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2005年9月30日

INSIDER No.316《YAMAZAKI》小泉の民営化法案は本当に「官から民へ」のシンボルなのか?——山崎養生「山崎通信」より

 元ゴールドマン・サックス幹部で退社後、徳島県知事選にも挑戦したことのある山崎養生が月2回刊で出しているメルマガ「山崎通信」の最近号(9月29日付第24号)が面白い。

 選挙の華々しさにもかかわらず、肝心の「郵政民営化」の小泉案が本当に「官から民へ」の改革のシンボルとなりうるのかという「核心部分は検証されずに終わった」というのはその通りで、その原因は、第1に、本誌も繰り返ししてきたことだが、民主党が、(1)「いまの民営化案以上の思い切った経営の高度化と規模の縮小」を盛り込んだ真の郵政改革を真ん中に据えて、(2)全特殊法人の徹底的な改廃、(3)財政放漫と国債乱発に突き進む財務省の切開手術的改革、(4)不良債権処理が「峠を越えた」というその先の金融再編の方向とその中での民営化後の郵貯の位置づけ、までをすべて連関させた抜本的な改革案を提示し、その見地から小泉の名ばかりの「民営化」法案には反対だと唱え続けるべきだったのに、逆にそこから遁走して「守旧派のレッテルを貼られ」たこと、第2に、マスコミがこの問題で本質に触れる議論を何ら提起することなく、“政治のワイドショー”化に巻き込まれ、ついには小泉民営化案賛成の大合唱を演じるに至ったこと、第3に、それに惑わされて有権者もまた、民営化の中身が何たるかを知ろうともせずに、小泉の「改革だ〜!」の虚しい呼号に難なく引っかかって、ポスト小泉の3年間に誰がこの3分の2超の化け物政権を委ねるのかにまでは到底思い及ばないまま白紙小切手を渡してしまったこと、にある。

 以下、山崎の論説の全文を紹介する。

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 総選挙での小泉首相の大勝利をいち早く予言していたのは株式市場でした。小泉首相が解散総選挙を発表した8月8日から日経平均は一本調子で上昇し、9月26日までで14%も上昇しました。9月18日に行われたドイツの総選挙で勝者が決まらず、株式市場が下落したのと好対照です。

 日本株買いの主役は、年金・オイルマネーなどの長期投資の外国人のようです。そもそも、日本企業はリストラと事業戦略の転換で、史上最高の利益を上げていました。さらに、石油価格の高騰や世界的な少子高齢化やエコ社会の到来に強いのは米中ではなく日本だ、という認識も広がってきていました。それなのに最割安の水準に放置されていた日本株に、小泉自民党の勝利が火をつけました。このままの上昇が続けば、年金や保険の財政も好転し、景気が回復すれば税収も増えるでしょう。いいことです。

 株式市場の上昇はまた、小泉改革の本質を語っています。不良債権処理や規制緩和による民間重視の政治への転換です。それはまた、上場企業の7割が集中する東京中心の経済運営に他なりません。小泉さんは、総選挙では「官から民」という言葉をシンボルにして新鮮な候補者を擁立し、郵政民営化反対の地方代表を切り捨てました。一方の民主党は、郵政民営化での戦いを避け、政府案より根本問題に迫る対案を出さず、守旧派のレッテルを貼られました。そして、小泉自民党は、首都圏を民主党から奪い返しました。切り捨てられた地方も自民党にすがりつき、小泉さんは自民党中興の祖となりました。

 華々しさの陰に隠れて、郵政民営化によって「官から民」が実現するという小泉改革の核心部分は検証されずに終わりました。2001年の小泉政権発足とともに特殊法人のための国債である「財投債」が発行され、いまやその残高は125兆円になります。小泉政権が増やした国債の約半分は財投債です。銀行ももちろん買っていますし、そのお金は特殊法人に流れます。郵貯が銀行になったところで、「民から官」へのお金の流れは変わりません。国債を発行して特殊法人にお金を流しているのは財務省であり、財務省改革なくして改革なしなのです。このことは、小生だけでなく野口悠紀雄、櫻井よしこ、西尾幹二などの諸氏によって指摘されているにもかかわらず、大マスコミの多くは知らぬ顔でした。また民営化後の新会社が、貯金、貸出、保険、宅配のすべてを認められる特権的巨大国営企業になる危険を深尾光洋氏などが指摘しましたが、この声もかき消されました。参議院の採決前に、大新聞が一斉に郵政民営化法案に賛成の社説を掲げ、そのグループ企業であるところの全国ネットのテレビが、郵政民営化法案賛成、即ち小泉支持の大合唱をしたのですから当然かもしれません。脚本、演出、キャスティング、主演は小泉さん、舞台はワイドショーという芝居は大成功でした。かくして小泉以後も最長4年は続く絶対多数政権ができました。すべての与党法案は通ります。憲法改正も増税もできそうです。これが投資の世界なら、気に入らない株なら買わない自由があります。しかし、国民にとって最大の支出先であり、命すら預ける政治には、そんな自由はありません。怪しげな理屈で大勝利した政権のやることが、我々にも子供たちの世代にも大きく影響するのです。

 いまのマスコミの姿を見て思い出してしまうのは、バブル時代の証券業界が、護送船団方式で大手に牛耳られ、ファンダメンタルズからかけ離れても金融引き締めが始まっても、ひたすら株価上昇を唱えていた姿です。いまも日本の大マスコミは、新聞と放送の兼営を認められ、本社の土地を国に提供してもらい、国提供の記者クラブで「外資系」を排除しています。護送船団方式の大手支配の構図です。外国では当たり前であるネットによる選挙活動も、IT大国である日本では認められていません。バブル時代の証券界と同様に、マスコミで重視されるのは関係であり、軽視されるのは調査と事実と情報公開であり、経営陣は説明責任を果たしていません。欠陥だらけの郵政民営化法案を、政権と一緒に善男善女に売り込むマスコミの姿は、かつて民営化NTT株のばら色の夢を、政府と一緒に売りつけた証券界の姿とオーバーラップします(1987年に300万円だったNTT株は、現在50万円前後です)。そこには、国民にとってのリスクとリターンを徹底的に調べ、分かりやすく伝えようとする姿勢はありません。

 かつてのバブルは、株式市場の崩壊とともに終わりました。小泉改革の行方はどうなるのでしょうか。小泉さんのあとも続くかもしれない絶対多数与党は、何をするのでしょうか。その一つの答えは、「国債」が出してくれそうです。郵貯の問題も、2つの国債問題でもあります。1つ目は、財投債という名の特殊法人のための国債を、郵貯が買っている問題です。特殊法人の借金を国民に肩代わりさせた国債を郵貯が買い続けることによって、民から官への資金の流れは続きます。もう1つが、株式上昇、景気回復、デフレ終了、金利上昇という経済の正常化に伴って発生しうる郵貯の経営危機の可能性です。

