよね。沖縄の３層構造という話をした。これは僕はウーンという感じで、今も強烈に覚えている。横の差別構造というのか、アメリカがありヤマトがあり沖縄があり、さらに沖縄の中でも奄美の問題があり、宮古や八重山の問題もあるという地域的な構造があることは知っていたけれども、縦の構造があるというのは結構ショックだった。</p>

<p>Ｋ　一番顕著なのは台湾の構造で、あそこには高砂族がいて自ら「原住民」と称している。この言葉には差別の垢がついているが、彼らはそれを知ってわざとそう言っている。それから福建省から行った本省人がいて、さらに毛沢東と蒋介石の争いの結果、台湾に逃げざるを得なかった外省人がいて、実権は彼らが握ってきた。</p>

<p>　中国が台湾を呑み込もうという時に、原住民は殺されても台湾から動かない。本省人はある程度逃げる人もいるかもしれないが大方は残る。外省人は残る人もいるかもしれないが大方は逃げるだろう。彼らの持っている利権をどこに移すかとなると、インドネシアは宗教が違うし。マレーシアはちょっとやばい。一番自分たちと同じ血が生きているこの沖縄が近いし楽だということになる。</p>

<p>　実際また沖縄には、1609年の島津の侵略を巧く島津と妥協して生き延びたのは中国から渡ってきた「久米三十六姓」の人々で、要するにその人たちが現在の沖縄の権力なり経済を動かしている。その人たちは深いところで生き残ることを考えた。明の時代に来たから、島津が来たときには清の時代になっていて帰る場所がないので、大方はそこに落ち着いてしまった。</p>

<p><strong>●久米村の人々の今</strong></p>

<p>Ｔ　なるほどねえ。</p>

<p>Ｋ　沖縄を搾取したのは島津だけではない。</p>

<p>Ｔ　むしろ島津のほうが後なんだ。</p>

<p>Ｋ　そう。島津が沖縄を侵略して、福建省の福州に昆布を持って行って......不思議なことに昆布を採っているのはアイヌで、その昆布を日本の中で一番食べているのが沖縄なんだよね。</p>

<p>Ｔ　縄文文化だ。</p>

<p>Ｋ　福州で昆布を売って麝香（じゃこう）を買って、それを富山に売って、それで財源と情報を集めて島津は明治維新を起こしたという訳だ。その時に福州から来た荷物は沖縄に下ろして、久米の人たちがいいものをを分け前として取って、残りを島津に渡した。儲かったのは島津だけではない。不思議なことに、今の沖縄を見ても、表の世界から闇の世界まですべてそこの出身者が支配している。基地問題が起きて、交渉しているのもこの人たちで、沖縄振興費が出てもそれは沖縄の人たちには下りないですよ。そこに問題がある。</p>

<p>Ｔ　さっき話が出たように、少女の涙が「いくら」という話にすり替わった。</p>

<p>Ｋ　私は決して民族浄化運動なんてボスニアのような馬鹿なことは言わない。みんなが仲良くするには、あの事件を計算づくの条件闘争にするやり方がいけないということなんです。少女の問題から始まった基地の痛みの問題は痛みの世界に返っていく。それとこれとは別問題であるということで通さないと。</p>

<p>Ｔ　そこが簡単にすり替わって、そこで特措法改正に至る情けない決着があった。別だということで突っ張り切らなければいかなかったね。</p>

<p>Ｋ　そのことを私はずっと言っていた。</p>

<p>Ｔ　そういう沖縄の上層部とは何者であるかという歴史的アイデンティティというのは面白い問題ですね。それで、その次に島津系がある？</p>

<p>Ｋ　大きい企業は島津系、鹿児島系が多い。</p>

<p><strong>●歴史のリアリティー</strong></p>

<p>Ｔ　今まで漠然と沖縄は縄文系と思っていたのに、そういう3層構造があるという話をあなたが酔っぱらってペロッと言って、僕はビリビリ来たんだ。</p>

<p>Ｋ　歴史をリアルに見る視点ですね。歴史の不始末は現在という仮面を被って暗躍する。それが利権の正体ですね。だから現在あることは、基地があることも含めて、過去に生きた人たちの不始末を負の遺産として受け継いでいることなんです。素晴らしい未来を提供しようとするなら、勇気をもってその不完全な世界をクリアにしていく流れが現れないとダメですね。</p>

<p>　アメリカも中国もそういう問題を抱えている中で、その間に挟まっている日本がいち早く21世紀に向かって国民単位で抜けられる資質を持っていると思う。知的水準というか、ある中枢でそうなんだと言えば隅々まで分かる知的な教育がなされているし、なおかつ自分が思ったことを成功させる経済力を持っている。</p>

<p>　こういう国というのは考えてみるとあんまりないんだよね。アメリカはどんなに国家力を持っていたとしても、またいい意味で多民族国家にしてしてしまったということは可能性を持っているとは思うけれども、それを統合するという意味では日本ほどではない。だから日本がどういう形で自分の歴史・文化を消化する方向に向かえるかですよ。</p>

<p><strong>●日本文化の深層心理</strong></p>

<p>Ｋ　よく沖縄には文化があるけれども日本には文化がないという人がいる。私は、アレアレアレー、日本にはたくさん文化があるじゃないか、と。ただひとつだけ反省しなくてはいけない点がある。というのは、日本は「神の国」であると言いながら神風が吹かずに戦争に負けた。これはどこで負けたかというと精神的ではない、物質で負けた。だから今度は物質を持てば拮抗しうる力を持てる。だから経済だ、と。</p>

<p>Ｔ　物質主義。</p>

<p>Ｋ　で、今度は経済で大政翼賛会になっちゃった。</p>

<p>Ｔ　何でも総動員なのよ。</p>

<p>Ｋ　ね。それで一番犠牲になったのは文化。日本はたくさん文化があるけれども、それを統合する力を失ってしまった。経済で全部、力を使い果たしてしまって。だから、バブルが崩壊して、バブルがどこで底をつくかを考えなくてはいけない訳ね。1300兆円だか資産があってそこに金融ビッグバンの思惑がある訳だが、そういうものに引っかからないようにするためには、日本がバブルの底で、経済力を文化に転化する必要がある。その文化は何に根ざしていたかをよく考えなくちゃいけない。</p>

<p>　仏教、神道......もし沖縄がヤマトと協力することが出来るとすればそれはエイサー。これは袋中上人という方がいて、これは念仏の法然の弟子。法然は浄土宗の開祖で貴族仏教を大衆化した。貧乏人であろうと金持ちであろうと関係ない、念仏を唱えれば阿弥陀の慈悲は誰にでも注がれていると説いた。その弟子の袋中という人が来て、念仏踊りを沖縄の神道であるシャーマニズム、大衆芸能と融合させてエイサーというものを作ってしまった。そこに神道と仏教が和合し、また精神と物質が合体してルネッサンスを起こす可能性がある。バブルが底をつくというのはそういうことだ。</p>

<p><strong>●伊良部はダブルである</strong></p>

<p>Ｋ　いま野球で頑張っている伊良部は、ハーフでなくてダブルなのよ。だって沖縄とアメリカの血が入っているからね。21世紀はそういうプラスの思考に持って行かなくてはダメなのよ。だから日本人は、縄文とハイって来た弥生とのミックスだという......。</p>

<p>Ｔ　その後もいろいろ入って来て重なっているし、日本くらい多民族の国家はないんですよ。</p>

<p>Ｋ　そうそう。しかもそれを１つにまとめる力があった民族なのよ。だから人類がなしえなかった融合──権力によってではなく本当に精神的に和合するという意味の融合をなしうる最初の民族かもしれない。</p>

<p>Ｔ　そのためには、たぶん、明治から100年のこの何でもかんでも総動員という仕掛けを一回壊さないとダメだね。明治時代の日本は人口の８割が農村にいる貧しい農業社会で、大正時代になってもまだそうだった。そこから地租（農地税）という形で税金を取り立てて全部東京に集めて、最も効率的な形で運用するという総動員体制というのが、明治国家から100年の日本だった。</p>

<p>　それはある意味で巧く行ってここまで来たのだけれど、文化や宗教や精神までその国家目標のために動員してしまうという仕掛けの下で歪められたり窒息させられたりしてきた。地方も、方言をしゃべるのはいけないことだみたいな──近代国家を作るというのはまずみんな共通の言葉をしゃべって、命令一下、鉄砲を撃つとか、同じスピードでネジを回すとかいうことだから、そうやってローラーをかけるみたいにしてきた。</p>

<p>　それが今、来るところまで来て、その総動員体制を一回を壊さないと次が始まらない。その壊す鍵は、それは私の思い込みで有り難迷惑かもしれないが、やっぱり沖縄なのよ。沖縄が突出することが、その仕掛けが壊れていく重要なきっかけになるんですよ。</p>

<p><strong>●祭りのエネルギーの逆噴射</strong></p>

<p>Ｋ　いいポイントですね。その意味でも「祭り」ということが今後......その総動員体制の頂点にあるのは東京でしょう、それを逆流させるには東京にそのエネルギーを逆噴射させる。東京の真ん中でアイヌの方々を呼んで、沖縄の方々を呼んで、在日の方々呼んで、なおかつ神道や仏教を含めて爆発を起こして、それでアメリカに行ってね......（笑）。</p>

