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« 総論賛成、各論反対。鳩山総理、腕の見せどころ
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「竜頭蛇尾」はごめんだ ── 鳩山連立政権一か月の検証 »

自民党が残した「恥的遺産」の一覧表を作れ

 外交デビューを、まずまずの出来で飾った鳩山政権が、八ッ場ダム建設中止問題で、群馬県知事、長野原町長ら地元建設推進派の猛反撃に直面している。23日、現地で予定されていた前原国交相との話し合いを地元住民は拒絶した。前原との話し合いに出席する地元代表は、長野原町長が人選した者で、推進派の町会議員が含まれていたとの情報もあり、群馬県、長野原町側の対応に作為的なものを感じる。本音では建設中止に賛成だが、大きな声に気圧されて、本心を言えない人もいるようだ。
 八ッ場ダムは、住民の半世紀にわたる強い反対を、国、県がアメとムチで切り崩してきた歴史をもっている。政治、行政に翻弄され、犠牲になったのは住民だ。多くの人は、ダム完成を前提に、移転、補償金で生活設計を考えざるをえなかった。それが、マニフェストに明記されているとはいえ、政権が交代した結果、「建設中止」と言われて、彼らが怒り心頭に発するのは、痛いほどよくわかる。前原国交相が「ダム計画を中止しても水没予定地の生活再建を国の財政支出で補償する法案」を通常国会に提出することを表明したが、当然の処置だ。
 1947年のキャサリン台風による大洪水の再来に対処するために計画されたはずの八ッ場ダムだが、昨年6月6日の政府答弁書で、治水効果が全くないことが明らかになった。また、一都五県の水需要も減少することが予測され、ダムが完成するころには、水余りで不要になるだろうとみられている。当初の目的からすれば、「ムダ」と断ぜざるを得ない。ダムの総事業費4,600億円の内、すでに3,200億円費消しているので、テレビは「もったいないから完成させたほうがいい」という老婆の声を紹介していた。
 「中止」と「継続」、どちらが安上がりかは検討に値する課題である。ダム建設に反対する「八ッ場あしたの会」は、継続するためには、残りの予算1,390億円に、さらに1,000億円程度の上乗せが必要になるが、「中止」の場合は、生活関連の残事業770億円ですむと試算している。また、これまで国や県は、代替地に温泉街を移転するが、広大なリゾート施設をつくるので、集客には支障はないと言い続けてきた。しかし、吾妻渓谷の美観が損なわれれば、観光客には魅力のない温泉地になるだろう。工事中止によって出来た残骸はどうするか。乱暴な言い方だが、「住民、勝利の碑」とでも記した碑でも建てて、「恥的遺産」(注:知的遺産に非ず)として残してはどうか。案外、新しい名所になるかもしれない。国交省は140余の公共事業を点検するとのことだが、利権を失う関係業者、民主党を含む国会議員、県会議員などの圧力は相当なものになるだろう。勇気をもって恥的遺産の一覧表を公表することを求めたい。

 JAL再建策について、24日、西松遥社長は前原国土相に公的資金投入を要請した。前原は「再建計画の実現性に納得できない」と拒否した。JALの経営実態は、国策会社のぬるま湯に漬かっていて、ひどいものである。それは経営陣だけでなく、労組も、労使協調路線をとるJAL労組と、地上職、整備職、パイロット職、客室乗務員職などで構成される反会社系7組合に分かれていて、人間関係・労使関係が複雑である。労使ともに再建に身を切る覚悟がないかぎり、公的資金という名の税金の投入には反対である。全日空に肩入れする気持は全くないが、極論を言うなら、JAL=日航の名にこだわることなく、解体してもいいのではないかと、考えている。むしろ、この際、JALの経営問題に矮小化するのでなく、赤字に苦しむ地方空港の存廃を含めて、航空行政の在り方を抜本的に見直し、さらに、高速道、JR,貨物輸送、フェリーなど、多様な交通、輸送手段を立体的、有機的に再検討し、いままでの無きに等しい総合交通体系を再構築するとともに、貧しい地方自治体に任せっぱなしの、人口過疎地のバス路線の維持、確保を検討すべきである。

 鳩山政権の、このシルバーウイークの使い方はみごとだった。本来であれば、「お休み」のはずの四連休を、総理と岡田外相は国連とアメリカを舞台に、国内では、各閣僚が立ち入り調査という行動で存在感をアピールした。幹事長・小沢一郎は、国会審議、議会運営、企業団体献金の禁止と個人献金の在りかたという、地味だが、立法府の根幹にかかわる問題を調べるために訪英した。国民はわが国が抱える課題と問題点の大きさと根深さを、改めて理解したであろう。また、今回の政権交代が、「一票による無血革命」といわれたのが、見当はずれではないことを実感したのではないだろうか。それだけに、民主党が「各論反対」の圧力に屈し、竜頭蛇尾になるのでは、と不安を感じた人も少なくないと思う。亀井静香金融相が中小企業対策で大胆な持論を展開し、他の閣僚が戸惑っているのも、連立政権ならではのことである。閣内で議論百出することは、方針決定の過程が透明になるので歓迎だが、はしゃぎすぎると、自民党につけ入る隙を与え、政権崩壊の危険につながることも銘記すべきだろう。「百花斉放・百家争鳴」は大賛成。が、結論が出たら「一致団結」だ。これが民主政治のイロハである。もう一点、大事なことがある。自民党が、新総裁の下で、過去のしがらみから脱却し、民主党に真っ向からわたり合える国家像、政策を提示し、骨太の論戦を挑める政党に再起することである。「強い野党」は健全な政党政治にとって不可欠の要素である。

