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2010年12月31日

「日本一新運動」の原点(34)── 激動の平成22年を終えて

■激動の平成22年を終えて

 6月17日に発刊した「日本一新の会」のメルマガ運動は、早いもので半年となり激動の平成22年が終わろうとしている。この会に参加し協賛していただいた方々に、心から感謝したい。お陰さまで大きな成果を上げることができた。

 『週刊朝日』の新春合併号で、「小沢一郎"すべてに答える"茂木健一郎が迫る」という特集があった。茂木氏といえば著名な脳学者、その茂木氏が注目すべき発言をしている。「九月の代表選で、新聞・テレビの伝統的メディアが相変わらず「政治とカネ」問題を批判する中、ネットの世界では、ちょっとした「小沢ブーム」が起きていたんですよ。これは私にとって顕著な出来事だった」。

 日本一新の会が発信したメルマガの活動を評価したものだと思う。維持会員や、アドレス登録の皆さんのご助力によるもので、この機会に、改めて敬意を表したい。

 日本の政治がこれほど劣化したことは、明治以降で最悪といえる。私自身、日本にとって政権交代こそが民主政治を定着させる最大の課題と確信していた。衆議院事務局33年、参議院議員12年、そして政治評論を6年と、それ一筋に活動して、今年で後期高齢者となった。歴史的政権交代が実現したものの、菅・仙谷・前原・岡田政権となって国家の機能さえ失う政治運営といえる。これでは私も死ぬに死にきれない。

 これを12月25日の夕刻、小沢さんに話したところ、「お天道さんが見ているよ」とのこと。さすがに世の中を達観している。これで、来たる年には十分な闘いができると確信した。そこで私は昨年の政権交代から今年の菅政権の混乱について、「天道論」で分析して伝えた。

 「おてんとうさんは、日本の政治を壮大な構想で仕分けているんですな。昨年は自民党を仕分けて、政権の座から降ろした。今年は民主党が仕分けられている。この仕分けは来たる年に答えが出る。政権交代の歴史的意義の花が咲くことを信じましょう」

■菅内閣に協力するメディアの実体

 12月20日、小沢さんの政倫審出席をめぐって、「菅首相・小沢会談」と同時進行になったが、テレビ朝日の「ワイドスクランブル」で、私は田原総一郎氏と激論していた。「小沢問題は、社会心理的な暴力装置となったマスメディアが、政治や検察権力と結びつき、政界から"小沢排除"を企んだことによる」という趣旨の発言をすると、田原氏が猛然と反発してきた。テレビの生放送で、公然とメディア批判をしたのは初めてだったが、再びテレビ出演の依頼はないだろうと思っていた。

 そんな話を友人のジャーナリストにしたところに、まことに不可解な情報が入ってきたが、それは、巨大メディアの来年の報道方針のことである。これが現代のメディアの実体かと思うと、私たちの闘いは容易なことではない。

 朝日新聞からテレビ朝日に非公式に伝えられたといわれる話だが、これからも小沢氏に関しては、悪いイメージを国民に持たせるような報道を継続するとのこと。理由は、来年、菅内閣は「納税のための国民総背番号制」を導入することになる。そのための法案を国会に提出して審議が行われる。当然、国民の反発は厳しく、巨額の広報費を使って賛成の世論づくりをすることになる。小泉内閣の時の裁判員制度で、それをやり批判されたことだ。それ以上に菅内閣はメディアを悪用することになるだろう。

 聞くところによると、購読者・広告費減少で経営に苦しむ巨大メディアは、この巨額な税金をめぐって実質的な談合が行われているとのこと。菅官邸とメディアは阿吽の呼吸で、政府広報費という税金を配分する代わりに、「小沢叩き」を強化し続ける方針のようだ。また、こんな話もある。「上からの指示で小沢叩きということではまずい。現場が自主的にやるようにしてくれ。札付きの平野(貞夫)なんかを、ガス抜きに時々呼んでもよいが、"こんな人柄の良い人"が小沢支持かと視聴者に感じさせる人物は呼ぶな」という話が交わされているようだ。そういえば、27日夕刻、自宅に帰るとテレビタックルから、年明けに録画出演してくれとファックスが送られてきた。

 既に新しい「小沢叩きプロジェクト」は始まっている。26日のテレビ朝日の「フロントライン」では、反小沢メディアの主軸・後藤謙次氏が聞き役となって、仙谷官房長官にインタビューを行い、長時間にわたって小沢叩きを行った。問責決議がなされている官房長官をのうのうとテレビに出すことも問題だ。

 後藤氏は共同通信の幹部で、竹下登に可愛がられ、その手先として、平成7年に結成された「三宝会」という、政・財・マスコミの秘密結社の主役であった。55年体制の発想から抜け切れないジャーナリストで、話を聞いていると竹下首相の小沢に対する怨念をぶつけている感じだった。それとTBSの「時事放談・新春特別番組」では、武村正義元官房長官と、仙谷現官房長官の対談とのこと。二人とも日本を亡国に導く権力亡者で、菅首相とともに、ソ連のスターリン派のようなものだ。忘れられているかも知れないが、武村氏は細川連立政権を潰した張本人で、米国のクリントン政権から「日本の政権の中心に北朝鮮のエージェントがいる」といわれた人物である。

■「検察審査会問題研究会」の報告

 12月24日(金)、憲政記念館で行われた「検察審査会問題研究会」は、森ゆう子参議院議員と、落合洋司弁護士を講師に迎え、約50名のそれぞれのグループの代表が参加した熱心な勉強会であった。研究会で採択された「声明文」や、3人の弁護士・検事職に宛てた「公開質問状」は発信済みなので省略するが、森ゆう子議員が発言した重要な情報を報告しておく。