<p>Ｔ　普通の人が聞けば誇大妄想だね（笑）。</p>

<p>Ｋ　やっぱりねえ。アハッ。</p>

<p>Ｔ　そういうふうにワールドワイドに超えて行こうというのがあなたの発想だ。</p>

<p>Ｋ　一挙にワールドワイドにジャンプして、そこに一回意識を飛ばして足下にメスを入れる。飛ぶだけだとまた気違い扱いされるから（笑）、バランスとってやらないと。タイトロープですよ。</p>

<p>Ｔ　このあなたの『すべての武器を楽器に』という新しい本の帯に「私は提案する。日本は沖縄を世界にプレゼントしなさい」と書いてある。</p>

<p>Ｋ　いいんじゃないですかね。私は何も皮肉を言ったのではなく、その方が本当の協力が出来るということです。</p>

<p><strong>●ヘリポート阻止が出発点</strong></p>

<p>Ｔ　そこでやっぱり面白いのは「白船」計画だ。これから実際どうやって進めていくのか。</p>

<p>Ｋ　一番大事なのは基地問題。基地返還アクションプログラムでは2015年までに基地をなくすと言っている。ところがいま名護に何千億円も使ってヘリポートを作ろうとしている。平和の仮面の裏で利権の争奪が行われている。平和も願うけれどもお金もほしいというのは騙しですよ。その欺瞞性にみな気づいてきている。それでヘリポートの絶対阻止運動が住民サイドから起きている。われわれは世界に訴えてこれを阻止して、その魂を白船に乗せてアメリカに持って行く。</p>

<p>Ｔ　しかもアメリカの専門家に聞くと、ヘリポートを実際に作り始めて何年もかかって出来たときには、海兵隊はいないという。</p>

<p>Ｋ　大田知事のアクションプログラムではね。</p>

<p>Ｔ　いやアメリカの専門家がたぶんいないと言っている。</p>

<p>Ｋ　ということは自衛隊が使うことになる？</p>

<p>Ｔ　たぶんそうでしょう。地元としては誰が使おうと大規模な土木工事で潤うのだから。</p>

<p>Ｋ　自衛隊さんももっと堂々として貰いたいね。沖縄に基地が必要ならはっきりとそう言って議論をすればいいじゃないですか。それを、アメリカを隠れ蓑にして、いなくなった後に居座るという論法では、また新たな歴史への欺きではないですか。</p>

<p><strong>●海兵隊は時代遅れ</strong></p>

<p>Ｔ　そもそも海兵隊そのものが時代遅れになったという議論が海兵隊の中にもある。あれは、敵前上陸という作戦が有効だった時代の遺物で、上陸してから目標までまた歩いて行ったりするわけで、それよりも陸軍空挺部隊をポンと落とした方がいい。だから海兵隊はいらないという話が起きているけれども、まだいるだろうと言っているのは、朝鮮に何かあるかもしれないという北朝鮮脅威論による。しかしこれは１〜２年中に急速に脅威ではないという状況が作られますよ。</p>

<p>Ｋ　そこでまた中国脅威論に持っていくのかもしれない。結局は、産軍複合体の循環が戦争なくしては維持できないという構図が出来上がっているからそういうことになる。そういうものは21世紀的じゃないということをはっきり言わなくてはならない。日本はそういう構造には与しない、まったく新しい価値観を提供する、というようになってほしい。だから自衛隊は武器ではなく楽器を持って......。</p>

<p>Ｔ　全部、軍楽隊にしちゃう。</p>

<p>Ｋ　世界の楽隊を集めて祭りの先頭に立てばいいじゃないですか。国連がそれを主催してやれば楽しいじゃないですか。自衛隊の人が言ってました。「喜納さんねえ、われわれが一番、平和主義者ですよ。だって戦争が始まったらわれわれが最初に行かなければならないんですから」と。</p>

<p>Ｔ　それで船の中では、ドンチャカやったり、勉強会や討論会をやったりしながら、行った先々でお祭りをやる。喜納さんのイメージでは、その時に各地の先住民の人たが......。</p>

<p>Ｋ　重要な役割を果たす。船の中でエイサーを教えたり三味線を教えたり、さらにエコロジーや平和や人権の問題でシンポジウムをしたり、学習しながら渡って行きたい。</p>

<p>Ｔ　それで、黒船が出発したノーフォークまでどのくらいかかる？</p>

<p>Ｋ　往復で2カ月です。まあ来年から具体的に呼びかけを始めて、各地で力のある人が名乗りをあげて実行委員会を作ってほしいですね。そうやっていくうちにわれわれもイメージが固まっていくでしょう。祭りは楽しくやらなくちゃ。アメリカという国のネガティブな世界に、日本がアジアの明るいものを持ち運んでいく。21世紀は争うのでなく和合することが大事で、キリスト教であろうが仏教であろうがあらゆる宗教が出会えるという覚醒した意識で集約していく必要がある。だから、破壊のスピードを創造のスピードが追い抜くことが出来れば、コントロールする力が出てくる。その境目にいま立っている。</p>

<p>Ｔ　そういう入れ替わりがあちこちで起きながら21世紀が明けるなら、新世紀にふさわしい幕開けになる。</p>

<p><strong>●先祖の魂を総動員する</strong></p>

<p>Ｋ　まあ、夢と片づけられるかもしれないが、新しい出来事は夢から始まる。現実に存在するものはすべて夢から出発したんです。</p>

<p>Ｔ　そういう意味では、戦後の日本は物質主義というか、カネカネカネの世界で50年もがいて来て、夢を持つ人、語る人が少なくなってしまったんだね。</p>

<p>Ｋ　もう一度、日本は先祖をね──生きている人間だけでは絶対に世の中は変えられない。死んだ人たちの力を借りないと。だっていま生きている50何億人でしょう。死んだ人間はその40倍、2000億人もいる。その2000億の魂に総動員をかけないと、われわれは権力の総動員体制には勝てない。</p>

<p>Ｔ　面白い。そこに歌というものの意味もある、と。どうも長い時間ありがとうございました。▲</p>]]>
    </content>
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<entry>
    <title>INSIDER No.524《HATOYAMA》米国は日本国民と沖縄県民を&quot;脅迫&quot;するのを止めろ！──海兵隊のグアム全面移転を最後まで探究すべきである</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.the-journal.jp/contents/insider/2009/12/insider_no524hatoyama.html" />
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    <published>2009-12-12T12:30:32Z</published>
    <updated>2009-12-17T12:36:52Z</updated>

    <summary>　７日付の毎日新聞は第１面で「米本国は怒っている／普天間、首相の布石空振り」とい...</summary>
    <author>
        <name>《THE JOURNAL》事務局</name>
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        <category term="HATOYAMA" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.the-journal.jp/contents/insider/">
        <![CDATA[<p>　７日付の毎日新聞は第１面で「米本国は怒っている／普天間、首相の布石空振り」という大見出しを掲げた。４日の日米閣僚級作業部会でルース駐日米大使は岡田克也外相と北沢俊美防衛相に「本国は怒っている。鳩山由紀夫首相は11月の日米首脳会談でオバマ大統領に『私を信じてほしい』とまで言ったではないか。なぜこうなるのか。このままでは普天間は固定化する」と詰め寄ったというのである。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　９日付の日本経済新聞は、同社と米ジョージタウン大学の戦略国際問題研究所（CSIS）の共催によるシンポジウムの要旨を掲載したが、そこではリチャード・アーミテージ元国務副長官、マイケル・グリーン元大統領補佐官、リチャード・マイヤーズもと統合参謀本部議長ら冷戦思考と対日植民地支配意識むき出しの"昔の名前"の日米安保マフィア連中を並べて、普天間の辺野古移転の「現行の移転案に基づき早急に解決を図るべきだ」との大合唱を演じさせている。　</p>

<p>　日本の新聞は一体どこを向いて物を言っているのか。「怒っている」のは日本国民と沖縄県民である。</p>

<p>　敗戦と占領から64年も経ち、冷戦が終わってからでも20年が経っているというのに、未だに全国29都道府県に（自衛隊との共用を含めて）135施設、10億2700平米の基地を米軍に提供し、約５万人の兵士と５万人近いその家族を日米地位協定により特権的な地位を与えて駐留させ、なおかつピーク時で年間2500億円、78〜06年累計で３兆円に及ぶ「思いやり予算」（間接的な負担も入れればその倍）を振る舞って「駐留して頂いている」ような独立国など、世界のどこにもありはしない。そのことを「怒っている」のは日本国民であり、とりわけ（米軍専用施設に限れば）基地面積の74％を押しつけられている沖縄県民である。沖縄発行の琉球新報と沖縄タイムズを除けば、一度も「沖縄県民は怒っている」という大見出しなど掲げたこともない本土の新聞が、どうして米国の走狗となって「米国は怒っている」などと日本国民への"脅迫"の片棒を担ぐのか。</p>

<p>　米国が怒っている？　怒らせておけばいいではないか。いま我々は初めて、沖縄県民はじめ日本国民の怒りの側に立って過酷な米軍基地の存在を根本から問い直そうとする政権を得たのである。「米国を怒らせたら大変」というこの外交・防衛官僚とその追随者であるメディアの植民地根性を克服するのが鳩山政権の「対米自主外交」である。</p>

