日本がIT国家になれない理由
昨秋に1万円を割り込んだ株価の上値が重い。
低迷する株価について、IT・ネットビジネス関係者に訊ねると、一様に「悔しい」と口を揃える。
「トヨタやパナソニック、キヤノンといった伝統企業がダメでも、ITやネットといった新しい21世紀型のビジネスが育っていて下支えできていれば、一年前の半値近くまでに株価が悪くはならなかったのではないか」というのだ。
では、ITやネットがニュービジネスとして育っていない理由は、どのようなことなのだろうか。
ひとつは、政治と行政のヤル気のなさだ。
「政府や行政が熱心にやったのは『インパク(インターネット博覧会、2000年12月31日から1年間)』だけ。01年にはe-Japan戦略を発表して『5年以内に世界最先端のIT国家となる』と大上段に構えてみたものの、記憶にあるのは経産省が『日の丸検索エンジン』を産官学でやるから数百億円よこせ、と言ったことぐらい」と話すのは、都内でコンテンツビジネスを行う会社社長。
実際、日本が世界最先端のIT国家であると考えている人は少数だろう。たしかに、対人口利用率では世界有数(国際電気通信連合調査で73.6%、総務省調査で69.0%)だが、基本ソフト(OS)をはじめとするソフトウエア、検索サービスなどのコンテンツは外国産ばかり。
「日本を代表するコンテンツといったら、2ちゃんねる、ニコニコ動画ぐらいで、利用者の多いオークションやSNS、ブログも元は外国産」
食料と同じで、輸入に頼らなければ維持できないのが現実の姿なのである。たとえば、国内オンリーでの開発を目指した「日の丸検索エンジンプロジェクト」が話題となったのは06年のことだが、その進捗について耳にすることはほとんどない。
e-Japan戦略では、住民票やパスポートなどの公的書類をネット経由で申請したり取得できる電子政府、電子自治体構想も語られた。01年から構築は進んでおり、すでに国税の申告・納税など1万3千におよぶ手続きが電子化されている。
しかし、実際の利用は全体で2%程度でしかない。ITエンジニアが憤る。
「事前登録が煩雑で、しかもいまだに住民票の写しを添付しろとか住民側の利便性がわかりにくく、オンライン手数料まで取られる。そうなると、高いし面倒だから役所へ直接行くという人が大半なのも当たり前。いったい、誰のための電子化なのか。役人の発想は、ことほど左様にいつも的外れで無駄が多い」
ITやネット企業の努力不足がある、との指摘もある。
「日本語という言葉の壁があるため、国内マーケットだけを相手にしていても、それなりに稼げてしまう。リスクを背負ってでも海外で勝負しようとしないため、業界のスケール感が非常に小さい。世界で通用しようと思わずに世界一のIT国家なんて、悪い冗談にも程がある」(前出のITエンジニア)。
ITやネットベンチャーのイメージが悪化したことも、無関係ではない。
「ライブドア事件だけでなく、その後も反社会勢力が新興ベンチャーの未熟な経営につけこんで会社を乗っ取ったり、仕手戦などの錬金術に利用したりしたことで、投資家や市場から色眼鏡で見られるようになってしまった」(証券関係者)。
期待されて投資が進んだが、そのカネが不透明な使われ方をしたことで、いまではアングラ人脈の跋扈する「投資番外地」扱いになってしまっているのだ。カネが回ってこないから大胆で斬新な開発もできない。この悪循環に苛まれているのが現状だという。
一方、ユーザー側のビヘイビアも無関係ではない。
「日本人は、空気、水、安全、情報はタダと思い込んできた。だから、ネット上のサービスや情報にも、なかなかお金を払おうとしない。ユーザーがお金を払わないからネット企業の収入は広告頼みになり、広告主がダメになるといきなり苦境に陥ってしまう」(IT系ライター)。
ただ、ネット上のサービスや情報がタダと喧伝してきたのは、ほかならぬネット企業自身でもある。一気にネット利用を推進しようとしてぶら下げた飴が災いしているという意味では、業界の自業自得とも言える。
「だからこそ、政府や行政が上手くリードしてくれないと。70年代のオイルショックの時に、それまでの重厚長大産業から、自動車、電化製品、コンピュータなど軽薄短小へと、産業の主力を移行させたみたいに」(前出の会社社長)。
その自動車や電化製品の輸出が金融危機で停滞し、いまの株価低迷や派遣切りに繋がっている。ところが、IT・ネット業界について取材してみると、世界最先端のIT国家とブチ上げたはいいが、その主導権を巡って総務省や経産省をはじめとする綱引きがいまだにあるようだ。
このままでは、環境省と経産省とが主導権を争っているうちに、先進国中最下位の評価を受けた温暖化対策の二の轍を、IT・ネット分野においても踏むことになりかねない。





コメント (3)
日本がIT国家になれない理由、井上さんのおっしゃる通りだと思います。加えて言うと、サービス、コンテンツビジネスにおいても同様のことが言えるのではないでしょうか?
投稿者: taka | 2009年3月15日 08:41
我家は
NTTの光Bフレッツに
加入した。
結局 ADSLより高いね。
なぜ 田舎へ行けば行くほど
光が接続出来ないか?
ケーブルテレビがあるからだ!!
