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2011年2月28日

「日本一新運動」の原点(43)── 朝日新聞政治からの卒業を!

■朝日新聞政治からの卒業を!

 2月21日(月)の朝日新聞社説は『小沢氏流を超えて--「政局」政治からの卒業を』という大論文を掲載した。私の長い政治生活で、こんなに"面白い社説"を目にしたことは記憶にない。折角のことだから、大いに参考にして「日本一新--メルマガ社説」を述べさせてもらう。

 朝日新聞の病、いよいよ篤しの感が深い。市民派と詐称する菅直人首相に、朝日新聞幹部記者たちが政権運営をアドバイスし、延命策のつもりがことごとく裏目に出ている。「小沢を叩き、排除を徹底すれば支持率は上がる」とか、「社会保障と税の一体改革、消費税率アップで、首相のリーダーシップを国民は評価する」などが、国民から反発されている事実を朝日新聞は知らないようだ。こうなると、菅首相にはいたって気の毒で、ご同情申し上げたくなる。朝日が指導する政治とは何かを、改めて見つめ直さねばならない。国会内外で、菅首相の退陣論が公然と語り始められた責任は朝日新聞にあるといえる。

 ここ20年来、「小沢」か「反小沢」かと、日本政治を枠づけて対立構図をつくってきたのも朝日新聞であった。

 平成21年3月、西松事件を東京地検特捜部と社会的に共謀して、「小沢とカネ」をつくりあげてきたのも朝日新聞であった。何故に朝日新聞が、時の権力側に寄り添って「小沢排除」に血道をあげるのか、その理由はとくと検証しなくてはならない。

 その第一は、経営事情からの問題で、当面は「納税者背番号制度」に国民の反発が強く、政府広報費(税金)を少しでも多く配分して貰いたいからである。小泉内閣で「裁判員制度」を導入したとき、巨額な広報費をマスメディアにばらまき、小泉ポピュリズム政治を成功させたことは記憶に新しい。それ以来、巨大メディアの「社会心理的暴力装置」が露骨になったと思う。

 私の得た情報によれば「納税者背番号制度広報費」の談合は、昨年暮れに行われていて、報道現場の判断で、「菅政権を支え、小沢叩きをうまくやれ」という方針を、朝日系では上部から流しているらしいとのこと。そうであるならば、朝日新聞の論説やコメンテーターの星浩氏らは、社の経営を背負って頑張っているわけで、ジャーナリストの良心を捨ててまで誠にお気の毒と言える。

 第二の理由は、朝日新聞の体質である。 私は昨年10月9日付の「日本一新運動の原点--22」で、戦前の論説について批判しておいたが、改めて要点を説明しておこう。

 敗戦直後の昭和20年8月23日付の朝日新聞の社説は『自らを罰するの弁』というものであった。要旨は、満州事変勃発直後から第二次世界大戦終了まで、大政翼賛会の発表をそのまま記事にし、戦争賛美の論説を書き続け、国民に多大の犠牲を強いる先導役を果たしたことに対する反省であった。この社説は、日本ファシズム推進に対する懺悔だといえる。

 それから65年が過ぎ、朝日新聞は情報社会化した21世紀で「新しいファシズム」の旗手を担ってしまった。少なくとも「小沢問題--政治とカネ」では、「社会心理的暴力装置」として検察とのコラボレーション、菅政権を支えながら「小沢排除」を断行、ファシズムの正体あらわである。民主党を支配する輩は、朝日新聞論説の奴隷となって大活躍している状況が、ただ今の菅・岡田政治であることを知るべきだ。私はかつて「日本人痴呆60年周期説」を提起したことがるが、このままでは「朝日新聞ファッショ化60年周期説」を論じなければならなくなる。

 そんなことを考えていた矢先の2月23日(水)、朝日の社説は『小沢氏処分--真の区切りとするために』を掲載した。「小沢問題」を「自民党長期政権時代から繰り返されてきた日本政治の宿痾(しゅくあ)とでもいうべき問題・・・・」と論じている。「宿痾」とは「長い間治らない病気」のことだ。民主党執行部が行った「小沢処分」は、メディアが偽造し流布した情報だけで、「小沢排除」を決めたものである。手続も党規約に違反した「永久党員資格停止」で、小沢氏の異義に対する文書回答要求も「前例がない」と拒否した。正常どころか、議会民主政治の砦とも言うべき政党としての体をなしていない。しかもである、直前になって役員等を反小沢派の人物に入れ替え、三月中に策謀していた菅首相を首にして、その後に行うべき代表選挙に小沢氏を出馬させないようにするための謀略であったのだ。

 ナチスどころか、スターリン時代のソ連共産党と同じレベルのことが、議会民主政治国家と稱する、「日本国」の政権与党である民主党が行っているわけだ。それを、私がかつて、もっとも、"尊敬"していた朝日新聞が指導している現実を、どう判断して良いか迷っている。朝日新聞こそ、日本ファシズム化の「宿痾」を持っているといっておこう。