<p>　佐藤優は『文芸春秋』１月号「岡田外相"密約開示"が暴く外務省の恥部」で、普天間問題について、岡田が嘉手納だと言い、北沢が日米合意重視、防衛通の前原が国外・県外を唱え、鳩山が「私を信じてくれ」、そして小沢は沈黙を守ったままで、「つまり皆がバラバラであるために、結果的に、諸外国は日本の真意を探りかね......とりあえずは鳩山総理を交渉相手とするほかなく、やはり結果として、鳩山総理の外交的プレゼンスは上昇している。逆説的に響くようだが、これが海外の外交関係者から見た、現在の日本外交の姿なのである。その証拠に、......ゲーツ国防長官のようなコワモテが、公式儀礼もすべて拒否して、民主党政権を一喝し、沖縄基地問題にケリをつけようとやってきたにもかかわらず、最終的には鳩山総理の『私を信頼してほしい』が結論となった形になっている。鳩山総理がどこまで意識しているかは分からないが、これは相当な外交的成果といっていい」と述べているが、その通りである。</p>

<p>　前にも書いたが、メディアは「インド洋での給油を止めるなどと言ったら米国が怒り狂う」と散々書いてきた。しかし、オバマ大統領は文句の１つも言わずにそれを受け入れたではないか。これは鳩山の外交的成果の第１号だが、メディアは前言を訂正することもなく口をつぐんでいる。</p>

<p><strong>●海兵隊のグアム移転</strong></p>

<p>　前回の論説で、『週刊朝日』に表れた伊波洋一＝宜野湾市長の「海兵隊は辺野古でなくグアムに返せる！」という主張が「面白い」と書いた。この週刊誌記事も、本サイトのどこかで誰かのコメントが言及していた「きっこの日記」12月５日付ブログの記述も、元になっているのは同市長が11月26日に衆議院で行った与党国会議員に対するプレゼンテーションである。</p>

<p>　そのプレゼンテーションの概要は、宜野湾市ホームページに搭載されているので、それを参照して頂きたい。</p>

<p>※宜野湾市：<a href="http://www.city.ginowan.okinawa.jp/" target="_blank">http://www.city.ginowan.okinawa.jp/</a><br />
※基地渉外課：<a href="http://www.city.ginowan.okinawa.jp/2556/2581/2582/1963.html" target="_blank">http://www.city.ginowan.okinawa.jp/2556/2581/2582/1963.html</a><br />
※市長レジュメ：<a href="http://www.city.ginowan.okinawa.jp/2556/2581/2582/37840/37844.html" target="_blank">http://www.city.ginowan.okinawa.jp/2556/2581/2582/37840/37844.html</a><br />
※プレゼン資料PDF：<a href="http://www.city.ginowan.okinawa.jp/DAT/LIB/WEB/1/091126_mayor_1.pdf" target="_blank">http://www.city.ginowan.okinawa.jp/DAT/LIB/WEB/1/091126_mayor_1.pdf</a></p>

<p>　その要点は前回に書いたので繰り返さない。要は、06年の「日米ロードマップ」合意後、米軍には一貫してヘリ部隊を含めて在沖海兵隊のほぼ全部をグアムに移転する案があって、11月に公表された「グアムと北マリアナ群島の部隊移転に関する環境影響評価書ドラフト」もそれに沿った内容となっているということである。</p>

<p>※環境影響評価書ドラフト：<a href="http://www.guambuildupeis.us/documents" target="_blank">http://www.guambuildupeis.us/documents</a></p>

<p>　そうだとすると、ルース駐日米大使はじめ米側は、そもそも無理があるからこそ自民党政権ですら強行するのをためらってきた06年「日米ロードマップ」合意を、何が何でも実行しろと脅迫的な態度で迫るのを止めて、グアム全面移転の可能性を含めて交渉のテーブルに乗せて、よりマシな合理的解決策を淡々と話し合うべきである。</p>

<p><strong>●朝鮮半島有事という幻想？</strong></p>

<p>　９日付日経によると、「沖縄に米軍を前方展開することを重視するのはなぜか」との問いにマイヤーズはこう答えている。</p>

<p>「第１に言えるのは地理的条件だ。前方展開戦力は潜在的に『問題』の存在する地域にいることが肝要だ。朝鮮半島有事の際には素早く対応したい。日本から遠い場所に米軍を置けば、その地域の重要性を低く見ていることになる」</p>

<p>「前方展開戦力を遠い場所に置いたとして、有事にどう対応するのか。それは潜在的敵性国家から見れば、ある種の『機会』を与えられたことを意味するだろう」</p>

<p>　この限りでは、在沖海兵隊の主力8000人がグアムに撤退した後も居残る予定の第31海兵遠征隊の主任務は「朝鮮半島有事」への即応であり、「潜在的敵性国家」とは北朝鮮のことである（英文は単数なのか複数なのか----複数なら中国も敵性とみなしていることになるが）。</p>

<p>　そこで、鳩山政権がまず第１に米政府に問いただすべきことは、米軍の「朝鮮半島有事」シナリオと軍事配置の歴史と現状である。</p>

<p>　米陸軍は現在10個の師団と４個の独立した部隊（旅団・連隊）から成っている。それぞれの師団は標準編成として、４個の戦闘旅団、１〜２個の航空旅団、１個の火力（砲兵）旅団、１個の支援旅団から構成される。旅団は、かつては２個連隊以上で構成されたが、今では２個大隊でかつての歩兵連隊規模と同じで、それに補給、衛生、宣撫などの兵科を加えて「旅団戦闘団（Brigade Combat Team）」というユニットを作っている。</p>

<p>　10個師団・４個部隊のうち、海外に「前方展開」しているのは、第２歩兵師団（韓国）と第173空挺旅団（イタリア）の２つである。</p>

<p>　在韓の第２歩兵師団３万7000人は、第８軍指揮下にあって、朝鮮戦争以来長きにわたって、北朝鮮の再侵攻に備えて38度線とソウルとの間にまさに前線配備されてきたが......、</p>

<p>▼2004年に師団を構成する２つの旅団のうち１つがイラクに派遣された後、そのまま韓国には戻らずに米本土に帰還したことから、第１重旅団戦闘団とそれに付随する火力旅団、航空旅団など1万2500人が駐留するのみとなった。</p>

<p>▼2008年以降、北による大規模陸上侵攻の可能性が著しく低減したこと、38線南部の過密な米軍駐留への韓国国民の反感が強まっていることを考慮して、ソウル以南の平澤、大邱、釜山近辺への移駐が進められた。</p>

<p>▼その結果、今では在韓米陸軍第８軍と言っても、実際に韓国に居るのは第１旅団のみであり、他の第２〜第５の４つの師団は米本土の基地にいる。</p>

<p>▼このように事実上"空洞化"している在韓米軍の実態に合わせて、2012年には、朝鮮戦争以来、国連軍司令部という形式で米軍が実質的に握っていた米韓両軍に対する戦時作戦統制権を韓国軍に移管することが決まっている。それに伴って、米第８軍司令部はハワイの太平洋陸軍司令部に統合される。</p>

<p>　つまり、米軍は「第２次朝鮮戦争はない」という考えに立って在韓米軍の縮小を進めているのである。</p>

<p><strong>●在沖海兵隊の実態</strong></p>

<p>　一方、在日米陸軍は、座間にある第１軍団（前方）＝在日米陸軍司令部傘下の通信・情報・補給など要員約2000人で、戦闘部隊の常時駐留はすでに行われていない。</p>

<p>　さて、米海兵隊の全体は現在３個の遠征軍から成っており、そのうち第１と第２は米本土に基地があり、海外に「前方展開」しているのは、在沖の第３だけである。遠征軍（MEF=Marine Expenditionary Force）の標準編成は、１個の海兵師団とそれを支援する航空団、兵站群から成っており、師団（Division）は必要に応じて中規模の海兵旅団（MEB=Marine Expenditionary Brigade）やさらに小規模の海兵遠征隊（MEU=<br />
Marine Expenditionary Unit）を編成する。</p>

<p>　在沖の第３海兵遠征軍は、第３海兵師団とそれとは相対的に独立した第31遠征隊を中心に１万3000ないし１万6000人が「常駐」していることになっているが、第３師団について言えば、実態は常駐というにはほど遠く、司令部や支援部隊の機能は沖縄に常駐しているものの、戦闘部隊や砲兵部隊は平常は米本土にあって、その中から必要に応じて順繰りに選ばれた部隊が「部隊配備プログラム（UDP）」に基づいて６カ月程度のサイクルで交代で沖縄に派遣され射撃訓練やジャングル戦訓練を施されてまた本土に帰って行く。UDPで送り込まれる海兵隊員には、高校出でリクルートされたばかりの新兵も多く、日本や沖縄の文化に無知のまま酒を飲んで暴行事件などの犯罪に走る者が後を絶たない。</p>

<p>　「日米ロードマップ」合意は「約8000名の第３海兵機動展開部隊［海兵遠征軍のこと］の要員と、その家族約9000名は、部隊の一体性を維持するような形で2014年までに沖縄からグアムに移転する。移転する部隊は、第３海兵機動展開部隊の指揮部隊、第３海兵師団司令部、第３海兵後方群（戦務支援群から改称）司令部、第１海兵航空団司令部及び第12海兵連隊司令部を含む」とされていて、これを日米の官僚は「司令部機能だけが移転する」かのように説明してきたが、司令部機能だけで8000人もいる訳がなく、これは間違いなく本体の師団そのものが移るのである。とは言え、8000人というのはあくまでUDPの定員枠であって、それだけの数の固定した部隊があってそれが丸ごとグアムに引っ越す訳ではない。だから「司令部機能だけ」という言い方が出てくることになる。</p>

