選挙活動を変化させる2つの意外な「もの」
今回の選挙では、意外な「もの」がキーワードとなっている。
ひとつは、「自転車」。
公示後、筆者が購読している候補者たちのメールマガジンでも、「政権変え隊」などと銘打った、支援者やボランティアによる「自転車隊」を組織した、という報告がいくつかあった。
もっとも、自転車を使うのには、ちゃんと理由がある。
与野党ともにドブ板を踏むことが必須の今回、細かく選挙区を回るのにはクルマよりも自転車のほうが都合がいい。なにより、選挙カーでの名前連呼を嫌がる有権者は非常に多いのだ(テレビやネット上でのアンケートでは8割以上が迷惑だと感じている)。
また、端から端まで数十キロにもなる選挙区もある。そういったところでドブ板に近い活動をするにも、自転車は威力を発揮する。クルマに積んで途中まで行き、集落近くで自転車に乗り換えて移動するのだ。
実際、各選挙区では、レンタルの自転車が払底しているそうだ。「民主党候補は若い人が多いから普通のやつ。自民党候補者は比較的高齢の人が多いから電動自転車」というのが相場だという。
もうひとつは、「ケータイ」。
搭載されているカメラで、候補者と記念撮影をするのはまだ可愛いほう。「候補者やスタッフが活動中に法律違反をやってしまったり、法律に抵触するような振る舞いをしてしまうと、たちどころにケータイのカメラで現場を写して、対立候補や地元の選管に報告されてしまうんですよ」
これまでにも、一部ではケータイに搭載されているカメラで敵対候補の活動を記録することが行われていたそうだ。それを一気に広めたのが、実は自民党が昨年12月頃、ホームページに掲載した関係者向けの
「携帯カメラで写そう! 教師たちの違法な政治活動」(pdfファイル)
と題されたパンフレットを読むと、趣旨は触法政治活動を積極的に告発することと見受けられる。だが、これがネット上で話題となり、与野党を問わず、候補者のみならず選挙スタッフやボランティアも知るところとなったのだ。
ネガティブ・キャンペーンが意外な波及を見せたのだが、自民党からすれば、ネガキャンを逆手に取られてしまった感もある。
ガラパゴス化、犯罪誘発ツールなどと日頃悪し様に言われ、国会でも悪者扱いの多いケータイだが、何のことはない、選挙戦では違法行為に対する強力な抑止力となっているわけだ。
ケータイの高性能化と普及が公明正大な選挙の役に立つのは、有権者にとっては結構な話である。ただ、ブログの更新や有権者との対話に利用するなど、ケータイもポジティブな使われ方がされれば、より歓迎できるのだが。





コメント (3)
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投稿者: 《THE JOURNAL》編集部 | 2009年8月27日 00:40
公選法自体が公明正大とはとても言えない法律ですから、もっと自由かつ公正で分かりやすく、「これとこれはしてはいけない。それ以外はしていい」って明確な記述にすることで、よりケータイ効果が発揮できると思います。
投稿者: 八誠 | 2009年8月27日 03:17
そうとばかりはいえませんよ。
携帯で送られてきた写真なり動画なりが意図的に編集され、見る側の意識に刷り込みを与える目的で始めから仕組まれていたらどうでしょうか?
また、ニコニコ動画には転び公防という公安の手口を誘発させるサヨクの悪辣な策謀みたいなキャプションをつけてわざわざアップするネトウヨ君もいます。
正しいことに使うのならという前提を疑ってみることもジャーナリストの仕事のはずですが・・・ね。
投稿者: 伊藤ゆうき | 2009年8月27日 08:51