■わずかに生きているメディアの良心

 一般の人には馴染みは少ないが、仏教関係の専門紙に『中外日報』という新聞がある。2月22日の社説が「判決が出るまでなぜ待てないか」というものだ。貴重なものなので、要点を紹介しておく。早稲田大学の憲法学教授・水島朝穂氏が、NHKラジオで発表した話である。

 水島教授は全国紙だけでなく、主要地方紙38紙を対象に、「小沢問題」をとりあげた社説を分析している。全国紙の、小沢氏に対して「政治的けじめをつける時だ」とか、「市民の判断(による強制起訴)に意義がある」との主張に影響を受け、地方紙のほとんども横並びの小沢批判の社説であったとのこと。

 その中で、検察審査会による「強制起訴」の仕組みに疑問を投げかけたのは、『信濃毎日新聞』と『琉球新報』の二紙だけだったことを紹介している。『琉球新報』社説は、「疑わしきは法廷へ」という図式だと、「大衆迎合主義が横行して、裁かれなくともよい人まで被告人にされるのではたまらない」と主張している。

 『中外日報』の社説を執筆した論説委員から手紙をいただいたが、そこには「このたび正論を書いたのは信濃毎日と琉球新報、80年前、反軍社説を掲げたのは信濃毎日と福岡日日(現西日本新聞)の二紙でした。どちらの場合も勇気ある論者が二紙だったのは、単なる符合でしょうか」と書かれていた。日本のメディアに僅かながらも良心が残っていることを知って感動した。80年前の戦時体制と同じ構造が、新聞の世界に見られるのはメディア論として検証すべきことである。

 しかし、現代が80年前と違うのは、高度情報社会という文明の移動が行われてることだ。朝日新聞もテレビなどの情報手段を持っている。私たちも、ネットという情報手段を格安で、日常普段に活用できるようになったのだ。それはパソコンだけではなく、携帯電話を兼ねた新しい情報端末が日々めまぐるしく更新されている。

 朝日新聞がこれ以上、社会心理的暴力装置として、ファシズム化を促進するなら、それを阻止するのも「日本一新の会」の役割と任じている。ことと次第では、朝日新聞の本社を、「人の鎖の輪」で取り囲むこともできる時代なのだ。

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2011年2月20日

「日本一新運動」の原点(42)── 憲政史に残る民主党十六名の志士

 2月17日(木)、民主党衆議院議員16名が「民主党政権交代に責任を持つ会」(通称:民主党国民の声)を結成、「民主党・無所属クラブ」の岡田克也会派代表に会派離脱届けを提出した。同時に新会派届けを衆議院事務局に提出したが、岡田会派代表から16名の議員が離脱した旨の届けがなされるまで、新会派届けは衆議院事務局預かりとなった。

 突然の出来事で、永田町は大騒ぎとなった。ほとんどの政治家と記者たちは、この十六名の活動と手続の真意を理解できないようだ。岡田会派代表に至っては、「会派離脱届は無効だ」と、司法試験勉強中の学生のような発言をしている。とても政治家の感性を持っているとはいえない。新会派結成宣言を真摯に読むべきだ。宣言文は「菅政権は国民との約束・マニフェストを捨て、政治主導の御旗も捨て、国民の生活が第一も捨て、本来の民主党そのものを捨て、民主党の支持の上に比例代表で当選した我々の存在意義すらも打ち消した」と、単独比例で選出された国会議員の心の叫びを列挙している。そして「我々は民主党と国民との約束の上に存在する比例代表の議員だからこそ、本来の民主党の姿とはかけ離れた今の菅政権にはもう黙っていない」と、はっきりとその覚悟を示している。久しぶりに見る政治家としての志に敬意を表したい。

 私は昨年以来、わが国の議会政治の劣化、特に国会議員の志の低さと、見識のなさを批判し続けてきた。先週のメルマガ・日本一新で、「完全にファシズム化した民主党が、このままの状況であってよいだろうか。民主党所属議員たちよ、エジプトの民衆の方がましだと言われないよう、国家の危機に対処して欲しい。来週の動きを期待して注目している」と結んでおいたが、16人の志士は「日本一新の会」の願いを見事に果たしてくれた。

 この16人の「民主党政権交代に責任を持つ会」のこれからの展開を予測しておこう。前例のないことだと、新会派の結成を葬ろうとする意見があるが、実は前例があるのだ。平成7年1月17日、当時の社会党で山花貞夫衆議院議員ら17名が、村山自社さ政権に反対し、社会党に会派離脱を提出したことがある。丁度、この日の早朝に阪神淡路大震災が発生し、この会派離脱届けは国会で議論されることなくウヤムヤとなった。手続としてどういう問題があるかといえば、岡田会派代表の主張する「無効論」は間違っている。同じ党籍で会派を複数持つことは理論的にはあり得ることだ。