<p>　もともと第３海兵師団は「朝鮮半島有事」に備えて「前方展開」されていたもので、まず在韓の第２歩兵師団が第１線で北の侵攻を受け止めて、数日〜１週間以内に在沖の海兵師団が急行して第２線を形成する手はずになっていた。ところが肝心の在韓歩兵師団が定員を３分の１に縮小した上、第１線を韓国軍に譲って後ろに退き、司令部も遠くハワイに移すのだから、在沖の第２線用の海兵師団も「前方展開」を続ける理由がなくなって、司令部ごとグアムに撤退するのである。</p>

<p><strong>●なぜ遠征隊が残るのか？</strong></p>

<p>　そこまではいいとして、だとすると、沖縄に残留する第31海兵遠征隊は何のために「前方展開」を続けるのか。全部をグアムに下げるのはさすがに心配なので小部隊は残しておきたいということなのか。朝鮮半島に大規模陸上戦闘は起きそうにないが、対テロ作戦や特殊作戦を得意とする遠征隊の出番はまだあるという判断なのか。いずれにせよ、マイヤーズが言うように「朝鮮半島有事」が遠征隊を沖縄に残す主な理由だとするなら、どのような「有事」シナリオを想定して同隊をどう運用するつもりなのか、、米国政府は日本国民＝納税者にきちんと説明しなければならない。</p>

<p>　それで仮に日本国民を納得させられたとしても、まだ残る議論は、遠征隊本隊と訓練場とヘリ部隊を沖縄に置き、戦闘機と給油機を岩国に置き、ヘリ空母艦隊を佐世保に置き、司令部機能をグアムに置いて、４カ所に股裂き状態になりながら運用するのと、すべてをグアムに移して一体的に配備するのと、どちらが米軍にとって便利かという現実的な問題である。確かに、釜山から沖縄本島までは1000キロ、沖縄本島からグアムまでは2400キロあるので距離がだいぶ遠ざかるというデメリットはあるが、反面、日常から一体的に駐留している分だけむしろ即応力は強化されるというメリットもあるとは考えられないか。</p>

<p>　米側は、グアムでは遠いから日本に中継点が必要だと言うかもしれない。もし嘉手納はじめ在日米軍基地では足りないというのであれば、自衛隊基地でも関空でも有事に使えるよう予め協定を結んでおけばよい。それこそ、旧民主党の「常時駐留なき安保」の実現の第一歩となる。ただし、それもこれも、「朝鮮半島有事」に海兵隊が出動するというシナリオがまだ米側にあるのであればの話であるけれども。</p>

<p>　専門家の中には沖縄は台湾にも近いと言う人がいるが、台湾海峡危機に即応するのは第７艦隊であって、海兵隊が真っ先に飛び出して突入するという作戦シナリオはあり得ない。</p>

<p>　こういったことを時間をかけて双方納得するまで話し合って、グアム移転の環境影響評価の最終報告書が半年後に出るのを待って、結論を下したらどうか。その間、宜野湾市民は普天間の騒音と墜落の危険に悩み続けなければならないが、全面国外移転という最善の結論を追求するために必要な今しばらくの辛抱である。昔のCIAなら、ヘリを小学校の校庭にでも墜落させて、「ほら、鳩山が先延ばししたからこんなことになった」と非難囂々を掻き立てて政権を潰すくらいの陰謀を企むだろうが、今はそんな力量はない。▲ </p>]]>
    </content>
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    <title>INSIDER No.523《HATOYAMA》あくまでグアム全面移転で押すべきだ──普天間移転問題の年内決着回避は正しい</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.the-journal.jp/contents/insider/2009/12/insider_no523hatoyama.html" />
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    <published>2009-12-04T12:24:31Z</published>
    <updated>2009-12-17T12:30:15Z</updated>

    <summary>　普天間の海兵隊ヘリポートの移転問題について、日米の外交・防衛官僚が従来合意通り...</summary>
    <author>
        <name>《THE JOURNAL》事務局</name>
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    </author>
    
        <category term="HATOYAMA" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.the-journal.jp/contents/insider/">
        <![CDATA[<p>　普天間の海兵隊ヘリポートの移転問題について、日米の外交・防衛官僚が従来合意通り辺野古への移転で年内にも決着をつけるよう圧力をかけ続けてきたのに対し、鳩山内閣は２日、それを回避し、結論を来年１月以降に先延ばしする方針を決めた。連立内部の国民新党と社民党の「県外移転」へのこだわりに配慮した形をとっているが、これは一種の口実で、鳩山自身は本音は一貫して「国外」を含む「県外」への移転を実現するのが沖縄県民の心情に応える道筋だという信念を持っていて、そのための対米交渉のきっかけを掴むための時間稼ぎである。この方針は正しい。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　これは、かつて55年体制下で、自民党政権が米国の過大な要求に対して「そんなことを受け入れたら社会党が怒り狂って国会が麻痺し政権が保たない」とか言ってワシントンを説得してきたのと大同小異で、連立の戦術的効果である。マスコミがこれを真に受けて、例えば４日付読売が「首相、日米より内政」「日米関係は大きな打撃を受けることになる」などと書いているのは何も分かっていない証拠である。自民党政権が問題が浮上してから13年間、辺野古移転で合意してからでも３年間、専ら内政上の都合で実行を先送りしてきたことが「日米関係に大きな打撃」を与えてきたのであり、それを民主党政権は、より望ましい方向で、数カ月内という極めて短期間に、決着させようとしているのであって、褒められることがあってもケチをつけられる筋合いなどどこにもない。</p>

<p>　そうは言っても、ただ時間稼ぎをしていても仕方なく、官僚レベルの表の折衝はともかくとして、そろそろ本気で水面下の対米交渉を進めるべき時で、そこではあくまで沖縄駐在の米海兵隊全部のグアム移転の実現で押しまくるべきである。</p>

<p><strong>●『週刊朝日』が面白い</strong></p>

<p>　その点で、今週の『週刊朝日』（12月11日号）の「海兵隊は辺野古でなくグアムへ返せる！」は面白い。それによると、普天間基地の地元である宜野湾市の伊波洋一市長は、独自の調査を通じて入手した公開・非公開資料や米軍高官との会談を元に、米軍自身が在沖海兵隊の全面的なグアム移転を構想している事実を明らかにし、11月26日にはそれを資料を添えて鳩山にも伝えている。</p>

<p>▼日米２＋２の06年５月の「米軍再編実施のための日米ロードマップ」発表の２カ月後の同７月、米太平洋軍司令部は「グアム統合軍事開発計画」を策定したが、その中で「海兵隊航空部隊とともに移転してくる最大67機の回転翼と９機の特別作戦機（オスプレイ）用格納庫の建設、ヘリコプターのランプスペースと離発着用パッドの建設」を明記しており、普天間のヘリ部隊をグアムに移転させるつもりであることが示されている。</p>

<p>▼伊波市長が07年夏に移転先＝グアムのアンダーセン空軍基地と「グアム統合計画室」を訪れた際、現地の米軍高官は「65〜70機の航空機と1500名の海兵隊航空戦闘部隊員が来る予定」と説明した。</p>

<p>▼米海軍グアム統合計画室が11月に発表した「グアムと北マリアナ群島の部隊移転に関する環境影響評価書」では、在沖海兵隊が司令部機能だけでなくヘリ部隊を含めて一体的に移転することを前提に、ヘリ基地の新設、アプラ軍港の増強、テニアン島の射撃訓練場の建設などを環境評価の対象としている。</p>

<p><strong>●引き留めているのは日本？</strong></p>

<p>　そうであれば、辺野古移転は何の必然性もない。防衛担当記者は、「米国側からすれば、日本が辺野古に基地を作ってくれるというのに断る理由はない。海兵隊がグアムに移れば、沖縄に残る陸軍が代わりに使えばいいだけのこと。『思いやり予算』がついてくる新基地をみすみす手放す必要はない」と同誌に語っているが、その通りで、日本が金を出してまで辺野古に居てくれと言うから、「そうまで仰るなら」と米国は辺野古移転に同意しているというのが実態である。</p>

<p>　本論説は11月19日付「普天間移転は見直しが当然」で、公開資料と若干のインフォーマル情報を元に、すでに発表・合意されている限りにおいても、これは主力の第３海兵師団がグアムに撤退して突端的な第31海兵遠征隊が（日本側の好意に甘えて）居残るということであって、日本政府が国民に印象づけたがっているように「司令部機能を中心とするごく一部のグアム撤退」ではないのでははないかと解析し、さらにそんな風に中途半端に遠征隊を残して、沖縄のキャンプと訓練場とヘリポート、岩国の戦闘機と空中給油機の基地、佐世保の艦艇基地を股裂き状態で運用しようとするよりも、全部をグアムに移転してまさに一体的に運用する方が米軍にとっても便利なのではないかと米国を説得すべきだ、という視点を提起しておいた。</p>

<p>　『週刊朝日』による宜野湾市長の指摘は、一部推測交じりだった本論説の主張を裏付けるもので、まことに心強い。</p>

<p>　米軍自身は、東アジアの戦略環境の変化（とりわけ朝鮮半島での大規模陸上戦闘の可能性の低減）、イラク・アフガニスタン両戦争の負担の増大、技術面のプロジェクション（遠隔投入）能力の向上などを背景に、日本と韓国に前進配備した軍隊を大幅に削減・撤退させようとしている。それがいわゆる「米軍再編計画」の本質である。韓国政府はそれに乗じて、陸軍師団を中心とする在韓米軍の撤退を視野に入れた「韓米同盟未来ビジョン」を提起して対米"対等"外交を実践しつつあるが、冷戦思考と対米従属根性を引き摺ったままの日本の外交・防衛官僚は、米軍が削減・撤退すれば日米同盟が弱まるという時代錯誤の危機感に囚われて、むしろ「思いやり予算をもっと出しますから」とか「辺野古に新しい基地を作りますから」とか言って、何とかして米軍を引き留めようとしているのである。</p>

