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2007年4月16日

国民投票法案採決強行は最大の愚挙

今月13日、衆院本会議で民主党内改憲派・枝野幸男議員は、安倍首相を「あなたは究極の護憲派だ!」と批判した。

せっかく、与野党が協力して国民投票法案を練り上げてきたのに、強引に成立させようとすることで築き上げた協力関係が崩れてしまうではないかというわけだ。

安倍首相は憲法改正を7月の参院選の争点にしたいのだろうが、これに反発した民主党が独自の修正案を出し、自民党は歩みよらずに単独強行採決となった。

これで自民党内の改憲勢力はさぞかし喜んでいると思いきや、どうやらそうでもないらしい。

というのも、改憲にはまず衆参両議院の3分の2の議員の賛成が必要で、そのためには確実に野党を取り込まなければならず憲法改正のためには与野党が協力することが必須条件であるからだ。

00年に憲法調査会ができて以来、自民党は民主党に最大限の配慮をし、昨年秋に民主党が出してきた修正案を丸のみした。

これには、イザ改憲となった時に反対させないための「シバリ」という重要な意味があったのだが、安倍首相は目先の選挙のために改憲で分裂状態だった野党を結束させてしまった。

これで自民党の「与野党一緒に憲法改正」という思惑は崩れた。

安倍首相の大チョンボである。

2007年4月 1日

米国の前に沈黙する保守系メディア

 日本はやはり米国の従属国なのか。

 米国大使館が日本政府に支払うべき「土地賃貸料」を9年間も滞納していることが分かった。社民党の照屋寛徳議員が先週末、衆院外務委員会で質問して明らかになった。
 
 米国大使館は、東京都港区赤坂の一等地にある。敷地1万8000平方メートルのうち、1万3000平方メートルが日本の国有地だ。賃貸料は年額250万円とベラボーに安い。千代田区一番町にある英国大使館(3万5000平方メートル=年額3500万円)と比べても坪当たり5分の1だ。

「米国大使館が賃借料を払わなくなったのは、賃借料の値上げ交渉が98年に決裂してからです。外務省も米国大使館も詳細を明かさないが、日本政府は250万円から300万円程度にアップしようとしたのではないか」(関係者)

 たとえ交渉中にしても、米国は97年までの賃貸料250万円か、米国が適切と思う値上げ賃借料を供託すべきだ。ちなみに、米国は嘉手納基地の爆音訴訟の賠償金も未払いで、NHKの受信料も滞納している。

 米国大使館と外務省は、それぞれこう言う。

「日本政府と真剣に協議を続けている。時宜にかなった解決を得られることを期待している」
「詳細については明らかにすることを控えさせていただきます」

 米国は、在日米軍のへの見返りとして、日本からの「思いやり予算」を有形無形の形で年間約6,500億円受け取っている。このような莫大な金額を日本から貰っているから、年間数千万円程度のお金は「そんなケチなことを言うな」と考えているのだろうか。いやいや、それとこれとでは話が別だろう。

 もっとも、問題は日本側にもある。奇妙なことに、大手メディアでこの事実を報道したのは読売新聞だけだった。ニュースバリューがないと判断したのか、それとも米国に遠慮したのか、理由はよくわからない。保守系を標榜するメディアや有識者も沈黙してしまっている。自称「闘う政治家」安倍首相も同様だ。日米関係は従属関係ではなく対等関係だと主張するのなら、なおさらこれら保守系の人々が「払え」と抗議すべきなのに、みんなそろって弱腰である。

 最近気になるのは、日米関係についてよく使われる「同盟」という言葉だ。
 そもそも、日米関係にあるのは「安保条約」であって「軍事同盟」ではない。「同盟」という言葉が頻繁に使われることによって日米関係があたかも対等であるように思われているが、それは事実ではない。「同盟」という言葉の持つ“本来の意味”と“実際の現実”に現在ズレが生じている。こういった言葉の扱いに、メディアはもっと注意しなければならない。

Profile

二木啓孝(ふたつき・ひろたか)

-----<経歴>-----

1949年、鹿児島県出身。
明治大学在学中から出版社勤務。
1979年、小学館「週刊ポスト」専属記者。
1983年、「日刊現代」入社。編集局配属。
1995年、編集部長。政治、企業事件、宗教問題をテーマに取材・執筆。
2007年、「日刊現代」を退社。現在、BS11編成制作局長。

-----<出演>-----

『インサイドアウト』
(BS11)
『NEWSゆう+』
(大阪ABC)
『おはようコール』
(大阪ABC)
『パックイン・ジャーナル』
(朝日ニュースター)
『アクセス』
(TBSラジオ)

BookMarks

-----<著書>-----


『宗男の言い分』
2002年7月、飛鳥新社


『殺人心理』
2000年10月、アスキー


『永田町の通信簿』
1996年12月、作品社

『手に取るように政治が分かる本』
かんき出版

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