 郵貯のビジネスモデルは、銀行とは大変異なります。これまでの郵貯は貸付部門を持たず、資産のほとんどは国に貸し付けるか、国債を買ってきましたから、郵貯自体に不良債権問題はありません。特殊法人がお金を返さないのは財務省の問題であって、財務省にお金を預ける郵貯の問題ではないのです。郵貯が抱える最大のリスクは、金利上昇のリスクです。どれぐらいなのでしょうか。郵政公社成立時の定額貯金の残高は167兆円でした。国債などの国内債券の保有は、今年7月末で130兆円です。債券の金利感応度(デュレーション)は公表されていませんので、5年程度と推計します。

 金利が1%上昇すれば、債券価格は5%下落します。もし国債金利がさらに2%上昇して普通の低金利レベルである3%になれば、債券価格は10%下落します。そのとき郵貯が保有する債券の価値は、13兆円下落します。そうなれば、今年6月末時点での有価証券の含み益およそ2兆円、およびわずか1兆8000億円の資本金の合計を大きく上回ります。3.3兆円程度の保有株式が上昇したとしても追いつきません。この段階では巨大な含み損ですれだけでも危機なのですが、経営の最大のリスクは、定額貯金の解約と資金の流出です。定額貯金は預け入れてから6ヵ月後は解約自由ですから、金利が上がれば、より高い金利で新たに定額貯金に預けかえるか、有利な運用先を求めて相当部分が解約されるでしょう。仮に半分が解約し、引き出されると仮定すると、80兆円あまりのお金が出て行きます。貯金者に払い戻す原資は債券しかありませんから、巨額の売却を行う必要があります。ここで、含み損が実現損に変わります。損失が資本金を超えた時点で、債務超過になります。そのままではとても株式の上場などできないことになります。

 このまま放置して郵貯が破綻したらどうなるのでしょうか。まさか、かつての長銀のように、国民が損失を負担した挙げ句に外国人投資家にはした金で売り渡すことはないと信じたいものです。いまから根本的な対策をとるべきです。金利が上がってからでは遅いでしょう。そのためには、いまの民営化案以上の思い切った経営の高度化と規模の縮小が必要です。

 郵貯が金利上昇で危機に陥るときには、財政全体がもっと大きな危機に直面しているでしょう。国と地方で1000兆円にも膨らんだ借金の金利が上がるからです。2%上昇するだけで、金利支払いが20兆円も増えます。いまの税収の半分が飛びます。多少節約しても追いつくものではありません。まして、80年代後半のように国債の金利が5%を超えるようになれば、財政の破綻は確実になります。あらゆる政策が影響を受けます。長引く不良債権問題の処理とデフレのために、10年も続いたゼロ金利のおかげで国債という借金を抱えることの痛みを日本経済は感じなくなっています。これから金利が普通の水準に戻ることで、日本はモルヒネが切れたときのような激痛に襲われるでしょう。

 小泉さんは、日本は変わらなくてはいけないという意識改革を国民に直接訴え、民間主体の成長という一つの答えを出しました。大きな功績です。しかし一方で、国債の発行を史上最も増やし、財政破綻をほぼ決定付けました。道路公団に見られるように、特殊法人の本当の整理も税金の見直しも行いませんでした。それどころか、官の不良債権を処理せずに、国債で引き受けてしまいました。そのツケをこれから誰がどのように処理するのか、官や自治体はどうすれば自律できるのか、この問題に立ち向かわずに未来は開けないでしょう。▲

2005年9月29日

INSIDER No.315《DEMOCRATS》民主党の再生に期待する——同党機関紙への寄稿

 民主党の機関紙から、同党再生への期待を書けと言われて、全く気が進まなかったのですが、仕方なく気分を奮い起こして一文を送りました。昨日の代表質問を聞く限り、前原新代表は私の言っている趣旨をある程度お分かりになっているようで、少し安心しました。以下全文です。

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 私は解散になった直後に旧知の民主党幹部に会って、「大惨敗だね」と言った。理由は簡単で、小泉首相が命懸けのようにして郵政民営化一本で戦いを仕掛けて来ている時に、民主党がそれと真正面に切り結ぶことなく、年金やこども手当のほうが大事だという姿勢を採ったからである。客観的な評論としてはそれも正しいかもしれないが、政治は一面、切った張ったの勝負であり、こうやって相手が土俵を設定しているのにそれに乗らなかったり乗るのをためらったりしたら、そこでもう負けている。

 その意味では、民主党の敗北は、春の時点で郵政改革の対案をきちんと出さなかったところから始まっていたのだろう。「いや、対案はあるんだ」と後から言っても遅くて、その時にはマスコミに「公社維持案」という取り上げられ方をするような情けないものを出して、「どうせ自民党内のドタバタで廃案になるさ」くらいでたかをくくっていたのではないか。政権を獲ろうとするのであれば、重要法案については常に対案をださなければならないし、その出し方も、小泉のエセ改革派ぶりを際だたせて「改革の本家はウチだ」と胸を張って言えるような、より包括的で徹底的で現実的な改革案を打ち出して正面切った論争を挑まなくてはならない。

 現に小泉は選挙戦を通じて、「改革を止めない」というポスターを張り巡らせて「郵政民営化こそすべての改革の鍵だ」と叫んだが、郵政がなぜ、どういう風に他のすべての改革と連動しているのかについては何も語らなかった。その時に民主党が、「小泉さんは口先ではああ言っているが、分かっていないんですよ。本当に国民の利益となり日本経済蘇生のバネになる郵政改革とはこういうことなんです」と言い切ることが出来たなら、選挙の結果も相当違っていただろうと思う。

 政局戦術的にも、もし民主党が早々にそういう徹底改革案を掲げてその見地から「小泉民営化案」に反対し、「ほら小泉さん、自民党の中にいて改革なんか出来ないでしょう。本当に郵政改革をやりたいなら早く自民党を割って出て、ウチと組んだらどうですか」という調子で煽り続けていたら、もっと大きな自民党分裂が起こって民主党が政権につく可能性も高まっただろう。民主党が対案を鮮明にしなかったために、“小泉党”と“自民党”が分離せず、反小泉・非小泉の大半の自民党候補は“小泉党”のフリをして当選を果たし、その分、民主党は自民党造反=非公認組と同類の反改革派のように受け取られて陥没した。連合の笹森会長が「自民党造反派も応援する」などと口走ったことがそれに輪をかけることになった。