1)検察審査会の審査員は「公正なくじ引き」で選ばれる法令になっているが、この「くじ引きソフト」は恣意的に審査員を選べることが実験で証明された。(昔の丁半賭博で床下から長針でサイコロをうごかしていたようなこと)。従って、小沢氏の議決を行った審査員が公正に選ばれたのか、疑問がある。

2)検察審査会の開催情況など、組織として当然のことが、まったく情報開示されておらず、幽霊審査会といえる。予算措置についても不可解なところが多く、現状では予算を計上すべきではない。

3)検察審査会は三権分立のどこに属するのか、所轄大臣はいるのか、起訴議決2回で強制起訴という行政権を行使することになっているが、行政機関としての法律上の位置づけはない。従って憲法違反の存在である。

4)東京第五検察審査会の小沢氏についての2度目の審査や起訴議決が適正かつ合法的に行われたのか不可解な点が多く、情報を開示すべきである。例えば、9月23日か24日かに、特捜検事が第五検察審査会に呼ばれ説明を行っているという確かな情報がある。何のための説明か。9月14日に2度目の起訴議決したことになっているが、検察からの説明はあったのか。起訴議決が適法に行われていない可能性があり、解明すべきである。

5)最高裁が所管する予算のうち、コンピューター・ソフトに関係する入札や納入の状況にきわめて問題が多く、裏金づくりや天下りに利用している可能性がある。平成23年度予算審議で厳しく調査する必要がある。

以上は、森ゆう子議員のホームページ(http://www.mori-yuko.com/)に、諸資料とともに掲載されているので参照されたい。

■再び「小沢氏の国会招致」問題について

 12月27日(月)、午後2時から開かれた民主党役員会に菅首相が出席した。注目されたのは、「政治とカネ」について、菅首相や岡田幹事長の「自発的に政治倫理審査会に出て説明すべきである」と強要することに小沢氏が応じないことについて、役員会として"出席説明することを議決する"という、わけのわからないことが協議の主要な課題というから笑い事だ。

 菅首相や岡田幹事長は、野党が国会審議に協力しないこと、各種の選挙で民主党が惨敗を続けている原因は、小沢氏の「政治とカネ」の問題にあると公言している。それでは、12月26日の西東京市議選挙の惨敗をどう思っているだろうか。菅首相のおひざ元のこと、まさか小沢氏の「政治とカネ」を理由にするわけにはいくまい。そこまでいうなら「政治とカネ」のどの部分を説明しろというのか、具体的に示すべきだ。

 平成6年の新生党解党にともない、残った資金を「改革フォーラム21」に移したが、その中に巨額な税金(立法事務費)が入っていたとの虚偽報道が繰り返された。テレビや新聞は「違法ではないが、政治資金制度の本旨に反する」と一斉に小沢叩きを行った。しかし、よく事実を調べてからにして欲しい。一円も税金は入っていないし、所定の手続を経た合法的な政治資金であり、繰り返しになるが、昨夏の政権交代を成し遂げた大きな要素でもあった。それでも、過剰に批判を繰り返しているメディアがあるが、法的措置をとることも考えたい。

 小沢氏の国会招致について、役員会では輿石参議院会長が「次期通常国会までに決着させてはどうか」と、岡田幹事長に助け舟を出して年明けに先送りとなった。菅首相の眼の前の話だ。相当に頭に来たらしく、菅首相は夕方の記者会見で「国会招致を拒否し続けるなら、党の決定に従わないことになり、出処進退を含めて本人が考えて頂くしかない」と、自発的な離党を促した。どんな脳の構造をしているのか理解できない。

 政治倫理審査会の「自発的出席説明」は、党とか国会の決定で行うものではない。議員の人権を守るものとして制度化したものだ。「自発的離党」を党代表が強要するとは、「結社の自由」という憲法の原理を踏みにじるものだ。

 そのくらいのことがわかっていなければ、総理は勤まらないと思うが、これでは国の行き先は真っ暗だ。

 官庁の御用納めで永田町が、年末の挨拶回り気分が流れる28日、小沢氏は突然に記者会見し、別紙の『挙党一致で「国民の生活が第一。」の政治を実現するために』という所見を発表した。「私が政倫審に出席することにより予算審議が円滑にすすめられるということであれば、常会の冒頭にも出席し、説明したい」とのこと。さて、菅首相・岡田幹事長、どうしますか。それでも、「自発的離党」を強要するのですか。


 最後に、日本一新の会・維持会員の皆さん、そして、さまざまな機会を通して、この「メルマガ・日本一新」を読んで頂いている無数の読者の皆さん、ご健勝にて新年を迎えられますようお祈り申し上げますとともに、「国民の生活が第一。」の実現に向けて、日本一新の会は皆さんと共にあることをお約束して、暮れのご挨拶といたします。

別紙 小沢氏記者会見ペーパー添付

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挙党一致で「国民の生活が第一。」の政治を実現するために

 私はこれまで、菅代表及び岡田幹事長から、自発的に政治倫理審査会へ出席するよう要請を受けてまいりました。それに対し、私は、政治資金に関する問題はすでに具体的な司法手続きに入っており、三権分立や基本的人権の尊重という憲法上の原理原則からいえば、立法府の機関である政倫審に出席する合理的な理由はない、ただ、私が政倫審に出ることで、国会運営が円滑に進められ、あるいは、選挙戦においても国民の皆様の支持を取り戻すことができるということであれば、政倫審に出席することもやぶさかでないと、繰り返し表明してまいりました。

 そうした中で、先般、民主党の最大の支持母体である連合から、挙党一致の体制で難局を乗り越えるよう、強い要請を受けました。また、国民の皆様、同志の皆様にも、多大なご心配をおかけしていることを、大変申し訳なく思っております。これらのことを総合的に考え、私は政治家の判断として、来年の常会において、政倫審に自ら出席することを決意致しました。

