« 2007年4月 | メイン | 2007年6月 »

2007年5月28日

<速報!>『松岡農水相自殺』を私はこう見る 

本日13時頃、松岡利勝農水相自殺のニュースが飛び込んできた。

日刊ゲンダイで松岡農水相の数々の疑惑を追いかけてきた二木啓孝氏は、この事件をどうみているのか?現時点での分析を聞いた!
(文責:《ざ・こもんず》運営事務局)

-----------------------------------------------

Q:現時点で、自殺の動機には何が考えられますか?

松岡農水相自殺の動機として、緑資源機構による談合事件で、強制捜査を受けた企業からの献金疑惑があげられているが、東京地検は「事情を聴いてもいないし、聴く予定もなかった」とコメントしている。(※1)

おそらく、検察側はこのコメントを出すことで検察が今回の自殺の引き金になったことを否定したかったのだろう。以前、衆院議員の新井将敬氏が証券会社への利益要求疑惑で自殺した日(1998年2月)、その日は検察の出頭日だった。そういったこともあって、自殺の背景に検察の捜査があることを否定したと思われる。

一方で、検察が本当に関心を持っていたのは、緑資源機構による林道整備談合と松岡農水相の繋がりではなく、熊本県(松岡農相の地元)で行われていた「特定中山間保全整備事業」の口利き疑惑だった。(※2)

2週間ほど前にも、この事件に関係していたとされる松岡農相の事務所関係者が自殺しており、むしろ松岡農水相のアキレス腱は熊本の疑惑にあった。熊本での疑惑が、最終的に死を選んだ理由ではないか。(※3)

Q:安倍政権へはどのような影響が考えられますか?

今朝の毎日新聞によると、安倍政権の支持率は32%まで落ち込んでいる。この自殺がきっかけとなって安倍政権が地すべり的に崩壊することも考えられる。

その一方で、民主党が松岡農水相の疑惑について追及を強めすぎると、状況次第で国民から反感を招く可能性もある。

いずれにしても、一両日中にメディアがどのような報道をするかによっても風向きが大きく変わるので、そこのあたりにも注目したい。(※4)


※1
リンク:東京地検幹部、「農水相から事情聴く予定なかった」(朝日新聞)

※2
リンク:「緑機構」官製談合 腐敗の根は広くて深い(秋田魁新報社)

※3
リンク:松岡農水相 地元の事務所関係者が首つり自殺(日刊ゲンダイ)

※4
リンク:内閣支持率32%に急落 不支持率は44%(毎日新聞)

2007年5月23日

丸川珠代は「反自民」??

 22日に自民党からの出馬表明をした丸川珠代元アナ。記者会見では「私はこの国に生まれてよかった。この国に育てられてよかった」と、はやくも“安倍チルドレン”ぶりを発揮していたが、周囲の誰もが「そもそも、なぜ自民党なのか」とアキレ顔だ。

 日刊ゲンダイでも報じたが、丸川はこれまで、安倍政権の目指す「美しい国」とは正反対の主張を続けてきた。たとえば、慶大教授・金子勝氏との対談本『ダマされるな!』では、イラク問題についてこう言っている。

「いったいアメリカの愛国心って誰の役に立っているのでしょう」「アメリカ国民には、自分たちの仏(ブッシュ)が信じるに値するものかどうか、よく考えていただきたい」「自衛隊まで派遣した我々日本人のほうが、よっぽどオメデタイと思われてたりして」

 安倍が継承する小泉改革についてはこうだ。

「規制緩和を進めれば、激しい競争が起きて、社会は一部の大金持ちと、たくさんの貧乏人に分かれてしまうのではないか。年金改革や医療改革を進めれば、給付が減り、負担が重くなって、ますます将来の不安が大きくなるのではないか」

 その通りのことが現実に起きているし、丸川には民主党も打診していた。それだけに、自民党からの出馬はますます「なぜ?」なのだ。

 22日の記者会見でもその矛盾点を突かれ、格差問題について「弱者を救うには経済を成長させることが大事」と語る始末。本人も「反自民」からの変節を認めた。

 彼女の主義主張はいったいどこにあるのだろうか。

 現役議員の蓮舫さん、こんな候補者をどう思います??


『ダマされるな―目からウロコの政治経済学』
410QP4J6KCL._AA240_.jpg

2007年5月21日

先週おきた3つの凶悪事件で思うこと ──福島県 母親殺害・遺体切断事件/大阪府 幼児メットイン死亡事件/愛知県 元暴力団組員籠城事件

●福島県会津若松市 母親殺害・遺体切断事件

 私は、この事件を〝突飛な事件〟として位置づけている。〝突飛な事件〟とは、類似する事件が続発する可能性が低い事件のこと。一方、事件に社会的な構造問題が隠されている場合(たとえば「いじめ自殺」など)、報道などの影響によって類似した事件が連続的に発生することがある。だが、この事件ではそういった社会的な構造問題は見あたらない。

 過去には被害者の首をチョン切る衝撃的な事件として、87年の宮崎勤による連続幼女殺害事件と97年の酒鬼薔薇事件があった。今回の福島の事件も含め、3つの事件は10年周期で発生している。ということは、福島の事件も10年に一度発生する〝突飛な事件〟として位置づけておかないととんでもないことになる。