 地方議会では自民党籍のまま二つの会派が存在するのはざらにある。現に金沢市議会では、民主党員で「金沢民主議員会」と、「民主クラブ」の二つの会派がある。国会では法規的に妨げるものはない。かつて、菅首相が所属していた「社民連」という政党が、「社会党会派」と「民社党会派」に所属していたことがある。このことについて議院運営委員会で議論した前例がないだけである。

 その議論を始めるためには、岡田会派代表が16人が離脱した旨の届けを出すことが必要となる。多分、岡田会派代表は党の方針に従わないとして、党規違反の処分をしてくる。16人の志士たちには、菅政権と岡田執行部の行動こそ「党規違反」として、民主党の機関に提起して議論すればよい。しかし、岡田執行部は異常な党運営で引き延ばしを図ることになろう。結局は、ある時点で党の離脱「新党の結成」やむなしとなる可能性がある。

 となると、統一地方選を目前に「衆議院解散」という緊張状況を背景に、民主党内の問題を離れ、与野党にわたって、菅政権を継続させることが国益となるか、という政変モードとなろう。そこで混乱を深めるか、冷静にわが国の政党政治のあり方について議論が起きるか、重大なポイントである。折から地方政党の活動が注目されている。16人の志士の決断は、このようにわが国の政党政治の構造・システム改革のきっかけになる可能性がある。「日本一新の会」は、こうなることを期待してる。

■京都から日本を変えよう

 東京は永田町で、民主党16人の志士の決断により、菅政権やマスメディアの大騒ぎが収まらない18日の午後、私は京都で、「日本一新の会」の行事に参加した。日本一新の会・京都支部で「河上みつえ元衆議院議員後援会主催の「居酒屋ミニ集会」に出席のためだ。せっかくの機会なので、多くの人が集まりやすい、「四条河原町」で街頭演説もやろうということになった。

 京都といえば、幕末に日本を改革した原点であった。私の人生の師、故前尾繁三郎元衆議院議員議長の出身地・選挙区でもあった。まず、嵯峨・清涼寺の前尾先生の墓参りからスタートさせた。墓前で政治状況を説明し、日本に真の議会民主政治 ── 国民の幸せを第一とする政治の確立に尽力された意志を実現させることを誓った。

 「四条河原町」の街頭演説は、メールなどで呼び掛けた関西の「日本一新の会」のメンバーを中心に大勢の市民が駆けつけてくれた。

 まず、小沢塾出身の大谷啓衆議院議員が、混迷する民主党内の状況と再建を誓った。そして、会派離脱届を提出した16人の志士の一人である渡辺義彦衆議院議員が、決断への経緯と覚悟を示すとともに、これからの方針を語った。さらに河上元衆議院議員が力一杯、志士への連帯の意を表明するとともに「京都から日本を変えたい」と支援を訴えた。

 私は、土佐は四万十川・足摺岬生まれで、京都の戦乱の落人が先祖であることから話を始め、現在の日本政治で最優先すべきことは、菅首相の退陣により、党派を超えて健全な常識を持つ政治家で救国・選挙管理政権を樹立すべきだと訴えた。

 最大の理由は、エジプト改革から始まった中東の問題が紛争から戦争に変わる可能性があり、世界の混乱が激しくなる中で、菅首相では日本は生き延びていけないことである。更に、日本政治の劣化の最大の原因は、政党の劣化である。既成政党である民主党・自民党・公明党・共産党・社民党は、いずれも二十一世紀の変質した資本主義と情報社会の中で、いかなる政治を行うべきか、反省も展望も持っていない。どの政党も民意を代表し、指導する能力を失っている。

 民主党の16人の志士の動きは、彼らが意識していないかも知れないが、政党政治を改革する出発点である。天命が16人の志士にそれを命じたといえる。この京都には昔から秀れた政治家が出て活躍した歴史がある。現在でも、谷垣自民党総裁や前原外務大臣がいるが、この人たちがどの程度、自己の利害を捨て、国家と国民、そして人類に尽くせるか、新しい政治の仕組みを真剣に考えて欲しい。

 民主党に会派離脱届けを出した16人の志士のことを、巨大メディアは口をそろえて、背後に小沢一郎がいるとか、単独比例の生き延び策と、意地悪く中傷している。私には彼らの志が新しい日本をつくる原点になることがはっきりと見える。既成政党と巨大メディアの不条理な生き残りを許してはならない。16人の志士の行動は、多くの国民が心で考えていることを実行してくれたと思う。

 坂本龍馬は生きている。十六人の志士の心の奥深く───!。

 今日(19日)の予定は、午前中に奈良市内で「政策研究フォーラム」で講演した後、午後「日本一新の会関西有志の会」と、「中村てつじ事務所共催」の会合に出席、帰参して夜は、「妙見会」に出る予定だ。

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2011年2月14日

「日本一新運動」の原点(41)── 異常事態の菅政権

 2月9日(水)に、憲政記念館で開かれた「検察審査会の疑惑を究明する市民と国会議員の会」の結成大会は、驚異的な成功であった。

 午後4時30分開会という、一般市民が参加しにくい時間帯であったが、500人の椅子席が満席で、立ったままの人たちで会場が埋め尽くされた。しかも、会場に入りきれない人たちが帰ったとのこと、主催者の不手際としてお詫びしなければならない。