 具体的に申し上げます。

 第一点目として、常会において私が政倫審に出席しなければ国会審議が開始されないという場合、すなわち、私が出席することにより、予算案の審議をはじめ、国会の審議が円滑に進められるということであれば、常会の冒頭にも出席し、説明したいと思います。

 第二点目は、私が政倫審に出席するかどうかということが、国会審議を開始するための主たる条件ではないということであれば、国民の生活に最も関連の深い予算案の審議に全力で取り組み、その一日も早い成立を図らなければなりません。したがって、私はこの場合には、予算成立の後速やかに政倫審に出席したいと考えております。

平成22年12月28日衆院議員 小沢一郎

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2010年12月23日

「日本一新運動」の原点(33) ── 菅首相への手紙

 拝啓 ご無沙汰しています。臨時国会が終わって、テレビでの様子をうかがうと随分とお元気そうで何よりです。

 電波料金オークション? を諦めたようですが、さぞかし、テレビ各社の評判がよろしいでしょう。パフォーマンスが多くなりましたね。これからは支持率も上がってくるでしょう。メディア・ファシズムで白痴化した国民が多くなりましたので期待できますね。

 それにしても、私達にはない貴方の才能には驚きます。縁のあった人やお世話になった人たちを、ことごとく裏切り、嘘言を気にせず堂々と世の中を渡り、日本国の内閣総理大臣に就任されたことです。

 市川房江先生は彼の世でなんと言っているでしょうか。これからは、貴方がこれまで人々に与えた嘘言や不信感がはね返ってきます。

 そこで今日は、貴方が困っている問題について、かつてのように直言しますので参考にして下さい。

■貴方は憲法政治をほとんど知りませんね。

 小沢さんを国会に招致して「政治と金」について説明させたいようですが、果たしてそれで支持率が上がりますか。私は小沢さんと30年以上付き合っていて、不法な金や不正な金に、一切関わっていないことを知っています。旧新生党の資金や公金を私物化したと、貴方が批判したとの報道がありましたが、自民党が、政権を奪われた恨みでとやかく言うのならともかく、貴方が目くじらを立てるのは理解できません。

 小沢さんは国家と国民のため、日本に真の民主政治を実現しようと、法律の許す範囲で蓄積してきたのです。貴方と違って、小沢さんは自分に異常な政権欲がない人で、この国と他人様のためという信条で合法的な資金を大事にし、ここが日本の民主政治にとって「関ヶ原」というところで勝負したのであり、貴方のグループの人などにも配分しています。

 一昨年来、麻生自民党政権が民主党に政権を渡すまいと「日干し作戦」をとり、民主党では事務所費が払えない候補者、供託金すらも準備できない人が多数いたことを、自分のことしか考えない貴方は知らなかったのでしょうね。選挙での台所役というのは大変ですよ。あの資金があったからこそ政権交代ができた、と私は確信していますよ。このことは、政治について常識のある人なら理解していただけるはずです。

 さて、貴方が拘っている小沢さんの国会招致ですが、12月20日には、一時間半も二人で話したようですね。報道を見るかぎり、貴方は「政治倫理審査会」について、「何も知らないな」と感じました。

 そこで、私は衆議院事務局にいるとき、政治倫理制度をつくる担当課長でしたから、基本的なことを説明しておきましょう。

1)貴方は小沢さんに「自ら審査会に出て疑惑を説明しろ」と、規程第二条の二にもとづく対応を強要したようですが、これは小沢さん本人がどう考えるかを前提にしたものです。個人の倫理観にもとづく人権として設けたものです。従って、国会とか党といった組織が強要すべきものではありません。ましてや、政治倫理制度は国会対策や政治抗争などに利用しないためにつくられたものです。従って、岡田幹事長が「国会対策のため、小沢さんに自ら政治倫理審査会に出てもらう」という発言には問題があります。それを行政の長である貴方が感情的で恐喝的強要を行っている。小沢さんの人権を侵害していると同時に、国会でやることに対する重大な干渉です。メディアや有識者の多くは「小沢排除」で、既得権で生きる人たちですから、貴方と感性は同じで「社会心理的暴力行為」といえます。

  これは法律による権利を侵害するファシズムです。

2)小沢さんは貴方の強要に対して、弘中弁護団長の記者会見の要旨を説明し、「司法手続に入った段階で出席することは避けたい」と断りました、貴方は「小沢さんは拒否した」とマスコミにコメントして、「小沢悪人論」を印象づけ、さらに、あらかじめ調べてきた資料を使って、「政治倫理審査会でも裁判中に出席した議員がいる」と言い、平成八年の加藤紘一氏の例を挙げ小沢さんに出席を強要したようですね。貴方の説明は間違いですよ。加藤さんは裁判が終了したから出席したのです。貴方は言葉のすり替えの天才ですね。「裁判後」を「裁判中」と故意に言葉をすり替えたうえで、相手に強要していく。これが貴方の政治手法で、国民はこのやり方に反発しているのですよ。

3)それでも小沢さんは応じない。そこで20日の民主党役員会で、枝野幹事長代理が小沢さんの国会招致を野党と同じ「証人喚問で」と発言したようですね。貴方もその検討を指示したと報道されています。貴方たちは正気ですか。憲法による国会運営の基本をまったく知らないようですね。枝野さんも仙谷さんも弁護士でしょう。

  よく司法試験をパスしたと感心します。

 念のために申し上げますが、憲法の圧倒的多数説は「裁判係属中の事件で、被告や裁判官を証人喚問することは許されない」というものです。その件で国会議員を証人喚問したことはありません。例外として民間人を証人喚問した例が二件あります。

(イ)平成九年の泉井証人で、山崎拓議員に資金を渡したとの記者会見を国会の証言で確認しようというものでした。

(ロ)三木証人(山一証券元社長)は、倒産の社会的責任と政界対策が問題でした。貴方は、野党が小沢さんの証人喚問を要求しているのは、民間人の例があるから、民主党がその気になれば出来るとの意向のようですね。そんな三百代言政治は止めるべきですよ。