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二見伸明さん

1. ご説の「恥的遺産」が特色極まったケースでは、挑戦的なビジネス感覚が、各現場でカネを生む出す何らかの知恵を紡ぎ出すかも知れません・・、場合によっては自虐趣味を売り物にしてでも・・、地元住民に「その気がある」前提ですが・・、香具師にも気を付ける必要もある・・。

2. ダム2件とJAL関連での前原国交相の対応は、立派であったとYellを贈ります。嘗てこのTheJournalでは散々な言われ方でしたが、困難な場に臨んで平穏と適度の緊張を感じさせる表情を保っていたこと、降って湧いたJAL問題から、引用【航空行政の在り方を抜本的に見直し】に切り込んだ的確さは見事です。彼も成長したと思える。防衛や安保には思いが強すぎるのかも・・、過ぎたるは及ばざるが如く。

3.【はしゃぎ過ぎ】の亀井静香金融相は、郵政問題も控えており、政権政党として民主党が、そろそろ抑えに掛らないと・・、一旦上品に処すると、益々図に乗る下品な性癖がある人物故に・・。此処で前時代的な「井の中の蛙」を遣られては、「日本人の誇りに傷が付く」というと、「若干」は言い過ぎだが・・。

JALの問題は、放漫経営、組合が強すぎることなどのほか、採算のとれない地方空港への就航がありますね。こう書きますと、かつての国鉄問題とそっくりです。土建国家日本は、ダムや高速道路、空港や港湾などを、ひたすら作り続けてきました。JALはそんな国策の犠牲者という側面もあるでしょうが、こうなれば赤字路線は全面的に廃止するしかないのではないでしょうか?かつての国鉄と同じように。そうなれば、閉鎖になる空港もでてくるでしょうが、そのときは「恥的遺産」の中に廃止になった空港跡も含めるべきでしょう。そして愚かさと強欲のシンボルとして、子々孫々に伝えるべきでしょう。

> 亀井静香金融相が中小企業対策で大胆な持論を展開し、他の閣僚が戸惑っているのも

亀井さんのこれまでの政治手法を見ていると、 どこまでが本気で どこまでがブラフなのか。
この政策を出して 中小零細企業の味方であるとの姿勢を見せることにもなるし、銀行業界に脅しをかけることで、最終的には 銀行業界との接点を得ようともしているのかな。どっちに転んでも、自分のほうに得になるように行動しているはずですよね、亀井さんくらいの政治家になれば。 

彼の「支払猶予」が表のメッセージあれば、金融業界に対する裏のメッセージもあるはず。
亀井さんのみならず、国民新党にとっても、国民から見えない裏のほうで 銀行業界が擦り寄ってきて、そことのパイプを構築できればそれは得がたい財産になる。

①私も亀井静香は好きでない。
しかし、100年に一度の金融危機と言いながら、誰がモラトリアムを提唱したか伺いたい。

②竹中平蔵が未だに郵貯230兆の米国向け投資を主張する中、モラトリアム対策資金は有り余っている。

③モラトリアム発言で銀行株がストップ安になったが、国策対銀行融資を想定しているのだろうか。

④¥@$=88.xx円の今、モラトリアムは中長期的には、景気刺激策になる。
このメカニズムは国家戦略会議のアジェンダである。

⑤藤井財務の『モラトリアム・・・??・・・発言』は納得できるが、政策としての検討価値はある。


自民党のみなさん、残念でしたが、頑張って下さい。

谷垣さんでは民主との対立軸がありません。あるとしては単に増税派という印象です。

新聞やテレビは「温厚な人柄」を上げていますが、太平の世ならいざ知らず、今回の様な惨敗の後の頭領としては最低です。その事が分かっていない自民党の議員は情けない。

今回は小泉政治とのオサラバを国民に植え付け、保守本流(昔の保守本流ではない、、、)に戻るために、安倍氏に頑張ってもらう、平沼さんを頭領にする、そして西村氏や城内氏にも中心にはいってもらうしかなかった思います。本当に自民党は腐ってしまいました。

山本・セコウなどの茶坊主はテレビに出さない事。
石破氏の幹事長は良いとして、大島氏のギタギタした顔は選挙にマイナスです。要職につけるとの報道が入っていますが、園田・大島を入れる様では「自民党もオシメイよ」

谷垣さんの自民総裁就任で、結局 自民は 再配分政党の途を行くことになりましたね。
民主党も 再配分政党、野党の自民党も 再配分政党。
これで、日本には 成長戦略を重視する自由主義政党がひとつもないことになった。

