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総理一年の使い捨て

 液状化した自公政権の底が抜けて底なし沼になった。民主党が分裂したことで勝算のあった静岡県知事選で敗れたのは自公にとって致命傷である。静岡県民は麻生総理と自公に政権担当能力がないと烙印を押したのである。都議選の結果、自民党が大幅に議席を減らした場合、民主主義を蘇生させるために麻生総理の取るべき最良の道は、直ちに総辞職をして、民主党中心の選挙管理内閣を作ることである。麻生総理が、総辞職するのはプライドが許さない、というのであれば、次善の策として、直ちに衆議院を解散することである。

 「麻生おろし」は、自民党内の、なんとか自分だけでも生き残りたいというご都合主義に他ならない。首をすげ替えれば、支持率が急上昇するという考えほど、国民を愚弄するものはない。麻生総理が党内の圧力に屈し、総裁選を前倒ししたとしよう。総裁候補は、小泉・竹中の「市場原理主義」という冷酷な「弱肉強食」路線をどのように評価・総括するのか、麻生総理を、選挙の顔として担ぎ出した責任はどうなるのか、を明らかにしなければならない。また、舛添厚生労働相が出馬の意欲をもっているようだが、もし、そうであるならば、年金その他、厚労省に関わる不始末と、麻生内閣の一員として総理を支えられなかった責任を語ってもらわなければなるまい。かつて、私は「朝まで生テレビ」などで何度か舛添氏とやり合ったが、舌鋒鋭く、相手をやり込める名手で、ネオコン的で、マキャベリストで、スタンドプレーヤーという印象だけが残っている。

 自民党の発想の救い難さは、日本国の大黒柱のはずの総理大臣を、タレントと同質の「選挙の顔」としてしか認識していないことである。裏を返せば、国民の声や、最近では希少価値になりつつある政治家の見識など、受け付ける気の毛頭ない強固な「霞ヶ関軍団」が一から十まで面倒を見てくれるから大丈夫という依存心と安心感があるということだ。竹下登元首相(故人)は「歌手一年、総理二年の使い捨て」という名文句を残したが、いまや「総理一年の使い捨て」で、消費期限(賞味期限ではない)は短くなる一方である。

 政権交代とは、国の姿,形を変えるものである。足利幕府・織田信長・豊臣政権時代は、国家という概念は希薄でありながら、外国との交易が巨万の富をもたらすことを知る「国際社会に開かれた日本」だった。しかし、豊臣政権を打倒した徳川は、外国勢力への恐怖心と、政権維持のために鎖国し、士農工商の身分制度、米本位制の農本主義、幕藩体制の国にした。明治維新は、幕藩体制を維持しながら改革を模索する徳川政権を否定し、廃藩置県、地租改正(=税制改革)、身分制度の廃止、教育制度の確立など、近代国民国家の基盤を作ったのである。その荒仕事をしたのが西郷隆盛、大久保利通、坂本竜馬である。

 小沢一郎が主導し、日本社会の大潮流になりつつある「政権交代」は、単に、内閣が自民党から野党連立政権に移り、総理大臣が麻生太郎から鳩山由紀夫に変わるという底の浅いものではない。国の形を変えるのである。民主党の旗印である「霞ヶ関改革」「地方分権(=地方主権)」「生活第一」を見てみよう。

 これまで、総務省は地方自治体に、「条例を作る際のヒナ型」を提供してきた。しかし、「地方分権が喧しくなって」、いまでは「ヒナ型」は作っていない。それに代って、各省庁が「参考にするように」と「参考例」を提示している。そればかりではない。本来、国のヒモ付きではなく、地方が自由に使える交付金も、実体は、関係官庁にがんじがらめに縛り付けられている。例えば、15兆円の補正予算の目玉「雇用創出交付金」3000億円の遣い道にについて 所管の厚生労働省はこと細かな条件を付け、その条件に添った交付金申請書を各県に出させている。このため、各県の担当者は「地方の実状を知らない中央官僚が、最も遣い勝手の悪いものにしている」と批判している。