 もし強行すれば国会の自殺行為です。小沢さんを国会に招致すべしとの世論の実体は、私に言わせれば「社会心理的暴力装置である巨大マスメディア」がつくりだしたものです。それを今、内閣総理大臣が悪用しているわけで、証人喚問となれば国会が乱用することになります。そもそも小沢さんを証人喚問する理由づけに正当性はなく、さらに憲法の運用に著しく反します。完全な、「メディア・ファシズム」です。

 あっ、そうそう、大事なことを忘れていました。貴方は10月7日の起訴議決後に、小沢さんが「国会が求めるなら出席して説明する」と記者団に語ったことを取り上げて、「国民との約束を守れ」と強要したようですね。確かに小沢さんの発言は検察審査会が二度目の起訴議決を発表した後でした。しかしその後、起訴議決無効の行政訴訟などを行い現在では裁判のための調査が始まり、近々裁判が始まるという状況です。自分に都合のよい情報だけで、物事を推し進めようとすることは、為政者の資格はありませんね。もっと事態の本質と動きを理解すべきです。

 最後に申し上げたいことは、貴方の失政は沢山ありますが、最大の憲法政治の汚点は「尖閣列島沖の中国漁船問題」です。逮捕した中国人船長を「沖縄地検の判断で釈放した」とは、政府の公式発表ですが、私は嘘言だと思います。釈放の理由は検察権を超えたもので、明かな憲法違反です。これを政治が放置しておくことは、わが国の国家機能が不全であることを放置しておくことと同じです。

 そこでこの問題の真相を解明することが、わが国の国際的信用と国内的統治の原点と思います。貴方や仙谷官房長官の国会答弁は虚偽だと私は思います。

 年明けの政治の始まりはこの問題からです。自民党も公明党も国家のあり方という基本問題ではなく、小沢国会招致という内向きの国会対策のやりとりしかできない政治家ばかりになって残念です。国会で証人喚問されなければならないのは小沢さんではありません。中国人漁船長を釈放する指揮権を発動したのは貴方かどうか、菅直人総理大臣こそ証人喚問されなければならない問題です。

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2010年12月17日

「日本一新運動」の原点(32) ── 「小沢問題」にみる「平成のメディア・ファシズム」

 わが国で、深刻なファシズムが始まっていることに気がついている人は何人いるだろうか。「平成ファシズム」といってもよいし、実体から言えば「メディア・ファシズム」ともいえる。

 「小沢問題」とは、昨年3月の西松事件から始まり、陸山会事件などについて、「小沢氏は国会で説明責任を果たしていない」との野党要求に対し、与党民主党執行部が最初は国会対策として、その後は菅政権の延命策として、小沢氏をまずは政治倫理審査会等の場に引っ張り出そうとして、民主党内が混乱している問題である。「小沢問題」は政治倫理審査会で審査できる問題ではない。マスメディアが言論の暴力で、小沢排除の先頭に立ち、民主政治を崩しているのが問題である。

■ファシズムとメディア

 「ファシズム」をひと言で定義するのは難しい。平凡社の世界大百科事典を要約すれば「資本主義の全般的危機の産物であり、崩壊しそうな資本主義を守るため、権力が市民の民主主義的諸権利を踏みにじり、議会の機能を麻痺させ暴力的支配をおこなう」となる。現代のファシズムを論じるとき、何が「暴力的支配」に当たるかが問題となる。

 「自衛隊は暴力装置だ」と国会で場違いの発言をして問責決議案が可決され、居座りを続けている大臣がいる。参考になる話だ。現代社会の「暴力装置」は、『巨大マスメディア』といえる。「馬鹿なことを言うな」と、「社会心理的暴力装置」の代表者ナベツネさんたちは怒ると思うが、心理的には間違いなく「暴力装置」だといえる。

 現代の情報社会では、マスメディアは完全に立法・行政・司法に次ぐ第四権力である。前者三権は憲法で規制されているが、マスメディアは野放し状態である。実体として立法・行政・司法の三権は、マスメディアがコントロールする世論によって影響を受け支配されているのだ。

 さらに、第四権力の本質は、資本主義的利権と特権を持って、社会の木鐸たる役割を放棄した利益企業として存在している妖怪である。グローバル化とIT技術の発達という資本主義の崩壊的危機の中で、生き残りをかけて巨大マスメディアは、既得権(記者クラブ制・クロスオーナーシップ・低廉な電波料金)を死守しようとしているのが現実である。それを改革しようとする小沢一郎の存在を彼らは許さず、襲いかかっているのだ。

■「暴力装置」としてのメディアの実体

 12月13日(月)、永田町は朝から「民主党分裂か」と緊迫した。同日午後の常任役員会で、岡田幹事長が「小沢氏の政治倫理審査会での説明出席を、役員会の議決で決める」との動きが出たためであった。

 結果は、幹事長一任となり先送りで、有耶無耶となった。小沢グループの有志が「議会民主政治に反し、正当性がない」との「決議」を岡田幹事長に渡して抗議するなどの動きに影響されたようだ。

 小沢氏の国会での説明については、臨時国会で野党が要求したものである。国会正常化の条件の一つであったが、現場の与野党で「小沢氏が出席説明できる環境を整備するよう努力する」ことで合意していたものである。それを岡田幹事長が「政治倫理審査会で説明するようにする」と、与野党幹事長等会談で約束したことで混乱が始まった経緯があった。それを菅首相や仙谷官房副長官が「小沢排除」に利用して、岡田幹事長の独り芝居となったわけである。一部の見方では、党議に反した場合、小沢氏を離党させて他党と連立や提携を深めようとの魂胆があったといわれている。この日から翌十四日にかけての各TV局は一斉に「小沢は岡田幹事長の要請を受けて、政倫審に出席して〝政治と金〟について説明するのは当然だ」と「小沢叩き」一色となった。特に酷かったのが朝日の星氏と時事の田崎氏であった。社命の背景があったかも知れないが、この二人が「メディア・ファシズム」の政治部門の旗手といえる。