 今では誰も覚えていないだろうが、96年の旧民主党結成に至るまでの政策議論には私も参加し、結党時の理念文書の作成に携わった。そこでは、「明治以来の、欧米に追いつき追い越せの単線的な目標に人々を駆り立ててきた官僚主導による『強制と保護の上からの民主主義』とそのための中央集権・垂直統合型の『国家中心社会』システム」を廃絶して、「市民主体による『自立と共生の下からの民主主義』とそのための多極分散・水平協働型の『市民中心社会』を築き上げる」ところに民主党の歴史的使命があるとした上で、そのために「過去の延長線上で物事を考える惰性を断って、いまから15年後(もはや5年後になってしまった!)2010年にこの国のかたちをどうしたいかに思いをめぐらせるところから出発」して、「そのようなあるべき未来の名において現在を批判し、当面の問題を解決する」ような、「未来から現在に向かって吹きつける颯爽たる一陣の風」のような党であるべきだと述べられていた。自民党は過去を代表し、民主党は未来を代表することが理解された時、民主党は再生し政権を獲ることが出来るだろう。▲

2005年9月28日

INSIDER No.314《FROM THE EDITOR》

●10月10日にニューオリンズ支援の緊急ジャズ・コンサート!

 ジャスの故郷=ニューオリンズを救おう!という日本のデキシーランド・ジャズの大御所=外山喜雄・恵子夫妻の呼びかけで、10月10日(月・祝)13〜18時、恵比寿麦酒記念館・銅釜広場にプロ・アマ問わず15のオールド・ジャズのバンドが結集して『ジャズエイド緊急サッチモ祭』を開催します。入場は無料ですが、会場で救援金の寄付を集め、それをニューオリンズのジャズ関係の人・組織・施設をはじめ低所得層の人々の支援に活用します。奮ってご参加の上、多額の寄付をお願いします。

 外山喜雄は、私の高校ブラスバンドの同期生で、昭和19年生まれの「一休会」のメンバーでもあります。早稲田大学では学生バンドの名門=ニューオルリンズ・ジャズ・クラブのトランペット&ボーカルとして活躍、そこでピアノ&バンジョーの恵子夫人と出会います。政経学部を卒業後、人並みに損保会社に就職しますが、ジャズへの思い醒めやらず、2人で往きの船賃だけ持って聖地ニューオリンズに飛び込んで、以後通算5年間滞在して、皿洗いや床掃除をしながらジャズを学び、本場の一流ジャズメンに混じってアメリカ、ヨーロッパを演奏旅行するまでになります。帰国して75年に「外山喜雄とデキシーセインツ」を結成、83年の東京ディズニーランド開園と共に専属バンドとなり、構内を練り歩いて演奏し子供たちを楽しませる一方、夜は浦安や東京で、また時にはロサンゼルスやニューオリンズで旺盛なライブ活動を続けています。サッチモ・ファンの「日本ルイ・アームストロング協会」を主宰、年1回の「サッチモ祭」を開催(今回の催しはその緊急版)するなど、演奏・研究活動のかたわら、同協会を中心に不用の楽器を集めてニューオリンズの貧しい子供らにプレゼントする運動を組織し、この8月にはその功績で外務大臣表彰を受け、ニューオリンズ日本総領事館の主催で盛大なパーティが開かれたばかりでした。

 ニューオリンズ名誉市民でもある外山喜雄夫妻が9月4日付で発した緊急提言は以下の通りで、これに基づいて10日の緊急イベントが組まれることになったものです。

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《緊急提言》

日本ルイ・アームストロング協会 外山喜雄・恵子

ジャズの王様、サッチモことルイ・アームストロングを讃え、毎年彼の故郷ニューオリンズで開催されているジャズ祭“サッチモ・サマーフェスト”。

このジャズ祭への私達の出演をかねて日本のジャズファンの皆様とニューオリンズをツアーで訪れたのは8月の始めでした。あの楽しい想い出と感激からまだ1カ月もたたないと言うのに、「ジャズの故郷」、そして「ジャズの聖地」として日本の、そして世界のジャズファンに親しまれてきたニューオリンズが、大型ハリケーンの直撃で全滅し、ゴーストタウンと化してしまいました。

日本ルイ・アームストロング協会(WJF)は1994年以来、銃と麻薬に囲まれて暮らすニューオリンズの子供達に“銃に代えて楽器を”の合い言葉のもと、楽器を贈る運動を続けてきました。この度この運動が外務大臣表彰という大変名誉な賞を頂き、先日8月4日にはニューオリンズ総領事館のご好意で盛大なパーティもとり行っていただいた矢先の出来事。アメリカ史上最悪といわれる自然災害に見まわれた、私達の愛するジャズの街ニューオリンズの惨状は正に悪夢以外の何者でもありません。

あの時ご出席になられた方々、また、永年親しくしてきたニューオリンズの人々、特にミュージシャンの方々は、皆さん100人中100人が現在、街に帰ることも出来ず、数ヶ月間、長い場合半年、あるいは一年以上ものホームレス状態になる可能性があります。

このように大変なことになるとは、考えてもいませんでした。ニューオリンズの街の隅々まで、手に取るようにわかる私達にとって、どのような悲惨な状況か、本当にリアルに実感しています。ジャズの故郷のあの心温かい人たち。そして、心をいやしてくれた“ふるさと”ニューオリンズの街並みはもう元に戻らないのでしょうか……。私たちの気持ちは、現地の人々とともに止めどもなく“漂流”しています。

でも、なんとか気持ちを立て直して、故郷ニューオリンズの復興に支援の手をさしのべたいと決意を新たにしています。

ジャズの故郷の危機を少しでも助けるため、アメリカが日本と世界にプレゼントしてくれた、ジャズという素晴らしい音楽、世界を明るくしたアメリカ文化への”サンクスアメリカ”の気持ちをこめ、日本のジャズファン、ジャズプレイヤーの皆様—学生から大先輩のジャズマンの皆様まで、ジャズ界をあげた参加をお願いし、ジャズエイドのような活動を実現できればとも思っております。
会員の皆さまからも、次々と温かい援助の声があがってきています。
日本ルイ・アームストロング協会(WJF)としても全力を尽す決意です。
会員の皆様、ジャズファンの皆様、是非ご協力、ご支援、ご助言をお願いいたします。

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出演は外山喜雄とデキシーセインツ、早稲田大学ニューオルリンズ・ジャズ・クラブなど15バンドです。当日のビールの売り上げも、サッポロビールのご好意によりジャズの故郷への寄付金となります。また当日行けないという方も、下記の「日本ルイ・アームストロング協会募金窓口」に寄付をお寄せください。

■郵便振替
00140-4-741572
口座名:WJFニューオリンズ募金
■銀行振込
みずほ銀行新浦安駅前出張所
(普通)1664098
口座名:ニューオリンズ募金

※日本ルイ・アームストロング協会
http://users.tapstep.net/saints/home.shtml
※外山喜雄とデキシーセインツ
http://users.tapstep.net/saints/saints.shtml

●早稲田大学「大隈塾」講義録、今年前半分が出版された!