 更に、参加してくれた国会議員や代理秘書の数が、総計で50名を超えたとのことである。当初、10名程度の参加と聞いていたので、驚きを通りこした。国会議員から6名、市民団体から、それぞれ世話人を出して、運動を展開することになった。

 結成大会は、世話人国会議員が、それぞれ決意の挨拶を行った。私が「小沢問題と議会制民主主義の危機」として、小沢問題の本質が「政治捜査」であり、政権交代の阻止、そして交代後は「小沢排除」にあったことを、体験として説明した。要点は、わが国が「新しいファシズム」に入り込み、社会心理的に暴力装置となったメディアが、行政・検察・司法に影響を与え、議会民主政治を機能マヒさせるようになっていること。困ったことに国会も、「小沢問題」の本質を究明しようとせず、小沢排除にうつつをぬかし、民主党執行部に至っては集団リンチ・内ゲバで、小沢氏を党から排除しようとしていることを指摘しておいた。

 「小沢問題」は小沢氏個人の問題ではない。国民主権で有権者が選んだ代表者を、不起訴となったにもかかわらず、メディアと共謀して真の改革を阻止しようとする政治権力が、市民の目線という美名で排除することを許すならば、議会民主政治は成り立たない。民主党執行部がやろうとしていることは、菅政権に服従しない政治家を、排除しようとするファシズムである。

 森ゆう子参議院議員は、昨年から苦労を重ねて究明してきた、「検察審査会の疑惑」について、具体例を挙げてわかりやすく説明した。結論は「検察審査会の強制起訴は憲法違反であり、東京第五検察審査会の2回目の小沢氏起訴議決は、違法な手続で行われており無効である」というものであった。特に、二回目の審査が適法に行われていないことを具体的に説明し、議決前に検察官の説明を受けていない疑惑や、議決が行われた日時や手続に重大な疑惑があることを指摘し、政治弾圧に利用される場合だけでなく、一般市民が何時罪人にされるかわからない恐怖の実態を述べた。

 シンポジウムは、副島隆彦氏、染谷正圀氏の発言や、一般参加者の質問などがあり、「決議文」(日本一新の会ブログに全文掲載)を採択して終了した。

■異常事態の菅政権

 2月7日(月)午後、小沢さんと懇談中、民主党の幹部クラスが来訪した。用向きは菅首相と面談した状況の報告であった。国会答弁でも、国会外の発言でも、菅首相の発言内容の異常さが目立つ中で、政権交代の原点とかマニフェストの理念という次元の議論ではなくなっている。トップの政治指導者としての仕草が異常で、早く手を打たないと大変なことになるという話であった。この後、小沢さんがしんみり語ったことが心に残った。

 「裏切られ、騙されたと言っても、自分が関わってできた政権だ。僕に責任があるんだ。国家が異常事態となり、国民の生活に支障が出ないようにしなければならない」

 現在のわが国の政治は異常事態といわざるを得ない。予算関連法案を成立させるため、公明党に秋波を送ったが相手にされない。そこで社民党への提携を申し入れ、普天間関連予算の凍結をエサに政権延命を謀ろうとしている。そんな誤魔化しで政権運営ができるのか。もっと驚いたのは、九日の党首討論で菅首相は、平成23年度末までに消費税を含む税制改正法案を提示するとのこと。消費税率を上げることを明言したものである。政権交代の根本を否定したものだ。最早民主党政権とはいえない。

 北方領土問題で、ロシア大統領の領土訪問を「許し難い暴挙」と批判した。これは国際政治の世界では戦争状態で使う言葉だ。菅首相の思考システムに重大な障害が発生した可能性がある。菅首相の言動が政治不信をスパイラルさせ、国家の危機が目前に迫ったといえる。

 菅首相は小沢代表に対し、検察審査会の起訴議決を受けて「離党を勧告」した。そもそも成立し得ない架空の犯罪事実をデッチあげたのは、菅政権そのものの可能性がある。その検証こそが必要なのに、完全にファシズム化した民主党が、このままの状況であってよいだろうか。

 民主党所属国会議員たちよ、エジプトの民衆の方がましだと言われないよう、国家の危機に対処して欲しい。来週の動きを期待して注目している。

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2011年2月 9日

「日本一新運動」の原点(40)── 崩壊寸前の日本の議会民主政治

■崩壊寸前の日本の議会民主政治

 1月31日(月)、検察審査会の2回にわたる起訴議決にもとづく「小沢一郎氏の起訴」が、指定弁護士によって行われた。政治資金規正法違反の虚偽記載と未記載の共犯で、陸山会の土地購入問題である。指定弁護士の一人は「有罪を確信したから起訴するのではなく、起訴議決がされたので職務として起訴した」と発言した。