これは、欧米の標準ではないですね。
欧米は、一つが 再配分だとすれば、もう一方の柱になる政党は「いかに稼ぐか」を重視する自由主義路線の政党というのが スタンダード。
今回は、ドイツは 総選挙区の結果 再配分から自由主義路線に舵を切った。 
日本人が気づかないうちに、ヨーロッパは 社民路線から 再び 自由主義に舵を切りつつある。

アジアでは、韓国が自由主義路線を突っ走っている。 韓国経済はいま 絶好調だ。 おそらく 遠からず 韓国の一人当たりGNPは 日本を抜く。

日本にも 自由主義路線を標榜する大きな政党が必要ですね。

自由主義路線を主張する河野太郎が主導する自民党ならば、応援しようと思っていたのですけどね。


「恥的遺産」という事で、私が心配する事ではないけれども、「自民党ヒストリー」ビデオの中に宇野総理が忘れられていなくってホッとした。

 今回の前原発言は状況説明もなく「マニフェストに書いてあり中止します。」ではマニフェストに忠実足らん意欲は是とするが手法としてはいかにも偏差値議員らしい対応ではなかったのであろうか。
 鳥取県知事だった片山氏はダムを中止する際、「誤った情報資料であるとわかれば情報公開法の処罰の対象になりますよ」と述べられた上で、担当者から正しい資料を提出させました。その上で、中止の場合、対案及びそれににかかる費用や建設を継続するための費用等具体的根拠を示しながら、建設中止で生活設計を再変更しなければならない人に対し補償を含め懇切丁寧な説明や対応を行い、円満な形で建設中止にこぎつけトラブルを未然に防ぎました。 
 今回の対応は政治家として余りに未熟で永田メール事件の執行部の未熟さを改めて髣髴させる対応ではなかったのか、前原さん等中堅議員は片山氏の例を今後の対応において参考にして欲しい。
 ダムを始め、道路、港湾等公共事業における建設計画について現時点でデータを官僚の手持ち資料だけでなく第三者の持つデータを含め再検証し計画の継続、変更、中止等を改めて判断すべきではないでしょうか。
 特に計画に使用されたデータは年金計算の出生率経済成長率等全てに天下り先シンクタンクを利用した数値による辻褄合わせが行われていました。このことを考えれば他の事業も同様に計画に合わせた数値を取捨選択する恣意的操作が行われた可能性が高いと思います。
 大型公共事業等を含め全ての計画の妥当性について早急に検証することが求められます。

命名が気にいました
恥的遺産とは、
一覧表を公表も大賛成です。
八ッ場ダムの総事業費4,600億円の内、すでに3,200億円との事ですがその内の「天下りの人達の所得はいくらですか」教えていただければ嬉しいです。
JAL=日航の名にこだわることなく、解体してもいいのではないかと・・・思い切ってやれば良いですね全国の空港に世界の格安会社が入れば喜ぶ人も出るのでは。
過去を覆す情報が当紙で見られるのが楽しみです。

痴的遺産のネーミング、いいですね。前原さんは今までが酷過ぎたので拍手を浴びていますが、まだまだ褒める段階には至っていないと思います。

マニフェストに書いてあるからやめるという言には、その言い方も含めてあきれました。秀才はあかん。

民主党がかびの生えた蔵の掃除をするのは大歓迎ですが、にっちもさっちもいかなくならないよう一歩一歩着実に進んでいっていただきたい。ところで、痴的遺産にオリンピック招致は入るのでしょうか?  

私は、永田メールの事もあり、また、なんとか塾出身者の胡散臭さもあって、前原氏には期待していなかったのですか、氏もメール問題での挫折などで成長したのか、日曜のサンプロでは、実に堂々としていました。これからも、国民に対して、理路整然と説明して頂けば良いと思います。

あんまりこういう悪趣味なネーミングは止めた方がいいと思う。
なんだかんだ、自民党政権下で我々は世界でも上位の生活を手に入れてたわけでしょ。
民主党の政治家も、ここの勇ましい御仁たちも。
リストアップして見直すことはもちろん有意義だと思うけど、
こういう唯我独尊的な言い方はどうですかね~。

これから政権を担う現政権も手足縛られることになるから、
もうちょっと大人げあるやり方する方がいいと思うんですが。

ルサンチマンを抱いた人たちには馬の耳に念仏でしょうが。

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Profile

二見伸明(ふたみ・のぶあき)

-----<経歴>-----

69年12月の衆院選に初当選し、以後8期23年。
小沢一郎、羽田孜、石井一、森喜朗と同期。
公明党政策審議委員長、副委員長、運輸大臣を経て、94年、新進党。
97年暮の新進党解体により、小沢の自由党結党に参加。総務委員長、国対委員長。
2000年春、自由党分裂に際し、小沢と行動を共にする。
小沢対羽田の一騎打ちの新進党党首選では「四海波穏やかなときは羽田がベストだが、激動期は小沢の豪腕がベスト」と表明し、小沢の推薦人になる。

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