 『田原総一朗激論!/早稲田大学「大隈塾」講義録・上/日本の外交と経済』がダイヤモンド社から出版されました。02年4月に始まった同塾の講義録の要約はほぼすべて、出版社にはいろいろ変遷があるものの、単行本として上梓されていますが、今回のは今年前期の分で、第1部は「日・米・中の関係」。岡本行夫(外交評論家)、星浩(朝日新聞編集委員)、前原誠司(現民主党代表)、姜尚中(東京大学教授)、村田晃嗣(同志社大学教授)、寺島実郎(三井物産戦略研究所所長)のゲスト講師のスピーチを巡って田原さんほか教員と学生が討論します。

 第2部は「新しい日本経済をつくる」で、やや毛色が変わって、神戸・大阪を本拠に「障害者(チャレンジド)を納税者に」という運動のリーダー=竹中ナミ(プロップ・ステーション代表)、豊橋市にあって自ら「世界一の中小企業」と名乗るナノテク最前線の経営者=松浦元男(樹研工業社長)、山形県長井市で全世帯参加の生ゴミ・リサイクルのシステムを作り上げた元全共闘闘士にして養鶏農家=菅野芳秀、地元の自然環境や暮らしぶりなどを見つめ直すことで水俣病の地獄からの再生を導いてきた「地元学」の創始者=吉本哲郎(水俣市生涯学習課長)ら4人の地方で活躍するリーダーをゲストに、高野ほか教員と学生が議論します。

 大隈塾の目的は、社会の各分野で将来リーダーたりうる人材を育てようということにありますが、リーダーというと政治家、官僚、国際機関職員、経営者、起業家など“東京”的な華やかな進路ばかりを思い浮かべがち。そこで、第2部については高野が人選を提案して、初めての試みとして地方リーダーを招き、学生諸君に「お前ら、東京にへばりつくばかりが就職じゃないよ」と、ちょっと揺さぶりをかけたわけです。効果は絶大で、世界観的衝撃を受けた学生も少なくなかったようで、講義が終わると何人もの学生が演壇に駆け寄って講師に質問をぶつけるといった、いつにない光景も見られました。

 衝撃というのは、例えば、菅野さんの次のような話しぶりが若い人たちの魂揺るがせたということです。

 「最後に土の話をさせてください。今私たちは、全面的に土と私たちとの関係を変えなくてはならないと思っています。農業と私たちとはいいません。土と私たちとの関係を見直さなくてはならない。どういうふうにか。命の関係を大切にしたい。……土は生き物たちの遺体が含まれている。恐竜がいた。大木があった。草があった。タヌキがいた。旅人がいた。関ヶ原で傷ついた武士がいた。ワラビ採りに行って行方不明になった隣のばあちゃんがいた。もうさまざまなものが堆積して土になった。そこに大根の種をまく。大根は土から養分をいただいて、一本の命を持った格好のいい大根に育った。大根を育てる上で必要な土の養分になったのは、ワラビ採りのばあちゃんであり、関ヶ原の武士であり、タヌキであり、草であり、大木であり、恐竜である。……一つの命には膨大な命が参加している。……われわれがその大根を食べるということは、その大根を通して膨大な命のつながりをいただくということです。土を舞台とした命の循環に参加していくことです。……土が汚れるということは、過去の膨大な命の集積を汚すことであり、また、土を汚すことは、そこから体を組み立てなければならない未来の生き物たちの体を汚すことになるのです。土と生き物との命の関係。土と私たちの品格ある命の関係を取り戻すことが大切だと切に思います」

 土と私たちの品格ある命の関係……。いい言葉です。土を大事にしなくなると人が品格を失う。司馬遼太郎も晩年、そのことを嘆いていました。

●長濱治写真集『猛者の雁首』が出た!

 ベテランのカメラマン=長濱治さんが「私にとっての『猛者』の首を一人一首、総じて百首を撮り終え」(まえがき)て、『猛者の雁首』と題した写真集として出版しました(ワイズ出版)。「仕事柄私は数多くの男達と交流し、すれちがい、ある時はメディアの中で男の言葉を知り……そうした男達を尋ね歩き」何年もかけて作り上げたもの。「彼等の一つの共通項を強いていえば『インディペンデント』。私が憧憬する『己の足で立つ男達』である」と。その1人に採り上げて頂いたのは名誉なことです。長濱さんが私を訪ねて来られたのはもう5年か6年も前のこと。100人の雁首を並べた写真展が開かれたのが確か01年の春。そのことをほとんど忘れていた今になって本が届いて、改めて顔写真というものの面白さを味わいました。

●愛知万博の「エコマネー」実験は成果を挙げた!

 子供の時から列をなして並ぶのが嫌いな私は、とうとう行かずじまいで愛知万博が終わってしまいました。が、去る9月5日東京・六本木ヒルズで「2005年日本国際博覧会協会」の主催で「愛・地球博におけるEXPOエコマネー事業の意義と成果の継承」と題したシンポジウムが開かれて、同事業を推進してきた市民側の中心人物=萩原喜之(NPOエコデザイン市民社会フォーラム代表)と稲本正(オークヴィレッジ社長)、協会側から中村利雄(協会事務総長)、行政から経済産業省の井内摂男(産業技術環境局リサイクル推進課長)、協力企業から同事業に参加したセブン・イレブン・ジャパンの山口秀和(総務本部環境推進部統括マネージャー)に、一人だけ万博に行ったことのない私が「申し訳ない」と謝りながら参加しました。