 小沢氏は「何一つ、私自身やましいことはない。これからの裁判で、無実であることは自ずと明らかになる。引き続き民主党の国会議員として、誠心誠意取り組んでいく決意だ」と力強く語った。

 これに対して、菅首相は小沢氏の処分について検討していると発言。また、野党は小沢氏の証人喚問や議員辞職を要求し、またもや国会対策の駆け引きに利用するようである。小沢氏に近い弁護士政治家は、検察審査会の起訴と、検察による起訴との法的違いや、「無罪推定がより強く働く」と支援者たちに、法技術的なことを必死に説明している。

 「小沢問題」、すなわち政治家小沢一郎の「政治と金」の問題は、わが国の議会民主政治の根幹に関わる問題である。率直に言って、私自身が直接・間接に関わっていたことであり、まず私の真実の叫びを語らせてもらう。「検察審査会の議決にもとづく指定弁護士の起訴は、日本の議会民主政治を崩壊寸前に落とし入れた。小沢一郎が法に問われることは何一つない」。

 このことが日本国民に理解されないことが残念である。特にごく一部を除いて、ほとんどの国会議員がわかっていないことが、120年という歴史をもつわが国議会政治の悲劇といえる。週刊朝日編集長の山口氏が、「自分でさえ少し勉強したらわかることだから、国会議員も小沢問題の本質を知るべきだ」という趣旨をニコ動で語っていたが、まったく以て同感といわざるを得ない。

■小沢問題の経緯

 小沢氏の「政治と金」が集中的に日本社会の批判の対象になったのは、平成21年3月3日の西松事件で大久保秘書逮捕からである。この時期、日本の政治状況は麻生太郎自公政権で、リーマンショック後の経済混乱で苦慮し、平成19年7月の参議院選挙で民主党が大勝し、与野党が逆転していた。次の衆議院選挙が行われると、小沢代表率いる民主党に政権が交代するとほとんどの日本人が考えていた。麻生首相は政権交代を阻止すべく、あらゆる工作を策していたのだ。

 結論から言って、大久保秘書逮捕から始まる「小沢問題」は、「麻生内閣による政治謀略」であった。その理由は、私自身が当時の森英介法務大臣から、政治謀略を類推できる発言を直接に浴びせられていたからである。大久保秘書逮捕2日前の3月1日、千葉市で小沢氏と私について次の趣旨の発言をした。「平成になって日本の政治をメチャクチャに崩したのは小沢一郎だ。小沢は悪人だが、もっと悪いのは、ここにいる平野だ」と面罵したのだ。これを聞いて、私は悪い冗談かと思ったが、同時に何か企みがあるのかと気になっていた。そして2日後の大久保秘書逮捕である。名目は政治資金規正法の虚偽記載で、こんなものは最初から犯罪行為を問えるものではなかった。

 ことの起こりは、小沢事務所の元秘書で、小沢氏を裏切り自民党政権の手先になった人物が、小沢氏の「政治と金」を情報として偽装し、マスコミを利用して虚偽の世論をつくったことが始まりだ。これを麻生政権が東京地検特捜部という国家権力を使って、小沢民主党代表を攻撃し、政権交代を阻止するためである。

 これが政治捜査であることは、数日後の漆間官房副長官のオフレコ記者懇談で証明された。小沢氏とまったく同じ方法で、西松建設から献金を受けていた数名の自民党国会議員たちについて、「自民党側には波及しない」と、本音をもらしたからである。事実、自民党国会議員たちには同じ問題で何のお咎めもなかった。その後大久保氏の裁判で岡崎元西松建設総務部長が、検事調書の証言を覆し、この事件での「大久保無罪」は確定的となった。

 しかし、マスメディアは徹底的に小沢代表を攻撃した。そのやり方は執拗かつ異常で、検察特捜がタレ流す情報を執拗に書きたて、総選挙を目前にした民主党に不利な状況をつくりだし、明らかに政権交代を行わせないようにする意図が表れていた。

 政権交代に政治生命を懸けていた小沢代表は、戦略的に代表を辞任し、政権交代への国民の声を盛り上げた。シナリオが狂った検察は、石井一副代表をターゲットとし、「郵政不正事件」をデッチあげ、村木厚労省局長を逮捕した。石井一氏の捜査立証のためであったが、同氏のアリバイが成立し、この企みはあっけなく頓挫した。一方、村木局長については裁判で無罪となっただけではなく、担当検事が証拠を改竄したことが判明し、検察史上あってはならない不祥事が明らかになった。

 平成21年8月30日の総選挙で、日本国民は民主党を圧勝させ、歴史的政権交代を実現させた。麻生政権の数々の妨害にもかかわらず、国民は新しい政治を求めたのだ。しかし、マスメディアは「旧さきがけ」の武村正義代表などを使って、鳩山民主党政権から小沢前代表の排除を繰り返してまくし立てた。その結果、「政策の協議と決定には関わらない幹事長」という、議院内閣制を否定するに等しい愚かな人事を断行した。民主党政権破綻の原因はここに始まる。