 翌日の朝刊も酷かった。各紙とも岡田幹事長を支援する論調や解説で、新聞社もここまで劣化したのかとあきれ返るほどであった。特に呆れたのは読売と朝日で、『小沢氏の招致を先送りするな』(読売)では、「菅首相が通常国会に向けて態勢を立て直す第一歩が、小沢氏の政倫審招致実現である」と論じ、菅政権の無能力を小沢氏の責任にする暴論である。

 朝日は岡田幹事長と同じように、正気の沙汰でない社説であった。『小沢氏はもう逃げるな』という見出しで、小沢氏の「政治と金」を民主党にとっての「宿痾」(しゅくあ)だと断定している。

 えらい難しい言葉を使って教養ぶりを見せびらかしているが、そこが朝日のイヤラシさだ。これこそ背広を着た暴力団とどこが違うのか。まさしく「言論の暴力」だ。小沢氏が自民党を出て、真の政権交代を遂げるまで、政治資金について法規を遵守して、どんな苦労をしたのか、私がもっとも知っている。

 朝日がそこまで言うなら私にも言い分がある。五十五年体制下で、私が付き合っていた朝日のOBや現職幹部が取材や報道という名目で、どんなスキャンダルや、政治家との関わりをしていたのか、黙っているわけにはいかない。

 聞くところによれば、朝日の社内では「官邸機密費」にふれることは禁句とのこと。立派な建前を偽りで続けていくことは、菅首相や仙谷官房長官らの感性と同質だ。戦前のファシズムを創ったメディアでは、朝日の戦争責任が一番大きい。「平成のメディア・ファシズム」の源は、小沢氏を政界から排除しようとする、朝日新聞にある。

■政治倫理審査会の本義を知れ

 ロッキード事件に始まった政治倫理制度の創設に、私は約10年間、衆議院事務局の担当者として関わってきた。国会議員はじめ、メディア有識者が、政治倫理審査会の本義を知らずに議論していることに、ファシズム化を深めた日本の政治の悲劇がある。政治倫理審査会の審査は、

1)議長が、法令で決める規定に「著しく違反した」議員の政治的・道義的責任を審査することにある。

2)それは行為規範か、資産公開法か、政治資金規正法に違反したことが前提である。

 小沢氏の場合、秘書や元秘書が起訴された「政治資金規正法」が前提となろう。政治的謀略で起訴となった収支報告は適法であったとの論が大勢であるが、仮に起訴どおりとしても「著しい違反」ではない。従来なら総務省の行政指導により訂正で済ませていたことである。小沢氏は共謀を疑われて、何回も取り調べに応じ、二度にわたり検察が不起訴にした事件で、その都度記者会見で説明している。審査会の対象になるものではない。

 審査会が審査を行うについては、まず、審査会規程第二条で委員の三分の一以上の申し立てが必要である。現在野党だけでは員数が足りなく、民主党の同調が必要となる。そのことで民主党内が紛糾しているのだ。

 仮に申立をするにしても「著しく違反していることを明らかにした文書」が必要である。小沢氏を申し立てる場合、政治資金規正法に著しく違反したことを明らかにする文書など作成できるはずはない。

 次の方法は審査会規程第二条の二で、不当な疑惑を受けたと議員が自ら審査の申し出を行う場合である。小沢氏は不起訴の状態である場合、この規程により審査会に出席して、疑惑が不当であったことを説明するために申し出るつもりであった。代表選等で審査会に応じるとの発言はこのことであった。

 しかし、10月4日、検察審査会が二度目の起訴議決を行ったことを発表。小沢氏側が行政訴訟を起こし司法手続に入った。そして近々本格的裁判が行われることになっている。この状況で、審査会の審査や調査に応じることは、裁判に影響を与えることになり、国政調査権の限界をこえることになる。三権分立の原理を守るためにも応じるべきではない。

 岡田幹事長は「裁判に関わることではなく、政治責任を取り上げることなので別だ。世論の大勢が国会で説明しろといっている」と発言しているが、とんでもないことだ。審査会で政治責任を審査することは、事実関係を抜きではできない。当該裁判に直結することである。世論の大勢というが、「心理的暴力装置」のメディアが創りあげたものに、依存するとはあきれたことだ。

 政治倫理審査会は何のために設置されたかというと、グローバル化し、情報化した国家社会で、健全な議会民主政治を発展させるためのものだ。国会議員の人格的・経済的倫理を確立させることが目的であった。制度をつくるとき、もっとも配慮したことは審査や調査を行うにあたって、議員の職務や権限を侵すことがないこと、政治倫理確立という美名を利用して、国民主権で有権者から選ばれた地位を侵害しなくするため、などであった。例えば、「議員辞職勧告決議案」の提出をやめること、政治倫理問題を国会対策などに利用しない、といったことである。

■官邸と岡田幹事長が小沢氏の国会招致に拘る理由

 12月15日(水)夜、仙谷官房長官が語ったといわれる重要な情報が入った。「小沢氏が起訴され裁判が始まると、元外務事務官・佐藤優氏のように休職扱いにすべきだ」とのこと。真偽はわからないが、総会屋や暴力団を庇う弁護士の考えそうな話だ。要するに菅政権にとって、「国民の生活が第一」とする小沢氏をどうしても排除したいようだ。そのため、さまざまな手を使って道理に合わないカードを切っているのである。

 そう言えば、検察事情に詳しい人の話だと、柳田法相の2ヶ月間に何もやらなかったといわれているが、実は官邸が検察をグチャグチャにしたとのこと。尖閣列島問題だけのことではないらしい。第五検察審査会の不可解な動きに官邸が関わっていた可能性がある。来年1月13日の民主党大会前日の12日に、小沢氏が起訴されるらしいとの日程は、官邸の党大会対策との情報もある。