 同万博について、中部地方以外では圧倒的に報道量が少ないのであまり知らない方が多いと思いますが、EXPOエコマネーは、同万博の目玉となった市民・NPO参加による事業の1つで、簡単に言うと、(1)入場券を買うとまず1ポイント、会場内で「地球市民村」「万博エコツアー」「里の自然学校」等々で環境学習をすると1ポイント、エコマネー指定のパビリオンや店で買い物をすると1ポイント、会場外の協力企業・店舗で買い物をしてレジ袋を貰わないと1ポイントという具合に、入場券に電子的にポイントを貯めて、(2)それを会場内の「EXPOエコマネーセンター」に直接持ち込むか、ホームページにアクセスするかして使うわけですが、(3)使い方には「自分への還元」と「社会への還元」があって、前者は、「海外エコツァー『ケアンズ植林の旅』」「国内エコツァー『トヨタ白川郷自然学校体験入学』」へのご招待もしくは「オークビレッジ木製商品」のプレゼントに応募するコース、後者は、植林など地球環境を守る活動のために寄付するコース。

※EXPOエコマネーセンター http://eem.jp/jp/

 これが関係者の予想を超える広がりを見せ、会期末までにポイントを獲得した「エコ市民」人口21万5312人、総ポイント数321万5052ポイント、植樹に寄付されたポイント数52万6423ポイント、会場外での実績によるCO2削減量239.11トンという成果を挙げました。会場外実績というのは、会場外の協力店で買い物をし、レジ袋を貰わなかったことを照明するレシート、シール、スタンプカードなどをセンターに持って行くとエコマネーに換算出来るという仕組みで、実際にそれでセンターに持ち込まれた分がそれだけあったということです。

 私も改めて驚きましたが、レジ袋1枚はCO2の100グラムに相当する。もしも1000万人が年に100回、レジ袋を断ったとしたら10万トンのCO2が削減されるのだそうです。

 シンポでは、この事業を総括しつつ、万博後もこれを継承して持続的な運動として進めていくための方策が議論され、名古屋市の協力で市内の金山地区にEXPOエコマネーセンターの事務所を開設し、そこを発信地として全国にこれを広げていくこと、また次の上海万博にこの市民参加スタイルと環境問題への取り組みをつなげていくことが決まりました。

 この「レジ袋1枚=CO2の100グラム」というのはなかなかリアルで、「あ、自分でも明日からやらなくちゃ」という気にさせる説得力があります。似たようなことで、これは田口元さんの「百式」サイトで知ったのですが、米国に「Stanby」というサイトがあって、ごくシンプルに次のように書かれています。スタンバイとは、テレビはじめ電気製品のコンセントを入れっぱなしにして消費される待機電力のことです。

 テレビを全く見なくても、コンセントを入れっぱなしにしておけば、年間189.73kwhの電力を消費し、これはCO2の82kg分に当たり、その分を削減するには19本の植樹が必要になる。

 同様に、ヴィデオは112.44kwh=48kg分=植樹11本、電子レンジは52.7kwh=23kg分=5本、携帯電話充電器は43.92kwh=19kg分=4本、というわけです。

※百式 http://www.100shiki.com/
※スタンバイ http://energy.failedrobot.com/standby.html

 何でもそうですが、世の中を憂えていても仕方がなくて、まず自分で始めることでしょう。こんな数字が意外にそのきっかけを与えてくれます。▲

2005年9月26日

INSIDER No.313《FROM THE EDITOR》

●ビデオニュースの「マル激」に出演した!

 神保哲生さんが主宰するインターネットTV放送局「ビデオニュース・ドット・コム」のメイン番組「マル激トーク・オン・ディマンド」に出演しました。今週のテーマは「前原民主党復活のシナリオとは」で、前半が神保さんと宮台真司さんによる前原誠司=民主党新代表のインタビュー、後半はそれを受けて神保・宮台両氏と私のトークです。

 「マル激」は有料で、月500円を払って会員になると視聴することができます。http://www.videonews.com/へどうぞ。▲

2005年9月15日

INSIDER No.312《AIKOKU》中国“反日教育基地”とは?——200カ所の全リスト

 本誌No.301で中国の「愛国教育イコール反日教育ではない」ことを指摘した。

 反中国派の人々は、江沢民時代の94年に中国共産党が「愛国主義教育実施綱要」を策定し、それに基づいて2次に分けて「愛国主義教育基地」約200カ所を指定したことを“反日教育”の実例として盛んに取り上げ、安倍晋三もそれを真に受けて7月にサンプロに出演した際に「中国は200カ所もの“反日教育基地”を作って反日を煽っている」などと発言した。私は番組中にそれについて発言する暇がなかったので、終了後に安倍に、「安倍さん、あれは文字通り“愛国教育基地”で、孔子廟とかとか中国共産党史の記念物とかの言わば歴史遺産のリストであって、その中で露骨に“反日的”なのは4カ所だけなんですよ」と教えてやった。安倍は「え、そうなんですか」と驚き、「それは精査しなければいけませんね」と言った。彼らがいかに事実を調べもせずに反中国感情を掻き立てようとしているかの一例である。

 その後彼が精査したかどうかは知らないが、ここに97年6月公示の第1次指定103カ所と01年6月公示の第2次指定100カ所の全リストを掲げ、第1次に関しては、日本の中国専門家の判断に依拠して、

(1)直接的な“反日”記念施設(4カ所)、
(2)抗日戦争の記述・展示を含む近代史関連施設(5カ所)、
(3)中国共産党の歴史を語ることが主眼でその関連で“抗日英雄”なども登場することもある党史関連施設(63カ所)、
(4)抗日戦争以外の侵略関連施設(8カ所)、
(5)文明遺産、歴史上の偉人関連施設(23カ所)、

……の5種類に分類する。(3)が63カ所で圧倒的に多く、次に(5)の博物館などの23カ所が多い。日本関連は(1)が4カ所、(2)の5カ所を合わせても9カ所で、アヘン戦争など他の外国の侵略に関連した(4)の8カ所と比べて特に多いわけでなく、これらを「200カ所の“反日教育基地”」と呼ぶのは事実とかけ離れている。第2次については専門家による分類が間に合わなかったので、本誌で分かる限りで仮に同様の分類をし、不明のものは?とした。

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■第1次指定

種類 施設

《北京市》
3 天安門広場
5 中国歴史博物館
3 中国革命博物館
3 中国人民革命軍事博物館
1 中国人民抗日戦争記念館
5 故宮博物院
5 円明園遺跡公園
5 八達嶺長城
5 周口店遺跡博物館