 日米にわたる既得権を持つ旧体制の人々は、政権交代した民主党を渋々ながらも容認せざるを得なかったが、小沢一郎が権力を握ることのない体制づくりが最重要テーマとなった。本格的な改革を実現することに恐怖したからである。そこで検察が着手したのが、「陸山会の土地購入問題」であった。例によって政治資金規正法の収支報告違反を種に、別件捜査で「水谷建設からのヤミ献金」を立案しようと企んだ。

 本稿執筆中に次の速報ニュースが入った。「石川議員の弁護側が承認申請した中堅ゼネコン「水谷建設」の水谷功元会長の採用が決まった。」と。これがどういう結果をもたらすのか、専門家なら予想がつこう。裁判のなりゆきを見たい。

 特捜部は、小沢氏を西松事件から始めて約一年半にわたり、約30億円といわれる税金を乱費して捜査したが、ヤミ献金は立件できず、秘書たちの政治資金規正法収支報告虚偽記載の共犯容疑についても、不起訴となった。

 ここまでの経過を総括すると、旧体制に支えられた政治権力が、あらゆる方法で既得権益を継続させるために、政治家小沢一郎を政界から葬ることが目的であったと断言できる。

■検察審査会に政治が関与した疑いがある

 小沢氏が不起訴となったとき、特捜のある責任者は「まだ検察審査会がある」と、語ったといわれる。正体不明の人たちが小沢氏を検察審査会に「起訴すべし」と申し立てた。初めて政治家を審査することになった東京第五検察審査会は、平成22年4月27日「起訴相当」を全会一致で議決し、小沢氏を「絶対的独裁者」と、公文書にそぐわない言葉を理由書に記載した。平成16年に改正された検察審査会制度は、違憲といわれる「強制起訴権」を持ち、国会審議が十分行われておらず、きわめて杜撰なもので多くの問題がある。立法府たる国会に責任がある。

 同年6月8日に成立した菅内閣は、鳩山首相と小沢幹事長の辞任と引きかえに、挙党体制で参議院選挙に勝利することを願って成立したものであった。しかし、菅・仙谷政権は「小沢排除」を最大の政治目標とした。麻生自民党政権がマスメディアと検察権力を利用した方法を継承することになる。参議院選挙に惨敗した菅・仙谷政権は、この時期に始まった東京第五検察審査会の第2回目となった小沢氏の審査に、政権延命のためにも強い関心を持ったことは想像に難くない。

 この検察審査会の審査員の選び方、補佐弁護士の選任に正当性があるのか、審査会が適法に開かれたかどうか、適法に議決が行われたかどうか。議決日が代表選と同日で、発表が二十日後であった不自然さ、また議決内容の違法性など、審査会の活動全体について、菅・仙谷政権の関わりがあったという情報があり、その疑惑が究明されなければ、わが国は法治国家とはいえない。

■新しいファシズムに組み入れられた国会

 「ファシズム」の教科書的定義は、「崩壊しそうな資本主義を守るため、権力が市民の民主的権利を踏みにじり、議会の機能を麻痺させ暴力的支配を行う」ということだ。現代のマスメディアは、第四権力ならぬ立法・行政・司法の三権を支配するスーパー権力という化物となった。「小沢問題」についていえば、マスメディアは「社会心理的暴力支配」を行ってきた。わが国では「新しいファシズム」が始まっているのだ。

 その証明として国会の機能麻痺を指摘できる。小沢氏の「政治と金」についていえば、小沢氏の国会での説明責任を与野党が主張するが、その根拠や理由が不明である。「小沢問題」は何度も説明したように、政権交代阻止のための政治謀略から始まり、検察の暴走、さらにこれらを促進したマスメディアの社会心理的暴力行為によって、政治の世界から小沢一郎を排除しようとしたものである。これを反対勢力が行うならまだしも、政権交代をともに闘い、勝利した同じ政党から集団リンチ的、かつ内ゲバ的に行われるのは異常事態である。世界の民主国家では想定できないことだ。

 小沢一郎という政治家を、国会の政倫審なり証人喚問で説明させるなら、その前提として「政治謀略」「政治捜査・検察暴走」「マスメディアによる検察ファッショ性」、「検察審査会の違憲性」「東京第五検察審査会への疑惑」などを、国会として究明してから、説明を求めるべきだ。国会でこういった議論を行う政治家はごく一部で、大多数がマスメディアの社会心理的暴力におののいて、小沢氏の政治家としての基本的人権を侵害していることに気がついていない。「明日は我が身」という感性がなく、国会が新しいファシズムに組み入れられたといえる。これはエジプトの政治とは別の意味で恐ろしいことだ。

 国会で最も大切なことは、国民の代表として選ばれた国会議員の憲法上の基本権を擁護することである。国会を構成する議員を、政治権力やポピュリズムから守ることである。マスメディアが社会心理的暴力性をあらわにした例は、2月2日の朝日新聞・ザコラム『墓穴を掘った国会証言の回避』である。「小沢排除」の原因と本質に眼をつぶり、新しいファシスト、菅首相と岡田幹事長の代弁者となっている。朝日新聞は、昭和ファシズムの先駆となった反省を忘れ、平成ファシズムの推進者として、わが国の議会政治を崩壊させ始めている。

