Calendar

2008年9月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

Recent Entries

« INSIDER No.459《POLITICS》本当の争点はどこにあるのか?──自民党総裁選を巡るマスコミの浮かれ具合への疑問
メイン
INSIDER No.461《ASO CABINET》福田ほどにも追い風が吹かない麻生内閣の出発──それでも11月総選挙に賭ける政権の命運 »

INSIDER No.460《ELECTION》民主党255議席の単独過半数?!という『FLASH』予測の驚愕──自民党は自力では小選挙区で33人しか勝てない?

 『FLASH』は女の子の裸と芸能人のスキャンダルばかり載せている写真雑誌だが、今週号は珍しく大真面目に、「本誌の算出したデータ」を元に「300選挙区当落予測/民主圧勝!自民惨敗!」という記事を載せていて、これが面白い。

 結論は、民主党が小選挙区175、比例80、計255と単独過半数を突破し、自民党は同じく106、58、164と惨敗、公明党が現状維持の8、23、31と健闘しても、与党合計は195に止まるというものである。

 算出方法はこうだ。

(1)07年参院選比例の市区町村別の得票数をベースに、それを衆院選の小選挙区ごとの自民、公明、民主の得票数を割り出した。05年衆院選=郵政選挙の数字を元にしなかったのは“小泉旋風”によるバイアスが大きいためだ。

(2)03年衆院選の読売新聞による出口調査などから、小選挙区で自民党に投じられた“公明党の協力度”を約60%と想定した。

(3)次期衆院選で自民vs民主の一騎打ち型となると予想される269選挙区について、[自民得票数+公明得票数×0.6−民主得票数]を算出した。マイナスの数字が大きいほど苦戦となる。

(4)それに基づいて、編集部の判断も加えて、自民候補者について、
◎:学会票がなくても当選可能性がある=有力
○:学会票が60%自民に流れた場合に当選可能性がある候補=やや有力
△:学会票が70%自民に流れないと当選可能性がない候補=苦戦
▲:学会票が70%自民に流れても当選が厳しい候補=かなり苦戦
に分類し、統計上は△以上を当選として集計した。

(5)自民vs民主対決型ではない小選挙区が31あり、公明を自民が推薦するとか、社民・国民新党を民主が推薦するとかの形をとるケースがほとんどだが、これらについても自民、公明、民主の得票数に基づいて編集部が当落を判断した。

 すると驚くべきことに、◎すなわち学会票の流入なしに自力で当選の見込みがある自民候補はわずか33人しかいない。○すなわち自公協力が巧くいって学会票の60%が予定通り流入すれば当選の見込みがある自民党候補は58人だが、この中には例えば東京17区の平沢勝栄のように「私は公明党の支援を一切受けていない」と豪語する者もいて、そういう場合も学会票が60%流れたものとして機械的に○になっているけれども、実際には、上記算出方法による自民票は7万1369に対して民主票は8万5040で、公明票の60%=2万1524は平沢票に上積みされないから、彼は落選確実ということになる。ことほど左様に、自民候補の中には自公協力を採っていない者もいて、自民プラス公明票の6割という計算だけですべての当落予想がつくわけではないが、自民党の学会票依存の深刻さを知るにはまことに有用で、大いに参考にすべき基礎データである。

 △すなわち公明が相当気合いを入れて学会票の70%を自民に流すことに成功すれば当選の見込みのある自民候補は15人である。

 自民党総裁になることが確実な麻生太郎の福岡8区を見ると、麻生は▲で、すなわち学会票の70%が上積みされても当選が難しい。自民票は5万1315に対して民主票は8万5275で、学会票の60%2万5585が上乗せされても−8376と足りず、あと10%、つまり学会票の70%が回っても8万1164で、民主票に−4111で届かない。この選挙区事情を知れば、麻生が自民党幹事長でありながら臨時国会の召集時期などについて福田総理の意向に従わず、公明党寄りの立場をとって結果的に福田のプッツンをもたらした理由も、またこの総裁選で決死の覚悟で圧勝を目指している理由も理解できる。つまり麻生は、自民党総裁で“麻生ブーム”を演出して存在感を示しつつ、その勢いを駆って総選挙に打って出て、かつ学会票の70%以上をかき集めなければならない。が、これでは何とか当選しても事実上、公明・学会のロボットになる危険があるということである。

 私がしばしば指摘してきたように、自公選挙協力は自民党を蝕んできた。それ以前の連立相手はことごとく自民党に食い尽くされて消滅してしまったが、自民党が最後に食らいついた公明党はそうは行かず、逆に自民党が侵されて、学会なしでは選挙が出来ない組織体質の劣化が進み、やがては自民党にとっての基本政策さえ公明党の要求を容れて曲げなければならない事態が必ず訪れることは目に見えていた。今がまさにその時で、例えば、福田vs麻生・公明の臨時国会会期の設定とインド洋への海上自衛隊派遣のためのテロ特延長問題で、テロ特は流れてもいいから会期短縮、早期解散・総選挙を主張する公明に、テロ特は断固やるべしが持論のはずの麻生が引きずられていく有様にそれが表れている。私はもちろんテロ特に反対だが、それでもこのようにして自民党総裁になるべき人が、総裁になっても落選する危険に直面して、なりふり構わず公明党に寄り添っていこうとする姿を見るのは忍びない。