<p><strong>●核の傘を維持する工作</strong></p>

<p>　１つの例は、青森県三沢の米空軍基地からのF-16戦闘機の撤退問題である。本論説が９月17日付「普天間基地のシュワブ移転は中止か？」で述べたように、米国は今年４月の段階で、三沢基地に配備しているF-16約40機をすべて早ければ年内に撤収させること、沖縄県嘉手納基地のF-15約50機の一部を削減させることを日本側に打診したが、これを報じた共同通信の表現によると、「日本側」は「北朝鮮情勢や在日米軍再編への影響を懸念し、いずれにも難色を示して保留状態」にした上で「日米同盟関係への影響などから秘匿性の極めて高い情報として封印」したという。「日本側」とは当時の麻生内閣ではなく、外交・防衛官僚であると見て間違いない。このようにして官僚が政治・外交を操ってきたのがこれまでである。なお、この嘉手納のF-15の一部削減とは半分の25機で、F-16が老朽化に伴って全面撤退した後に三沢に配備されるものであることが後に明らかになった。</p>

<p>　もう１つの例は、これも共同通信が11月24日に伝えた麻生政権下での対米「核の傘」堅持の要請である。「核なき世界」を目指すオバマ政権の下で急激な核兵器削減が始めるのではないかと危惧した米議会は、ペリー元国防長官ら有識者を集めて中期的な核戦略を検討する「戦略態勢委員会」を設置、同盟諸国の意見も聴取するなどして今年５月に報告書をまとめた。その中で、同委員会は２月末に在米日本大使館から意見聴取したが、日本側は「潜水艦発射の核巡航トマホークの退役は事前に協議してほしい」「核の傘の信頼性を高めるため、現在は米国が保有していない『低爆発力・地中貫通型の小型核』を開発・保有することが望ましい」などと申し出ていた。</p>

<p>　トマホークは2013年に退役することになっているが、米議会保守派はそれが核戦略を弱体化させるとして延期を求めている。日本大使館の言い分は、その主張におもねたもので、それがむしろ保守派の動きを勢いづける結果となった。「核なき世界」という目標を日米が共有する中で、しかし現実の問題として日米安保条約下での"核の傘"を日本自身の戦略問題としてどう考えるかを政権として検討した上で米国に意見を述べるのであれば（内容の是非はともかく）まだしも、恐らくこれは出先の大使館が本省と相談の上で勝手に意見具申したものに相違なく、ここにも官僚が政治を無視して国策を動かしている有様が現れている。</p>

<p>　こうした文脈で考えれば、普天間基地の辺野古移転案も、日本の官僚体制による米海兵隊の全面撤退計画に対する引き留め工作にすぎないことは明らかである。この問題こそ、外交・防衛政策における脱官僚主導体制の試金石であり、鳩山政権としては、あくまで海兵隊のグアムへの全面撤退を主張し、それが直ちに実現できない場合の緊急避難的な時限措置として、橋下徹大阪府知事が言い出している関西空港、鳩山の地元の苫小牧東地区などの「県外」、もしくは「県内」にはなるが嘉手納空軍基地への統合など、莫大な費用をかけずに、しかも自然環境を破壊せずに済む方策を見いだすべきである。▲</p>]]>
    </content>
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    <title>INSIDER No.522《HATOYAMA》スパコンで&quot;世界一&quot;になるとはどういうことか？──現行の「京速計算機」開発事業は見直して当然</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.the-journal.jp/contents/insider/2009/11/insider_no522hatoyama.html" />
    <id>tag:www.the-journal.jp,2009:/contents/insider//12.6334</id>

    <published>2009-11-28T09:07:12Z</published>
    <updated>2009-11-28T09:17:19Z</updated>

    <summary>　鳩山政権＝行政刷新会議による事業仕分け作業の中で、理化学研究所が中心となって進...</summary>
    <author>
        <name>《THE JOURNAL》事務局</name>
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    </author>
    
        <category term="HATOYAMA" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.the-journal.jp/contents/insider/">
        <![CDATA[<p>　鳩山政権＝行政刷新会議による事業仕分け作業の中で、理化学研究所が中心となって進めてきた次世代スーパーコンピューターの開発にストップがかけられたことに非難が集まっている。とりわけ、その仕分け人である蓮舫参院議員が席上、「（スパコンの性能が）世界一でなければならないのか」という趣旨の発言をしたことに対して、「科学技術立国を目指す日本が世界一を目指さなくてどうするのだ」といった感情的とも言える非難が集中し、ついにはノーベル賞受賞者の長老６人が揃って鳩山首相を訪ねて苦言を呈するといった騒動にまで発展した。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　が、一体これらの非難や反発は、日本のスパコン開発戦略のお粗末な実態を知った上でのものなのかどうか。日本が科学技術の研究開発を重視すべきであること、その特に基礎研究部門には試行錯誤も無駄も付き物であることは当たり前な話で、そのこと自体を否定する者は恐らく誰もいないだろう。それと、当該の次世代スパコン「汎用京速計算機」の開発計画をそのまま続けるべきかどうかは全く別次元のことで、スタート当初から在野の専門家によって「スパコンの名を借りた公共事業」「戦艦大和」（池田信夫）、「国費の浪費」（能澤徹）などと酷評されていたこのプロジェクトを、しかもそのアーキテクチャーの中心だったNECが経営不振を理由に今年５月に撤退を表明したことでこれまで２年間を費やした基本設計と詳細設計を見直さなければならなくなって、まさに戦艦大和が完成前に浸水して傾いてしまったような有様になっているものを、何が何でもがむしゃらに進めるべきかどうか。よほど落ち着いて考える必要があるのではないか。</p>

<p>※池田信夫：<br />
<a href="http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51293000.html" target="_blank">http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51293000.html</a><br />
※能澤徹：<br />
<a href="http://japan.cnet.com/blog/petaflops/" target="_blank">http://japan.cnet.com/blog/petaflops/</a></p>

<p><strong>●日米スパコン競争</strong></p>

<p>　スパコンとは、膨大なデータを扱う科学技術計算などに必要な超高性能のコンピューターのことで、一般的なコンピューターに比べて格段に演算処理能力が高い。どれほど格段かは、プロセッサー（CPU＝中央演算装置）の処理能力をflops（秒当たり浮動小数点演算能力）という単位で計るのだが、開発史の初期を彩る金字塔とされた米クレイ社の1976年のCray-1では実効性能250M（＝２億5000万）flopsだった。この性能は、それ専用にプロセッサーを独自開発するベクトル型という方式によって達成され、これがその後しばらくの期間、スパコン開発の標準となった。クレイ社は、83年には941M、85年には3.9G（39億）の速度を実現した。</p>

<p>　それに対し、日本のITゼネコンであるNEC、日立、富士通は、折からのバブルを背景に惜しみない投資を注いでクレイへの挑戦を開始、早くも82年には富士通がFACOM VP-100（250M）、日立がHITAC S-810（630M）の初の国産大型ベクトル計算機を発表し、続いて翌83年にはNECが同年のクレイ製品を上回るSX-1、SX-2（1.2G）を生んだ。以後、約10年間にわたって日米の開発競争が続き、93年の「TOP500」統計ではスパコンの設置台数で米国の226台に対して日本は126台。拮抗するまでには至らないが、欧州各国が（今日に至るまで）スパコンのハード開発に余り関心を示さず、目的に応じて日米のマシンを購入して自らはソフトの充実に専念してきた中では、まさに日米で世界市場を二分しようかという勢いだった。そのため日米スパコン摩擦が激しくなり、米政府が日本に圧力をかけてクレイ社のスパコンを買わせるといった事態も生んだ。なおTOP500は、スパコンに関する国際統計を93年以来、年に２回発表しているサイトである。</p>

<p><a href="http://www.top500.org/" target="_blank">http://www.top500.org/</a></p>

<p>　しかしこの日米対抗状態は、そう長く続かなかった。１つには技術的な変化で、パソコンやワークステーションに搭載される汎用プロセッサーの能力が飛躍的に向上し、今のパソコンが動画を再生している時などは30年前のスパコンを上回るほどの演算処理を実行しているほどだという。そうなると、高性能にもかかわらず商用生産によって低価格を実現している汎用プロセッサーを多数、並列して用いることによって、遙かに安価に、電力消費も抑えて、スパコンに必要な性能を使用目的に応じて柔軟に生み出すことが可能になった。これをスカラー型と呼ぶ。もう１つは、政治的な理由で、日本勢の台頭に「国防政策上」の危機感を抱いた米政府が、軍事予算を含めて膨大な補助金を注いでスパコンにおける世界覇権を達成する戦略を採用した。90年代半ば以降のこの流れに乗って、一気に躍り出てきたのが米IBMとヒューレット・パッカード社で、これがたちまち世界を席巻して新しい標準となった。</p>

<p><strong>●「世界一」の意味</strong></p>

<p>　この時日本では、富士通と日立はさっさとスカラー型に切り替えたが、NECだけは従来のベクトル型に徹底的にこだわる姿勢を採り、98年に科学技術庁（当時）から600億円の巨費を得て国策スパコン「地球シミュレーター」を開発、2002年に35.86T（35兆8600）flopsのマシンを完成、TOP500で輝ける「世界一」にランクされた。しかしこの「世界一」は、世界中がベクトル型による大艦巨砲主義的なスパコン開発から安価なスカラー型へと雪崩を打って移行している時期だからこそ実現したもので、その当時から「ガラパゴス」とか「前世紀の遺物」とか揶揄された。やがてスカラー型でそれを上回る性能のものが登場して、２度と日本のベクトル型が世界一に返り咲くことはないだろうと言われていた。事実、NECの天下は２年半続いたものの、04年にIBMのBlue Gene/Lが倍する70.72Tの性能を持って登場したため、世界一を滑り落ちた。</p>