 執筆者の若宮啓文氏に告ぐ。山口週刊朝日編集長の「小沢問題の本質を知るべきだ」との主張を、朝日新聞社の同僚として、どう思うか、是非にも意見を聞かせて欲しい。

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2011年2月 1日

「日本一新運動」の原点(39) ── 議会民主政治の原点を忘れた日本の国会

 1月26日(水)午後、小沢一郎氏と懇談した。用件は私が今年の春出版する『消費税をめぐる攻防』(仮案)(千倉書房)について、事前に知らせておくためであった。

 昭和62年に中曽根内閣が「売上税法案」を提出して、大紛糾の国会となる。議長斡旋で廃案とし、税制改革協議会を経て、翌63年に竹下内閣で消費税制度を成立させた。この間の私の日記や、各党からの要請にどう対応したのか、資料などを公開するのである。

 この時期、小沢さんは竹下幹事長の側近として、あるいは竹下内閣の官房副長官として大活躍していた。小沢一郎という政治家がいなかったら、消費税制度は成立していないと思う。表の話や裏の話など、当時の苦労話に一刻を過ごした。

 丁度、国会では菅首相が絶叫する「消費税増税と社会保障を一体とした協議」が、議論されている最中である。私は25年前の税制抜本改革を思い出し、「消費税と社会保障」の21世紀でのあり方について、小沢さんに意見を聞いてもらった。

■社会保障を消費税で賄える時代ではない

 菅首相は「消費税増税で社会保障を整備し、財政再建をすることが、平成23年という時点で国会議員の責任である」という趣旨のことを方々で大言壮語している。果たしてそうであろうか。私はそうは思わない。消費税を福祉目的税にして、社会保障制度を整備するという政策は、30年前に実現すべきことである。菅首相の絶叫は30年古い。

 平成6年2月の「国民福祉税法案」構想が、最後のチャンスだった。潰したのは誰か、菅氏が所属したグループだった。歴史観がまったくない。

 仮に消費税を10%とし、福祉目的税としても、現行制度をどんなに変えても、対応できる時期はせいぜい5年間で、たちまち破綻する。さらに現在の深刻な経済停滞の中で、現行5%の消費税を、さらに5%上げると、国民生活への影響は計り知れない。消費を萎縮させ税収を減らし、財政再建どころではなくなる。財政再建は確かに必要だが、自民政権や財務官僚の責任逃れ、菅政権の延命策でしかない。消費税増税による社会保障の整備論は、財政再建どころか経済を破綻させ、未曽有の混迷経済となる元凶だ。

 昭和62年の中曽根内閣の売上税の失敗は、総選挙でやらないと公約した大型間接税を、謀略的衆参同時選挙で勝利したことに悪乗りして、政権延命のために「売上税法案」を提出したのである。現在の菅内閣のパターンもこれにそっくりだ。一昨年の総選挙で、任期4年間は消費税率を値上げはしないと公約して政権交代を果たした。それを、1年も経たないうちに「消費税率値上げ」を突然に言い出し、参議院選挙に惨敗した。その反省もなく、巨大メディアの阿呆としかいえない幹部記者たちに煽てられて、政権延命として税制抜本改革を大言する。国民はこの不誠実さに怒るのである。菅首相の消費税増税論は、本来あるべき税制の本質的改革を妨げるものである。

 私は財政再建に反対しているのではない。真の財政再建を実現させるためには「国民の生活が第一」という国家社会にとって、どうしても必要な仕組みをつくらなければならない。そのためには官僚の帳尻合わせの財政再建であってはならない。資本主義社会の変質に応じ、人間の価値観が変化向上しなければならない。いま最も大切なことは、国家社会や経済発展の決定的要因は「人間の精神のあり方」であることを、政治家たちが自覚することである。政治家や官僚、既得権をもつ人たちの意識改革が先だ。

 一昨年、民主党への歴史的政権交代を選んだ国民を裏切って、何が財政再建か、社会保障の整備か。私は率直に小沢さんに尋ねた。"国民の生活が第一"・"自立と共生"は、新しい社会をつくるための正しい発想だ。しかし、国民に具体的にその思想や理念、そして系統的な政策についてわかりやすく説明する努力が足りなかったことが、民主党政権劣化の原因ではないかと。

 小沢さんは静かに頷き、私が持参した書籍を手にとった。それは日本一新の会の活動を通じて、元田厚生札幌大学院教授から頂いた『豊かさをつかむために--落ち穂を残す精神』(元田厚生著・中西出版)であった。その帯には「ミレーの代表作『落穂拾い』から"真の豊かさ"を考える。モノに依存しない豊かさとは何か? その豊かさを 実現するために 一人一人がすべきことは?そして、その豊かさをつくりだす 経済システムとは何か」とあった。財政再建の根本はここにある。