ケーブルテレビは独占しちゃダメ
日本全国 隅々まで
同じサービスを提供しなければ
意味がない。
ここは ADSL
ここは 光
ここは ケーブル
は
変でしょ。
ケーブルは 独占でなく
一つの選択肢であって欲しい
ここ
富山ケーブルテレビは
本当につまらない
テレビが入らないと言う
弱みに付け込んで
役員は天下り
番組は最低
料金は一人前
最低だ
もし
隅々まで光ないし
ADSLが配備されれば
ケーブルテレビは 倒産だよ
ケーブルテレビは
全村民が主人公とか言ってるけど
テレビに出れない人だって
いるんだよ
昔 流行った農民放送と言われる
有線もそう
第一 今 テレビがつまらない
今のテレビ業界はどん底最低
昨日 こんな事を考えていた
携帯電話でテレビが見れる
ワンセグとか言う機能
車でテレビが見れる
カーナビやカーテレビ機能
これを
家庭のテレビで採用できないか?
携帯で出来て
家庭用テレビで出来ない訳がない
家屋に無線アンテナを設置して
携帯電話みたいに
そのアンテナが受信して
家庭用テレビに反映する
それが出来れば
ケーブルテレビもアンテナも
必要ない
動く車で出来ることが
家庭用テレビでも可能だと思う
PCで使う無線LANと同じです
近い将来 実現可能になれば良い
日本は
携帯電話が ネットが
驚く速さで普及した
しかし
安全面においては 遅れている
未だにメールやネット犯罪が
後を絶たない
携帯電話では
非通知で掛けて来ても
受けた先では非通知であっては
ならない
迷惑電話で困って
番号を変えるだけで
2000円掛るのは可笑しい
非通知で掛けても
掛った先では非通知のフィルター
を外して欲しい
でなければ この手の電話が
一向に減らない
メールでもそう
メールは必ず相手のIPアドが
分からなければいけない
もっと突っ込めば
どこの誰が送ったメールか
一目で理解できなければいけない
メールの本文中に
相手の詳細な情報が
添付されなければ意味がない
でも なければ
悪質なメールがどんどん送信
される。
メールはまだ良い方で
一番厄介なのはFAXである
勝手断りもなく 貴重な紙が
断りもなく 無駄になるのだから
誰かが言っていた
便利な物は不便な物を連れてくる
携帯にしてもPCにしても
奇跡的に技術は進歩した
が
最も大切な部分が欠落している
来年は2010年
来年からの10年間は
セキュリティーに
個人の安全と秘密保持に
力を注いで欲しい
とりわけ
無料メールは不要だと思う
メールにお金を科す事によって
責任と義務が生まれると思う
無料メールはそれがない
ヤフーでもgooでも
一人で幾つも持てて
なお且つ無料だから
義務も責任もない
便利と安全は違うと思う
今は ユーザーが責任負うけれど
ネット企業でもある
プロバイダー等は
責任を負わない企業が多い
高いお金を払っているのだから
悪質なユーザーは
徹底的に排除しなければ
行けないと思う
長々書きましたが
思うに
来年からの10年間で
取り巻く環境は
大きく変わると思う
今一番の関心は
子供から携帯を排除して
尚且つ
PCは認める 教育関係者
携帯こそが家庭と子供を
児童と保護者のライフライン
だと思う
今の携帯はワンプッシュで
家庭に親に連絡できる
便利な道具である
PCは多くの電磁波を出す
PCこそが大人になってからでも
出来ると思う
エクセルやワードが出来ても
視力が落ちてはどうしょうもない
PCがさほど出来たところで
どうって事ないと思う
それより
複雑多様化した社会で
毎日通学してくる児童を子供を
守るためにも
子供にとってのライフラインで
ある
携帯こそが大切な道具では
ないでしょうか?
学校でPCを教えるより
正しい携帯電話の使い方を
教えた方が良いと思う
その延長で
PCを教えれば良い
をマスターする頃には
相当視力が低下するので
程々にね
公共の場で
車を運転しながら
街中で
等々
携帯電話のマナーの悪い大人を
子供の頃から
しっかりと実践を通して
教える事が 大切だと思う
子供から何かを奪うと
大人になったら
必ず しっぺ返しが来ますから
吉展ちゃん誘拐事件がそうですね
日本で初めて
報道協定が結ばれた事件である
では では
投稿者: こはるちゃん | 2009年3月16日 00:01
井上さん、面白く拝見させて頂きました。
ITというものが出現してから、かなりの年数がたちましたが、残念ながら、日本という国は、本当にITを上手に活用する道を選択できなかったのだと、つくづく感じています。
いや、実は案外良い加減の、世代の人すらこの、現状の問題点と課題に気づいていないのではないかとすら感じています。
日本は資源もなく、人口も減少してゆく中、どうあっても新しい産業を立ち上げてゆかなければならなかったのに、ITでの可能性を真剣に探る訳でもなく、ただのつまらない道具にしてしまっている観すらあります。これは、実に残念でもったいない事です。本当は、お役人がITの可能性も、いや、本体すらよくわかっていないのではないでしょうか?
何事も、誰かが第三者として指摘、かつ提言しなければ、物事は動かないと思います。
もっと、日本のIT産業に関してのコメントをこれからも寄せてください。期待しています。
投稿者: しらゆき | 2009年3月30日 00:36