Calendar

2009年9月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

Recent Comments

Recent Trackbacks

« 2009年8月 | メイン | 2009年10月 »

2009年9月30日

民主党政権への不安(続)

 『民主党政権への不安』を、THE JOURNAL×Infoseekに投稿したところ、多数の貴重な意見をいただき参考となった。ブログ読者諸君の知的水準の高さと発想の特長を学ぶことができた。相当の誤解もあるので(続)として、補足の意見を述べることにする。

 明治以来続いてきた官僚支配政治が、本格的政権交代で改革されることになった。とりあえず「自民・公明政治」の弊害が根本的に改善されることになる。そのため、新しい政治をどのように展開していくのかが、きわめて困難で重要な作業である。民主党政権のスタートでは、特別な知恵と配慮が必要となる。

 前回の私のブログを、特別な魂胆があるかのように理解された人たちがいたようだが、これは誤解である。私は74才となり、地位にも金にも女性にも関心がなく、日本の議会政治の健全な発展を祈っている民間人だ。私の視点は「議会民主政治の原理」と「日本国憲法の原理」にあり、これを冒涜する言動に対しては、いかなる政党、政治家、メディアであれ、意見を言わせてもらう。

 昨年来、「民主党の政権担当能力」が論じられてきたが、私は「政策の実施などにおいて何ら心配はいらない。大事なことは"戦略的自己抑制能力"だ」という意見を述べてきた。そして政権交代にあたっては「議会民主政治の原理と憲法の原理に対する感性を大切にすることだ」と主張してきた。

 8月30日の総選挙前後、そして鳩山内閣が成立に至るまでの経過をみるに、私が危惧していたことが表面化したので、『民主党政権への不安』のブログをあえて投稿したわけだ。「国家戦略局」「官僚の記者会見禁止」「議員立法の禁止」といった問題は、民主党政権を動かしているスタッフの中に、議会民主政治や憲法の原理に対して理解不足があるのではないか。脱官僚といいながら、議員バッチをつけて頭が官僚の政治家がいるのだろう。

 率直に言って現在進行している民主党政権の性格は、憲法の基本である「議院内閣制」を逸脱して、「内閣議員制」という奇妙な形となりつつある。議会政治とは政党政治のことなのだ。主権者である国民は総選挙で、衆院議員と政党を選んだのであり、内閣はその議員と政党が国会で首相を指名することで成立するのである。

 従って国民が自分で選んだ議員や政党に従属する関係ではないように、議員や政党が選出した内閣にその議員や政党が従属するものではない。憲法41条の「国会は国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である」の趣旨はこういったところにある。

 ところが鳩山政権が発足するにあたり、与党民主党の幹事長に小沢一郎氏が就任するに際して、政権運営と政策協議に関わらないことが条件となったらしい。議院内閣制と政党政治の民主主義の国家で、こんなことが平然と行われるとは驚くばかりだ。これだと内閣に参加しない民主党国会議員は、政党としての政策論議ができなくなる。政府に政策協議を一元化するということは、国会議員の立法権や調査権を著しく妨げることになりかねない。

 さすがに鳩山内閣でも民主党でも、これには問題ありと気がつき、小沢幹事長の指示で「各省政策協議会」という民主党全議員が参加できる機関を設けることになったようだ。何故このような混乱が起こるのか。それは「細川政権を崩壊させたのは、小沢一郎の二重支配だった」と、テレビや新聞が事実に反する報道を繰り返したことによる。武村正義氏や田中秀征氏ら旧新党さきがけの関係者の話をたれ流し、鳩山政権でも「小沢の裏支配に気をつけろ」という世論をつくりあげたことにある。

 細川政権時代、細川首相と小沢新生党代表幹事の連絡役をやっていた私は、その間の事情をもっとも承知しているが「二重支配・裏支配」といったものはまったくなかった。細川首相の主席秘書官であった成田憲彦氏も「二重支配なんか存在しなかった」と新聞にコメントしている。また、細川首相自身も私に電話で武村氏らの言動を厳しく批判していた。こういったことが民主党内の反小沢グループと呼吸を合わせたことであったなら不幸なことである。

 さて、「国家戦略局」のことだが、名称はともかく「内閣で予算編成の権限を移すことや、国家の基本方針の策定」などを決定する政治主導の機関をつくることは賛成である。しかし設置するなら国民的論議をすべきだ。内容によっては憲法に関わる問題もある。個人や政党の手柄話のようなものになるのなら、政権交代すれば画期的な制度が消えることになりかねない。

 「官僚の記者会見禁止」については、やり方によっては「国民の知る権利」を侵すことになりかねない。少なくとも閣議や閣議懇談会で決める筋合いでないことは常識である。

 「議員立法の禁止」については、新聞にそう書かれる説明のまずさにあるかもしれないが、理屈をいえば憲法は国民の請願権を規定している(第16条)。国民は、国会議員を紹介者に立法などを請願することができるのだ。議員立法を自粛とはいえ禁止ということになれば、国民の請願権を妨げることになりかねない。

 要するに国家の運営、すなわち国家権力の行使の原点は「憲法の運用」であり、行政の事務ではない。従って憲法に関する感性を鋭くしておかないと、民主党政権は自民・公明政権の失敗を繰り返す。

2009年9月26日

民主党政権への不安

 鳩山内閣に対する各マスコミの世論調査支持率は、どの調査でも70%台を超え、まずは目出度い船出である。ところで鋭い感性を持って民主党政権を観察する国民がいるので紹介しておこう。9月18日朝日新聞の「声」欄に「国家戦略局の名称は、戦争を想起させる」と、武蔵野市の老夫婦からの投書である。

>>続きは「THE JOURNAL×Infoseekニュース」で

Profile

平野貞夫(ひらの・さだお)

-----<経歴>-----

1935年、高知県生まれ。
法政大学大学院政治学修士課程終了。
衆院事務局に入り、副議長(園田直)秘書、議長(前尾繁三郎)秘書などを経て委員部長となる。
1992年、参院高知地方区で当選し、小沢一郎と行動を共にする。
2004年、参院議員を引退。
以降、言論執筆活動に専念する。

BookMarks

-----<著書>-----


『坂本龍馬の10人の女と謎の信仰』
2010年1月、幻冬舎


『平成政治20年史』
2008年11月、幻冬舎


『虚像に囚われた政治家 小沢一郎の真実』
2006年9月、講談社


『ロッキード事件「葬られた真実」』
2006年7月、講談社


『公明党・創価学会と日本』
2005年6月、講談社

→ブック・こもんず←



当サイトに掲載されている写真・文章・画像の無断使用及び転載を禁じます。
Copyright (C) 2008 THE JOURNAL All Rights Reserved.