 やはりここは、潔く自公選挙協力を解消して、33議席になってもいいから一旦野党に下って、自力で近代的な保守政党として蘇生してくる道を選ぶのが、長い目で見て自民党自身と日本政治にとって望ましいことなのではないか。

 蛇足。こういうことを言うと、また「ほら、あいつは民主党寄りだ」と言われるだろうが、私は96年の最初のいわゆる鳩菅民主党の結成に参画し、その最初の綱領的文書を執筆した人間であることを隠していない、公然たる民主党寄りである。しかしそれは、日本に本格的なリベラル政党が出来て、それに対抗して自民党もまたまともな保守政党に脱皮することを通じて、小選挙区制をフル活用した政権交代ある政治が実現することなしには日本の民主主義はこれ以上前に進めないという戦略的な判断からのことで、その立場から民主党にも自民党にも厳しく注文を付けるのはジャーナリストとして当然である。だから、いつも民主党が正しく自民党が間違っていると言い募るような単純な民主党寄りというのとは違う。今は、政権交代を目撃できる絶好の機会だから民主党頑張れと言っているのは事実だけれども、本当に民主党が政権を獲れば恐ら
くそれには相当批判的にならざるを得ないだろう。私が民主党結成に参画したのは、ジャーナリストの則を超える行為であったことは間違いなく、そのために当時、サンデー・プロジェクトも1カ月の出演禁止措置を食らったりしたのだったが、(これはちょっと難しい話で、本当は丁寧な説明が必要なことなのだが、簡単に言うと)私はジャーナリストは政治に対する単なる観察者ではなく、書いたり発言したりすることを通じて既に政治の当事者としてそれに関わっている運動者でもあって、そのように自分も関わって動いている政治をもう1人の自分が観察しているという「相対性原理」に立っている。INSIDERおよび《THE JOURNAL》での私の論説を、単純な意味でどっち寄りというような低俗な次元で見て頂きたくないので、一言付け加えておく。▲

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.the-journal.jp/mt/mt-tb.cgi/564

コメント (1)

貴方の民主党・自民党に対する接し方は正に私の言わんとしているところと一緒です。

交代可能な2大政党にするべく今までは私も民主党を全面応援してきております。

しかし、次回の衆議院総選挙で民主党が政権を取ったら、是々非々で望みたいと思っております。

今の自民党を応援している方々は遮眼帯を付けている競走馬のように前だけしか見ていないか或いは見えていないのだと思います。

こはひとつ遮眼帯を外し、目の前全てを見て頂きたいと思います。

民主党に政権を取らせる事が、結局は自民党を生き返らせ、真の意味での2大政党となり、国民は常に選択肢を2つ持つ事となります。

国民の為の政治を行なわなければ
、交代の憂き目を見る事となり、政治家は国民の為に緊張感ある政治を行なう良い国家となるでしょう。

Profile

現在、INSIDERニュースレターの内容は、ご覧の《THE JOURNAL》内でブログの形で公開されております。
誰でも無料で閲覧し、またそれについて感想や意見を書き込むことが出来るようになっておりますが、従来通り、お手元に電子(Eメール)版配信もしくは印刷版郵送の形で講読を希望される方は、引き続きEメール版:年間6,300円(税込)、ペーパー(紙)版:年間12,600円(税込)をお支払いください。[法人購読の場合は年間105,000円(税込)になります]
ウェブ上で無料で閲覧できるものが、Eメール版・ペーパー(紙)版が有料なのはどういうわけだと思われるかもしれませんが、後者の場合、読者名簿管理と請求の事務、配信と郵送の手間が必要であり、とりわけ印刷版の場合は紙代、封筒代、印刷代、郵便代のほか宛名を印刷して封筒に貼り、印刷されたものを三つ折りして封入し、糊付けし、紐で束ねて郵便局に運び込むのに膨大な手間とコストがかかっていることをご理解下さい。
また、無料で閲覧できるならそちらに切り替えたいという方もおられると思いますが、残余の購読期間は引き続きEメール版もしくはペーパー(紙)版を配信させて頂き、購読料を途中返還することは致しませんのでご了解下さい。

BookMarks

TOKYO KALEIDO SCOOP
http://www.smn.co.jp/

INSIDER(インサイダー)
http://www.smn.co.jp/insider/

→ブック・こもんず←



当サイトに掲載されている写真・文章・画像の無断使用及び転載を禁じます。
Copyright (C) 2008 THE JOURNAL All Rights Reserved.