 報道では、逮捕された少年は中学時代は成績優秀の優等生で、福島県内トップクラスの高校に進学してから落ちこぼれたという。とはいっても、高校時代に落ちこぼれた人間全員が母親の首をチョン切るわけではない。

 また、「殺すのは誰でもよかった」「戦争やテロがあればよかった」という供述は数多くある供述のなかの一部分であって、これをもって犯行の動機とするにはあまりにも小さなパーツでしかない。
 さまざまな報道がなされているが、受け手がこの事件を「どの位置にある犯罪なのか」ということを正しく認識していないと、事件の読み方を見誤ることになる。

●大阪府豊中市 メットイン死亡事件

 とんでもないバカ夫婦である。しかも、供述には「?」と感じる部分が多々ある。

 犯行に使用されたバイクは「スズキ・スカイウェイブ400」といわれている。他のビックスクーターに比べても座席下のヘルメット用収納スペースのサイズが大きい。フルフェイス型のヘルメットが2つ収納できる程のスペースがある。

 が、殺害された峯松優ちゃんは身長82cmで、ヘルメット用収納スペースには膝を折り曲げてしか入れない。当然子供はむずがるわけで、ほぼ2歳の子供がおとなしくヘルメット用収納スペースに入ってくれるとは考えにくい。母親の再婚相手でもあり、先週逮捕された田宮元貴容疑者は「前日に試してみて大丈夫だったから事件当日も入れた」と供述しているが、この供述はにわかに信じがたい。

 死体遺棄の日時も不正確だ。母親である田宮美香容疑者は死体遺棄の日時を1月31日、元貴容疑者は2月2日と供述。両者には2日間の食い違いがある。
 しかも4月23日に発見された優ちゃんの遺体は、司法解剖で「4月中旬に死亡した」と推定されている。1月31日に殺害したとする母親らの供述とのズレがあまりにも大きすぎる。これはどのように解釈すればよいのだろうか。

 殺害された優ちゃんが前夫の子で、再婚の邪魔になっていたことは本人達の話からすでに明らかである。こうなると、「ヘルメット用収納スペースで死亡した」という供述についてウノミにすることはできない。

●愛知県長久手町 元暴力団組員籠城事件

 警察の逮捕までの不手際は明らかだが、問題は、山口組から10年前に破門された男が、なぜ拳銃を所持し続けていたのかという点だ。

 現在、国内に流れている拳銃の数は推定5万丁。警視庁が把握している暴力団構成員が5万人だから、「一家に一丁」の普及率になる。4月の東京・町田の立てこもり発砲事件でも、現役の暴力団組員が拳銃を所持していた。

 末端の組員にまで拳銃が流通しているのにはワケがある。
 
 実は、バブル崩壊直前の80年代末、関東の暴力団は山口組の東上(関東進出)作戦で全面戦争がおきると考え、武器弾薬を主に中国とフィリピンからしこたま買い集めた。しかし、バブル崩壊でヤクザ戦争は回避され、武器だけが残った。
 各暴力団は、残った拳銃を秘密マンションなどを武器庫にして保管していたが、これが検挙されると暴力団対策法によって一発で組の活動が停止されるため、拳銃の保管を組員による個人保管に切り替えた。だが、シノギが苦しい組員の中にはこの拳銃をカタギに売る者もでてきた。
 当時、私も知り合いの暴力団から「コドモ(銃弾のこと)50個つきで30万で買わないか」と持ちかけられたことがある。(ちょっと心が動いた。ウソ)

 こうして一般社会にまで銃が蔓延し、暴力団組員も拳銃を個人保管している。キレやすい暴力団組員が発砲するのも当然の成り行きともいえる。

 さて、政府は4月下旬に「銃器対策推進本部(本部長・塩崎官房長官)」なるものを開催したばかりだが、いまだ具体的な対策は示されていない。現在の銃社会に対してどこから手をつけるつもりなのだろうか。

Profile

二木啓孝(ふたつき・ひろたか)

-----<経歴>-----

1949年、鹿児島県出身。
明治大学在学中から出版社勤務。
1979年、小学館「週刊ポスト」専属記者。
1983年、「日刊現代」入社。編集局配属。
1995年、編集部長。政治、企業事件、宗教問題をテーマに取材・執筆。
2007年、「日刊現代」を退社。現在、BS11編成制作局長。

-----<出演>-----

『インサイドアウト』
(BS11)
『NEWSゆう+』
(大阪ABC)
『おはようコール』
(大阪ABC)
『パックイン・ジャーナル』
(朝日ニュースター)
『アクセス』
(TBSラジオ)

BookMarks

-----<著書>-----


『宗男の言い分』
2002年7月、飛鳥新社


『殺人心理』
2000年10月、アスキー


『永田町の通信簿』
1996年12月、作品社

『手に取るように政治が分かる本』
かんき出版

→ブック・こもんず←



当サイトに掲載されている写真・文章・画像の無断使用及び転載を禁じます。
Copyright (C) 2008 THE JOURNAL All Rights Reserved.