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INSIDER No.383《ABE》支持率急落で“破れかぶれ”に傾く安倍首相(その2)──衛藤復党決断と拉致固執演出

 さらに不味いのは、安部の拉致問題への拘り過ぎである。もちろん拉致問題は日本国民にとって重大関心事であり、北朝鮮に対してあくまで全貌解明と生存者の無事帰国を求めて厳しく追及していかなければならないことは言うまでもない。しかし、それを「政権の命綱」(23日付朝日)と位置づけて突出させ、あらゆる外交の場でこの問題への“理解”を取り付けることにばかり関心を注ぎ、また国内世論対策上も「ぶれない姿勢」をことさらに演出してみせるのは、かえって命取りになりかねない。

●6カ国協議への姿勢

 23日付毎日「記者の目」欄の「硬直した日本の北朝鮮政策」で大貫智子記者は、日本が6カ国協議で「拉致問題の進展がなければ北朝鮮へのエネルギー支援を行わない」との方針を貫いたことについて、「核問題解決に後ろ向きともとられかねない今回の対応は正しかったのだろうか。拉致の早期解決のためにも、政府は核問題との両立を図るべきだと思う」と指摘した。

 北京で6カ国協議を取材した彼女を驚かせたのは、「うちは拉致問題が進展すれば、核問題で進展がなくても支援するんだよ」という日本政府関係者の「日本の“極端な”政策を自嘲気味に語る姿」だった。また外務省幹部に今回の対応が妥当だったのかと問うても「首相に聞いてよ」と言葉を濁すばかりだった。さらに別の幹部も、各国との首脳会談で「首相の指示がなくても萎縮して勝手に“拉致”を議題にしてしまう」と嘆いたという。

 実際、北朝鮮の核暴走をどう食い止めるかの瀬戸際の勝負がかかったこの協議で、日本はそのこと自体には何の提案も貢献もせず、ひたすら日本の立場に各国の“理解”を取り付け、エネルギー支援の主体を合意文書に明記させないようにすることだけに努力を集中した。米国と中国は裏では、北がどうしても核施設停止に同意しない場合はピョンヤンで宮廷革命かクーデターを起こして金正日を亡き者にするというシナリオまで用意してこの協議に臨んだと言われており、今後も北が言を左右にして逃れようとすればその米中秘密作戦を発動する覚悟で事に当たっていこうとしている。そのような真剣勝負の場で、独り日本が「拉致、拉致」と言って廊下を走り回っているのでは、北を含めた5カ国から味噌粕扱いされるのは当然で、事実、核合意のいくつかの重要論点では日本は議論から外されて、後になって間接的に結論を聞いただけに終わった。

 21日に来日したチェイニー米副大統領との会談でも、「拉致が解決しない以上“テロ支援国家”指定を外さないでくれ」と申し入れ、チェイニーから「拉致解決は共通の課題だ」という答を引き出して、それを大きな成果として宣伝した。

 もちろん北以外の4カ国は日本の立場に同情的で、問われれば「日本の立場を理解する」とは言うだろう。が、それは加藤紘一元幹事長が言うとおり「外交辞令に近い」もので、彼らの本音は「この伸るか反るかの勝負時に余計な問題を持ち込むな。それは日朝2国間でやってくれ」ということだろう。

 今回の6カ国協議合意は、94年の米朝枠組み合意と違って、「核施設停止」と「エネルギー支援」のバーターに止まらず、金融封鎖の段階的解除、テロ国家指定の解除、米朝国交正常化のための協議開始まで含めた包括的なパッケージとなっており、しかもそれを「60日以内」に始めることになっている。日本の論法から言えば、拉致が解決しないのだから米朝国交樹立は待ってくれと申し入れなければならなくなるが、そんなことが通用するはずもなく、米国は「日本の立場は理解する」と口では繰り返しながら粛々とこのプロセスを進め、日本が孤立感を味わうことになりかねない。他方、この合意の枠内で3月上旬には「日朝国交正常化作業部会」も開かれることになっているが、安部はこれについても「北が拉致を解決する姿勢を示さなければ、何も与えるべきでない」という姿勢で臨むことを指示しており、恐らく何ら前進のないまま決裂状態に陥るだろう。

 拉致被害者・家族と支援者が安部を頼りにするのは当然だが、それに応えて「ぶれない姿勢」をアピールするためにますます拉致問題を突出させ対北交渉のハードルを高くするだけでは、外交は成り立たず、かえって出口を失うことになりかねない。▲

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