 小沢氏の国会招致をこの線上で見ると、恐ろしい謀略で日本の政治が動かされているといえる。政治倫理審査会で「小沢問題」の審査を行うことに正当性はない。証人喚問に至っては暴論、暴挙である。

 小沢氏を苦しめた一連の事件は、政権交代を阻止する自民党旧体制と検察がメディアとコラボレーションをした弾圧であった。それを政権交代以後の菅政権が引き継いだのが実体である。民主党がまっとうな政党なら、「小沢問題」は、民主党が自民政権の謀略と検察ファッショ性を追求すべきことだ。

 歴史は繰り返すというが、昭和9年(1934)の帝人事件・検察ファッショを思い出す。検察のデッチアゲであることが警視総監の証言をきっかけに判明したが、斉藤内閣は倒れ、翌年には「天皇機関説事件」、次の昭和11年には「2・26事件」が起こり、日本はファシズムの波に洗われることになる。しかし、気骨のある議会人・斎藤隆夫や浜田国松らは議会政治を守るため生命を懸けた。21世紀の国会では、「平成のメディア・ファシズム」侵攻の危機を訴える政治家は未だいない。

 しかし、私たちは悲観してはいけない。「平成のメディア・ファシズム」に気づいて、真実の情報を伝えようとするITネットの努力を知っている。この人たちと共に「メディア・ファシズム」と闘っていくのが「日本一新の会」である。

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2010年12月12日

「日本一新運動」の原点(31) ── 岡田幹事長の政治感性は正気か?

■議会民主政治を壊す「小沢叩き」

 11月30日(火)、選挙管理委員会は政治資金収支報告を発表した。マスコミはこぞって小沢一郎氏関係の収支報告に問題ありとして、一面トップ扱いで「小沢叩き」を展開した。「法律違反ではない」と断っているものの、緊迫した政局の中で検察審査会の憲法違反の議決が始まろうとするとき、マスコミが、政党政治のイロハを知らない学者や、反小沢の政治家を総動員しての、「小沢排除」の展開である。

 政治資金規正法に基づいて、適正に報告したことに対しての個人攻撃であり、この国の民主主義の不健全さには呆れはてる。

 問題のポイントは二つある。

(1)平成6年に新生党が解党したとき、「改革フォーラム21」に移された資金のうち、4億7900万円の立法事務費(税金)が含まれていた。税金から流れた資金を個人の支配下で活用することは「小沢錬金術」といえる。

(2)「改革フォーラム21」が、昨年7月の衆議院解散のとき、民主党岩手県第四総支部を経由して、陸山会に3億7000万円を移し、そこから91人の候補者に配分したことは、資金を迂回させたもので問題がある。

 私は、平成19年3月から昨年10月まで、「改革フォーラム21」の会計責任者であったことから、知っていることについて説明しておきたい。その前に、「改革フォーラム21」とは何かを、国民に理解してもらう必要がある。

■「改革フォーラム21」の歴史など

 平成元年4月25日、当時の竹下登首相はリクルート事件の責任をとり、退陣を表明した。その際、自民党政治改革本部(本部長・伊東正義氏)がまとめた『政治改革大綱』を提示して、「政治への信頼回復のため、これを実現して欲しい」と、自民党に要請するとともに、国民への公約とした。

 同年8月に発足した海部・小沢政権が、竹下首相の公約を受けて「政治改革」に着手する。ところが、言い出しっ屁の竹下首相がこれにブレーキをかけてくる。その結果、海部内閣の政治改革は失敗した。

 海部首相が退陣し、宮沢喜一氏が首相に就任し「政治改革」を公約するが、その最中に、竹下経世会は分裂する。

 マスコミは「小渕と小沢による、猿山のボス争い」と酷評したが、真実は「政治改革をめぐる理念」の闘いであった。改革を主張する羽田孜と小沢一郎らが、経世会を離脱し「改革フォーラム21」を結成することになるが、それまで参議院で無所属でいた私も参加した。

 平成5年6月、宮沢内閣は公約した「政治改革」を放棄する。「改革フォーラム21」に所属する衆議院議員は、野党提出の、「宮沢内閣不信任決議案」に賛成し、可決となり衆議院は解散となる。そして「改革フォーラム21」の四十名の衆参国会議員が、全員で新生党を結成した。そして非自民細川連立政権樹立の主役を果たすことになる。

 平成6年6月、非自民細川連立政権は崩壊し、自社さ政権が成立する。それに対抗して同年12月に「新進党」が結成される。同時に、新生党は解党となる。その生みの親、「改革フォーラム21」の基本理念は「真の議会民主政治の実現」と「日本改造計画の実現」であった。

 新生党を解党した際、その政治理念実現のため政治団体の「改革フォーラム21」に資金を移すことになった。新進党に参加した「民社党」も解党し政治団体「民社協会」に同じような対応をしている。政党の結成や解党には、支援組織との関係もあり、このような対応がしばしば行われている。

■「改革フォーラム21」への疑問に答える

 毎日新聞やTBSらのマスコミは、平成6年に新生党に入った税金(立法事務費)4億7900万円が、「改革フォーラム21」に移されたと、意図的に誤解させる報道をしたが、とんでもないことだ。前回のメルマガで説明したように、立法事務費は衆参両院の会派の立法活動に使われるものである。取り扱いは、一旦、党の収入として、その後両院の会派に配分する方法がとられている例が多い。さらに国会活動に幅広く活用されることが認められており、各党がその方法で運用している。

 各党とも税金である立法事務費は年度内に使い切るという考えで対応しており、新生党も当該の年度に使い切るというやり方であった。

 「改革フォーラム21」は、新生党の前身であったことから評価も高く、新生党からの寄付以外に小沢氏を支援する団体からだけでも、3億円を超える寄付があったと、当時の会計責任者から聞いているし、政党助成金制度はこの時期はまだ施行されていなかった。