<p>　それでも、あくまでNECのベクトル型技術をベースに、それを富士通と日立のスカラー型技術と抱き合わせてハイブリッドにして、再び「世界一」の座を目指そうということで、地球シミュレーターの２倍の1200億円という途方もない予算で始まったのが、次世代スパコン事業なのである。ちなみに、現在、日本国内で最速のスパコンは、長崎大学工学部が開発したもので、市販のGPU（画像処理装置）を760個並列して158T（＝158兆）flopsを実現したが、その開発費用は何とわずか3800万円である（地球シミュレーターはその後、200億円近い追加予算でNECのSX-9ベースにシステム更新されて122T）。</p>

<p>　問題は、多くの人々が指摘するように、もはやスカラー型が普遍化している世界でいつまでもベクトル型にこだわって（今ではベクトル型を作っているのは世界でNECだけ！稼働しているベクトル型は世界のトップ500台のうち地球シミュレーター１台だけ！）、それを使って何を----どういう科学技術における世界最先端の成果を----成し遂げようとするのかのソフト戦略も定かでないままに、たった１台だけ突出的に世界最高速のマシンを作ろうというのが、ハード優先のハコモノ行政でないとすれば何なのか、ということである。</p>

<p>　もちろん大艦巨砲型のマシンも目的によっては有用であり、金さえ湯水の如く費やせば作って作れないことはないし、そのためにベクトル型のNEC技術も（スカラー型とのハイブリッドなどの形で）役に立つこともあるかもしれない。が、ITゼネコンNo.1のNECへの遠慮か配慮かは分からぬが、文科省がそれにしがみついたことが戦略的混迷をもたらし、世界の技術潮流に乗り損なう結果となったのは事実である。</p>

<p>　しかも、こんなことをしているうちに、上述のように93年には設置台数で米国に拮抗するかの堂々第２位を誇った日本は、04年には米国264台に対して30台にまで急落、今では米277、英45、独27、仏26、そして中国の21にも抜かれて世界第６位の16台、シェア3.2％のスパコン二流国にまで凋落した（09年11月のTOP500国別ランキング）。ベンダー（販売業者）別で見ても、ヒューレット・パッカード209台、IBM185台など米国勢が圧倒的で、日本は３社合わせて10台、円グラフでは富士通がシェア１％で世界第８位と表示されているがNECと日立は「その他」扱いである（同ベンダー別）。</p>

<p>　ケニアが五輪の他の競技などどうでもいいからマラソンだけは金メダルを取りたいと夢見るのは理解できるが、一時は米国を脅かすほどの力量を持った日本のスパコンがこんな惨状に陥ってしまったのは、偏に産官学複合体のハコモノ主義のためであり、その意味で能澤徹が「計算基礎科学コンソーシアム」やノーベル賞学者らのスパコン予算縮減反対の声明について「あなた方に言われたくないよ」と言っているのはその通りである。</p>

<p>「自分、乃至は、自分の属する組織が、税金を無駄に使い、世界の第２位から瞬く間に第６位などという体たらくな状況に転落させてしまっておきながら、この転落の原因には目をつぶって、次世代スパコンの見直しは『我が国の科学技術の進歩を阻害し、国益を大きく損なう』などというのは、それこそ『臍で茶が沸く』ほど可笑しないいがかりなのである。いいかえると、そもそも既に『あなた方』によって『我が国の科学技術の進歩は阻害され、国益を大きく損ねてしまっている』のである」と。</p>

<p>　ハコではなく中身で日本の科学技術が世界をリード出来るようになるにはどうしたらいいか、国の予算が頼りのITゼネコン、退廃した文科官僚、苔の生えた学者のもたれ合いに任せておかないで、真剣に考えるべき時である。▲ </p>]]>
    </content>
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    <title>INSIDER No.521《JAPAN-US》日米同盟&quot;深化&quot;への模索が始まった──普天間移転は見直しが当然</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.the-journal.jp/contents/insider/2009/11/insider_no521japan-us.html" />
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    <published>2009-11-19T13:54:15Z</published>
    <updated>2009-11-20T08:03:52Z</updated>

    <summary>　バラク・オバマ大統領が来日しての２回目の鳩山由紀夫首相との首脳会談は、全体とし...</summary>
    <author>
        <name>《THE JOURNAL》事務局</name>
        <uri>http://www.the-journal.jp/mt/mt-cp.cgi?__mode=view&amp;blog_id=12&amp;id=11</uri>
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        <category term="JAPAN-US" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.the-journal.jp/contents/insider/">
        <![CDATA[<p>　バラク・オバマ大統領が来日しての２回目の鳩山由紀夫首相との首脳会談は、全体として大人びた、穏やかで知的な雰囲気の中で行われた。先頃前触れで訪日したロバート・ゲイツ国防長官が、相変わらず日本をポチ扱いし、「まるで占領軍司令官のように」（日本側関係者の表現）振る舞ったのとは打って変わって、オバマは、お互いに利害の相反や認識の食い違いがあるとしてもそればかりをことさらほじくり返すのでなく、大局的見地に立って、21世紀的な新しい同盟関係への"深化"を模索しようとする鳩山の姿勢に理解を示した。鳩山が目指す「対等な日米関係」は少なくとも第一歩としては成功を収めたと言えるのでないか。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　マスコミは相変わらずで、普天間移転問題が最大の焦点であって一刻も早く決着しないと日米関係が危機に陥るかのことを言い立てて、その問題の検証作業が辺野古への移転という過去の合意を前提とするのかどうかについてオバマと鳩山の間に重大な食い違いがあるという石破茂＝自民党政調会長の批判を大々的に採り上げたりしていた。日米の外務・防衛官僚がSACO（沖縄特別行動委員会）と2＋2（日米安保協議委員会）を通じて10年間もの迷走の末にようやく到達した05年の合意を「唯一の解決策」と主張したいのは当然で、両首脳ともそのことはある程度尊重せざるを得ないが、しかし、もっとマシな方策があるならそれを俎上に乗せることにやぶさかでないという気持は持っている。そのあたりのニュアンスは、東京各紙よりも『琉球新報』11月14日付の「現行案変更に柔軟、日米首脳会談」と題した次の東京発の記事が上手に伝えていた。</p>

<p>「鳩山由紀夫首相は13日、初来日したオバマ米大統領と官邸で約１時間半、会談した。米軍普天間飛行場移設を含む米軍再編合意について、大統領は『政権が代わって見直しすることは率直に支持する。（見直しに伴い、米軍再編合意の）ロードマップ（行程表）の修正が必要になることもあり得る。ただ基本は守るべきだ』と述べ、現行案の変更に柔軟な姿勢を示した。今後は、来週はじめに始まる閣僚級の作業グループを通じて早期に結論を出していく方向で一致した」</p>

<p>「鳩山首相は、会談後の共同記者会見で『作業グループを設置し、できるだけ早い時期に解決すると言ってきており、わたしの決意を申し上げた』と普天間移設の早期解決に向けた意思を表明。日米合意も重く受け止めているとしながら『選挙で（移設先を）県外、国外とも言ってきた。県民の期待感は強まっている』と説明。だが、会談で大統領に直接、県外への移設は求めなかった」</p>

<p>「オバマ大統領も『作業グループで日米合意について協議する。作業は迅速に終わらせたい。目標は同じだ』と語った。基地を抱える地域住民への影響を最小限にすることにも言及した」</p>

<p>　オバマも、何が何でも合意の遂行が前提などとは言っていない。政治家同士の日米同盟"深化"のための対話が静かに始まったことに注目すべきである。</p>

<p><strong>●同盟"深化"の方向性</strong></p>

<p>　同盟はどのように"深化"すべきなのか。第１は、グローバルな課題での積極的な連携である。今回の首脳会談では、「核なき世界」と「地球温暖化対策」について共同声明が出され、その文言自体は大した新味もないけれども、核については、オバマが４月プラハ演説でやや唐突に言い放って、さあこれからどうするかという時に、日本が唯一被爆国として率先それを支持し、オバマ自身の広島・長崎訪問を働きかけることを通じて言わば情緒面から彼を励ます姿勢を採って存在感を示すことは、大いに意義がある。また地球温暖化対策に関しては、これまでの自民党政権がハッキリした態度を打ち出せず、先進＝欧州と後進＝米ブッシュ政権の間に挟まってウロウロしているだけだったのに対して、オバマのグリーン政策への転換に機敏に対応して鳩山が９月に「中期目標25％」をスポーンと打ち出して、日本が欧州と歩調を合わせることで米国を後戻り出来ないようにする位置取りをしたことは、なかなか巧みな戦略判断である。米国を立てつつも、日本が米国の尻叩き役を買って出るというのが同盟"深化"の１つの形である。</p>