《天津市》
3 盤山烈士陵園

《河北省》
3 李大釟記念館
3 129師司令部旧跡
3 白求恩・柯棣華記念館
2 冉庄地下道戦遺跡
3 西柏坡中国共産党中央旧跡
3 薫胡蘭記念館

《山西省》
2 百団大戦記念館
3 八路軍太行記念館
3 劉胡蘭記念館

《内蒙古自治区》
3 烏蘭夫同志記念館

《遼寧省》
1 九・一八事変博物館
2 旅順万忠墓記念館
3 遼沈戦役記念館
4 抗美援朝記念館
3 雷峰記念館

《吉林省》
3 楊靖宇烈士陵園

《黒竜江省》
1 中国侵略日本軍第731部隊罪証陳列館
3 東北烈士記念館
3 鉄人王進喜同志記念館
4 援琿歴史陳列館(援=王へんに同じつくり[エン])

《上海市》
3 中国共産党第1回大会会場跡記念館
3 宋慶齢記念館
3 龍華烈士陵園
5 上海博物館

《江蘇省》
3 中山陵
3 周恩来記念館
3 新四軍記念館
1 中国侵略日本軍南京大虐殺記念館
3 雨花台烈士陵園
3 淮海戦役烈士記念塔
4 南京条約史料陳列館

《浙江省》
5 魯迅旧居及び記念館
5 禹王陵
3 南湖革命記念館
4 鎮海口海防遺跡
5 河姆渡遺跡博物館

《安徽省》
3 陶行知記念館

《福建省》
3 古田会議記念館
4 林則徐記念館
3 陳嘉庚生涯業績陳列館
5 鄭成功記念館
5 泉州海外交通史博物館

《江西省》
3 安源路鉱山労働者運動記念館
3 八一蜂起記念館
3 井岡山革命記念館
3 中央革命根拠地記念館

《山東省》
3 孔繁森同志記念館
2 台児庄大戦記念館
2 中国甲午戦争博物館
5 孔子旧居

《河南省》
3 紅旗水路記念館
3 焦裕禄烈士陵園
5 殷墟博物苑

《湖北省》
3 二七事件記念館
3 辛亥革命武昌蜂起記念館
3 武昌中央農民運動講習所旧跡記念館
5 李時珍記念館
3 黄麻蜂起及び鄂豫皖蘇区革命烈士陵園

《湖南省》
3 毛沢東同志記念館
3 劉少奇同志記念館
5 炎帝陵

《広東省》
3 孫中山旧居記念館
3 広州蜂起烈士陵園
4 三元里人民抗英闘争記念館
4 アヘン戦争博物館

《広西チワン族自治区》
3 中国工農紅軍第7軍軍部旧跡
3 紅軍長征突破湘江歴史記念碑園

《海南省》
3 中国工農紅軍崖瓊縦隊改編旧跡

《四川省》
3 登小平同志旧居(登=登へんにおおざと)
3 朱徳旧居及び朱徳銅像記念碑園
3 趙一曼記念館
3 黄継光記念館
5 都江堰水利工程

《重慶市》
3 紅岩革命記念館
3 邱少雲烈士記念館
3 歌楽山烈士陵園

《雲南省》
3 一二・一烈士墓及び記念館

《チベット自治区》
3 山南烈士陵園
4 江孜抗英遺跡

《陜西省》
3 延安革命記念館
3 八路軍西安事務所記念館
3 西安事変記念館
5 陜西歴史博物館
5 西安半坡博物館
5 秦始皇帝兵馬俑博物館
5 黄帝陵

《寧夏回教自治区》
5 寧夏博物館

《甘粛省》
5 嘉峪関
3 会寧紅軍会師旧跡
5 莫高窟

《青海省》
3 中国工農紅軍西路軍記念館

《新疆ウイグル自治区》
3 ウルムチ市革命烈士陵園

《貴州省》
3 遵義会議記念館

■第2次指定

種類 施設

《北京市》
3 李大釟烈士陵園(釟=金へんにりっとう[ショウ])
1 焦庄戸地下道戦旧跡記念館
5 北京自然博物館
5 中国航空博物館
5 中国科学技術館

《天津市》
3 平津戦役記念館
3 周恩来・穎超記念館
5 天津自然博物館
5 天津科学技術館

《河北省》
3 華北軍区烈士陵園
1 潘家峪惨案記念館
2 中国人民抗日軍事政治大学陳列館
5 河北省博物館
5 唐山抗震記念館

《山西省》
3 黄崖洞革命記念地
3 太原解放記念館
2 平型関戦役旧跡
3 太行太岳烈士陵園
3 山西国民師範旧跡革命活動記念館

《内蒙古自治区》
5 内蒙古博物館

《遼寧省》
4 丹東鴨緑江断橋
4 瀋陽抗美援朝烈士陵園
3 黒山狙撃戦烈士陵園
3 葫蘆島市塔山烈士陵園
3 関向応旧居記念館

《吉林省》
3 四平戦役記念館・四平烈士陵園
3 延辺革命烈士陵園
3 四保臨江烈士陵園

《黒竜江省》
3 ハルピン烈士陵園
3 馬駿記念館

《上海市》
3 南京路上好八連事跡展覧館
3 海軍上海博覧館
3 陳雲旧居及び青浦革命歴史記念館
5 魯迅記念館

《江蘇省》
3 梅園新村記念館
2 沙家浜革命歴史記念館
3 茅山新四軍記念館
5 南京博物院

《浙江省》
3 解放一江山島烈士陵園
3 勤県四明山革命烈士陵園(勤=同じへんにおおざと)
4 舟山アヘン戦争記念館

《安徽省》
3 新四軍軍部旧跡記念館及び烈士陵園
3 王稼祥記念館
3 準海戦役双堆烈士陵園
5 安徽省博物館

《福建省》
3 福建省革命歴史記念館
3 毛沢東才渓郷調査記念館
3 瞿秋白烈士記念碑
3 二七烈士林祥謙陵園
5 華僑博物院

《江西省》
3 秋収起義記念地
? 永新三湾改編旧跡
3 興国革命歴史記念地
3 上饒集中営革命烈士陵園
3 方志敏記念館

《山東省》
3 華東革命烈士陵園
2 中国人民解放軍海軍博物館
3 済南革命烈士陵園
3 莱蕪戦役記念館
5 山東省博物館

《河南省》
3 新県革命記念地
5 河南博物院

《湖北省》
3 八七会議跡地記念館
3 聞一多記念館
5 湖北省博物館

《湖南省》
3 平江起義記念館
3 湘鄂川黔革命根拠地記念館
3 秋収起義文家市会師旧跡記念館
3 中共湘区委員会旧跡
3 湘南暴動指揮部旧跡
3 彭徳懐記念館
5 湖南省博物館