 活用については「国家と国民のため、真の議会民主政治を実現する」ことが、関係者のコンセンサスであった。その後、新進党での内部対立から政党の分裂・結成が続き、政権交代による健全な議会民主政治の確立が、国民的課題となった。昨年の衆議院選挙は、まさに国民の意思による政権交代が行えるかどうかの、天下分け目の選挙戦であった。「改革フォーラム21」の理念が活かされる機会が、ようやく到来したのだ。

 次に、「改革フォーラム21」の資金を、岩手4区総支部を経由して、小沢氏の資金管理団体である「陸山会」に迂回させたことが問題だとの批判がある。「改革フォーラム21」の歴史と理念、そしてさまざまな政治変化の中で、これが適切だと判断したものであり、批判を受ける筋合いのものではない。さらに「陸山会」から91人への配分を見れば、小沢氏の私物化ではないことも明かではないか。

■岡田幹事長の政治感性は正気か?

 岡田幹事長は「新生党の残金は、国に返納するか寄付すべきである」との発言を繰り返しているが、これは違法の疑いさえある「暴論」である。それよりも、政党政治の原理と実態を理解していないことの証明である。政党はきわめて複雑な状況の中で、結成されたり解党したりするものだ。そのため議会民主政治の原理の範囲で、柔軟な規制の制度がつくられるようになっているのであり、それを理解すべきだ。

 「改革フォーラム21」を結成した頃、小沢氏は私に「船田元や岡田克也を立派な指導者に育て、トップリーダーにするのが僕の役割だ。二人に政治の厳しさを教えるのが、平野さん、あなたの仕事だ」と言っていた。それらの資金は岡田政権をつくるためとの発想もあったと思う。先輩政治家の思いを感じることのできない形式主義者では、政治家としての資質に欠ける。

 臨時国会が終わって、岡田幹事長が悪霊に憑かれたように動き出したのが、小沢氏の国会招致である。狙いは、次の二点である。

(1)茨城県議選惨敗を見越して、責任を小沢氏の「政治と金」に転嫁すること。

(2)仙谷国務大臣らの問責決議で辞任要求を棚上げすること。

 政権交代を実現させた最大の功労者で、自分たちの指導者を、政権維持や国会対策に悪用する不条理や不見識さも、ここまで落ちたかと思うと残念だ。こんな人間性に欠ける政治家たちと、一時的とはいえ、政治活動を共にしていたかと思うと、自分が嫌になる。

 小沢問題は、政権交代の阻止と小沢氏を政権から排除し、旧体制を維持するため、自民政権から菅政権が引き継いだ政治謀略である。

 私は衆議院事務局時代、政治倫理審査会や証人喚問制度を創った専門家である。小沢氏を国会に招致する論拠はまったくない。これを強行すれば、憲法違反の検察審査会の行為と同じく、国会の自殺行為になる。

 衆参両院は何時から大衆ファシズムの手先に成り果てたのか。菅首相も政治家として資質に欠けるが、谷垣自民党総裁の証人喚問要求に至っては、それでも東大を出た弁護士かと、能力を疑わざるを得ない。

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2010年12月 3日

「日本一新運動」の原点(30)── 「政治資金収支報告」に対する謀略的報道

■国会開設百二十年記念式典に参加して

 11月29日(月)、国会開設120年記念式典が行われた。80年記念式典と100年記念式典に、衆議院事務局職員として関わっていたので、最近の国会の様子を体験できると思い参加してみた。

 式典というものは堅苦しいものであるが、時代や構成員の精神が象徴的に出るものだ。いくつかの驚いたことがあった。

 まず、現職の衆参国会議員の参加が少なかったことだ。200名前後と思われたが、最近の国会議員は何を考えているのか。議会政治の歴史を振り返ろうとする感性がなくなっているのは残念である。これでは国会の将来は危ない。

 次に、衆参両院議長、内閣総理大臣、最高裁判所長官の挨拶がまことに、心のない内容だ。横路衆議院議長は、たんたんと何の抑揚もなく主な出来事を述べるだけだった。西岡参議院議長は、少し力を入れてこれからのことに言及したが内容は乏しかった。菅首相に至っては、「自由民権運動から始まった国会」と発言した。まるで今の国会で自由民権が実現しているかのような話で、中学生の教科書の内容だ。120年の式典を汚すものであった。事務当局も反省すべきことではないか。

 救われた思いがしたのは、天皇陛下のお言葉であった。共産党支持者には叱られるかも知れないが、紹介しておきたい。

 「さまざまな時代を経たこの長い歳月を顧みるとき、議会が、わが国における議会政治の確立に努め、国の発展と国民生活の安定向上に力を尽くしてきたことに深い感慨を覚えます」というところに感銘を受けた。

 新憲法を十分理解されている天皇陛下のお言葉で、全体の文意はその点が生かされていたが、紹介した部分に私は特別の思いを感じた。それは昭和天皇のご意向ではないかと、驚きながら推定した。私の解釈は「長い歳月を通じてさまざまなことがあったが、議会として、議員たちはいろいろな制約の中で、頑張って議会政治を確立させ、国を発展させてきたのだよ」と聞きとれた。もう一歩踏み込んで考えると、「今の国会は何をやっているのか、国民の生活はどうなるのか」というご心配のお言葉だと感じたのは私だけではない。

 昭和34年から平成4年まで、私は衆議院事務局に勤めていた。その後、12年間参議院議員として議会政治の確立に尽くしてきた。健全な議会政治のために、政権交代の仕組みをつくることだと、引退後も活動してきた。そして国民の大多数が政権交代を選んだ。新しい政治が始まると国民は民主党政権に期待した。

