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« 医者を増やせば医療崩壊を解決できるのか?(4)── フリーター医師の増加は過酷な労働が原因か?
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「社会保障と税の一体改革案」のマヤカシ »

東日本大震災の教訓、日本は一刻も早く「病院船」を持て!

 今回の東日本大震災では、医療救助の遅れも大きな問題となった。被災地にある病院から運ばれた患者が、十分なケアを受けられず死亡したり、ライフラインが止まったために災害拠点病院でも患者に対応できなかったりした例が相次いだ。それでも、阪神大震災のときよりは、全国各地から医療チームが即座に派遣されたりしたので、災害医療は進歩したとされる。

 しかし、日本の災害医療はまだまだ万全ではない。

 私は、阪神大震災のときにも提言したが、日本は一刻も早く「病院船」を持つべきだと考えている。今回は、被災地への陸路が遮断されただけに、海からの救助活動がなによりも重要だった。ところが、それをしても患者を運び込める設備のある病院がなければ、救助も無意味になる。

 こうしたことをカバーできるのが、病院船である。病院船というのは、もともとは戦時に傷病兵を収容・治療するために軍隊が所有したものだったが、国際赤十字活動が確立されるにつれ、国際法上でも軍事的攻撃から保護される船として、現在では多くの国々、各国の海軍が所有している。しかし、日本は島国にもかかわらず、1隻も持っていないのである。

 病院船は、平時においては、過疎地の医療巡回や災害時の救急医療などに、大いに役立つ。いまの病院船は、ヘリポートを持ち、携帯電話の基地局も設置できるから、今回のような大災害には、もっとも有効な救助活動のベースとなり得るものだ。もちろん、完全看護の病室、手術室を持ち、医薬品も食糧も積み込み込める。したがって、もし日本に病院船があれば、三陸沖に派遣するだけで、どれだけの命が救えたかわからない。

 かつて日本も、第二次大戦時までは氷川丸のような病院船を所有していた。しかし、現在では、海上自衛隊ですら病院船を持っていない。一部の艦船が、災害時の医療機能を考慮して設計されてはいるが、自己完結型の完全な病院船ではない。

 たとえば、アメリカには有名な「コンフォート型病院船」と呼ばれる病院船が何隻もあり、近年ではハイチ大地震のときに大活躍した。

 今回の東日本大震災では、中国がいち早く、が救援物資提供のほか、医療救援や防疫チーム、海軍の病院船の派遣を表明した。しかし、日本は医療チームは受け入れたが、病院船の派遣には難色を示した。

 災害時に、援助を受ける方がその選り好みをするなどしてはいけないことなのに、民主党政権はこれをやってしまった。平和国家・日本を謳うなら、海外援助にも活躍できる病院船を、日本は一刻も早く持つべきだろう。

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ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

富家様

自己完結型の病院船を持つ・・・
激しく同意いたします。

そして
>今回の東日本大震災では、中国がいち早く、が救援物資提供のほか、医療救援や防疫チーム、海軍の病院船の派遣を表明した。しかし、日本は医療チームは受け入れたが、病院船の派遣には難色を示した。<
には怒りを覚えます。
外務省が悪いのか官邸がたわけだったのか?
中国の支援だけではありませんね。
台湾からの支援でもいろいろとあったやに記憶しています。

とにかく何事も遅すぎる!
石巻に淡水化装置(100t/日処理可能)が設置されたのが3月22日のこと。
河川やプール水も浄化できる緊急用ポータブル浄化装置もあるのだから、今後何とか国も自治体も検討していかなくては、と思います。

ところで、今回実際診療に当たってらっしゃる応援の医療関係者の方々のお話では、患者さんと初めて接するので、既往歴の特定、禁忌薬など基本情報が中々聞きだせず苦労している、ともお聞きしています。

日本は不幸な経緯から電子カルテの導入率が低いとも聞いていますが、お名前や住所から、全国どこでも少なくとも既往歴くらい検索可能なデータベースが必要なんではないか、とも思っています。
レセプトオンラインシステムから何とかデータ引っ張ってこれないですかね?

富家 様

病院船の必要性は、よく理解できます。異論のある人はいないでしょう。
問題は、日本の行政機構が縦割りであって、横断的ではありません。所属をどこの省にするか。防衛省、厚生省、文部省、外務省などの候補が考えられますが、むずかしい。はっきり言って、これらの省を説得して決められる政治家が有りや無しや?

単に病院船ではなく夢と希望を

乗せた「空母」である。

空母「大和」を造り、国家浮揚のための国策をする。

国民の希望、望み、夢を乗せ、災害時や他国での

自国民救出の為に一万人規模の人々を一斉に救助出来、

しかも経済の浮揚対策にも成り、日本の科学力の粋

を結集した空母「大和」を造るべきである。

確か数年前まで瀬戸内で病院船が稼動していたと思います。
離島の方の為に健康診断を中心に稼動していたのですが財政難を理由に廃止されたと記憶していますが。。
小泉改革の負の遺産だと認識していましたが。。。

 医療系サイトをみると、石巻の医療の現状は、日赤が奮闘しているようですが、かなり大変みたいです。津波によるヘドロ、上水道がないから、食事も手を洗わないで食べざるを得ない、衣服も洗えない、もちろん、風呂も入れないし、赤ちゃんの沐浴もできない、下水道がないから、水洗トイレなどもってのほかだし、浄化層も逆流したりしているそうで、今は特に肺炎が多発しているそうです。
 ナイチンゲールが、戦場で看護の基本中の基本として、衛性的にすることを強調していましたが、それが期待できる環境を作ることが、津波で上下水道の被害を受けたところでは、できない。その点で、病院船は、非常に有効でしょう。ただ、もし外国から借りれたとしても、10隻や20隻ぐらい必要になる状況なんじゃないかと危惧します。

病院船だけでは無くて、物資、仮設住宅資材を積載した船を常時準備しておく。
ただし対象は日本だけでなくて、全世界の災害を対象とする。
人員、費用はかなりの負担になると思いますが、軍事による世界への貢献よりは、理解と賛同を得るのでは?
税金の使い道としても、役にたたない公務員の給料に充てるよりはましなのではないでしょうか。

連投失礼します。
 石巻日赤病院自体は機能しているようなので、上記衛生環境の破壊は、むしろ、避難民の話。公衆衛生上の問題で、病院機能のある病院船もあればいいでしょうが、さらに、衛性的な日常生活を提供できる「客船」や「フェリー」でも、接岸させれば、かなり助かるんじゃないか。それだったら、日本にもたくさんあるでしょう。
 ストレスが慢性化することで、免疫力も落ちてくる頃である。感染症の拡大を予防するためにも、いいんじゃなかろうか。

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富家 孝(ふけ・たかし)

-----<経歴>-----

医師・医療ジャーナリスト。
1947年大阪市に生まれる。
1972年慈恵医大卒。
開業・病院経営・日本女子体育大学助教授を経て、現在、オフィス51取締役。
新日本プロレス・ドクター。
慈恵医大相撲部総監督。

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