<p>　第２は、グローバルな安全保障とテロ対策について、日本としてやれることとやれないことをハッキリした上で、やれることは精一杯やるというクリアな姿勢を採ることである。自民党政権では、すべてがアンクリアで、「米国から言われたらやらざるを得ないが憲法の制約があるので後方支援止まり」ということで、イラクへの陸自・空自派遣、アフガニスタンへの海自給油艦派遣、さらにやや事情は違うがソマリア海賊対策への海自・海保派遣を、特措法で合法化して実施してきたが、これらはいずれも原理的に正しくない。なぜなら、米国の要請による自衛隊の海外派遣は、集団的自衛権の発動、つまり米国の私的な戦争に対する協力であって、例えそれが後方支援に限定されていようと、日本にとっては国権に基づく国益のための対外軍事行動に当たる。特措法などでこれをすり抜けることは憲法違反の疑いが濃厚である。</p>

<p>　それに対して、小沢理論に従えば、国連による要請があってそれに自衛隊が参加することは、完全に合憲である。国連による公的な戦争に関わる場合、自衛隊は日本国籍の軍隊として日本が自国の利益のために行う国際法的に私的な戦争に携わるのでなく、個別国家を超えた国際公務員として国際公共の価値としての平和の形成に貢献することになるのであるから、その場合には逆に後方支援に限るなどという馬鹿な話ではなく、命懸けの戦闘行動にも参加して当然である。</p>

<p>　アフガニスタンの場合、ISAF（国際治安支援部隊）は国連にオーソライズされて設立されたものなので、日本が自衛隊なり文官スタッフを参加させることは、法理論的には可能である。しかし実際にはISAFは、<br />
（1）当初は確かに、米軍の作戦でタリバン勢力はすでに打倒されたという前提で、アフガンの治安警察軍の育成・訓練や地方経済の再建などの戦後支援を行うことを想定してスタートしたものの、<br />
（2）内乱状態が鎮まるどころかますます険悪化したため、そのスタッフを護衛するための軍部隊を派遣しなければならなくなり、<br />
（3）そのうちに主客転倒して、そのNATOなどの軍部隊が米軍の手が届かない地域を分担してタリバン・ゲリラと戦闘を行う羽目になり、<br />
（4）さらには米軍がNATO部隊と統合して戦う態勢が採られ、<br />
（5）とうとう最後には米軍司令官がISAF司令官を兼ねることになって、米国の指揮下で戦闘を行う組織に変質してしまった。</p>

<p>　こんな訳の分からないものに日本が参加することは百害あって一利もないことで、全くありえない。</p>

<p>　そこで鳩山政権は、まずアンクリアな海自給油活動は「やらない」と宣言した上で、現状のISAFではなく日本独自のやり方で民生支援を行うことにして、ほとんど有無を言わせず米国を納得させてしまった。オバマにしても、鳩山から「先月は１回しか給油を行っていない」と言われれば、「それでもいいから続けてくれ」とは言えない。しかもオバマは、米軍＝ISAFが今後とも内乱に割って入ってタリバン撲滅まで戦うというゲーツ国防長官案か、パキスタン北部に部隊を集中してアル・カイーダ絶滅に主力を注ぐというバイデン副大統領案か、ゲーツ案で行くにしても増派は１万か２万か４万か、苦渋の決断を迫られている真最中であり、「今それどころじゃないんだ。日本はやりやすい方法で協力してくれればそれで結構だ」という気分だったに違いなく、そこを巧く突いて、望ましい方向に問題を整理しきってしまった。これは、鳩山政権が緒戦で上げた重要な外交得点として称揚されるべきだが、守旧的な外務官僚の手先となり下がって「米国に逆らったら大変なことになる」というようなことばかり叫んでいるマスコミは、拍子抜けしたと言うか、起きたことの意味が分からずに、ほとんど沈黙を守っている。</p>

<p><strong>●米軍再編の見直し</strong></p>

<p>　同盟深化の方向性の第３は、在日米軍再編を今日的な戦略環境に合わせて抜本的に見直して、沖縄はじめ全土の基地負担を最小限にまで軽減し、行く行くは小沢が今年２月に言ったように「第７艦隊だけ」にまで縮減していくことである。守旧派は、そんなことを言い出したら同盟は危機に陥ると言うが、逆で、このまま過去の合意を盾に普天間基地の辺野古移転を強行し、他の基地についても米国の言いなりに存続させて手を着けないでおく方がむしろ（沖縄県民と国民の感情面から）同盟は危うくなる。不要基地を返還させ、不急基地を縮小し、あるいは日米共用・軍民共用に切り替えて有事の際には米軍の進駐・利用を保証する協定を結ぶなどし、それに伴って「思いやり予算」も大胆に縮減するためのプログラムが必要で、その意味で、普天間問題を検証する閣僚級の作業部会が設置されることになったのは大事な一歩である。</p>

<p>　もちろんこの作業部会自体は、辺野古への移転を現行のＶ字型滑走路案のまま強行するのか、辺野古にしても一時検討されたことのある遙かに小さな施設に変更するのか、あるいはこれも一時検討された嘉手納空軍基地への統合案を復活させるのか、それ以外の県内・県外の可能性はないのか等々を至急検証して、早期に結論を出さねばならない。が、面白いことに「県外」には「国外」も含まれるはずで、仮に日本側がそれを持ち出しても米国側は今の時点では取り合わないだろうが、少なくともここで日本が「在沖海兵隊の存在意義について県民と国民が納得できるような説明をしてほしい」と言っておくことが、後々への布石として意味がある。</p>

<p>　そもそも96年旧民主党の主要政策の１番目は「常時駐留なき安保」だった。これは、当時、大田秀昌県知事の下で吉元政矩副知事が担当して作成した「沖縄基地返還プログラム」に学びつつ、それを応援していこうというところから発想したもので、その言葉自身は横路孝弘が提案し、結成直前の政策討論合宿で新党参加予定者の全員が了承した。この吉元プログラムは、東京に任せていても基地問題は埒があかないので、沖縄県が直接米国と交渉して、１つ１つの基地の有用性や活用度を吟味し、要らないものやほとんど使っていないものは即時返還させ、そうでないものも順次整理して、10年ないし15年かけて沖縄から米軍基地をなくしていこうという計画で、まさに冷戦後の戦略環境の変化に合わせて基地のあり方を抜本的に見直そうという意欲的なものだった。</p>

<p>　これに対する米国の対日政策マフィア、自民党、官僚、マスコミなど旧体制側の反応は一致していて、まず第１に、そんなことをを言い出しても米国が相手にする訳がない、第２に、仮に米国が応じて米軍が撤退していけば、その分だけ日本の自主防衛力を強化しなければならず、そんなことは不可能だ、というものだった。</p>

<p>　それに対して当時、旧民主党は、第１に関しては、米国もまた冷戦後の状況変化に合わせて軍備配置を抜本的に見直そうとしており、交渉の余地はあると主張し、また第２の点に関しては、冷戦時代と同じ規模と性質の脅威に日本が直面しているのであればそのトレードオフが成り立つが、旧ソ連の脅威が基本的に去った後では、北朝鮮にせよ中国にせよ、日本に上陸侵攻して占領するなどという作戦シナリオを持つはずがなく、別の種類の遙かに小さな脅威に直面しているのであって、米軍＋自衛隊の量と質を同じに保たなければならないということにはならないと反論した。また他方で、日本は決して日米安保条約を直ちに廃棄しようというのでなく、上述のような形で順次、基地負担を軽減することでかえって同条約を長続きさせると共に、東アジアに経済協力と安保協力の共同体を作り出して、OSCE（欧州安保協力機構）タイプの地域集団安全保障体制を築き、それが実効あるものになっていく度合いに応じて日米同盟の軍事的側面を減らしていくという考え方を採った。</p>

<p>　鳩山政権の安保についての発想の淵源がそのあたりにあることを知っておく必要がある。</p>

<p><strong>●グアム移転の意味</strong></p>

<p>　沖縄は、米軍の３つの海兵隊遠征軍の１つである第３遠征軍（＊）の本拠地である。遠征軍は海兵隊の最大単位で、米本土の東西両岸に１つづつと沖縄とに計３つあり、それぞれは通常、歩兵と砲兵を中心とする師団、航空団、後方（兵站）群の各１個から構成されるが、必要に応じてより小規模な海兵遠征旅団、さらに小さな2000人程度の海兵遠征隊が編成される。在沖の第３遠征軍は、海外に駐留する唯一の前方展開・有事即応の海兵隊部隊で、第３海兵師団、第１航空団、第３後方群のワンセットと、それとは相対的に独立している第31海兵遠征隊とを持っている。兵員総数は、定員も編成も常に流動していて、米軍当局もいちいち詳細を発表するわけではないので、よく分からないが、日本政府はSACOや2＋2での米軍再編協議を通じて「１万8000」と言っており、米軍当局の08年３月末の発表では「１万3200」である。</p>

<p>＊「遠征軍」はExpeditionary Forceで、日本政府は「機動展開部隊」と訳している。各部隊の概略は、<br />
在日米海兵隊HP（日本語）：<br />
<a href="http://www.kanji.okinawa.usmc.mil/Index.html" target="_blank">http://www.kanji.okinawa.usmc.mil/Index.html</a><br />
第３海兵遠征軍HP（英語）：<br />
<a href="http://www.iiimef.usmc.mil/" target="_blank">http://www.iiimef.usmc.mil/</a></p>

<p>　05年の2＋2で、普天間飛行場の辺野古移設と第３海兵遠征軍のグアム移転、それに伴う本土を含む基地及び米軍配備の統合・再編・一部返還がパッケージとして合意されたにもかかわらず、それが自民党政権下で一向に実行に移されず、その決着が民主党政権に押しつけられた形になっているわけだが、この合意に基づいて06年５月に策定された「再編実施のための日米のロードマップ」（外務省仮訳）のうちグアム移転の部分は次のとおり（＊）。</p>