《広東省》
3 毛沢東同志主弁農民運動講習所旧跡
3 葉剣英元帥記念館
3 葉挺記念館

《広西チワン族自治区》
3 竜州県紅八軍軍部旧跡
3 八路軍桂林弁事処旧跡
? 百色起義記念館

《海南省》
3 瓊海市紅色娘子軍記念園
3 母瑞山革命根拠地記念園

《四川省》
3 紅四方面軍指揮部旧跡記念館
3 濾定橋革命文物陳列館
3 紅軍四渡赤水太平渡陳列館
3 安順場紅軍強渡大渡河記念地
3 蒼渓紅軍渡記念館
? 万源保衛戦戦史陳列館
3 陳毅旧居

《重慶市》
3 劉伯承同志記念館
3 聶栄臻元帥陳列館
3 趙世炎烈士旧居

《雲南省》
3 扎西会議記念館

《陜西省》
3 洛川会議記念館

《甘粛省》
3 宕昌県哈達鋪紅軍長征記念館
3 八路軍駐蘭州弁事処記念館
3 蘭州市烈士陵園
3 華池県南梁革命記念館
3 高台県烈士陵園

《新疆ウイグル自治区》
5 新疆ウイグル自治区博物館

《貴州省》
3 息烽集中営革命歴史記念館
3 王若飛旧居

2005年9月14日

INSIDER No.311《ELECTION RESULT》“勝ちすぎ”に困惑する自民党——民主党は前原・野田体制へ

 この総選挙結果には、有権者自身が驚き、そして早くも多少とも“反省”し始めている。

 14日付朝日新聞が載せた世論調査結果では、「結果に驚いた」人が55%に上った。結果の評価について、全体では「よかった」が47%、「よくなかった」が31%とだいぶ差があるが、無党派層だけを見ると「よかった」が25%、「よくなかった」が40%と逆転しており、まさにこの結果を生み出す主力となったこの層が「こんなはずではなかった」という感じを抱いていることが分かる。同日付読売新聞の調査でも、「よかった」が49%、「よくなかった」が38%だが、自民党の獲得議席数について「少ない方がよかった」が56%に対し「ちょうどよい」は33%にすぎない。さらに小泉純一郎首相が圧勝を背景に強引な手法をとる不安を「感じる」が63%で、「感じない」の30%を大きく上回った。日経の調査でも、自民党議席が「多すぎる」が64%、「おおむね妥当」が32%だった。

 そもそもほとんどの有権者は郵政改革そのものにさほど関心がなかったし、小泉案の中身が「民営化」とは形ばかりで実は官の関与を長期にわたって残してしまう代物で、本当に郵貯・簡保の縮減や特殊法人・政府系金融機関の抜本改革に繋がるのかどうか全く疑問であることについても、深く考えたことはない。増してや、これは民主党自身の責任であるけれども、同党もまた基本的には郵政改革論に立っていて、曖昧ではあるけれどもそれなりの案を持っているのだということも、自民党造反派や新党の人たちでさえも郵政事業が今のままでいいとは必ずしも思っておらず、むしろ小泉の強引な政治手法への反発から態度を硬化させてきただけの人も少なくないということも、認識していない。

 本当なら有権者は、小泉の「民営化に賛成か反対か。賛成なら自民党へ」という問いかけが仮想争点にすぎないことを見抜いて、「違うでしょう、小泉さん。もっとちゃんと郵政改革の中身を議論しましょうよ」と切り返すのでなければならなかったが、野党の無力とマスコミの痴呆もあってそのようなまともな選挙にはならず、単に面白がって小泉芝居に乗ってしまった。しかし、こういう思わぬ結果になって落ち着いて考えてみれば、果たして郵政改革の方途はこれでよかったのかどうか、選挙を通じて何ら確信が深まったわけでもなく、郵政改革と直接に連動するはずの特殊法人の腐敗堕落、財政と国債の放漫をどうするのか、年金改革や税制改革はどうするのか、靖国参拝と対中国・韓国関係をどうするのか、北朝鮮やイラクはどうするのか、そう言えば国連安保常任入りはどうなってしまったのか……等々、この国が直面している諸問題について何一つ展望が明らかになったわけでもないし、それらについて小泉に全権委任したつもりもない。

 こんなつもりじゃなかったんだけど……と今更言っても遅いわけで、小泉が舞台を去った後の3年間を含む今後4年間、国民は自らの短慮が生んだこの3分の2超の衆議院議席を持つ化け物じみた政権と付き合わなければならない。仮にポスト小泉が安倍晋三政権だったりすれば、この政権は対北朝鮮はもちろん対中国・韓国外交でも憲法改正問題でもやりたい放題ということになろう。公明党がそれに反発して政権を離脱しても、なお2つの新党と諸派(鈴木宗男)と自民造反派の無所属を糾合すればぎりぎり3分の2の320議席になる。国民は恐ろしい選択をしたのである。

●小泉圧勝の要因

 こういう極端な結果をもたらした実体的な要因の第1は、選挙制度そのものである。もともと小選挙区制は、わずかな有権者の心の動きが大きく増幅されやすく、だからこそ政権交代を促す効果がある。今回の全小選挙区の投票総数に占める得票率は、自民党47.8%、民主党36.4%でそれほど大きな差があるわけではないのに、自民党は300の小選挙区のうち73%に当たる219議席を獲得したのに対し、民主党はその4分の1以下、17%に当たる52議席しか取れなかった。東京都ではもっと極端で、25の小選挙区で自民党は50%の得票で23議席を得たが、民主党は36%の得票でわずか1議席を得ただけだった。

 第2に、公明党による選挙協力である。自民党は、まさに小泉路線の下で郵政、建設、農協などの伝統的な組織基盤を失いつつあるが、それを補ってきたのは創価学会の組織力と小泉劇場効果による無党派層の支持である。無党派層は気紛れで当てにはならないけれども、学会の票は自公連立が続く限り1小選挙区当たり1万5000票から最大3万票程度を押し上げてくれるほとんど唯一の当てになる組織力であり、自民党にとって救いの神ならぬ仏である。

 第3に、言うまでもなく、これまで本誌も指摘してきたような小泉の「天才か狂気か」と思わせるほどのワイドショー政治の演出力である。「殺されてもいい」と言って一か八かの解散に打って出て、独り抜刀して敵陣に乗り込んで行くかの小泉の姿は、『仁義なき戦い』の菅原文太親分を見るがごとき格好よさであり、さらにそれを「次々に舞い降りる女刺客」の艶やかさが彩って、とりわけ普段は選挙など見向きもしないような人々を投票所へ誘った。これを、ある野党幹部は「1億人相手のオレオレ詐欺じゃないか」と悔しがったが、しかしメディアの利用も政治の一部であって、その点で小泉は、森喜郎元首相が言ったように、単なる変人を通り越して天才と狂人の紙一重の域にまで達したのである。

