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INSIDER No.453《TERRORISM》今頃になって「戦争ではテロを防げない」だと……──遅きに失した米「ランド・コーポレーション」の最新レポート

 ペンタゴンに直結する米シンクタンク「ランド・コーポレーション」がこのほど発表した研究レポート「テロ集団はいかにして壊滅するか」によると、1968年から2006年までの期間に世界中に存在した648のテロ集団のうち同期間内に消滅した268組織についてその原因を調べたところ、43%は政治的プロセスへの参加(交渉など)、40%は警察や情報機関による主要メンバーの逮捕・殺害、10%はテロリスト側が勝利して目的達成などの理由によって消滅しており、軍事作戦が奏功して壊滅させたケースはわずか7%だった。その結果に基づいて同レポートは、政治的解決が可能なのはテロ集団の目的が限定されていて妥協しやすいケースがほとんどで、アルカイーダのような規模が大きく重武装して活動範囲も広い組織に対しては、戦争でなく、警察と情報機関による作戦を中心に対処すべきであって、「対テロ戦争」という言葉はもう使わないほうがいいと米政府に勧告している。「テロを解決できる戦場は存在しない。軍事力は通常、その狙いとは正反対の効果をもたらす」と。

RANDCorp.:
http://www.rand.org/

同レポートの記者発表:
http://www.rand.org/news/press/2008/07/29/

 今頃になって何を言ってるんだ。そんなことは『インサイダー』が最初っからさんざん書いているじゃないか。

「テロはあくまで『犯罪』の一種であり、従って基本的に警察的手段で予防し解決すべきものであって、軍隊が出動して軍事的手段を用いてよりよい結果が得られる保証は何もない。少なくとも、長期的な国際警察協力と緊急かつ(対テロ作戦としては)異例の軍事作戦とを区別と統一において捉える視点が必要だろう」(インサイダー01年9月17日号、高野『滅びゆくアメリカ帝国』P.21)

「テロの定義は……面倒だが、いずれにせよ、国家間の外戦や国家内の内戦とは違って、基本的には非国家組織(NGO!)による犯罪行為であり、まずもって国際的な捜査協力を通じて司法的に解決を求めるべき事柄であって、ただしその特異な暴力的性格からして、その予防・対処・解決に当たっては狙撃兵や特殊部隊などの準軍事的(パラミリタリー)な手段を動員することもありうるということだろう」(同誌01年10月1日号、同書P.41)

 さらに『インサイダー』はその後も、田中明彦という東大教授がアルカイーダとの戦いは戦争なのだ」と言っているのを批判しながら、もっと詳しくこのことを論じている(同誌02年9月16日号、同書P.103〜107)。

 アフガニスタンとイラクの2つの戦争に米国を引きずり込んだ張本人であるラムズフェルド前国防長官は、そのポストに就く前はランドの理事だった。ランドの研究員がもう少し早く(01年9月の段階で)このレポートを出していたら、米国はこれほど酷い失敗をしなくて済んだかもしれない。

 コラムニストのニコラス・クリストフは8月11日付『インタナショナル・ヘラルド・トリビューン』の論説「戦争ではなく外交をやろう」で、このランドのレポートを引用しつつ、「次期大統領はこの教訓を学んで、対外政策の第一の手段として外交を再活用すべきだ」と論じている。

同コラム:
http://www.iht.com/articles/2008/08/10/opinion/edkristof.php

 彼によると、米国は明らかに軍事に過剰投資し外交に過小投資していて、例えば、

▼米軍の軍楽隊に属するミュージシャンの数は米国の外交官の数より多い。
▼今年だけで、米陸軍は約7000人の新兵を採用したが、その数は外交サービスに従事する者の総数より多い。
▼人員不足により1000以上の外交官ポストが空席のままだが、狭量な議会は新規雇用の予算を拒否している。C-17軍用輸送機1機の値段で1100人を雇えるのに。

 そこで、最初の第一歩として、米国にとって外交官は軍楽隊員と同じくらいプライオリティを与えられてしかるべきだという合意をつくりあげようではないか、と彼はそのコラムを結んでいる。(この記事は《ざ・こもんず》から転載しました)▲

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