 「霞ヶ関改革」と「地方分権(=地方主権)」はセットである。キーワードの一つは「補助金」である。「霞ヶ関」は補助金をちらつかせて地方自治体を支配下に置き、自民党議員は「中央から補助金をとってくる」ことで、選挙地盤を維持してきた。小沢一郎の持論「補助金制度を廃止し、地方の自主財源にする」は「霞ヶ関改革」の真髄であり、地方分権のエンジンである。自民党議員にとっては兵站基地を爆破されるようなものだ。

 「生活第一」を検証してみよう。財源論からの厳しい批判はあるが、「子供手当て26,000円、公立高校の授業料無料(私立高校生には同額を支給)」は、深刻な社会問題になっている少子化、教育格差拡大に一定の歯止めになる。「高速道路無料化」は、物流コストが削減され、物価が安くなり、生活防衛になる。ヨーロッパでは実施されている「農家の戸別所得保障制度」は、アメリカからの猛反発が予想されるが、農業・農村再生の切り札であり、国土の荒廃を防ぐ、広義の治山治水対策でもある。コメ自由化が日米間の重要課題だったとき、訪日したヤイター農務長官が「東京都民は安いコメを望んでいる」といったのに対し、私は「都民の故郷は、大半が農村だ。親、兄弟の農業が廃れていくのを喜ぶ者はいない」と反論したことがある。

 民主党の「革命的改革」構想を凌駕する自民党と公明党の政権構想やいかに。日本人は、いま、国の形、暮らしのあり方について、真剣に、かつ、真正面から考えている。過去の解散・総選挙は自民党内の権力闘争で勝利した者が、自らが統治権者であることを国民に認知させるためのセレモニーであった。今回の総選挙は、これまでとは全く違う。国民が自らの意思で、国の形、暮らしについて判定を下すのである。信じ難いことだが、日本人にとって初体験である。自公は歴史的な時代認識と大構想を国民に提示せず、「鳩山献金問題」という「重箱の隅」をつついている。マスコミ各社は「時代」を読もうともせず、茫然自失で「鳩山献金問題」が政権交代よりもはるかに重要であるかのようなピンぼけの報道をくりかえし展開している。

『選択』7月号の興味ある記事を紹介しておこう。

「収入減に苦しむ新聞業界をテコ入れするため、政府や行政から救済・援助を取り付けようとする仰天プランが新聞業界で浮上している。しかも、日本新聞協会を挙げての構想というから驚きだ。プランの柱は売り上げ減の原因の一つとされる、若者の新聞離れを食い止めようとするもの。若者が新聞を読める環境を整えたり、学習教材に新聞を活用するよう行政にも強く働きかける意向だ。こうしたテコ入れを先導するのが、新たに新聞協会会長に就任した内山斉・読売新聞グループ本社社長。(以下略)」

 民主党バッシングの謎が解けた。マスコミの「わが身、可愛さ」である。

 アメリカ人はオバマ氏を大統領に選んで、アメリカを大きく変えた。明治維新は外様大名の下級武士がやってのけた。平成維新は野党と国民が成し遂げるのである。

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Profile

二見伸明(ふたみ・のぶあき)

-----<経歴>-----

69年12月の衆院選に初当選し、以後8期23年。
小沢一郎、羽田孜、石井一、森喜朗と同期。
公明党政策審議委員長、副委員長、運輸大臣を経て、94年、新進党。
97年暮の新進党解体により、小沢の自由党結党に参加。総務委員長、国対委員長。
2000年春、自由党分裂に際し、小沢と行動を共にする。
小沢対羽田の一騎打ちの新進党党首選では「四海波穏やかなときは羽田がベストだが、激動期は小沢の豪腕がベスト」と表明し、小沢の推薦人になる。

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