 しかし、第1の要因である小選挙区制の効果について言えば、これは基本的に両刃の剣であって、小泉なりその後継者なりが1つでも大失策を犯して失望を買ったり、民主党が目覚ましい再生を遂げてまともな日本改造計画を提起して国民の支持を集めたりした場合には、一気に民主党に政権を与えるように作用する。今回の結果によって2大政党制の形成が遠のいたと見るのは間違いで、逆にこれは2大政党制型の政権交代可能な政治の成熟に向かっての1つのステップであると捉えなければならない。現に上述朝日の調査では、2大政党制が必要かどうかという問いに「必要」が66%を占めた。民主党支持層で81%が「必要」と答えているのは当然として、自民党支持層でも69%、今回の結果を「よかった」とする人たちの間でも同じく69%が「必要」と答えている。

 しかも、人々はすでに“反省”し始めていて、居酒屋で漏れ聞こえてきたサラリーマンのせりふをそのまま借りれば「これはやばいよな。2年後の参院選では野党に入れないと」といったバランス感覚が働くし、それが衆院選であれば小選挙区制の効果が民主党側に移るかもしれない。

 第2の要因である自公選挙協力も、もちろん永続的なものではない。公明党は小泉政権とはもちろん、それ以降も、自公協力を続けない限り社民・共産両党と同様の少数党に転落しかねないのでとことん付き合わざるをえないが、政策的に折り合わないのに無理矢理に癒着を続ければ内部崩壊を起こし、これまでの自民党の連立相手である社会党、さきがけ、自由党・保守党と同じく自民党に食い散らかされて消滅する危険がある。今回、公明党が前回衆院選より41人多い239人の自民党候補を推薦し、結果として自民党の小選挙区当選者219人中8割に当たる190人がその公明党推薦者であった反面、公明党自身は過去最高の比例選898万票を得ながらも、比例で2議席、小選挙区でも1議席を取り落としており、自公協力が自民党にとってはメリットであっても公明党にとっては必ずしもそうではない実態が露わになった。自公はすでに運命共同体であり、民主党に風が吹いた時には自民党だけでなく公明党も壊滅的な打撃を受ける。今回の結果はそのことを暗示している。

 第3の要因である小泉流パフォーマンスは、誰かに取って代われるものではない。小泉はもともと、変人でも何でもいい、当面の崩壊の危機を回避できるなら誰でも構わないという自民党の破れかぶれの“最後の切り札”として総裁に据えられたのであり、それで4年前の参院選を生き残り、今回の衆院選の大成功が得られたのだとすれば、彼を上回るほどの“最後の最後の切り札”が出て来ない限り自民党は生き残れない。ジェラルド・カーチス=コロンビア大学教授は「あと3年は続けるべきで、辞められないと思う。……民主主義の国で国民に期待されている首相が続けてほしいと言われ、『オレはもういいよ。辞める』なんて出来るんだろうか」(13日付毎日)とい語っていて、自民党の都合からすればそのとおりだが、小泉のヤクザ的美学とはそのようなダラダラ延長は相容れない。ということは、来年9月以降のポスト小泉の自民党政権は、せっかく3分の2超の議席を小泉からプレゼントされたにもかかわらず、それを維持する方策は今のところ全く持ち合わせていないということである。

 というわけで、自民党も公明党も見かけほどは強くなく、むしろ両党自身がこの思わぬ圧勝に怯えなければならない有様である。「自民党の参院幹部は『この反動が2年後には参院選に回ってくる』と懸念を深め、……あるベテラン議員は『勝ったのにどうかと思うけど、怖い。ものが言えなくなってしまう』と真顔で語った」(12日付毎日夕刊)。勝った自民党が怯え、勝たせた有権者も不安がるような、珍しい選挙結果と言える。

●民主党惨敗の要因

 民主党惨敗の根本原因は、郵政改革の代案を掲げて正面からの勝負を仕掛けることをしなかったことであり、それについては本誌が最初から指摘してきたことで、もう繰り返さない。

 その実体的な要因としては、第1に、情報力・分析力の欠如から局面ごとに常に甘い判断を繰り返して、「まさか、まさか」と思っている内に完全に後手に回ったことである。忍者を通じて小泉との間に秘密の接触ルートを持っていて要所要所で本音を探るくらいの芸当が出来なければ、政権など獲れない。

 第2に、岡田卓也代表の真面目さが裏目に出て“暗さ”と受け取られたことである。岡田の発案とされる「日本をあきらめない」という中心スローガンも、どうにも暗くて、小泉の陽性パフォーマンスとは全く勝負にならなかった。国民は閉塞感・鬱屈感からの束の間の解放を小泉に託そうとしているという判断があれば、こんな愚劣なスローガンは出て来なかったろう。

 第3に、連合の笹森清会長の政治音痴が民主党の足を引っ張った。本来、連合は同党と全郵政労組の間に立って組合を説得して徹底的な郵政改革案を打ち出すよう仕向けるのでなければならなかったが、逆にマスコミに「公社維持」案と報道されるような曖昧な対案を民主党に押しつけた。しかも、自民党から造反派が出るとそれを歓迎し、選挙でも連合として造反派を支援するつもりだなどと戯言を口にして、造反派と民主党が同じ“反改革派”であるかの印象を広めて、小泉劇の成功に貢献した。

 民主党の立て直しは気の遠くなるようなプロセスになるが、2年後の参院選をステップとして4年後の衆院選までにどこまで説得的な「日本改造計画」を示して、有権者の“反省”を同党への投票に結びつけられるかの勝負となる。

 ポスト岡田を巡っては、小沢一郎・菅直人・鳩山由紀夫の党首クラスのベテラン3人による非常時体制案と、前原誠司・野田佳彦・枝野幸男ら中堅に委ねる案が浮上しているが、ベテラン組では解党的出直しには相応しくなく、あったとしても岡田の任期の残り1年のみの暫定ということになろう。しかも3人とも側近がバタバタ落選してまともな派閥活動が出来るような状況でない。中堅組は力量的に未知数であり政策的に危なっかしい部分があって、特に前原は外交・防衛政策では自民党に近すぎて民主党のアイデンティティの違いをアピールすることが出来るか大いに疑問だが、その辺りは中堅組の後見人である仙谷由人政調会長がしっかりコントロールするしかないだろう。自民党は300近い議席を自ら捨てることはあり得ないから、余程の失態で自壊する以外には4年後まで総選挙はない。開き直ってじっくり再建に取り組むことだろう。▲

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