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INSIDER No.319《INSIDER》インサイダー×東京万華鏡=ざ・こもんず——インターネット・ジャーナリズムの新展開

 本誌「インサイダー」とウェブサイト「東京万華鏡」が融合して、この11月から、本誌をはじめ多くの独立系の活字・映像メディアを糾合して無料で公開する新しいサイト「The Commons(ざ・こもんず)」が発足します。

 それ以降、本誌の内容は、ブログの形で公開され、後に述べるような方式で会員登録すれば誰でも無料で閲覧し、またそれについて感想や意見を書き込むことが出来るようになりますが、従来通りメールマガジン配信もしくは印刷版郵送の形で講読を希望される方は、引き続きメルマガ年間6000円、印刷版年間1万2000円をお支払い頂くことになります。

 ウェブ上で無料で閲覧できるものが、メルマガ版・印刷版が有料なのはどういうわけだと思われるかもしれませんが、後者の場合、読者名簿管理と請求の事務、配信と郵送の手間が必要であり、とりわけ印刷版の場合は紙代、封筒代、印刷代、郵便代のほか宛名を印刷して封筒に貼り、印刷されたものを三つ折りして封入し、糊付けし、紐で束ねて郵便局に運び込むのに膨大な手間とコストがかかっていることをご理解下さい。また、無料で閲覧できるならそちらに切り替えたいという方もおられると思いますが、残余の購読期間は引き続きメルマガ版もしくは印刷版を配信させて頂き、購読料を途中返還することは致しませんのでご了解下さい。

●新しい情報空間の共有

 「インサイダー」は1975年10月に・故・山川暁夫編集長の下、印刷版のニュースレターとして創刊され、年明けて76年2月に勃発した「ロッキード事件」報道を通じて、何物にも囚われない自由闊達な立場で事の真相に迫る独立メディアとして日本と世界に知られるようになりました。80年に山川氏が引退した後、高野が引き継いで(株)インサイダーを設立、それから数えても25年、最初から数えれば30年、合本を積み上げれば腰の高さに近くなるほど、ひたすら書き綴ってきた現代史の同時進行ドキュメントです。

 そもそも「インサイダー」を創刊したのは、フリー・ジャーナリストと言えば聞こえはいいけれども、実態はマスコミ臨時工で、大手メディアの注文通りの仕事をしていれば飯は食えるけれども自尊心は満たされず、飯はどうでもいいから好きな仕事をしたいと思ってもその表現の場がないという者たちが山川氏の下に集って、そこから出撃してマスコミで仕事をしても必ず帰還すべきゲリラの小さな砦を築いて、表現したい中身(今で言うコンテンツ)を持つ者が誰のお世話にもならずに自ら広く世間に世界に発信する自前のメディアを持ちたいという思いからのことでした。

 やがて電子メディアというものが現れて、80年代半ばには日本初のパソコン通信「アスキーネット」にインサイダーの中身を搭載するという試みに撃って出ましたが、当時のパソ通はパソコンおたくばかりで、世界がどうした、日本をどうするといった話は見向きもされず、数年にして撤退しました。また同じ時期に、国内だけでなく世界に向けて発信しようということで英語版「TOKYO INSIDER」を発刊しましたが、海外での販促が思うようにいかず、これも数年にして莫大な赤字を残して撤収しました。90年代半ばに至って、日本でようやくインターネットが解禁となり、インサイダーで培ったコンテンツへの自信と、パソコン通信で挫折した「自前のメディアというならこれからは電子メディアだ」という思いと、英語版で挫折した「世界に向かって発信したい」という野望とを合流させる格好で、日本初のインターネット上の日英両語による週刊誌「東京万華鏡」を創刊し、これまた年明けてすぐに阪神大震災、続けてオウム真理教の地下鉄サリン事件という展開に助けられて、内外に広く知られる発信源となりました。NHKを辞めたばかりの故・島桂次氏が営業、高野が編集、インターネット伝道師の伊藤穣一が技術を担当するという布陣で、面白いことをたくさんやりましたが、3年後に島氏が急逝して次第に活動が低下し、今はその形骸だけが残っています。

 さて、そのようにインディペンデントな自前のメディアの探求を続けてきた私が、その30年間の成功と失敗の経験を注ぎ込む、たぶん人生最後の大仕事として始めようとしているのが「ざ・こもんず」です。全体の趣旨は、別項の「呼びかけ」をご覧頂きたいのですが、一言でいえば「独立系メディアのポータルサイト」ということになるでしょうか。インサイダーをはじめとして、これまでの30年間に共に仕事をしお世話にもなってきたたくさんのジャーナリストや書き手、制作者のみなさんによる既存もしくは新設のメディアを一堂に会して、主としてはブログ・ジャーナリズムという形で、一部はインターネット放送もしくはビデオ・ジャーナリズムという形で、発信し、しかも、それを一般読者・視聴者に対しては無料で公開します。コモンズは「入会地」で、私が開拓したこのネット上の空間にたくさんのジャーナリストやコンテンツ保有者が入会権者となって入植して共同で情報を耕作し、余に向かって「これでいいのか、日本!」と問いかける、全く新しい種類の強力な情報震源地となるはずです。

 取り敢えず11月から始まるのは、これまで準備できた限りのメニューによる実験段階で、まだ工事中の部分も多いし、また始まってからも、より多くの入植者の参加を得て増殖し変転していくことになるでしょう。