 小沢さんは「国民の一人一人が、幸せで豊かさをつかむために、あらゆる努力をしよう」と、力強く語った。小沢事務所の外には小沢番の記者たちが、今日にも検察審査会の議決による起訴が、あるかも知れないと待機していた。政治謀略による冤罪に間違いないと私は確信しているが、旧体制の政治権力と官僚、そして巨大メディアの「新しいファシズム」と闘いながら、政治家小沢一郎は、しっかりと国民を見つめているのだ。これを理解できない政治家たち、メディアに洗脳された人々の存在が、日本を亡国に導いていると思う。

■議会民主政治の原点を忘れた日本の国会

 このシリーズの中で、私は何回も日本の議会政治について意見を申し上げてきたが、現在の日本国会ほど、衆参両院議員も両院事務局も、民主政治の感性について劣化している時はなかったと改めて言いたい。

 私は、大学時代の修士コースで「日本憲政史」を専門的に学び、衆議院事務局で33年勤め、12年間参議院議員として政治改革の実現を目指し、引退後六年間は政治評論を仕事としてきた。

 現存する日本人の中で、誰よりも議会政治の実務、歴史、理念などに精通するとともに、責任を強く感じている一人だ。その私が断言したいのは、一昨年からの「小沢問題」(政治とカネ)は、政治謀略が検察を暴走させ、さらに裁判所まで法治国家を否定しようとしている恐ろしい問題である。

 こんなことが許されるなら、政敵になる政治家を簡単に葬ることができる、否、一般の人々でも検察が不起訴とした人物を、検察審査会が起訴すれば刑事被告人どころか、罪人にすることができるのである。こんな状況だと、明治憲法下の帝国議会の方が、はるかに議会民主政治の原点を知る政治家が多かったといえる。昭和9年の帝人事件での検察ファッショは、軍部の拡大を抑えようとした斉藤実内閣を倒閣させることになる。しかし公判で、藤沼庄平警視総監は「起訴は司法省の行刑局長の塩野季彦らが内閣倒壊の目的を持って仕組んだ陰謀だった」と証言したことで真相が判明したのだ。いまこんな士(さむらい)の官僚はいない。

 その後の日本の軍部によるファシズムを阻止しようと浜田国雄、斎藤隆夫らが堂々と本会議で、議会主義を守るため弁論で戦った。今日の「小沢問題」を議会民主政治の危機として理解する国会議員は、きわめて少数だ。多くの国会議員が「明日は我が身だ」と、どうして考えないのか。「社会的暴力装置」と成り下がった巨大メディアに同調して、与野党と多くの国会議員が「小沢問題」を究明しない姿勢に、私は大きな憤りを感じる。

 1月24日から始まった通常国会での代表質問で、「小沢問題」を議会民主政治の危機とする議論がなく、証人喚問など国会招致の立場からだけの議論であった。国会自身が「新しいファシズム」の枠の中で動くという最悪の状況を呈しているのである。こんなことだから、まともな政治ができないのだ。

 「小沢問題」を国民に誤解させた原因は、検察審査会に「強制起訴」という憲法違反の制度をつくった立法府にある。国会に責任があるのだ。その検察審査会が、行政か、司法か三権分立の原則からはずれ、法律上きわめて曖昧な権限の組織として立法したのも国会の責任だ。杜撰な予算管理には「裏ガネ疑惑」の情報さえある。検察審査会の実体を究明するだけで「小沢問題」が政治と司法官僚の謀略という本質が解明できる。ごく一部の国会議員しかこのことに関心がない。しかも、民主党岡田執行部はこの問題を取り上げる所属議員を弾圧している。

 このような事態に対応するため、森ゆう子参議院議員を中心に「検察審査会の疑惑を究明する市民と国会議員の会」(仮称)を組織することを計画中である。国会の各機関や各党、政府や司法関係機関に問題点を指摘して改革を迫ろうという、一大国民運動である。「日本一新の会」も参加して、積極的に活動することになるので、会員の皆さんにご協力をお願いする。

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◎日本一新の会事務局からのお願い

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Profile

平野貞夫(ひらの・さだお)

-----<経歴>-----

1935年、高知県生まれ。
法政大学大学院政治学修士課程終了。
衆院事務局に入り、副議長(園田直)秘書、議長(前尾繁三郎)秘書などを経て委員部長となる。
1992年、参院高知地方区で当選し、小沢一郎と行動を共にする。
2004年、参院議員を引退。
以降、言論執筆活動に専念する。

BookMarks

-----<著書>-----


『坂本龍馬の10人の女と謎の信仰』
2010年1月、幻冬舎


『平成政治20年史』
2008年11月、幻冬舎


『虚像に囚われた政治家 小沢一郎の真実』
2006年9月、講談社


『ロッキード事件「葬られた真実」』
2006年7月、講談社


『公明党・創価学会と日本』
2005年6月、講談社

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