 しかし、民主党政権は期待に応えるどころか、一年も経ずして自民党政治より劣化した政治となった。その中での国会開設120年記念式典である。野党も民主党と政権交代する智恵も力もなくなっている。こんなはずではなかったと誰もが思う。

 何故、こうなったのか。最大の原因は政権政党たる民主党の指導的立場の政治家たちの不見識にある。国民の多くは選択すべき政党に迷うことを通りこし、拠り所を失うという事態となった。与野党にわたって議会政治の原理や歴史を忘れ、国会の論議は携帯電話のメールか、ツイッターのような内容となった。国会は、120年かけて最悪の事態に劣化した。

■「小沢問題」への元議員たちの反応

 記念式典では約40人の元参議院議員が参加していた。何年ぶりかに会う人たち、同志や政敵で、それぞれに加齢していて思い出話に盛り上がったが、国会の現状を厳しく批判する話ばかりであった。話の中心は政権交代のこと、わけても小沢一郎氏のことが多くて、私に舌先が向かってくる。大変参考になった。

 自民党議員の約半分は、政権交代したことに批判的で、私の動きに厳しい追及の話があった。しかし、後の半分はきわめて前向きで民主党を正常な政党にするか、それが出来ないなら新しい健全な政党をつくってはどうかという意見であり、自民党という政党の賞味期限が過ぎていることを悟っていた。驚いたのは旧社会党の議員である。ほとんどの人が、「小沢さんに政権の中心にいてもらわなければ政治は機能しないよ」と激励をもらったことだ。

 いろんな話があったが、一つだけ紹介しておく。谷田部理(おさむ)氏の私に対する提言である、谷田部氏は弁護士で、旧社会党の参議院議員として大活躍し、社会党解党後は新社会党の初代委員長として活躍していた人物である。

 谷田部氏は、陸山会問題や公表されたばかりの平成21年度の政治資金収支報告を踏まえて、「小沢さんに巷間いわれている政治と金の問題がないことを自分は理解している。ようやく国民も小沢問題の真実を知りたいと関心を持ち始めた。そこで平野さんたちの役割は、小沢さんが政治資金を適正・適法に運用してきたことを、わかりやすく世間に知らせることだ。国民の多くは理解してくれるよ。早く政権の中核にいるようにしないと、わが国は取り返しの付かない大変なことになる。」という趣旨のものであった。

 民主党国会議員に爪の垢でも煎じて飲ませたい。

■「政治資金収支報告」に対する謀略的報道

 平成21年の「政治資金収支報告」が公開され、マスコミが一斉に報道した。その中に悪質な意図的で謀略的報道があった。

 私が平成19年から昨年まで会計責任者をやっていた「改革フォーラム21」のことだ。昨年7月21日、衆議院解散の日、民主党岩手第四総支部に3億7千万円を寄付したことで、さまざまな憶測情報が報道された。

 制度のあり方について学者や有識者が、意見を語るのは自由である。しかし、根本的事実を誤って報道したり、それに基づいて論評することは許されることではない。しかもその誤った事実をいかにも問題があるよう意図的に報道することは、政治的謀略といえる。

 問題の箇所は「改革フォーラム21」の原資に、平成6年の新生党解党時に4億7900万円の立法事務費が入っていたという点だ。そもそも立法事務費とは、衆参両院の会派に支給される公費で政党に支給されるものではない。そういう基本的制度を知らずに、12月1日のTBS「みのもんた朝ズバ」では、パネルで全額が改革フォーラム21の原資となり、それが昨年の解散時に使われたと報道の流れを創った。

 マスコミはどうしてかくも不正義の報道をするのか。TBSだけではない。読売・毎日・東京なども同じような報道姿勢であった。こういうことで誤った世論がつくられるのだ。「改革フォーラム21」には立法事務費は入っておらず、また、この時期には政党助成金制度は施行されていない。政治資金規正法の規定にもとづき、適正に措置して国家と国民のための政権交代を実現するため、浄財が生きる時を待っていたのだ。それを旧体制の立場で謀略的に報道することも間違っているが、政権交代の意義を捨て去り権力亡者となっている民主党政権も問題だ。

 朝日新聞(12月2日)によれば「改革フォーラム21」などの資金の流れについて、菅首相は「大変問題がある。解明が必要だ」と語ったとのこと。政治的指揮権でも使うつもりか。

 政権を獲得し維持するのに、自民党は数百億円の汚れた資金を浪費した時代があった。そんな政治と決別するために、小沢氏を中心にした私たちは「国家と国民のため政権交代による健全な議会民主政治」を目指し、適法・適正に資金を蓄積していたのだ。

 一昨年来、麻生自民党政権が、資金力のない民主党に「日干し作戦」を展開したことは記憶に新しい。事務所費や供託金に困窮している候補者を、これらの資金で助けて民主党政権が樹立できたのである。小沢氏に私心がないことは配布先を調べればわかること。

 鳩山政権が失敗し、「挙党体制で菅政権を」と発想したのが小沢氏だった。それを裏切り、国家の機能を崩壊させた菅首相には、正常な人間としての判断ができなくなったのではと心配している。

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Profile

平野貞夫(ひらの・さだお)

-----<経歴>-----

1935年、高知県生まれ。
法政大学大学院政治学修士課程終了。
衆院事務局に入り、副議長(園田直)秘書、議長(前尾繁三郎)秘書などを経て委員部長となる。
1992年、参院高知地方区で当選し、小沢一郎と行動を共にする。
2004年、参院議員を引退。
以降、言論執筆活動に専念する。

BookMarks

-----<著書>-----


『坂本龍馬の10人の女と謎の信仰』
2010年1月、幻冬舎


『平成政治20年史』
2008年11月、幻冬舎


『虚像に囚われた政治家 小沢一郎の真実』
2006年9月、講談社


『ロッキード事件「葬られた真実」』
2006年7月、講談社


『公明党・創価学会と日本』
2005年6月、講談社

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