●ビジネスモデル特許の応用

 なぜそのようなものが無料公開で成り立つのか。その秘密は、福岡の若手経済人のリーダー格である妹尾八郎氏が開発し、ビジネスモデル特許を取得し、すでに「NCにっぽんドットコム」という形で事業展開している、そのビジネスモデルを応用するところにあります。

★NCにっぽんドットコム http://www.nc-nippon.com/

 このビジネスモデルは、簡単に言うと、中小企業がせっかくホームページを作って商売に役立てようとしても、孤立して開いているだけでは訪れる人も少なく、そのうち立ち枯れ状態になったり、ウェブ・デザイン会社に相談すると改善や更新に莫大な金を取られたりして、一向にIT時代の恩恵に浴すことが出来ないでいる現状に対して、それぞれのホームページを言わば「ミニ・ポータル」に仕立てることで顧客との関係を深めると共に、企業同士が集団化してお互いに連携し合うことを通じて、ホームページの活性化と引いては地域経済の振興を図ろうとするもので、「NCにっぽんドットコム」にはこれまでに九州を筆頭に全国約350社が参加し、合計100万人近い顧客登録を持っています。

 伊藤穣一は論文「創発民主制」の中で書いています。

 「ワールドワイドウェブの初期には、ウェブのページはセットアップが容易なので、自分の考えを公表しようとする人の数は劇的に増え、その結果として多様で分散的なシステムがもたらされるという期待があった。だが、実際に起こったのは、ポータルと検索エンジンがトラフィックのほとんどを占めて、注目が希少資源となる注目経済(attention economy)の出現だった。注目がサイトへのトラフィックとなったのだ。人々は、自分が探しているものを見つけるのを助けてもらうために、まずポータルに行く。それから今度は、質の高い情報や製品を提供してくれる巨大な商業サイトやニュースサイトに向かう。より小さなサイトに到達する人はごくわずかだ。この注目経済はトラフィックに価値を与え、それがバナー広告やリンクの形で、より人気のあるサイトから買い取られるようになった。今日ではこのビジネスが、ほとんどの検索エンジンやポータルサイトの主要な収入源となっている」(グローコム・レビュー03年3月)

 というように、本来が大資本も小資本も全くの個人も対等平等であるはずのウェブ世界で、実際には大が小を食い物にすると言うと言い過ぎかもしれませんが、大はますます肥え太り小はその分疲弊するという減少が起きているのが現実です。

★伊藤論文 http://www.glocom.ac.jp/odp/library/75_02.pdf

 そこで、中小企業の仮想の共同化によってそれぞれのホームページに「ミニ・ポータル」的な機能を持たせることで小が踏ん張ろうというのがこのビジネスモデルですが、そうは言っても“注目経済”に乗るには限界がある。そこを突破していく1つの方策として、「ざ・こもんず」の強力コンテンツと連携し、各中小企業のホームページに「ざ・こもんず」へのアクセス窓口機能を設定して、読者・視聴者はそこで会員登録し、そこを経由してゲートインする限りコンテンツを無料で読んだり観たりすることが出来るようにし、その代わり各企業は、1社では到底抱え込むことの出来ないコンテンツをまるで自社のホームページの裏庭に存在しているかに見せかけて集客するための宣伝広告費として、低額のサポーター会費を「ざ・こもんず」に対して支払うことになります。このサポーター企業の募集はすでに始まっていますが、最大限で1000社限定とします。

 このようにして、大手の検索サイトやポータルサイトに依存しない多極分散型の別の注目経済を展開するのですが、他方、発信の方法としても、従来の電子メールによるメルマガや、ウェブ上のコラムや掲示板の限界を超えるものとして、ブログの機能を重視していくことになります。ブログの何が面白いのか、実際にどのように運用するつもりなのかは、次号以降で述べていきます。本日のところは、多くの読者のみなさんには唐突極まりないことで恐縮ですが、インサイダーおよび東京万華鏡が融合し、また私の40年近いジャーナリスト人生の総決算として新しい、そして私にとって最後の、メディア実験が始まろうとしていることをご理解いただければ幸いです。▲

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現在、INSIDERニュースレターの内容は、ご覧の《THE JOURNAL》内でブログの形で公開されております。
誰でも無料で閲覧し、またそれについて感想や意見を書き込むことが出来るようになっておりますが、従来通り、お手元に電子(Eメール)版配信もしくは印刷版郵送の形で講読を希望される方は、引き続きEメール版:年間6,300円(税込)、ペーパー(紙)版:年間12,600円(税込)をお支払いください。[法人購読の場合は年間105,000円(税込)になります]
ウェブ上で無料で閲覧できるものが、Eメール版・ペーパー(紙)版が有料なのはどういうわけだと思われるかもしれませんが、後者の場合、読者名簿管理と請求の事務、配信と郵送の手間が必要であり、とりわけ印刷版の場合は紙代、封筒代、印刷代、郵便代のほか宛名を印刷して封筒に貼り、印刷されたものを三つ折りして封入し、糊付けし、紐で束ねて郵便局に運び込むのに膨大な手間とコストがかかっていることをご理解下さい。
また、無料で閲覧できるならそちらに切り替えたいという方もおられると思いますが、残余の購読期間は引き続きEメール版もしくはペーパー(紙)版を配信させて頂き、購読料を途中返還することは致しませんのでご了解下さい。

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