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INSIDER No.501《ASO》都議選結果が示す「自民党大敗」の予兆──自公協力の綻びがそれに輪をかける?

 今回の東京都議選の党派別得票数と得票率、当選者数は次の通り。

090715togisen.png
(注)党派別得票数は、案分比率分の小数点以下を切り捨てているため、合計数は各党加算と一致しない。改選時の欠員は2。

 民主党は、前回の107万票から230万票へと2.2倍に票を増やし、また得票率も1.7倍増やして、その結果、議席も1.6倍の54議席を獲得、自民党から第一党の座を奪った。自民党は、得票数は前回の134万票から146万票へと僅かに伸ばしたが、得票率は0.8倍に留まり、10議席を減らした。

 民主党は全42選挙区のうち39でトップ当選を果たした。残る3選挙区のうち定数6の練馬区と同4の葛飾区では公明党が、同1の島部では自民党がトップとなった。なおかつ、定数8の世田谷区では最上位3人、定数8の大田区、定数6の杉並区と足立区、定数5人の板橋区、定数4人の品川区では最上位2人を民主党が占めた。4年前の前回は、自民党が17、公明党が15の選挙区でトップ当選し、民主党は8、生活者ネットは1、共産党は1であったのと比べると、民主党の躍進ぶりが目覚ましい。

 民主党の得票率は、同党が大勝した07年参院選の東京・比例の38.88%を上回り、また05年の小泉郵政選挙で大勝した自民党の東京・比例の40.24%をも上回っている。

 公明党は、議席数ではこれまでの22議席を23に増やし全員当選を果たしたものの、トップ当選は上述のように前回の15選挙区から2に激減し、また定数3、4、8の計5選挙区で最下位当選だった。全体の投票率が上がってるのに前回の79万票から今回の71万票へと票を減らし、得票率は5ポイントも減らしていて、「全員当選で1議席増」と言っても、組織はむしろ衰弱の兆しを見せている。中選挙区での巧みな票配分で辛うじてこの結果を得たのであって、一歩間違えれば最下位当選の5人を落として18議席に留まる可能性もあった、危ない選挙だった。

 女性は、前回は40人が立候補して22人が当選したのに対し、今回は過去最多の54人が立候補して過去最多の24人が当選し、9選挙区で女性がトップ当選した。うち8人が民主党および同党推薦、1人が公明党だった。20?30歳代の若手の当選者も過去4回の都議選では最多の25人で、最年少は26歳だった。

●衆院選に当てはめると

 都議選での自民党の公認候補58人と民主党の公認候補58と推薦無所属1の計59人の得票数を、都内の衆院小選挙区に当てはめると、全ての衆院選挙区で民主党が自民党に対して優勢となる。自公選挙協力が完璧に行われるものと想定して、自民党の得票数に公明党の公認候補の得票数を加算しても、民主党を上回るのは10選挙区に留まる。

 石原伸晃=自民党幹事長代理の8区(杉並)では、民主党と生活者ネットの票数合計は約10万票で、自民党と公明党の合計約7万6000票を大きく上回る。前回衆院で小池百合子元防衛相が圧勝した10区(豊島など)でも、自公合計が民主票に及ばない。

 今回都議選では7つの1人区のうち自民党が勝利したのは島部の1つだけで、他の6つは民主党が制した。特に千代田区では、7選を目ざした自民党都連幹事長が26歳の民主党新人に敗れるという番狂わせが起きた。すべてが小選挙区である衆院選では、このようなケースが増えて、前回衆院選で自民党が東京の25選挙区のうち24を制して、民主党は菅直人の1議席だけに留まったのと全く逆の、民主党圧勝になる可能性がある。

 また前回衆院選の比例・東京では、定数17に対して自民党は40.24%の得票率で7議席を得、民主党は29.62%で6議席を得たが、上述のように今回都議選での民主党の得票率は前回衆院選の自民党の得票率を上回っており、ここでも両党の立場は逆転する可能性が高い。

 しかもそれは、自公選挙協力が完璧であったと想定してのことで、公明党の組織力に実は陰りが見えていて、なおかつ麻生政権の末期的症状に対して同党がほとほと嫌気がさして自民党候補に熱心に票を回す気にならないどころか、民主党政権の誕生を予想してむしろ敢えて手抜きをして民主党との“友好関係”を築こうとする思惑も働くだろうから、自公選挙協力の効果はかなり減退し、その分、自民党の落ち込みは一層激しいものとなると予想される。

 週刊誌などの予測が言うように、自民党は良くて180前後、自公協力がまともに作動しなければ150議席にまで落ちる公算が大きい。▲

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