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« 毒なきは丈夫にあらず(無毒不丈夫) 魯迅
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バカにつける薬はない ── 居安思危(賢者は安きに居て危うきを思い、愚者は危うきに居て安きを思う) »

「来た、見た、勝った」 ── <無血革命>一週間前の点描 

 落語の楽太郎師匠が「明治以来の権力構造を変える選挙だ。生易しいものではない。皆さんお一人お一人が、一票一票掘り起こしてください。行政に何かしてもらおうという時代ではない。私たちが政治を変え、社会を動かしていく時代なのだ」と熱弁をふるっていた(8月18日正午、東京・江東区の民主党公認候補、東祥三の出陣式)。区会議員たちは、私の問いに「外交問題の専門家が4年間、区民と膝をつきあわせて語り込んできたことを、区民は知っている。本人は生命を賭けている。だから、今日、集まってきた支持者の顔ぶれも顔付きも、4年前とは大違いだ。小選挙区の戦いは真剣勝負だ。『風』をあてにしていない」と、意気軒昂であった。

 その晩、鎌倉で旧友たちとの懇談会があった。話題の中心は選挙である。

「小選挙区制は、個人より政党を重視する選挙で、イギリスでは、党首の識見、人柄、政治力などに信頼があり、それを支える党幹部がしっかりしていれば、候補者は誰でもいい。『ブタでも当選できる』とさえいわれている。日本はそこまで成熟していないので、候補者の人柄や実績も重視されるから、世論調査どおりにはならない」

「新聞記者時代の経験だが、あまり『民主党有利』と書かれると、小泉純一郎の『刺客選挙』の反動もあって、『それじゃ、自民党にも付き合っておくか』という振り子現象もでてくるのではないか」

「それにしても、自民党には総理にふさわしい人材がいない。民主党は、小沢、鳩山、菅、岡田の四人が、がっちりスクラムを組むと、自民党は、歯が立たないだろう」。
「民主党にはミクロのスペシャリスト(狭い分野の専門家)は多いが、広い視野から判断できるマクロのゼネラリストが少ない」

「剛腕・小沢の存在が大きい。小沢流選挙運動が浸透してきて、若手の動きも堅実のようだ」

「公明党はどうなっちゃうのか。党幹部や創価学会の首脳の考えはわからないが、普通の支持者や学会員の考えは民主党の政策に近い」

「支持者には、イラク戦争で、ブッシュ大統領にヨイショして、小泉のお先棒を担いだことへのトラウマがあるようだ。自民党が下野した場合、自公野党連合戦線を組む度胸はないだろう」

「政権担当能力という点では、自民党はゼロだ。民主党には不安もある。しかし、未知なるがゆえに、大化けの期待もある」

「官僚出身者が多いので、公務員制度に十分にメスがいれられるだろうか」

 私たちの結論は「自民党の政治の先は見えている。一度、民主党に、『安保改定50年のアカ落とし』をさせ、『霞ヶ関改革』をやらせてみよう。うまくいかなければ、政界再編だな」であった。

 翌19日午前、東海道線藤沢駅前にある民主党公認、中塚一宏選挙事務所で、旧知の選挙参謀と話しあった。地元有力者と思われる紳士がひっきりなしに訪れ、「町内に配るよ」とマニフェストを持ち帰っていた。「4年前とは全く違います。だからといって、『風』に浮かれているゆとりはない。自民党候補、社民党候補は、知名度のある前議員だ。地べたを這いつくばって一票一票広げる以外に勝つ術はない」と必死だった。事務所の女性運動員も、訪ねてきた人を「単なる支持者ではなく、家族、友人に声をかけてくれる強力な支持者になってもらおう」と、応対に懸命だった。
 20日午後、藤川富雄・土浦市議と茨城県つくば市の労組委員長を訪ねた。彼は「初めて、自分の一票で政治が変わると実感している。組合員も今回の選挙の意義を理解して投票所に行くと思う。公約が直ちに、全て実現出来るとは思っていないが、一つでも二つでも実現し、この選挙で登場する沢山のチルドレンを、小泉チルドレンの二の舞にしないように全力を尽くしてもらいたい。我々は喜んで応援させていただくが、有権者の一人として、厳しく監視もする」と好意的かつ真剣に語ってくれた。

 1993年10月、カナダの下院選挙で、政権政党・進歩保守党は154議席からわずか2議席に激減した。この惨敗の一因に、カナダ保守勢力内にあった反目、対立が指摘されているが、それ以上に、小選挙区制特有の怖さを示していると言えよう。20日付朝日新聞の選挙情勢分析によると、25%の人が、「選挙情勢によっては、投票先を変える」と回答している。「民主優勢」の報道に油断することを「権力の魔性」は舌なめずりしながら、期待しているのではないだろうか。「風」に油断することなく、「風」を利用するしたたかさがあれば、雪崩現象を引き起こして、自民党を壊滅・解体に追い込むことも可能である。勝負は小選挙区だ。

 日本に必要なのは小手先のメンテナンスではない。抜本的なリフォームである。
クレオパトラを射止めたローマの英雄、シーザーではないが「来た、見た、勝った」の報を全世界に発信したい。

<追記>
新型インフルエンザが猛威をふるいはじめた。握手の自粛、消毒液の確保など選挙運動にも影響してきた。投票日まで1週間。新型インフルが大爆発した場合、投票率にマイナスの影響を与えるだろう。マスコミの報道のしかたを注意深く見守る必要がある。また、自民党はこれを奇貨として「新型インフルに万全な対応が出来るのは自民党だ」と宣伝するだろう。民主党も政権交代を意識してか、厚労省からヒアリングをうけている。いずれにせよ、これを政争の具にさせてはならない。

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Profile

二見伸明(ふたみ・のぶあき)

-----<経歴>-----

69年12月の衆院選に初当選し、以後8期23年。
小沢一郎、羽田孜、石井一、森喜朗と同期。
公明党政策審議委員長、副委員長、運輸大臣を経て、94年、新進党。
97年暮の新進党解体により、小沢の自由党結党に参加。総務委員長、国対委員長。
2000年春、自由党分裂に際し、小沢と行動を共にする。
小沢対羽田の一騎打ちの新進党党首選では「四海波穏やかなときは羽田がベストだが、激動期は小沢の豪腕がベスト」と表明し、小沢の推薦人になる。

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