Calendar

2008年5月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

Recent Entries

Recent Comments

« INSIDER No.437《POLITICS》何でマスコミは今度は「大混乱」と騒がないのか?──メディアの沈黙に助けられる福田政権
メイン
INSIDER No.439《KOUKI-KOREISHA》岩見隆夫が本気で怒っている!──後期高齢者医療制度は廃止すべきだ »

INSIDER No.438《KAMOGAWA DIARY 3》鴨川田舎暮らし絵日記・その3

 この項は折に触れて安房鴨川の山中での田舎暮らしを中心とした身辺記を出来るだけ写真を添えてお届けするものです。メール版はテキストのみですが、以下URLに写真入りのPDF版をアップしますので、それを開ける方はそちらをご覧下さい。また《ざ・こもんず》高野ブログにも(時間差はありますが)掲載されます。

http://www.smn.co.jp/insider/takano/kamogawa03.pdf

---------------------------

《08年4月29日》

 京都国立博物館(京博)でやっている「暁斎」展がどうしても見たくて、東京に前泊、6時台の新幹線で京都へ。早く着きすぎたので、よく行く駅前の喫茶店でコーヒーを飲んで新聞3紙と暁斎関係の資料を熟読。以前はこの辺りだと京都グランビアホテルの喫茶室を使ったのですが、この頃は禁煙、禁煙でどうしようもないので行かなくなりました。七条を東に歩いて京博に着くと、さすが連休、9時半開場の10分前だというのに50〜60人が列をなしているのには驚きました。

 京博は、2000年に伊藤若冲、2004年に曽我蕭白の18世紀後半の京都奇想派を採り上げ、その延長で今回は江戸から明治にかけて東京で活躍した河鍋暁斎を採り上げました。暁齊は「きょうさい」と読みます。というのも、彼の元々の号は「狂斎」で、明治3年に書画会で酔いに任せて描いた風刺画が薩長官憲の逆鱗に触れて逮捕される事件があり、そのあと、どういう心境の変化か、字だけ「暁斎」に改めたということがあるからです。

 1831年下総・古河に生まれ、7歳から浮世絵師=歌川国芳に師事、10歳からは狩野派に入門して本格的に画を習いますが、1858年、21歳で独立するときには、どちらかといえば国芳の流れをくむ「狂画師」というつもりだったのでしょう、狂斎を名乗って、「天竺渡来大評判象乃戯遊」など時事風俗を描いた錦絵や「風流蛙大合戦乃図」など鳥獣絵巻風の戯画を描きまくるかと思えば、時には狩野派正統に内在する極彩色の精密画(例えば「花鳥図」)や枯れた水墨画(例えば「枯木寒鴉図」)に立ち戻るという、自由闊達・変転自在な画風を展開します。維新を跨いで晩年に近づくほど怪奇ものが増えていったようで、「地獄極楽めぐり図」「幽霊図」などがよくしられていますが、私がいちばん強烈に感じたのは、明治13年に歌舞伎の新富座のために描いた「妖怪引幕」で、縦4メートル、横17メートルの大画面に躍動する13人の化け物どもの乱舞に胸騒ぎが収まりません。

 私は(こう見えても)結構、博物館・美術館マニアで、地方に行っても時間があれば郷土史資料館のようなものまで含めてよく歩きます。そのため、旅行鞄にはいつも美術鑑賞用の単眼鏡が放り込んであるほどです。「VIXEN Multi Monocular 6x169.3°」というやつで、倍率6倍、対物レンズ径(接眼側でなく対象物に対面する側のレンズの直径で明るさに関係)16ミリ、実視界9.3度ということですが、望遠鏡の類は倍率が高ければいいというものではなく、美術鑑賞用には4〜6倍で、ある程度のレンズ径=明るさのあるもの。倍率が高くなるほど暗くなって実視界=視野も狭くなります。ある程度の視野の広さが必要なオペラ鑑賞には3〜5倍の双眼鏡が便利だし、コンサートやスポーツ観戦でお目当てのプレーヤーの表情まで捉えたいという場合には8〜10倍の単眼鏡や双眼鏡のほうがいいということになります。美術鑑賞用の場合、何より大事なのは至近焦点距離が30センチ以下、出来れば20センチであることで、ガラス越しだったりするとはいえ、近くからディテールを観察するには、倍率8倍で至近焦点距離70〜80センチのスポーツ観戦用グラスを持って行っても余り役に立ちません。道具が意識を規定するというのも人生の一面で、気に入った単眼鏡を持ち歩いていればちょっと時間が余ったときに美術館・博物館に行こうという気にもなろうというものです。私のはビックカメラなどで実売価格8000円台ですが、一応実用に足るもので2000円以下からいろいろあります。VIXENやKENKOなど望遠鏡専門メーカーのものがお勧めで、他にNIKONやZEISSなどカメラメーカーのものもあり、性能はいいんでしょうが高い。特にZEISSは数万円です。

 さて、展覧会の歩き方ですが、私の流儀は、
(1)まず始めから終わりまでを一渡りサーッと見て、どこに何があるか、それをそこに配置した学芸員の企図は何かなどを察知し、全体像を掴む、
(2)それで「これは!」と直感的に引っかかった1点ないし数点のところまで戻ってじっくり鑑賞し(そのとき単眼鏡が役立つことがあります)、印象を刻み込む。
(3)出口のショップで目録・解説と必要なら関連図書を買って、博物館・美術館には必ず喫茶室があるので、時間があればコーヒーを飲みながら目を通す。
(4)帰りの新幹線か泊まったホテルで(ホテルならウィスキーを舐めながら)、得たものを1枚の「心象曼荼羅」スタイルでメモにまとめておく。
 ……というものです。今回の「暁斎」展のメモはこんなふうですが、これを解説すると長くなるのでやめておきます。▲

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.the-journal.jp/mt/mt-tb.cgi/542

Profile

現在、INSIDERニュースレターの内容は、ご覧の《THE JOURNAL》内でブログの形で公開されております。
誰でも無料で閲覧し、またそれについて感想や意見を書き込むことが出来るようになっておりますが、従来通り、お手元に電子(Eメール)版配信もしくは印刷版郵送の形で講読を希望される方は、引き続きEメール版:年間6,300円(税込)、ペーパー(紙)版:年間12,600円(税込)をお支払いください。[法人購読の場合は年間105,000円(税込)になります]
ウェブ上で無料で閲覧できるものが、Eメール版・ペーパー(紙)版が有料なのはどういうわけだと思われるかもしれませんが、後者の場合、読者名簿管理と請求の事務、配信と郵送の手間が必要であり、とりわけ印刷版の場合は紙代、封筒代、印刷代、郵便代のほか宛名を印刷して封筒に貼り、印刷されたものを三つ折りして封入し、糊付けし、紐で束ねて郵便局に運び込むのに膨大な手間とコストがかかっていることをご理解下さい。
また、無料で閲覧できるならそちらに切り替えたいという方もおられると思いますが、残余の購読期間は引き続きEメール版もしくはペーパー(紙)版を配信させて頂き、購読料を途中返還することは致しませんのでご了解下さい。

BookMarks

TOKYO KALEIDO SCOOP
http://www.smn.co.jp/

INSIDER(インサイダー)
http://www.smn.co.jp/insider/

→ブック・こもんず←



当サイトに掲載されている写真・文章・画像の無断使用及び転載を禁じます。
Copyright (C) 2008 THE JOURNAL All Rights Reserved.