<p>▼約8000名の第３海兵機動展開部隊の要員と、その家族約9000名は、部隊の一体性を維持するような形で2014年までに沖縄からグアムに移転する。移転する部隊は、第３海兵機動展開部隊の指揮部隊、第３海兵師団司令部、第３海兵後方群司令部、第１海兵航空団司令部及び第12海兵連隊司令部を含む。</p>

<p>▼対象となる部隊は、キャンプ・コートニー、キャンプ・ハンセン、普天間飛行場、キャンプ瑞慶覧及び牧港補給地区といった施設から移転する。</p>

<p>▼沖縄に残る米海兵隊の兵力は、司令部、陸上、航空、戦闘支援及び基地支援能力といった海兵空地任務部隊の要素から構成される。</p>

<p>▼第３海兵機動展開部隊のグアムへの移転のための施設及びインフラの整備費算定額102.7億ドルのうち、日本は、これらの兵力の移転が早期に実現されることへの沖縄住民の強い希望を認識しつつ、これらの兵力の移転が可能となるよう、グアムにおける施設及びインフラ整備のため、 28億ドルの直接的な財政支援を含め、60.9億ドル（2008米会計年度の価格）を提供する。米国は、グアムへの移転のための施設及びインフラ整備費の残りを負担する。これは、2008米会計年度の価格で算定して、財政支出31.8億ドルと道路のための約10億ドルから成る。</p>

<p>＊外務省仮訳全文：<br />
<a href="http://www.mofa.go.jp/mofaJ/kaidan/g_aso/ubl_06/2plus2_map.html" target="_blank">http://www.mofa.go.jp/mofaJ/kaidan/g_aso/ubl_06/2plus2_map.html</a></p>

<p>　この意味するところは、恐らく（というのも、政府もマスコミもそれを明確に説明し切れていないので）こういうことである。</p>

<p>（1）第３海兵遠征軍は司令部機能もろとも沖縄から撤退し、グアムとハワイにまたがって米領土内で展開する（第３海兵師団の主力歩兵のうち第４海兵連隊は沖縄のキャンプ・シュワブにいるが、もう１つの第３海兵連隊は以前からハワイに駐在している。なお第12海兵連隊は砲兵でキャンプ・ハンセンにいる）。これが兵員8000人、その家族9000人である（もっとも家族について日本政府は「8000」と言い、米軍当局は08年時点で「8200」と言っていて、「9000」というのはどこから出てきた数字か不明）。</p>

<p>（2）沖縄には第31海兵遠征隊が（多少とも強化された形で？）残る。</p>

<p>（3）また、第１海兵航空団の司令部はグアムに移るが、普天間（の代替基地）の第36海兵航空群（ヘリ３中隊、C-130輸送機など）はもちろん残り、岩国の第12海兵航空群（有翼戦闘機、普天間から移った空中給油機KC-135など、約3000人）と一体的にグアムの司令部から指揮される。</p>

<p>（4）そのほか基地支援部隊などが必要で、それを加えると合計5000人程度が残ることになるようだ。</p>

<p>（5）在沖海兵隊の現有勢力が１万3000人だとすると、8000人を差し引いてちょうど5000人で、平仄が合う。</p>

<p><strong>●残り5000人も不要？</strong></p>

<p>　これは、簡単に言って、在沖海兵隊の主力師団の沖縄からの「撤退」である。日本の外務・防衛官僚は、米軍が冷戦後の戦略環境変化や米国の財政事情によって在日兵力を削減・撤退させようとするのをなぜか極度に恐れていて、これが「一部海兵隊のグアム移転」であるかのように印象づけようとし、マスコミもそれに調子を合わせてきたので、国民も県民も今ひとつ何が起きようとしているか理解していないかもしれないが、これは海兵隊主力の撤退である。</p>

<p>　なぜこれが可能になったのかと言えば、朝鮮半島での"第２次朝鮮戦争"とも言うべき大規模陸上戦闘が起きる可能性がほぼ皆無になったためである。北朝鮮の侵略に備えてきた在韓米軍は、６年前までは陸海空３万7500人あったが、03年以降順次削減されて現在は２万8500人、その主力は、1952年の朝鮮戦争終結後もそのまま駐留し続けてきた第２歩兵師団１万7000人である。量的削減以上に大事なのは配置変更で、以前は38度線と首都ソウル＝漢江ラインの間の最前線を中心に43基地を構えていたが、今ではほとんどが韓国中部・南部の16基地に縮小・移転した。もちろん韓国軍の実力が向上し、2012年には半島有事の際の作戦指揮権を韓国軍に移管することが予定されているためでもあるが、米軍が基本的に第２次朝鮮戦争は「ない」と見ているのでなければこういうことは起こらない。</p>

<p>　さらに今後は、在韓米軍を撤退させて平時には他の地域に転用し、有事の際には来援して韓国軍を支援するという、まさに「常時駐留なき安保」に発展させていく構想が浮上しており、19日の李明博・オバマ会談ではこれを来年秋までにまとめることが合意される見通しである。この構想は「米韓同盟未来ビジョン」と呼ばれているが、このような安保の将来ビジョンも何もなしに「米国を怒らせたら大変」とオロオロしてばかりいた日本と比べると、韓国の方が余程「対米対等外交」を実現している。</p>

<p>　さて、旧来のシナリオでは、北が38度線を越えて南に侵略して来た場合、まずは第２歩兵師団が韓国軍と共に立ち向かい、５〜７日以内に沖縄の海兵師団が駆けつけて支援し、米本土からの本格的な大規模来援を待つということになっていたのだが、第一線の在韓歩兵師団が要らないのであれば第二線の在沖海兵師団も要らなくなるのは当たり前ということになる。だから海兵はグアムまで引くことになった。そこまではいいとして、では残りの5000人も何が何でも沖縄にいなければならないのかどうか。</p>

<p>　残るのは、主として、先鋒隊的な最小戦闘単位である海兵遠征隊で、遠征隊は普通、2200人の海兵・水兵から成り、海兵は、水陸両用強襲作戦向け、特殊作戦向け、ヘリ強襲作戦向けの３中隊から成る歩兵大隊のほか、砲兵中隊、兵站部隊などで構成される。第31遠征隊は、第７艦隊傘下で佐世保を母港とする第11水陸両用戦隊（ヘリ空母、揚陸艦など）と連動するが、この戦隊には別の海兵・水兵2100〜2300人が乗り組む。遠征隊はまた、普天間（代替施設）のヘリや輸送機、岩国のハリアー攻撃機や空中給油機とも連動する。また沖縄の広大な訓練場も（一部は返還になるものの大半は）引き続き使用する。</p>

<p>　これまでの経緯を一切無視して素人考えで言えば、このように沖縄、佐世保、岩国に分散配置してあちこちやり繰りするよりも、それらの機能をすべてグアムに集約する方が運用性は遙かに高まるのではないか。もちろん米軍側は、60年以上にもわたって慣れ親しんできたこれらの基地を、日本の「思いやり予算」のお陰で安上がりに維持できるメリットを手放したくはないし、またいざという時に遠征軍本隊が沖縄に出張って来ることもないとは言えないから、すべてを明け渡す訳にはいかないと言うに決まっている。けれども、少なくとも日本は、「全部をグアムかハワイに移した方がかえって便利なんじゃないですか」と聞くだけは聞いてもいいのではないか。</p>

<p><strong>●知恵を出せば...</strong></p>

<p>　それでラッキーにも、将来はそういうこともあり得ないでもないという話になれば、普天間代替施設は、これから８〜10年もかけてサンゴとジュゴンの海を埋め立てて本格的な恒久施設を作らなくとも、移転までの期限を区切った緊急避難措置として、嘉手納空軍基地への統合、キャンプ・シュワブの陸上、勝連沖などの県内移転、あるいは吉元＝元副知事がかねてから提唱しているヘリの岩国移転などの県外移転も、それぞれの地元の了解を得る道も開けるかもしれない。</p>

<p>　嘉手納統合に関しては、地元の反対は当然として、これまでの日米協議では空軍がヘリの受け入れに難色を示したために頓挫した経緯がある。空軍基地の隣には、それよりも遙かに27万平米の広大な嘉手納弾薬庫の敷地があって近年は弾薬貯蔵量が極めて少なくなっていることだし、空軍と海兵隊の共管でもあるので、そこに小さなヘリポートを作って、C-130やKC-135などの有翼機のみ空軍基地を利用するということも考えられるだろう。</p>

<p>　勝連沖というのは、沖縄本島東岸うるま市の勝連半島から沖合の津堅島にかけての一帯に海兵隊の普天間飛行場と牧港補給地区、陸軍の那覇軍港、航空自衛隊の那覇基地をまとめて集約してしまおうというもので、ロバート・エルドリッジ前大阪大学准教授が提唱している案。エルドリッジは、五百旗頭真＝防衛大学校長が神戸大学教授を務めていた時にその研究室で日米関係史や沖縄問題を研究して政治学博士号を取得した米国人で、『沖縄問題の起源』（名古屋大学出版会）でサントリー学芸賞を受賞している。彼がこの案を提唱した05年当時、海兵隊側もこれを支持していたと言われており、再検討に値するかもしれない。たまたま彼は去る９月、在沖海兵隊の外交政策部次長に就任した。</p>

<p>　日米双方で石頭の官僚どもを抑えて知恵を出し合えば、よりマシな打開策があるはずである▲</p>]]>
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